有価証券報告書-第24期(令和1年7月1日-令和2年6月30日)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
(経営成績)
当連結会計年度における我が国経済は、昨年の10月に施行された消費増税により個人消費が下押しされたことのほか、年明けからの世界的な新型コロナウイルスの感染拡大により全国規模での外出自粛や、人との接触を避けるための広範囲な業種にわたる営業自粛、休業要請等により、景気は急速に悪化する状況となりました。
当業界においては、新型コロナウイルスの感染拡大により製造業の操業抑制や各種イベントの中止、外出自粛等の影響により、国内全般の電力需要は例年に比べ大幅に低下いたしました。業界の動向としては、2015年6月に電気事業法が改正され2020年4月より発送電分離が行われおります。また、気候変動に係る温暖化ガス排出について、国連気候行動サミットでの報道が関心を集め、我が国における石炭を使用した発電の適否について注目を集める事態となりました。
このような状況のもと、当社グループの発電事業においては、第1四半期の多雨に基づく燃費悪化やリサイクル木材中心の燃料配分による売電単価の低下、さらにエフオン日田、エフオン豊後大野発電所の送配電会社への販売先変更によるプレミアム廃止に伴い収益水準は低下いたしました。一方、エフオン壬生が竣工後順調に稼働したことで、当社グループの業績向上に大きく貢献し前年同期との比較においては増収増益とすることができました。定期整備は、10月から12月にかけてエフオン白河、エフオン日田発電所が、4月にエフオン豊後大野発電所が年次定期整備を行いました。これらの発電所はボイラーやタービン法定点検の年に当たっており例年の整備日数より1~2日程度停止期間が延びたもののその他期間については極めて順調に稼働しております。エフオン壬生発電所については、5月に自主点検を実施し新設設備の不具合の予防保全に努めております。各発電所では利益の向上に向け動力系のエネルギー効率の改善や燃料総使用量の低減のためさまざまな取組を実施しております。これらは当社グループ内で相互に共有され、発電所運営に関するさらなる技術向上に大きく貢献しております。こうした取組を通じ送電量全体は、エフオン壬生稼働を含め前年同期を大きく上回る成果となりました。また、和歌山県新宮市での発電所建設計画においては、今のところ新型コロナウイルスの感染症の影響もなく計画通り進捗しております。
省エネルギー支援サービス事業では、複数のオンサイト自家発電プロジェクトが満期終了を迎え対前年同期の比較で相当程度売上高は減少しております。これらのプロジェクトのうち一部において設備の有税償却を実施していたことから、満期終了に伴い繰延税金資産の取崩を実施いたしました。また、税務上の繰越欠損金については、充当期限の到来したものが切捨てられたことで、償却超過額の認容と合わせ法人税等調整額が減益向きに増加いたしました。
これらの結果、当社グループの当連結会計年度の業績は、売上高12,218百万円(前年同期比10.6%増)、営業利益2,927百万円(前年同期比2.7%増)、経常利益2,826百万円(前年同期比8.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,757百万円(前年同期比15.7%減)となりました。
(省エネルギー支援サービス事業)
当連結会計年度において、外部売上高については第1四半期及び当第3四半期において既存のオンサイト自家発電事業の一部のプロジェクトの期間満了により稼働プロジェクトが相当程度減少しており、前年同期との比較では売上高、営業利益ともに下回る業績となりました。新規案件については、新型コロナウイルス感染拡大防止措置により顧客との細部調整に時間を要することとなり、次年度へ継続して推進することとなりました。内部売上高については、連結子会社のエフオン壬生での新規発電所建設が終了し工事進行基準売上を計上しております。
当連結会計年度の本事業セグメントの業績は、売上高では5,752百万円(前年同期比26.8%減)、営業利益16百万円(前年同期比34.0%減)となりました。
(グリーンエナジー事業)
当連結会計年度におけるグリーンエナジー事業は、既存の発電所において、近年の定常的な降雨量の増加による木質チップの使用量の増加の経験を踏まえ、燃費の向上を目的として各燃料種別の使用バランスを変更する取組を推進いたしました。水分を多く含む未利用木材の利用を抑制することで全体としての使用量を低減する目途でスタートいたしましたが、バイオマスボイラーに投下する燃料のすべての種別の含有水分量が高めで推移したため使用量全体の低減に効果を発揮することができず、リサイクル木材の多用が売電単価を押下げる結果となりました。また、エフオン日田、エフオン豊後大野の販売先変更による売電単価の低下や、これに加えて稼働前発電所要員に係る費用や山林事業に関連する費用が増加したこと等により前年同期を下回る業績となりました。一方、新設の事業所であるエフオン壬生発電所は、下半期から営業運転を開始いたしましたが、想定を上回る稼働を実現することができ、本セグメント全体としては増収増益となりました。
建設中の新宮発電所は、タービン棟基礎及び立柱工事が予定通り進行しております。新型コロナウイルスの感染拡大防止措置の影響として、建設物資の調達遅延や移動制限による人員不足等の支障は現在のところありません。
当連結会計年度の本事業セグメントの業績は、売上高で11,740百万円(前年同期比13.7%増)、営業利益2,964百万円(前年同期比1.5%増)となりました。
(財政状態)
(資産)
当連結会計年度末における資産合計は、既存発電所3基が年間を通じて順調に稼働したこと、新設のエフオン壬生・エフオン新宮の建設資金の調達や工事の進捗により、有形固定資産の取得による増加などがあり前連結会計年度より6,487百万円増加し、39,847百万円となりました。
(負債)
当連結会計年度末における負債合計については、省エネルギー支援サービス事業のオンサイト自家発電プロジェクトの満期終了による長期未払金の減少があったものの、エフオン壬生・エフオン新宮の建設資金の調達による長期借入金の増加により、前連結会計年度より4,915百万円増加し24,412百万円となりました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は、主に親会社株主に帰属する当期純利益の計上による利益剰余金の増加により、前連結会計年度より1,572百万円増加し15,434百万円となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ300百万円減少し、3,931百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により得られた資金は、2,829百万円(前年同期2,866百万円の収入)となりました。税金等調整前当期純利益は順調に推移したものの、エフオン壬生発電所が稼働したことによる売上債権、棚卸資産の増加したことが主な要因であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、7,702百万円(前年同期6,211百万円の支出)となりました。これは主にエフオン壬生発電所建設に係る有形固定資産の取得によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は、4,571百万円(前年同期3,856百万円の収入)となりました。これは主に長期借入金による収入が増加したこと、割賦債務の返済による支出やリース債務の返済による支出などによるものです。
③ 生産、受注及び販売の実績
(生産実績)
省エネルギー支援サービス事業では、サービスの提供にあたり製品の生産は行っておりませんので、生産実績について記載すべき事項はありません。グリーンエナジー事業における生産は、それぞれの事業における発電所の発電であり、その実績は次のとおりです。
(注) グリーンエナジー事業の発電実績は、エフオン日田、エフオン白河、エフオン豊後大野、エフオン壬生の4箇所の発電所より送電された電力です。
(受注実績)
省エネルギー支援サービス事業においては、顧客の需要に応じてサービスを提供いたします。また、グリーンエナジー事業においても、顧客の需要に応じてサービスを提供いたします。いずれも、受注販売の方式を採用しておりませんので、受注実績について記載すべき事項はありません。
(販売実績)
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.主な相手先の販売実績及び当該販売実績の総販売高に対する割合
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、繰延税金資産の計上について回収可能性を検討し、妥当と判断される額を固定資産及び法人税等調整額に計上しております。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
(経営成績等)
当連結会計年度の省エネルギー支援サービス事業においては、既存のオンサイト自家発電事業プロジェクトにおいて複数のサイトが契約満期を迎え終了いたしました。オンサイト自家発電プロジェクトは、当初の事業開始から15年が経過し、契約満期を機会にエネルギーサービスを提供する設備を顧客が購入して終了する状況となってきております。このため、今後についても本事業セグメントの既存プロジェクトについては契約満期に終了となり売上高全体の規模が縮小しております。当セグメントにおける顧客のニーズは、従来のエスコスキームから設備の改善、更新等の施工工事請負へと変化してきております。顧客の求める利用エネルギーの効率化のほか、施工工事全体のコスト低減、工事品質の管理といった分野において、当社グループがこれまで培ったノウハウを十分に発揮し信頼を獲得できるよう万全の体制で臨んでおります。このほか、エフオン新宮発電所の建設及び発電所設備改善等の施工については、当部門が担っており内部売上高において一定の成果を上げております。
グリーンエナジー事業においては、エフオン日田、エフオン白河、エフオン豊後大野発電所に加えエフオン壬生発電所が稼働を開始し、いずれも高稼働を維持することができました。各発電所では、燃料消費量を低減する取組を実施しましたが、既存の発電所においては各燃料種別のすべての年利用の含有水分量がいずれも高い水準で推移したため、結果として、想定した燃料消費量の低減を実現することができませんでした。また、九州地区の2発電所においては、販売先変更によって売電単価が低下する結果となりました。一方、新設のエフオン壬生発電所の稼働は、当初想定を上回る成果となりセグメント全体としての業績は対前連結会計年度増収増益とすることができました。
これらの結果、当社グループの当連結会計年度の経営成績は、(1)経営成績等の状況の概要①財政状態及び経営成績の状況に記載のとおりの結果となりました。
(当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因)
省エネルギー支援サービス事業における事業環境は、2014年6月に閣議決定された「エネルギー基本計画」及び2015年7月に策定された「長期エネルギー需給見通し(エネルギーミックス)」の実現に向け、徹底した省エネを実現するべく推進されております。2018年12月に改正省エネ法が施行され、産業・業務部門の大規模投資、運輸部門では小口貨物輸送の効率化を課題として、連携省エネルギー計画の認定制度、認定管理統括事業者の認定制度創設のほか、省エネ再エネ高度化投資促進税制、産業トップランナー制度の対象業種の拡大等の対策が打ち出されております。このような背景のもと、エネルギー使用者への直接規制に関連して省エネ設備の導入を促すため、省エネルギー投資促進に向けた支援補助金、電力需要の低減に資する設備投資支援事業費補助金、貨物輸送事業者と荷主の連携等による運輸部門省エネルギー化推進事業費補助金等の支援策も強化されつつあります。
国の省エネルギーに対する施策は、省エネルギーを実施すべき産業及び事業者を規制、さらに規制領域を拡大するとともに、エネルギー利用の改善には支援する補助金で報いる方向へと進んでおります。こうした政策をタイムリーに活用し、様々な業種、産業の顧客ニーズへの省エネルギー支援サービスの拡充を図っていくことが、当社グループの使命であり、これらの政策の実施は経営成績に直結する重要な要因となると考えます。
グリーンエナジー事業においては、100%国産の自然由来の木質チップや建築・土木の木質廃資材のリサイクル燃料を基に発電した電気を販売しクリーンで安心な国産電気エネルギー供給の一翼を担っております。電力小売全面自由化により色々な事業者が電気の小売市場に参入することで、競争が活性化し多様な料金メニュー・サービスの開拓や再生可能エネルギーを中心とした電気の供給等、消費者の期待するニーズに合わせた電力供給の仕組みが整備されることで、新たな付加価値創造に繋がっていくものと考えます。一方で電力システム改革における発電部門の電力事業者に対する事業環境の変化は、2020年4月に一般電気事業者の発送電分離が施行され、エネルギー需給構造の変革の中で、今後、種々の課題対応や施策が実施され各種法条例に基づく補助金や規制緩和又は業界の商流変更等の事象が当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因となり得ると考えております。
近年、FIT制度については太陽光発電や一部のバイオマス発電に係る規制強化のほか、再生可能エネルギー利用の将来にわたる着実性を担保するため様々な改革が進められておりますが、当社グループにおいては、新たな木質バイオマス発電所の開発に際し当社グループの優位性を十分発揮できるよう制度の変化に留意し、FIT制度を超えた価値創造に取り組んでまいる所存です。
(資本の財源及び資金の流動性)
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、現在建設中のエフオン新宮発電所に対する設備投資のほか新たな木質バイオマス発電所の開発や山林事業への投資に充てるため一定程度の内部留保を確保しつつ金融機関からの借入金により必要な資金調達を行ってまいります。当連結会計年度においては、エフオン新宮発電所の建設及び事業推進に係る資金として、20億円の融資実行を受けております。これにより手元資金を減少させることなく工事を進捗させるとともに、将来の資金需要に備えております。なお、当連結会計年度末の有利子負債残高は、223億2千8百万円、現金及び現金同等物の残高は、39億3千1百万円となっております。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
(経営成績)
当連結会計年度における我が国経済は、昨年の10月に施行された消費増税により個人消費が下押しされたことのほか、年明けからの世界的な新型コロナウイルスの感染拡大により全国規模での外出自粛や、人との接触を避けるための広範囲な業種にわたる営業自粛、休業要請等により、景気は急速に悪化する状況となりました。
当業界においては、新型コロナウイルスの感染拡大により製造業の操業抑制や各種イベントの中止、外出自粛等の影響により、国内全般の電力需要は例年に比べ大幅に低下いたしました。業界の動向としては、2015年6月に電気事業法が改正され2020年4月より発送電分離が行われおります。また、気候変動に係る温暖化ガス排出について、国連気候行動サミットでの報道が関心を集め、我が国における石炭を使用した発電の適否について注目を集める事態となりました。
このような状況のもと、当社グループの発電事業においては、第1四半期の多雨に基づく燃費悪化やリサイクル木材中心の燃料配分による売電単価の低下、さらにエフオン日田、エフオン豊後大野発電所の送配電会社への販売先変更によるプレミアム廃止に伴い収益水準は低下いたしました。一方、エフオン壬生が竣工後順調に稼働したことで、当社グループの業績向上に大きく貢献し前年同期との比較においては増収増益とすることができました。定期整備は、10月から12月にかけてエフオン白河、エフオン日田発電所が、4月にエフオン豊後大野発電所が年次定期整備を行いました。これらの発電所はボイラーやタービン法定点検の年に当たっており例年の整備日数より1~2日程度停止期間が延びたもののその他期間については極めて順調に稼働しております。エフオン壬生発電所については、5月に自主点検を実施し新設設備の不具合の予防保全に努めております。各発電所では利益の向上に向け動力系のエネルギー効率の改善や燃料総使用量の低減のためさまざまな取組を実施しております。これらは当社グループ内で相互に共有され、発電所運営に関するさらなる技術向上に大きく貢献しております。こうした取組を通じ送電量全体は、エフオン壬生稼働を含め前年同期を大きく上回る成果となりました。また、和歌山県新宮市での発電所建設計画においては、今のところ新型コロナウイルスの感染症の影響もなく計画通り進捗しております。
省エネルギー支援サービス事業では、複数のオンサイト自家発電プロジェクトが満期終了を迎え対前年同期の比較で相当程度売上高は減少しております。これらのプロジェクトのうち一部において設備の有税償却を実施していたことから、満期終了に伴い繰延税金資産の取崩を実施いたしました。また、税務上の繰越欠損金については、充当期限の到来したものが切捨てられたことで、償却超過額の認容と合わせ法人税等調整額が減益向きに増加いたしました。
これらの結果、当社グループの当連結会計年度の業績は、売上高12,218百万円(前年同期比10.6%増)、営業利益2,927百万円(前年同期比2.7%増)、経常利益2,826百万円(前年同期比8.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,757百万円(前年同期比15.7%減)となりました。
(省エネルギー支援サービス事業)
当連結会計年度において、外部売上高については第1四半期及び当第3四半期において既存のオンサイト自家発電事業の一部のプロジェクトの期間満了により稼働プロジェクトが相当程度減少しており、前年同期との比較では売上高、営業利益ともに下回る業績となりました。新規案件については、新型コロナウイルス感染拡大防止措置により顧客との細部調整に時間を要することとなり、次年度へ継続して推進することとなりました。内部売上高については、連結子会社のエフオン壬生での新規発電所建設が終了し工事進行基準売上を計上しております。
当連結会計年度の本事業セグメントの業績は、売上高では5,752百万円(前年同期比26.8%減)、営業利益16百万円(前年同期比34.0%減)となりました。
(グリーンエナジー事業)
当連結会計年度におけるグリーンエナジー事業は、既存の発電所において、近年の定常的な降雨量の増加による木質チップの使用量の増加の経験を踏まえ、燃費の向上を目的として各燃料種別の使用バランスを変更する取組を推進いたしました。水分を多く含む未利用木材の利用を抑制することで全体としての使用量を低減する目途でスタートいたしましたが、バイオマスボイラーに投下する燃料のすべての種別の含有水分量が高めで推移したため使用量全体の低減に効果を発揮することができず、リサイクル木材の多用が売電単価を押下げる結果となりました。また、エフオン日田、エフオン豊後大野の販売先変更による売電単価の低下や、これに加えて稼働前発電所要員に係る費用や山林事業に関連する費用が増加したこと等により前年同期を下回る業績となりました。一方、新設の事業所であるエフオン壬生発電所は、下半期から営業運転を開始いたしましたが、想定を上回る稼働を実現することができ、本セグメント全体としては増収増益となりました。
建設中の新宮発電所は、タービン棟基礎及び立柱工事が予定通り進行しております。新型コロナウイルスの感染拡大防止措置の影響として、建設物資の調達遅延や移動制限による人員不足等の支障は現在のところありません。
当連結会計年度の本事業セグメントの業績は、売上高で11,740百万円(前年同期比13.7%増)、営業利益2,964百万円(前年同期比1.5%増)となりました。
(財政状態)
(資産)
当連結会計年度末における資産合計は、既存発電所3基が年間を通じて順調に稼働したこと、新設のエフオン壬生・エフオン新宮の建設資金の調達や工事の進捗により、有形固定資産の取得による増加などがあり前連結会計年度より6,487百万円増加し、39,847百万円となりました。
(負債)
当連結会計年度末における負債合計については、省エネルギー支援サービス事業のオンサイト自家発電プロジェクトの満期終了による長期未払金の減少があったものの、エフオン壬生・エフオン新宮の建設資金の調達による長期借入金の増加により、前連結会計年度より4,915百万円増加し24,412百万円となりました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は、主に親会社株主に帰属する当期純利益の計上による利益剰余金の増加により、前連結会計年度より1,572百万円増加し15,434百万円となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ300百万円減少し、3,931百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により得られた資金は、2,829百万円(前年同期2,866百万円の収入)となりました。税金等調整前当期純利益は順調に推移したものの、エフオン壬生発電所が稼働したことによる売上債権、棚卸資産の増加したことが主な要因であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、7,702百万円(前年同期6,211百万円の支出)となりました。これは主にエフオン壬生発電所建設に係る有形固定資産の取得によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は、4,571百万円(前年同期3,856百万円の収入)となりました。これは主に長期借入金による収入が増加したこと、割賦債務の返済による支出やリース債務の返済による支出などによるものです。
③ 生産、受注及び販売の実績
(生産実績)
省エネルギー支援サービス事業では、サービスの提供にあたり製品の生産は行っておりませんので、生産実績について記載すべき事項はありません。グリーンエナジー事業における生産は、それぞれの事業における発電所の発電であり、その実績は次のとおりです。
| セグメントの名称 | 発電実績(MWh) | 前年同期比(%) |
| グリーンエナジー事業 | 385,646.80 | 125.2 |
| 合計 | 385,646.80 | 125.2 |
(注) グリーンエナジー事業の発電実績は、エフオン日田、エフオン白河、エフオン豊後大野、エフオン壬生の4箇所の発電所より送電された電力です。
(受注実績)
省エネルギー支援サービス事業においては、顧客の需要に応じてサービスを提供いたします。また、グリーンエナジー事業においても、顧客の需要に応じてサービスを提供いたします。いずれも、受注販売の方式を採用しておりませんので、受注実績について記載すべき事項はありません。
(販売実績)
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
| セグメントの名称 | 販売高(百万円) | 前年同期比(%) |
| 省エネルギー支援サービス事業 | 477 | 66.0 |
| グリーンエナジー事業 | 11,740 | 113.7 |
| 合計 | 12,218 | 110.6 |
(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.主な相手先の販売実績及び当該販売実績の総販売高に対する割合
| 相手先 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | ||
| 金額(百万円) | 割合(%) | 金額(百万円) | 割合(%) | |
| 日本テクノ株式会社 | 9,973 | 90.26 | 9,985 | 81.7 |
| 九州電力送配電株式会社 | ― | ― | 1,454 | 11.9 |
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、繰延税金資産の計上について回収可能性を検討し、妥当と判断される額を固定資産及び法人税等調整額に計上しております。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
(経営成績等)
当連結会計年度の省エネルギー支援サービス事業においては、既存のオンサイト自家発電事業プロジェクトにおいて複数のサイトが契約満期を迎え終了いたしました。オンサイト自家発電プロジェクトは、当初の事業開始から15年が経過し、契約満期を機会にエネルギーサービスを提供する設備を顧客が購入して終了する状況となってきております。このため、今後についても本事業セグメントの既存プロジェクトについては契約満期に終了となり売上高全体の規模が縮小しております。当セグメントにおける顧客のニーズは、従来のエスコスキームから設備の改善、更新等の施工工事請負へと変化してきております。顧客の求める利用エネルギーの効率化のほか、施工工事全体のコスト低減、工事品質の管理といった分野において、当社グループがこれまで培ったノウハウを十分に発揮し信頼を獲得できるよう万全の体制で臨んでおります。このほか、エフオン新宮発電所の建設及び発電所設備改善等の施工については、当部門が担っており内部売上高において一定の成果を上げております。
グリーンエナジー事業においては、エフオン日田、エフオン白河、エフオン豊後大野発電所に加えエフオン壬生発電所が稼働を開始し、いずれも高稼働を維持することができました。各発電所では、燃料消費量を低減する取組を実施しましたが、既存の発電所においては各燃料種別のすべての年利用の含有水分量がいずれも高い水準で推移したため、結果として、想定した燃料消費量の低減を実現することができませんでした。また、九州地区の2発電所においては、販売先変更によって売電単価が低下する結果となりました。一方、新設のエフオン壬生発電所の稼働は、当初想定を上回る成果となりセグメント全体としての業績は対前連結会計年度増収増益とすることができました。
これらの結果、当社グループの当連結会計年度の経営成績は、(1)経営成績等の状況の概要①財政状態及び経営成績の状況に記載のとおりの結果となりました。
(当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因)
省エネルギー支援サービス事業における事業環境は、2014年6月に閣議決定された「エネルギー基本計画」及び2015年7月に策定された「長期エネルギー需給見通し(エネルギーミックス)」の実現に向け、徹底した省エネを実現するべく推進されております。2018年12月に改正省エネ法が施行され、産業・業務部門の大規模投資、運輸部門では小口貨物輸送の効率化を課題として、連携省エネルギー計画の認定制度、認定管理統括事業者の認定制度創設のほか、省エネ再エネ高度化投資促進税制、産業トップランナー制度の対象業種の拡大等の対策が打ち出されております。このような背景のもと、エネルギー使用者への直接規制に関連して省エネ設備の導入を促すため、省エネルギー投資促進に向けた支援補助金、電力需要の低減に資する設備投資支援事業費補助金、貨物輸送事業者と荷主の連携等による運輸部門省エネルギー化推進事業費補助金等の支援策も強化されつつあります。
国の省エネルギーに対する施策は、省エネルギーを実施すべき産業及び事業者を規制、さらに規制領域を拡大するとともに、エネルギー利用の改善には支援する補助金で報いる方向へと進んでおります。こうした政策をタイムリーに活用し、様々な業種、産業の顧客ニーズへの省エネルギー支援サービスの拡充を図っていくことが、当社グループの使命であり、これらの政策の実施は経営成績に直結する重要な要因となると考えます。
グリーンエナジー事業においては、100%国産の自然由来の木質チップや建築・土木の木質廃資材のリサイクル燃料を基に発電した電気を販売しクリーンで安心な国産電気エネルギー供給の一翼を担っております。電力小売全面自由化により色々な事業者が電気の小売市場に参入することで、競争が活性化し多様な料金メニュー・サービスの開拓や再生可能エネルギーを中心とした電気の供給等、消費者の期待するニーズに合わせた電力供給の仕組みが整備されることで、新たな付加価値創造に繋がっていくものと考えます。一方で電力システム改革における発電部門の電力事業者に対する事業環境の変化は、2020年4月に一般電気事業者の発送電分離が施行され、エネルギー需給構造の変革の中で、今後、種々の課題対応や施策が実施され各種法条例に基づく補助金や規制緩和又は業界の商流変更等の事象が当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因となり得ると考えております。
近年、FIT制度については太陽光発電や一部のバイオマス発電に係る規制強化のほか、再生可能エネルギー利用の将来にわたる着実性を担保するため様々な改革が進められておりますが、当社グループにおいては、新たな木質バイオマス発電所の開発に際し当社グループの優位性を十分発揮できるよう制度の変化に留意し、FIT制度を超えた価値創造に取り組んでまいる所存です。
(資本の財源及び資金の流動性)
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、現在建設中のエフオン新宮発電所に対する設備投資のほか新たな木質バイオマス発電所の開発や山林事業への投資に充てるため一定程度の内部留保を確保しつつ金融機関からの借入金により必要な資金調達を行ってまいります。当連結会計年度においては、エフオン新宮発電所の建設及び事業推進に係る資金として、20億円の融資実行を受けております。これにより手元資金を減少させることなく工事を進捗させるとともに、将来の資金需要に備えております。なお、当連結会計年度末の有利子負債残高は、223億2千8百万円、現金及び現金同等物の残高は、39億3千1百万円となっております。