有価証券報告書-第55期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)
経営成績等の状況の概要
(1) 財政状態
当連結会計年度末の資産につきましては、24,834百万円となり、前連結会計年度末と比べ2,403百万円増加しました。これは受取手形及び売掛金並びに機械装置及び運搬具が増加したことが主な要因であります。
負債合計につきましては、15,573百万円となり、前連結会計年度末と比べ1,729百万円増加しました。これは支払手形及び買掛金並びに短期借入金が増加したことが主な要因であります。
純資産合計につきましては、9,260百万円となり、前連結会計年度末と比べ673百万円増加しました。これは親会社株主に帰属する当期純利益の利益剰余金への計上が主な要因であります。
(2) 経営成績
当連結会計年度におけるわが国経済は、輸出や設備投資が堅調に推移する中、企業収益及び雇用・所得環境が改善したことから、緩やかな景気回復が続きました。一方で、海外経済の不確実性や金融資本市場の変動の影響が懸念され、先行きは依然として不透明な状況にあります。
このような状況のもと当社グループ(当社と連結子会社14社)は、3ヵ年の中期経営計画「ビジョン300」(2016年3月期~2018年3月期)の最終年度として、基本方針に沿った施策を確実に実行いたしました。
日本、アジア、北米、欧州でのワールドワイドな事業展開を目指す「世界4極体制」の構築に向け、第1四半期にはアメリカ・カリフォルニア州に「Hibino USA, Inc.」及び「H&X Technologies, Inc.」の2社を設立し、第4四半期にはタイに「NOE Asia Pacific Company Limited」を設立いたしました。
当連結会計年度は、特定ラジオマイクの周波数移行に伴う特需の剥落がありましたが、前第3四半期に連結子会社としたヒビノアークス株式会社が通年で寄与したこと、2020年に向けた設備投資の拡大や底堅いコンサート・イベント需要を背景にすべての事業が堅調に推移したことから、売上高は前連結会計年度を上回りました。一方、営業利益は、利益貢献度の高い特需売上高が減少したこと、一部の連結子会社で損失を計上したこと等により前連結会計年度を下回りました。経常利益は、固定資産受贈益の増加等により、営業利益に比べ減少幅が抑えられました。
これらの結果、売上高29,732百万円(前年同期比2.1%増)、営業利益1,073百万円(同46.6%減)、経常利益1,713百万円(同20.7%減)、親会社株主に帰属する当期純利益1,038百万円(同30.8%減)となりました。
これまで当社グループは、中期経営計画「ビジョン300」に基づき、事業領域の拡大とグループシナジーの創出により強い事業構造の構築を目指す「ハニカム型経営」を実行いたしました。M&Aを積極的に活用しながら、①業界トップの維持・シェア向上、②ものづくり事業の強化、③グローバル展開の強化、④新規事業の開発という4つの経営課題に取り組みました。
当期間において、新たに3社(日本音響エンジニアリング株式会社、株式会社エレクトリ、ヒビノアークス株式会社)をM&Aにより取得し経営基盤の強化を図るとともに、アメリカに子会社を設立するなど、海外進出も積極的に推し進めました。また、特定ラジオマイクの周波数移行に伴う特需を確実に取り込み、需要が集中した2016年3月期は、数値目標を大幅に上回る過去最高業績を達成いたしました。しかしながら、需要が計画初年度に集中した結果、最終年度は数値目標として掲げた売上高300億円、経常利益18億円に対してわずかに未達となりました。
中期経営計画「ビジョン300」における4つの経営課題は中長期的に取り組むテーマであることから、次期中期経営計画に継承し前へ進めてまいります。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
[音響機器販売・施工事業]
音響機器販売・施工事業は、施工業務を行うヒビノアークス株式会社の業績が通年で寄与したものの、特需剥落の影響が大きく、前連結会計年度と比べ減収減益となりました。
機器販売業務においては、設備市場、放送局市場の設備投資意欲が旺盛であるものの、一部子会社において納期が先送りとなった案件が多発し苦戦を強いられました。
施工業務においては、放送局、スタジオ、ホール等の大型案件に恵まれ、好調に推移いたしました。
これらの結果、売上高は16,914百万円(前年同期比0.2%減)、セグメント利益は900百万円(同49.6%減)となりました。
[映像製品の開発・製造・販売事業]
映像製品の開発・製造・販売事業は、東京オリンピック・パラリンピック開催に伴う設備投資の拡大やインバウンド需要の高まり、都市圏の再開発事業の増加等を背景に、大型映像装置の新設・リニューアルに向けた引き合いが増加しております。放送局へ超高精細LEDディスプレイ・システムを納入したほか、著名なランドマーク施設、水族館等のレジャースポット、スポーツ競技施設等への納入が続き、売上高及び利益は前連結会計年度を上回りました。
これらの結果、売上高は1,420百万円(前年同期比26.1%増)、セグメント利益は65百万円(同279.9%増)となりました。
[コンサート・イベント事業]
コンサート・イベント事業は、主軸であるコンサート市場において前連結会計年度ほどの伸長は見られなかったものの、安定的に受注を確保いたしました。また、企業イベント、コンベンション市場が好調に推移したことや、ピョンチャンオリンピック・パラリンピック関連イベントを獲得したことから、売上高は前連結会計年度を上回りました。利益については、アメリカ子会社2社の立ち上げ期における損失があり、前連結会計年度実績に届きませんでした。
これらの結果、売上高は10,876百万円(前年同期比2.3%増)、セグメント利益は1,163百万円(同6.8%減)となりました。
[その他の事業]
その他の事業は、業務用照明機器の販売、システム設計・施工・メンテナンスを行っております。
売上高は520百万円(前年同期比20.3%増)、セグメント利益は27百万円(同120.6%増)となりました。
(3) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前連結会計年度に比べ203百万円増加し、2,604百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は2,868百万円(前年同期比32.0%減)となりました。
資金の主な増加要因としては、仕入債務の増加額937百万円、税金等調整前当期純利益1,713百万円の計上及び減価償却費2,131百万円であります。また、主な減少要因としては、売上債権の増加額859百万円及びたな卸資産の増加額249百万円及び固定資産受贈益の504百万円の計上であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は3,040百万円(前年同期比42.9%増)となりました。
資金の主な減少要因としては、有形固定資産の取得による支出3,102百万円であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は393百万円(前年同期は2,433百万円の資金使用)となりました。
資金の主な増加要因としては、短期借入金の純増額1,922百万円及び長期借入れによる収入200百万円であります。また、主な減少要因としては、長期借入金の返済による支出1,144百万円、配当金の支払額300百万円及びリース債務の返済による支出351百万円であります。
生産、受注及び販売の実績
(1) 生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.音響機器販売・施工事業の金額は、一部の国内連結子会社における当期完成工事高を記載しております。
2.映像製品の開発・製造・販売事業の金額は、製造原価によっております。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 受注実績
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.音響機器販売・施工事業は、一部の国内連結子会社における建設工事に限定しております。
2.映像製品の開発・製造・販売事業の受注実績は、特注品を対象にしております。
(3) 商品仕入実績
当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(4) 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において分析、判断したものであります。
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成にあたりまして経営陣は、資産・負債及び収益・費用の計上、偶発債務等の開示に関連した種々の見積りと仮定を行っております。これら見積りと仮定につきましては過去の実績や状況を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、第5「経理の状況」の連結財務諸表の「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しておりますが、特に次の重要な会計方針が連結財務諸表作成における重要な見積りの判断に大きな影響を及ぼすものと考えております。
① 貸倒引当金
当社グループは、債権の貸倒損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等の特定債権については個別に回収可能性を検討し、回収不能見込額を貸倒引当金として計上しております。取引先の財政状況が悪化しその支払い能力が低下した場合、追加の引当が必要になる場合があります。
② 繰延税金資産
当社グループは、将来の課税所得及び慎重かつ実現可能性の高い継続的なタックス・プランニングの検討に基づいて繰延税金資産を計上しておりますが、当該資産の全部または一部について、将来、回収できないと判断した場合、当該判断を行った会計年度において繰延税金資産の調整額を税金費用として計上する場合があります。
(2) 当連結会計年度の経営成績の分析
① 売上高及び売上総利益
当連結会計年度は、2020年に向けた設備投資や旺盛なコンサート・イベント需要を背景とした良好な経営環境
の中、新規連結子会社の寄与もあり、計画を上回って推移いたしました。しかしながら、電波法改正による特定
ラジオマイクの周波数移行の契約はすでに99%が完了し特需がピークアウトしたことから、売上高は前年同期実
績に及びませんでした。
これらの結果、売上高は29,732百万円(前年同期比2.1%増)、売上総利益は9,945百万円(同0.1%増)となりました。
② 営業損益、経常損益
利益につきましては、利益貢献度の高かった特需の減少、連結子会社増加に伴う販売費及び一般管理費の増加
等により前年同期を下回りました。
これらの結果、営業利益は1,073百万円(前年同期比46.6%減)、経常利益は1,713百万円(同20.7%減)となりました。
③ 特別損益及び親会社株主に帰属する当期純損益
法人税、住民税及び事業税が734百万円、法人税等調整額が△59百万円となった結果、親会社株主に帰属する当期純利益は1,038百万円(同30.8%減)となりました。
(3) 経営成績等に重要な影響を与える要因について
経営成績等に重要な影響を与える要因は、「第2 事業の状況 2.事業等のリスク」に詳述したとおりであります。
(4) 経営戦略の現状と見通し
経営戦略の現状と見通しは、「第2 事業の状況 1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に詳述したとおりであります。
(5) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
① キャッシュ・フロー
当社グループのキャッシュ・フローの分析については、「第2 事業の状況 3.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (3)キャッシュ・フローの状況」に詳述したとおりであります。
② 資金需要
当社グループの資金需要の主なものは、設備投資資金と運転資金であります。設備(機材)投資資金は、最新鋭かつ大量の機材を保有し他社との差別化を図るために欠かすことの出来ないものです。また運転資金としては、売上債権の入金時期と仕入債務の支払時期に差異が出るため、一定の資金を常に保有しておく必要があります。
③ 財務政策
当社グループは、運転資金及び設備投資資金等について、必要に応じて借入による資金調達を行っております。借入金につきましては貸出コミットメント契約を締結し機動的な調達を行なっております。
なお、貸出コミットメント契約の締結につきましては以下の財務制限条項が付されており、これに抵触した場合、借入先の請求に基づき、借入金を一括返済することがあり(複数ある場合は、条件の厳しい方を記載しております。)、当社グループの財政状態、経営成績及び信用に影響が及ぶ可能性があります。
①各年度及び第2四半期の決算期末日において、貸借対照表(連結及び個別)における純資産の部の金額を、前年度決算期末日における純資産の部の合計額の80%以上に維持すること。
②各年度及び第2四半期の決算期末日における、損益計算書(連結及び個別)の営業損益及び経常損益においてそれぞれ損失を計上しないこと。
なお、当連結会計年度末において財務制限条項に抵触しておりません。
(6) 経営者の問題認識と今後の方針について
当社グループを取り巻く経営環境は、技術革新や社会インフラ整備の進行により日々変化し続けております。
当社グループの経営陣は、当社グループを「仕事にこだわりを持つ、技術力を背景にした信頼度の高いプロ集団」と位置づけ、グループ全体でヒビノブランドの知名度拡大・浸透を図りながら、プロ用AV&IT業界の牽引役になれるよう法令等の遵守のもと改善・改革を推し進め、時代の変化を先取りして創造性を十二分に発揮することで事業を継続的に発展させ、企業価値の最大化を目指してまいります。
とりわけ、音響機器販売・施工事業においては、すでに品質の良さを認知されている著名なブランドだけでなく、国内での知名度は高くなくても当社グループが品質等に関して優秀であると見極めたブランドについても輸入販売権を確保することで、より一層の業績拡大を図ってまいります。
LEDディスプレイ・システムを中心とした映像製品の開発・製造・販売事業においては、高品質・高精彩によって世界的な評価を得ている当社製LEDディスプレイ・システムの性能をさらに高めることやコンサート・イベント事業との連携を強化すること等により、事業基盤を拡充してまいります。また、さらなる「ものづくり」事業の強化に向けて、LED関連のオリジナル製品や、市場ニーズを先取りした製品の研究開発に注力するとともに、製造面で一層のコストダウンを図り収益性を高めてまいります。
さらにM&Aや業務提携による事業分野の拡大を進めるとともに、グループ全体の連携、共同事業の拡大、業務の効率化にも努めてまいります。
グループ経営に関しては、引き続き内部統制体制を強化しつつ、リスク管理の徹底、公正な経営の推進ならびに透明性の確保によりコーポレート・ガバナンスの充実を図ってまいります。
(1) 財政状態
当連結会計年度末の資産につきましては、24,834百万円となり、前連結会計年度末と比べ2,403百万円増加しました。これは受取手形及び売掛金並びに機械装置及び運搬具が増加したことが主な要因であります。
負債合計につきましては、15,573百万円となり、前連結会計年度末と比べ1,729百万円増加しました。これは支払手形及び買掛金並びに短期借入金が増加したことが主な要因であります。
純資産合計につきましては、9,260百万円となり、前連結会計年度末と比べ673百万円増加しました。これは親会社株主に帰属する当期純利益の利益剰余金への計上が主な要因であります。
(2) 経営成績
当連結会計年度におけるわが国経済は、輸出や設備投資が堅調に推移する中、企業収益及び雇用・所得環境が改善したことから、緩やかな景気回復が続きました。一方で、海外経済の不確実性や金融資本市場の変動の影響が懸念され、先行きは依然として不透明な状況にあります。
このような状況のもと当社グループ(当社と連結子会社14社)は、3ヵ年の中期経営計画「ビジョン300」(2016年3月期~2018年3月期)の最終年度として、基本方針に沿った施策を確実に実行いたしました。
日本、アジア、北米、欧州でのワールドワイドな事業展開を目指す「世界4極体制」の構築に向け、第1四半期にはアメリカ・カリフォルニア州に「Hibino USA, Inc.」及び「H&X Technologies, Inc.」の2社を設立し、第4四半期にはタイに「NOE Asia Pacific Company Limited」を設立いたしました。
当連結会計年度は、特定ラジオマイクの周波数移行に伴う特需の剥落がありましたが、前第3四半期に連結子会社としたヒビノアークス株式会社が通年で寄与したこと、2020年に向けた設備投資の拡大や底堅いコンサート・イベント需要を背景にすべての事業が堅調に推移したことから、売上高は前連結会計年度を上回りました。一方、営業利益は、利益貢献度の高い特需売上高が減少したこと、一部の連結子会社で損失を計上したこと等により前連結会計年度を下回りました。経常利益は、固定資産受贈益の増加等により、営業利益に比べ減少幅が抑えられました。
これらの結果、売上高29,732百万円(前年同期比2.1%増)、営業利益1,073百万円(同46.6%減)、経常利益1,713百万円(同20.7%減)、親会社株主に帰属する当期純利益1,038百万円(同30.8%減)となりました。
これまで当社グループは、中期経営計画「ビジョン300」に基づき、事業領域の拡大とグループシナジーの創出により強い事業構造の構築を目指す「ハニカム型経営」を実行いたしました。M&Aを積極的に活用しながら、①業界トップの維持・シェア向上、②ものづくり事業の強化、③グローバル展開の強化、④新規事業の開発という4つの経営課題に取り組みました。
当期間において、新たに3社(日本音響エンジニアリング株式会社、株式会社エレクトリ、ヒビノアークス株式会社)をM&Aにより取得し経営基盤の強化を図るとともに、アメリカに子会社を設立するなど、海外進出も積極的に推し進めました。また、特定ラジオマイクの周波数移行に伴う特需を確実に取り込み、需要が集中した2016年3月期は、数値目標を大幅に上回る過去最高業績を達成いたしました。しかしながら、需要が計画初年度に集中した結果、最終年度は数値目標として掲げた売上高300億円、経常利益18億円に対してわずかに未達となりました。
中期経営計画「ビジョン300」における4つの経営課題は中長期的に取り組むテーマであることから、次期中期経営計画に継承し前へ進めてまいります。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
[音響機器販売・施工事業]
音響機器販売・施工事業は、施工業務を行うヒビノアークス株式会社の業績が通年で寄与したものの、特需剥落の影響が大きく、前連結会計年度と比べ減収減益となりました。
機器販売業務においては、設備市場、放送局市場の設備投資意欲が旺盛であるものの、一部子会社において納期が先送りとなった案件が多発し苦戦を強いられました。
施工業務においては、放送局、スタジオ、ホール等の大型案件に恵まれ、好調に推移いたしました。
これらの結果、売上高は16,914百万円(前年同期比0.2%減)、セグメント利益は900百万円(同49.6%減)となりました。
[映像製品の開発・製造・販売事業]
映像製品の開発・製造・販売事業は、東京オリンピック・パラリンピック開催に伴う設備投資の拡大やインバウンド需要の高まり、都市圏の再開発事業の増加等を背景に、大型映像装置の新設・リニューアルに向けた引き合いが増加しております。放送局へ超高精細LEDディスプレイ・システムを納入したほか、著名なランドマーク施設、水族館等のレジャースポット、スポーツ競技施設等への納入が続き、売上高及び利益は前連結会計年度を上回りました。
これらの結果、売上高は1,420百万円(前年同期比26.1%増)、セグメント利益は65百万円(同279.9%増)となりました。
[コンサート・イベント事業]
コンサート・イベント事業は、主軸であるコンサート市場において前連結会計年度ほどの伸長は見られなかったものの、安定的に受注を確保いたしました。また、企業イベント、コンベンション市場が好調に推移したことや、ピョンチャンオリンピック・パラリンピック関連イベントを獲得したことから、売上高は前連結会計年度を上回りました。利益については、アメリカ子会社2社の立ち上げ期における損失があり、前連結会計年度実績に届きませんでした。
これらの結果、売上高は10,876百万円(前年同期比2.3%増)、セグメント利益は1,163百万円(同6.8%減)となりました。
[その他の事業]
その他の事業は、業務用照明機器の販売、システム設計・施工・メンテナンスを行っております。
売上高は520百万円(前年同期比20.3%増)、セグメント利益は27百万円(同120.6%増)となりました。
(3) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前連結会計年度に比べ203百万円増加し、2,604百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は2,868百万円(前年同期比32.0%減)となりました。
資金の主な増加要因としては、仕入債務の増加額937百万円、税金等調整前当期純利益1,713百万円の計上及び減価償却費2,131百万円であります。また、主な減少要因としては、売上債権の増加額859百万円及びたな卸資産の増加額249百万円及び固定資産受贈益の504百万円の計上であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は3,040百万円(前年同期比42.9%増)となりました。
資金の主な減少要因としては、有形固定資産の取得による支出3,102百万円であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は393百万円(前年同期は2,433百万円の資金使用)となりました。
資金の主な増加要因としては、短期借入金の純増額1,922百万円及び長期借入れによる収入200百万円であります。また、主な減少要因としては、長期借入金の返済による支出1,144百万円、配当金の支払額300百万円及びリース債務の返済による支出351百万円であります。
生産、受注及び販売の実績
(1) 生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日) | 前年同期比(%) |
| 音響機器販売・施工事業 (千円) | 4,687,191 | 179.9 |
| 映像製品の開発・製造・販売事業 (千円) | 82,729 | 16.4 |
| 合計 (千円) | 4,769,921 | 153.4 |
(注)1.音響機器販売・施工事業の金額は、一部の国内連結子会社における当期完成工事高を記載しております。
2.映像製品の開発・製造・販売事業の金額は、製造原価によっております。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 受注実績
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 受注高(千円) | 前年同期比(%) | 受注残高(千円) | 前年同期比(%) |
| 音響機器販売・施工事業 | 6,132,908 | 218.0 | 3,962,499 | 105.2 |
| 映像製品の開発・製造・販売事業 | 858,786 | 79.1 | 786,912 | 399.8 |
| 合計 | 6,991,695 | 179.3 | 4,749,412 | 119.8 |
(注)1.音響機器販売・施工事業は、一部の国内連結子会社における建設工事に限定しております。
2.映像製品の開発・製造・販売事業の受注実績は、特注品を対象にしております。
(3) 商品仕入実績
当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日) | 前年同期比(%) |
| 音響機器販売・施工事業 (千円) | 4,479,043 | 97.7 |
| 映像製品の開発・製造・販売事業 (千円) | 393,526 | 121.3 |
| その他の事業 (千円) | 337,377 | 120.0 |
| 合計 (千円) | 5,209,946 | 100.4 |
(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(4) 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日) | 前年同期比(%) |
| 音響機器販売・施工事業 (千円) | 16,914,369 | 99.8 |
| 映像製品の開発・製造・販売事業 (千円) | 1,420,535 | 126.1 |
| コンサート・イベント事業 (千円) | 10,876,838 | 102.3 |
| その他の事業 (千円) | 520,691 | 120.3 |
| 合計 (千円) | 29,732,434 | 102.1 |
(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において分析、判断したものであります。
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成にあたりまして経営陣は、資産・負債及び収益・費用の計上、偶発債務等の開示に関連した種々の見積りと仮定を行っております。これら見積りと仮定につきましては過去の実績や状況を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、第5「経理の状況」の連結財務諸表の「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しておりますが、特に次の重要な会計方針が連結財務諸表作成における重要な見積りの判断に大きな影響を及ぼすものと考えております。
① 貸倒引当金
当社グループは、債権の貸倒損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等の特定債権については個別に回収可能性を検討し、回収不能見込額を貸倒引当金として計上しております。取引先の財政状況が悪化しその支払い能力が低下した場合、追加の引当が必要になる場合があります。
② 繰延税金資産
当社グループは、将来の課税所得及び慎重かつ実現可能性の高い継続的なタックス・プランニングの検討に基づいて繰延税金資産を計上しておりますが、当該資産の全部または一部について、将来、回収できないと判断した場合、当該判断を行った会計年度において繰延税金資産の調整額を税金費用として計上する場合があります。
(2) 当連結会計年度の経営成績の分析
① 売上高及び売上総利益
当連結会計年度は、2020年に向けた設備投資や旺盛なコンサート・イベント需要を背景とした良好な経営環境
の中、新規連結子会社の寄与もあり、計画を上回って推移いたしました。しかしながら、電波法改正による特定
ラジオマイクの周波数移行の契約はすでに99%が完了し特需がピークアウトしたことから、売上高は前年同期実
績に及びませんでした。
これらの結果、売上高は29,732百万円(前年同期比2.1%増)、売上総利益は9,945百万円(同0.1%増)となりました。
② 営業損益、経常損益
利益につきましては、利益貢献度の高かった特需の減少、連結子会社増加に伴う販売費及び一般管理費の増加
等により前年同期を下回りました。
これらの結果、営業利益は1,073百万円(前年同期比46.6%減)、経常利益は1,713百万円(同20.7%減)となりました。
③ 特別損益及び親会社株主に帰属する当期純損益
法人税、住民税及び事業税が734百万円、法人税等調整額が△59百万円となった結果、親会社株主に帰属する当期純利益は1,038百万円(同30.8%減)となりました。
(3) 経営成績等に重要な影響を与える要因について
経営成績等に重要な影響を与える要因は、「第2 事業の状況 2.事業等のリスク」に詳述したとおりであります。
(4) 経営戦略の現状と見通し
経営戦略の現状と見通しは、「第2 事業の状況 1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に詳述したとおりであります。
(5) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
① キャッシュ・フロー
当社グループのキャッシュ・フローの分析については、「第2 事業の状況 3.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (3)キャッシュ・フローの状況」に詳述したとおりであります。
② 資金需要
当社グループの資金需要の主なものは、設備投資資金と運転資金であります。設備(機材)投資資金は、最新鋭かつ大量の機材を保有し他社との差別化を図るために欠かすことの出来ないものです。また運転資金としては、売上債権の入金時期と仕入債務の支払時期に差異が出るため、一定の資金を常に保有しておく必要があります。
③ 財務政策
当社グループは、運転資金及び設備投資資金等について、必要に応じて借入による資金調達を行っております。借入金につきましては貸出コミットメント契約を締結し機動的な調達を行なっております。
なお、貸出コミットメント契約の締結につきましては以下の財務制限条項が付されており、これに抵触した場合、借入先の請求に基づき、借入金を一括返済することがあり(複数ある場合は、条件の厳しい方を記載しております。)、当社グループの財政状態、経営成績及び信用に影響が及ぶ可能性があります。
①各年度及び第2四半期の決算期末日において、貸借対照表(連結及び個別)における純資産の部の金額を、前年度決算期末日における純資産の部の合計額の80%以上に維持すること。
②各年度及び第2四半期の決算期末日における、損益計算書(連結及び個別)の営業損益及び経常損益においてそれぞれ損失を計上しないこと。
なお、当連結会計年度末において財務制限条項に抵触しておりません。
(6) 経営者の問題認識と今後の方針について
当社グループを取り巻く経営環境は、技術革新や社会インフラ整備の進行により日々変化し続けております。
当社グループの経営陣は、当社グループを「仕事にこだわりを持つ、技術力を背景にした信頼度の高いプロ集団」と位置づけ、グループ全体でヒビノブランドの知名度拡大・浸透を図りながら、プロ用AV&IT業界の牽引役になれるよう法令等の遵守のもと改善・改革を推し進め、時代の変化を先取りして創造性を十二分に発揮することで事業を継続的に発展させ、企業価値の最大化を目指してまいります。
とりわけ、音響機器販売・施工事業においては、すでに品質の良さを認知されている著名なブランドだけでなく、国内での知名度は高くなくても当社グループが品質等に関して優秀であると見極めたブランドについても輸入販売権を確保することで、より一層の業績拡大を図ってまいります。
LEDディスプレイ・システムを中心とした映像製品の開発・製造・販売事業においては、高品質・高精彩によって世界的な評価を得ている当社製LEDディスプレイ・システムの性能をさらに高めることやコンサート・イベント事業との連携を強化すること等により、事業基盤を拡充してまいります。また、さらなる「ものづくり」事業の強化に向けて、LED関連のオリジナル製品や、市場ニーズを先取りした製品の研究開発に注力するとともに、製造面で一層のコストダウンを図り収益性を高めてまいります。
さらにM&Aや業務提携による事業分野の拡大を進めるとともに、グループ全体の連携、共同事業の拡大、業務の効率化にも努めてまいります。
グループ経営に関しては、引き続き内部統制体制を強化しつつ、リスク管理の徹底、公正な経営の推進ならびに透明性の確保によりコーポレート・ガバナンスの充実を図ってまいります。