有価証券報告書-第22期(令和2年1月1日-令和2年12月31日)

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2021/03/22 14:30
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149項目
(1) 経営成績等の状況の概要
① 経営成績の状況
当社グループが属する情報サービス産業においては、インターネット利用の増大、ソフトウェア・ハードウェア技術の進展、IoT(モノのインターネット)の普及、企業のデジタル化への対応等により、クラウド市場、AI(人工知能)市場等が拡大しております。
このような環境の下、当社グループは、当社グループが展開するコンピュータプラットフォーム事業、IoT/AIソリューション事業、メディアソリューション事業の3事業について、事業環境の変化に対応しながら事業運営を行っております。
なお、当社グループは、お客様や従業員の新型コロナウイルス感染防止のため、テレワークの導入や時差出勤等の必要な措置を講じております。また、新型コロナウイルス感染症拡大の影響が当連結会計年度の業績に与えた影響については、コンピュータプラットフォーム事業、メディアソリューション事業では限定的でしたが、お客様社内での検討・プロセス等に遅れが見受けられる案件も発生しております。IoT/AIソリューション事業では予定した新規受注案件の延期等がありました。
当連結会計年度におけるセグメント別の概況は以下のとおりであります。
(コンピュータプラットフォーム事業)
コンピュータプラットフォーム事業においては、データセンター、クラウド・ソリューション、データ・ソリューション、その他に分け、サービスを展開しております。
データセンターでは、大手町の新データセンター(以下、新大手町サイト)における2020年12月末の契約率は7割を超え、稼働率は約45%となり売り上げが増加しました。他方、運用受託サービスは期中での契約の見直しにより売り上げが減少しました。データセンターについては、2020年3月に新大手町サイトの利用価値を高めるべく株式会社アット東京とのデータセンター間接続を開始し、11月からは両社連携サービスを提供しております。今後も当社データセンターの特長を訴求した営業活動、お客様のニーズに即したサービスの提案等を行い、新規顧客の開拓を進めるとともに、既存顧客との関係強化を図ってまいります。
クラウド・ソリューションでは、クラウド市場の拡大を背景に、当社独自のc9サービス、SaaS(Software as a Service)サービス等の売り上げは堅調に推移し、パブリッククラウドサービスの売り上げは伸長しました。
データ・ソリューションでは、大容量化への対応、安定運用等、お客様のニーズに即したストレージの活用方法を提案することにより、当社の主力プロダクトであるDELL Technologies社製の「PowerScale(旧製品名称 Isilon)」の売り上げは堅調に推移し、PowerScaleに付随した他の製品販売も堅調に推移しました。また、大容量のデータを収容できるScality社のSDS(ソフトウェア・デファインド・ストレージ)製品は第1四半期に大型案件の獲得がありました。
その他では、株式会社ティエスエスリンクが情報漏洩対策ソフトウェア製品の開発、販売等を行っております。独自製品である「パイレーツ・バスター®」、「コプリガード®」等の売り上げは、お客様の検討期間の長期化等の影響を受けたものの堅調でした。また、情報セキュリティサービスとして提供しているPCデータのクラウドバックアップサービスの売り上げは堅調に推移しました。
この結果、コンピュータプラットフォーム事業の売上高は、主に新大手町サイト、データ・ソリューションの売り上げ増加により9,957百万円(前年同期比14.5%増)、営業利益は、売り上げ増加に加え、旅費交通費をはじめとした販売費及び一般管理費の減少もあり402百万円(前年同期は508百万円の営業損失)となりました。
(IoT/AIソリューション事業)
IoT/AIソリューション事業では、株式会社エーアイスクエア(以下、AI2)、グローバルIoTテクノロジーベンチャーズ株式会社(以下、GiTV)等を中心に事業を展開しております。
AI2では、コンタクトセンター業務、ヘルプデスク業務をはじめ、業務の自動化・効率化・高度化を望んでいるお客様に対し、独自開発の自然言語解析技術を活用したAIソリューションを提供しております。企業内外の問合わせ応答業務を支援する自動応答システム「QuickQA」、「QuickQA」に企業の人事・総務部門に特化したQ&Aテンプレート約7,500セットを搭載した「AI人事総務」、会話文から書籍まで様々な文章を要約・分類する「QuickSummary」等の自社ソリューションについて、活用方法や事例紹介のWebセミナー開催等を通じた顧客獲得活動、SIerやソフトウェアベンダーによる代理店販売により拡販に努めております。
GiTVが組成したファンドであるGiTV FundⅠInvestment,L.P.は、海外のAIやIoT関連のベンチャー企業に投資をしております。
なお、BBTOWER SAN DIEGO INC.は2020年12月31日を解散日とする解散手続を開始し、本年(2021年)3月中に清算結了となる見込みです。
この結果、IoT/AIソリューション事業の売上高は、AI2の売り上げ増加により394百万円(前年同期比8.9%増)となり、営業損失は191百万円(前年同期は237百万円の営業損失)と損失が多少改善しました。
(メディアソリューション事業)
メディアソリューション事業では、ジャパンケーブルキャスト株式会社(以下、JCC)及びその子会社である沖縄ケーブルネットワーク株式会社(以下、沖縄ケーブル)が事業を展開しております。
JCCにおいては、主力事業であるデジタル多チャンネル配信のプラットフォームサービス「JC-HITS」は、ケーブルテレビ事業者の多チャンネル放送サービスの高画質化の進展に向け、4K8K放送で新たに採用されたCAS(注1)方式となるACASに対応した高度ケーブル自主放送サービスを2019年10月から開始し、ケーブルテレビ事業者のC-CASからACASへの移行を支援しております。
ケーブルテレビのコミュニティチャンネル向けデータ放送サービス「JC-data」は、地域に密着した安心・安全・防犯・防災情報の提供を行っております。 長野県伊那市と伊那ケーブルテレビジョン株式会社のコミュニティチャンネル「いなテレ12」に、JCCがハイブリッドキャスト(注2)技術を用いた「ICTライフサポート・チャンネル」システムを構築しました。本コミュニティチャンネルからテレビのリモコン操作で買い物や乗合タクシーの配車予約、ケーブルテレビの利用料との一括決済等が可能となりました。
自治体からのお知らせなどの行政無線や各種緊急情報を伝達する「IP告知システム」は、2020年3月に北海道厚岸町、鶴居村への導入を完了し、すでに導入済の自治体と合わせ5自治体でサービス提供を行っております。
凸版印刷株式会社、JCC、当社、株式会社秋田ケーブルテレビ、秋田ケーブルテレビの子会社である株式会社ALL-Aの5社は、エイジフレンドリーシティの実現を目指す秋田市において、市内の高齢者入居施設及び個人宅への高品質4K映像配信の実証実験を終了し、本格サービス化に向け引き続き取り組んでまいります。
また、当社とJCCは更なるシナジー効果発揮のためオフィスを統合することとし、JCCは2020年11月に本社移転(東京都千代田区内幸町の当社オフィス)を行いました。今後ますます当社とJCCは連携を深め、ケーブルテレビを通じたサービス提供にとどまらず、課題のある地域の暮らしを便利にするサービスを、メディアを超えて提供できるように取り組んでまいります。
沖縄ケーブルにおいては、解約防止と新規顧客獲得に向けサービスの魅力度向上のため、2020年10月からデータ放送に新コンテンツを追加しました。また、自治体案件獲得にも力を入れており、第3四半期に普天間地域の電波障害調査を受注しました。今後もJCCと連携を図りながら沖縄地域に有用なサービスの提供に取り組み、地域の発展とケーブルテレビ加入者数の増加に努めてまいります。
この結果、メディアソリューション事業の売上高は、第1四半期に計上したIP告知システムの機器売上等により5,725百万円(前年同期比2.2%増)、営業利益はJCCにおけるACASの償却費・運用管理費や本社移転費用等により305百万円(同29.7%減)となりました。
以上の活動により、当連結会計年度における当社グループの売上高は16,077百万円(前年同期比9.7%増)、営業利益は524百万円(前年同期は303百万円の営業損失)、経常利益は530百万円(前年同期は352百万円の経常損失)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、減損損失を計上したものの342百万円(前年同期は912百万円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。
(注1)CASとは、限定受信方式「CONDITIONAL ACCESS SYSTEM」の略語。
(注2)ハイブリッドキャストとは、放送と通信を連携させた新しいデータ放送サービス。利用するには、
ハイブリッドキャストに対応したテレビもしくはSTB(セットトップボックス)と、その機器が
インターネットに接続されていることが必要。
② 資産、負債及び純資産の状況
当連結会計年度末における総資産は、大型投資がなく償却が進んだことによる有形固定資産や無形固定資産の減少等により、前連結会計年度末に比べ1,023百万円減少し23,359百万円となりました。
負債合計は、長期借入金の減少等により、前連結会計年度末に比べ1,421百万円減少し11,293百万円となりました。
純資産合計は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上や非支配株主持分の増加等により、前連結会計年度末に比べ398百万円増加し12,066百万円となりました。
また、当社は、大手町に開設した新データセンターの投資に伴う資金需要に対し、機動的な資金調達を行うため、2018年3月に取引銀行等5社と総額40億円のコミット型シンジケートローン契約を締結しており、当連結会計年度末の本契約に基づく借入金残高は38億75百万円です。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は前連結会計年度末と比較して213百万円増加し、6,117百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益の計上、減価償却費の増加等により2,284百万円の収入(前年同期は1,406百万円の収入)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出、ソフトウェアの取得による支出、投資有価証券の取得による支出の減少等により984百万円の支出(前年同期は4,449百万円の支出)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、前年同期にあった長期借入による収入及び新株予約権の行使に伴う株式の発行が当期はなく、長期借入金の返済等により1,082百万円の支出(前年同期は1,588百万円の収入)となりました。
なお、当社グループのキャッシュ・フロー指標のトレンドは、次のとおりであります。
2017年6月期2018年6月期2018年12月期2019年12月期2020年12月期
自己資本比率(%)59.638.431.133.836.2
時価ベースの
自己資本比率(%)
95.547.462.663.784.0
キャッシュ・フロー対
有利子負債比率(%)
339.1△3,151.4△2,790.7551.6281.1
インタレスト・
カバレッジ・レシオ(倍)
30.6△7.2△9.420.940.5

自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
(注) 1. 各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により算出しております。
2. 株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。
3. キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。また、利払いにつきましては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
④ 生産、受注及び販売の状況
(生産実績)
当社グループは、生産に該当する事項がないため、生産実績に関する記載はしておりません。
(受注実績)
当社グループは、受注生産を行っておりませんので、受注実績に関する記載はしておりません。
(販売実績)
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2020年1月1日
至 2020年12月31日)
前年同期比(%)
金額(千円)
コンピュータプラットフォーム事業9,957,154114.5
IoT/AIソリューション事業394,370108.9
メディアソリューション事業5,725,474102.2
合計16,077,000109.7

(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
相手先前連結会計年度
(自 2019年1月1日
至 2019年12月31日)
当連結会計年度
(自 2020年1月1日
至 2020年12月31日)
販売高(千円)割合(%)販売高(千円)割合(%)
ヤフー株式会社3,658,70425.03,246,16420.2

3 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりでありま
す。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 経営成績等の分析
(売上高)
売上高は前年同期比9.7%増となる16,077百万円となりました。売上高を事業別(セグメント別)に区分すると、コンピュータプラットフォーム事業が約62%、IoT/AIソリューション事業が約2%、メディアソリューションセグメントが約36%となっております。コンピュータプラットフォーム事業の連結売上高に占める割合は、主に、新大手町サイトの売り上げ及びデータ・ソリューションの売り上げ増加により、前連結会計年度の約59%から当連結会計年度は62%に上昇しました。
(営業損益)
営業損益は524百万円の営業利益(前年同期は303百万円の損失)となりました。営業利益を事業別に区分すると、コンピュータプラットフォーム事業が402百万円の利益、IoT/AIソリューション事業が191百万円の損失、メディアソリューション事業が305百万円の利益となっております。コンピュータプラットフォーム事業については、前連結会計年度は508百万円の営業損失でしたが、当連結会計年度は402百万円の営業利益と黒字転換及び大幅増益となりました。主として売上高の増加と販売費及び一般管理費の減少によるものです。IoT/AIソリューション事業が営業損失であるのは、AI事業、ファンド事業が赤字のためです。メディアソリューション事業はJCCにおけるACASの償却費・運用管理費や本社移転費用等により減益となりました。
(経常損益)
経常損益は530百万円の経常利益(前年同期は352百万円の損失)となりました。営業利益の増加に加え、受取配当金等の営業外収益が、支払利息等の営業外費用を上回ったことによるものです。
(税金等調整前当期純損益)
税金等調整前当期純損益は391百万円の利益(前年同期は660百万円の損失)となりました。大幅に増益となった理由は、経常利益の増加に加え、前連結会計年度は特別損失を308百万円計上しましたが、当連結会計年度は162百万円に減少したことによるものです。
(親会社株主に帰属する当期純損益)
親会社株主に帰属する当期純損益は342百万円の利益(前年同期は912百万円の損失)となりました。税金等調整前当期純利益に、法人税、住民税及び事業税、法人税等調整額、非支配株主に帰属する当期純損失を加減算した結果です。
② 資本の財源及び資金の流動性
当社グループは、事業に必要な資金を安定的に確保することを基本方針としており、資金調達及び資金の流動性については、自己資金のほか、金融機関からの借入により行っております。なお、新データセンターへの投資資金として機動的な資金調達を行うため、2018年3月に取引銀行等5社と総額40億円のコミット型シンジケートローン契約を締結しており、当連結会計年度末の本契約に基づく借入金残高は38億75百万円です。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
当社グループの連結財務諸表の作成にあたって採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。特に次の重要な会計方針が、連結財務諸表作成における重要な見積りの判断に大きな影響を及ぼすと考えております。
a)固定資産の減損
当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、固定資産の帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。
経営環境の変化等により見積りの見直しが必要となった場合、減損損失が必要となる可能性があります。
b)繰延税金資産の回収可能性
当社グループは、将来の課税所得を合理的に見積り、繰延税金資産の回収可能性を判断しております。
将来の課税所得の見積りは、過去の実績や一定の仮定のもとに行っているため、経営環境等の変化により、課税所得の見積りの変更が必要となった場合、繰延税金資産の計上額に影響を及ぼす可能性があります。
c)投資有価証券の評価
当社グループは、時価のない有価証券について、投資先の財政状態等に基づき実質価額を評価し、当該価額が著しく低下したものについて減損の対象としております。
実質価額の評価にあたっては、決算時点で入手可能な情報に基づき合理的に判断しておりますが、経営環境等の変化により、個々の投資先に関する状況の変化があった場合、投資有価証券の評価に影響を及ぼす可能性があります。
なお、会計上の見積りにおいて、新型コロナウイルス感染症の影響は軽微と判断し見積りを行っております。

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