有価証券報告書-第24期(令和1年7月1日-令和2年6月30日)

【提出】
2020/09/25 15:00
【資料】
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【項目】
142項目

有報資料

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社グループは、「エネルギーの黒子であろう」という企業理念のもとで、「人のための省エネ、人々のための再エネ」をベースコンセプトに、効率的なエネルギー利用と自然由来のエネルギー供給を通じて現代の課題に取り組んでおります。
省エネルギーの推進と国産再生可能エネルギーの利用により、温暖化ガスの発生量の低減、一次エネルギー純輸入量の削減、人間とそれ以外の自然環境との両立を継続することを目指してまいります。当社グループの推進する木質バイオマス発電は、森林資源や林業の活用、協力が不可欠であり、バイオマス利用の積極化を推進することで資源の有効利用、地域経済の活性化に取組んでおります。
(2)経営戦略等
近年の我が国の気象状況は、夏季において全国各地で猛暑日が続き、局所的な豪雨の発生回数が増加する傾向にあることや突風や竜巻といった、旧来、異常気象と呼ばれるような天候が頻繁に発生しております。一方、冬季にはこれまでの経験にそぐわない強風や大雪に見舞われ災害に結び付く状況が続いております。これらの天候不順による農作物生育への影響や河川の氾濫、土砂崩れ等の自然災害による地域経済への打撃から、気候変動による生活不安や山林環境に関する意識の変化等、様々な問題意識を生ずる結果となりました。こうしたことから国策としても各地の山林の整備や地球温暖化の普及啓発、地元産木材利用の促進等を目途に2018年度税制改革では森林環境税の徴収が決定され、地方の地域社会の持続的な環境整備の財源として、山林資源の有効活用に資されることが期待されております。
エネルギーに関しては、全国の原子力発電所が定期点検を契機に停止し、石炭、石油、天然ガスといった化石燃料による火力発電への依存が高まりを見せる一方、再生可能エネルギーによる発電へのシフト期待が増加する状況が継続しています。火力発電所を運営する燃料の輸入量が大幅に増加するとともに、老朽化した火力発電所のトラブルリスクを抱える事態に対し、長期的に安定的なエネルギー需給構造を確立するためエネルギー政策の再構築が進められております。電力の需給構造については、安全性、安定供給、経済効率性及び環境適合に関する政策目標を同時達成する中で、徹底した省エネルギー(節電)の推進、再生可能エネルギーの最大限の導入を推進することが基本方針として示されております。こうした中、当社グループでは以下の項目を中期的な戦略としております。
「省エネルギー支援サービス事業」においては単なる機器の更新だけではなく、生産・業務システムとしてのエネルギー効率改善を支援してまいります。行政の求める省エネ基準を満たし助成制度を利活用することにより、国全体のエネルギーの節約に貢献するとともに顧客にとっては初期投資額の抑制を実現する提案をサービスの要点として展開してまいります。
「グリーンエナジー事業」においては、木質バイオマス関連分野への投資を拡大してまいります。当社グループ各発電所の木質バイオマス発電に利用する燃料は、主に未利用木材、一般木材、リサイクル木材の混合であり、各発電所で調達する燃料種別の性質を考慮し最も効率の良い配合を実証的に検証しております。近年の夏季から秋季にかけての全国的な多雨の傾向が継続するとの観測に基づき、各燃料種別の最も効率的な組合せを実践する取組みは、今後も継続して実施してまいります。その前提として、燃料品質の確保や特に燃料チップの含有水分量の低減については、各地区の特性を吟味しそれぞれの対策をグループ内で共有しトップランナー方式に基づく改善を進めてまいります。未利用木材は、その元となる原木において、山林、立木所有者がご高齢の域にあり、また、地域によっては伐採する事業に携わる方たちも同様に次世代の後継に苦慮していること、そのことから林産事業に携わる方々の経験、ノウハウ等が次世代に継承されず断絶の恐れのあること、そして発電所の安定稼働に寄与する長期にわたる未利用木材の安定的な調達を実現するため、山林経営や伐採施業技術の習得、研鑽に努めてまいります。こうした状況を踏まえ、手入れや処分に困窮する山林立木の購入やその伐採、運送、チップ加工等の商流を再構築することに注力し、地域の発展、雇用の創出、山林の自然環境の維持、整備を推進していくことが当社グループの企業価値向上に資するものと考えております。 当社グループの発電所で発電する電力はいずれもFITに基づく再生可能エネルギー電力ですが、二酸化炭素排出フリーの電力である特性を活かしさらなる付加価値向上に努めていくことを新たな戦略として、親会社において電力小売事業を再開し子会社発電所の非化石証書を利用した電力の販売に注力してまいります。新設発電所の建設においては、第5号機となる和歌山県新宮市におけるエフオン新宮発電所の開発を推進してまいります。これらの活動を通じて、さらなる事業の発展と社会貢献を果たしていくことを中期の経営戦略としています。
当社グループは、環境に優しく国産の持続可能な資源によるエネルギー創出に資するべく、既存設備については発電所のさらなるオペレーティング技術の向上、適切な設備保守、最適燃料使用比率の追及をテーマに人材育成や地元の林業、木材関係者らとの協力体制の整備、強化を図ってまいります。さらなる新たな発電所の開発については、開発案件の立地調査、燃料調達ネットワークの構築等に精力的に取組み、継続的な開発着手を実現してまいります。これらにより安定的な電力の供給と地元関連産業の活性化を推進していくことが社会貢献につながり企業価値の向上に資するものと考えております。
(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループでは、事業分野毎の収益性だけでなく、グループ全体での収益を最大化することが重要であると認識しております。これまで蓄積した省エネルギーや木質バイオマス発電所運営に関するノウハウを活用、展開することで、さらなる業績の拡大を目指してまいります。このため、連結での売上高及び営業利益率を重要な経営指標と考えております。
(4)経営環境
近年の我が国の夏から秋にかけての気候状況は、全国各地で河川の氾濫を伴う記録的な降雨量が継続して発生し、これに伴い当社グループで使用する木質チップ燃料の含有水分量も高い水準が続く傾向となっております。当社グループでは、発電所内のエネルギー効率の改善により送電出力の増加を推進し一定の成果を得ておりますが、燃料チップの高効率化を目指して未利用木材、一般木材、リサイクル木材の各種別の使用バランスの最適化に継続して努めてまいります。
当連結会計年度の業績では、当社グループの木質バイオマス発電所が高稼働を維持し未利用木材の利用比率を抑制させリサイクル木材の利用率を高め全体としての使用量を低減させるべく試行を推進いたしました。各種別の燃料チップの含有水分量が総じて高めで推移し、効率のよい水分調整の見極めに難航し結果として、リサイクル木材を多用したことによる売電単価の減少分を上回る燃料使用量の低下を実現することができませんでした。加えてエフオン日田、エフオン豊後大野での売電先変更に伴う標準FIT価格への移行による収益悪化やエフオン壬生発電所稼働前の人件費、山林事業拡大に伴う人員、機材費用の増加がありました。一方、新設のエフオン壬生発電所が極めて順調に稼働しこれらの収益悪化要因を吸収し全体としては想定を上回る業績となりました。
これらの状況を踏まえ、今後、未利用木材、一般木材、リサイクル木材の含有水分コントロールにはさらに留意し、降雨時に対応して予めできうる水分量低減策を実施するとともに、総量を低減させるための各種別の組合せ使用量をタイムリーに調整する努力を継続して進めて参ります。また、さらなる国内木質チップの燃料利用の促進や森林環境保全に注力するほか、エフオングループとして設備メンテナンス技術の向上を図ることや顧客の使用するエネルギー総量自体を削減・低減する省エネルギー施策の普及推進になお一層まい進してまいる所存です。
2021年6月期における各事業セグメントの事業環境及び活動予定は、次の通りです。
(省エネルギー支援サービス事業)
省エネルギー支援サービス事業の事業環境は、既存オンサイト自家発電プロジェクトの満期終了に伴いエネルギーサービス関連の売上高は減少するものと見込んでいます。このため新規案件先として、生産設備の老朽化対応としての省エネルギーを推進した設備の導入、更新等の要望に応える建設工事を含めた売上獲得に注力してまいります。一方、グループ内の発電所建設においては、現在、建設中の新宮発電所の工事を着実に進めてまいります。
これらを背景として、次期の見通しでは外部売上高、内部売上高はともに減収、セグメント全体としての利益については一定程度の水準を維持する見込みです。
(グリーンエナジー事業)
グリーンエナジー事業では、未利用木材の利用率を維持するためグループ内の山林事業を活用し調達先の多角化に努めてまいります。燃料使用量全体の低減は継続して推進しノウハウの蓄積に努めてまいります。発電所運営については、高稼働維持を目標としてきめ細やかな点検、保全の実施のほか、チップ加工設備を有するエフオン豊後大野、エフオン壬生発電所、加えて稼働までにはまだ一定の期間がありますがエフオン新宮発電所地域での原木の受入量を向上させてまいります。具体的には既存発電所4基の木質バイオマス発電所の運営をもとにスケールメリットを活用し、各発電所で共通して利用できる部材を一定程度まとめて調達することや各発電所のメンテナンス情報を共有、蓄積化することでさらなるメンテナンス技術の研鑽を推進し、かつ、コストの圧縮を実現していく方針です。さらに森林資源の積極活用を目指し自ら調達した森林や伐採権を活用し伐採施業技術の習得に注力するほか、施業技術者の確保、育成、原木販売手法の確立及び原木資源のさらなる取得を実施してまいります。
次期については、これら施策を推進し未利用木材の効率的な利用を推進してまいります。また、再生可能エネルギー電気の普及促進に寄与するため当社グループの発電したFIT電力に紐づく電力の直接顧客への供給へもチャレンジしてまいります。
これらの活動を通じて2021年6月期の業績については、連結売上高14,500百万円、連結営業利益3,000百万円、連結経常利益2,700百万円、親会社株主に帰属する当期純利益2,000百万円を見込んでおります。
(5)事業上及び財務上の対処すべき課題
当連結会計年度は、新型コロナウイルスの感染拡大が進行し当社グループにおいては発電所運営に支障のないよう人の移動制限や本社機能については在宅勤務等の施策を実施することとなりました。各施設での感染防止策はもとより、罹患者が発生した場合に備え各発電所を相互に扶助する緊急対応策を策定する事態となりました。
これらの経験を踏まえ、感染症リスクに対応する体制の拡充は、最も重要な課題であると考えます。また、当社グループのグリーンエナジー事業では、未利用木材利用率を一定程度維持した上で燃費の向上に努めるとともに、高稼働維持を目標としてきめ細やかな点検、保全の実施を継続し、安定稼働を実現してまいります。さらに、山林事業では、燃料調達の間口を広げ原木での受入やチップ加工生産量の向上のほか、発電所の運営に連系して原木貯蔵時の含有水分量の低減に挑戦してまいります。
木質バイオマス発電事業の事業環境を将来にわたって担保し、再生可能エネルギーのさらなる普及を実のあるものにするため、運営関連では、安定稼働の実現に向けこれまで蓄積したノウハウを結集して効率化改善を実施することやメンテナンスに係る部品調達でスケールメリットを活用したコストの低減を実践すること、さらには森林資源の積極活用及び管理手法を確立するため、感染症に対応するバックアップ体制を含め、これらを担う専門的な人員の確保、教育、リモートでの業務の実践を継続することが最も重要な経営課題であると考えております。
また、エフオン新宮の新たな木質バイオマス発電所の建設について、予定している工事計画の履行に最大限注力してまいります。同発電所の稼働に必要な事業環境の構築、整備について、最も重要な課題と認識しております。

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