有価証券報告書-第58期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)

【提出】
2021/06/25 9:10
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【項目】
146項目
経営成績等の状況の概要
(1) 財政状態
当連結会計年度末の資産につきましては、35,135百万円となり、前連結会計年度末と比べ1,751百万円増加しました。これは現金及び預金、流動資産その他並びに繰延税金資産が増加したことが主な要因であります。
負債合計につきましては、27,364百万円となり、前連結会計年度末と比べ4,263百万円増加しました。これは短期借入金、前受金及び長期借入金が増加したことが主な要因であります。
純資産合計につきましては、7,771百万円となり、前連結会計年度末と比べ2,511百万円減少しました。これは親会社株主に帰属する当期純損失の利益剰余金への計上が主な要因であります。
(2) 経営成績
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の世界規模での拡大に伴い社会経済活動が停滞し、景気は急速に悪化しました。感染拡大の防止策を講じつつ、社会経済活動のレベルを段階的に引き上げていく局面でありますが、当面の間は、極めて厳しい状況が続くと見込まれます。
当社グループを取り巻く環境においては、東京オリンピック・パラリンピックの延期をはじめ、イベントの開催制限・自粛の長期化により、集客エンタメ産業全体が大きなダメージを受けました。第2波を超える第3波襲来に伴う緊急事態宣言再発令の影響もあり、市場の回復は遅れています。
このような状況のもと当社グループ(当社と連結子会社20社)は、徹底した緊縮経営と十分な手元資金の確保に努めました。
新型コロナウイルス感染症に係る事業活動及び業績への影響は、セグメントごとに異なっております。電気音響・販売施工事業は、主力のコンサート音響市場やシネマ市場等で冷え込みが目立ちましたが、受注済み案件の進行が中心の建築音響・施工事業及び映像製品の開発・製造・販売事業への影響は、限定的でありました。コンサート・イベントサービス事業は、イベントの開催制限・自粛の影響を直接的に受け、事業の一部休業を継続しており、厳しい状況が続きました。
売上が落ち込む中、利益面においては、役員報酬の減額をはじめ人件費、その他管理可能コストの削減をグループ全体で実施いたしました。また、休業に伴う助成金収入等を営業外収益に計上しております。
なお、当社のアメリカの連結子会社であるTLS PRODUCTIONS, INC.及び中国(上海)の連結子会社であるHibino Asia Pacific (Shanghai) Limitedは、新型コロナウイルス感染症の影響によりイベント需要が消失したことなどから、今後の事業計画の見直しを行い、回収可能性を慎重に検討した結果、2021年3月期の連結決算において当該連結子会社に係る事業用資産(機械装置及び運搬具、のれん、その他(無形固定資産))の減損損失219百万円を特別損失に計上いたしました。
これらの結果、売上高30,523百万円(前連結会計年度比25.2%減)、営業損失4,073百万円(前連結会計年度は営業利益1,267百万円)、経常損失2,636百万円(前連結会計年度は経常利益1,428百万円)、親会社株主に帰属する当期純損失2,423百万円(前連結会計年度は親会社株主に帰属する当期純利益694百万円)となりました。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
[電気音響・販売施工事業]
電気音響・販売施工事業は、コロナ禍において、主力のコンサート音響市場やシネマ市場等が大きく冷え込みましたが、放送局市場における設備更新案件は概ね計画通りに執行されたことから、大幅な落ち込みを回避することができました。また、Web会議やライブ配信需要を背景に楽器店市場が好調に推移し、特に韓国子会社はこの時流を捉え売上が伸長しました。
事業環境の変化に対し、グループ内連携を一層活発にし組織の機動性を高めるため、販売と施工の2つのグループに組織再編を実施、それぞれのグループを所管する執行役員を配置し、収益力の強化を図っております。
これらの結果、売上高15,303百万円(前連結会計年度比5.7%減)、セグメント損失46百万円(前連結会計年度はセグメント利益342百万円)となりました。
[建築音響・施工事業]
建築音響・施工事業は、コロナ禍の中、十分な感染症対策を講じたうえで受注済み案件を計画通りに進捗することができました。放送局、ホール等の建築音響工事をはじめ、自動車メーカー、電機メーカーの音響実験室工事、清掃工場の防音工事等を完工したほか、ポストプロダクション等の大型案件を受注・着工いたしました。一方で、東京オリンピック・パラリンピックの開催が予定されていた2020年は、大型工事の端境期に当たること、また、前連結会計年度に収益性の高い大型案件が集中していたことから、売上高及び利益は前連結会計年度を下回りました。
これらの結果、売上高8,203百万円(前連結会計年度比7.5%減)、セグメント利益463百万円(同49.0%減)となりました。
[映像製品の開発・製造・販売事業]
映像製品の開発・製造・販売事業は、東京オリンピック・パラリンピック関連、新設アリーナ、アパレル店舗向け等の大型案件を手掛け、第3四半期までは好調に推移いたしました。しかしながら、今年1月の緊急事態宣言再発令に伴う外国人の入国制限の影響により、年度末に予定していた大型案件の検収が次期にずれ込み、売上高及び利益は前連結会計年度を下回りました。
これらの結果、売上高1,748百万円(前連結会計年度比13.1%減)、セグメント利益214百万円(同7.4%減)となりました。
[コンサート・イベントサービス事業]
コンサート・イベントサービス事業は、イベントの開催制限・自粛の影響を直接的に受け、第2四半期まで、ほぼ全面休業を余儀なくされました。第3四半期以降、イベント開催制限の緩和に伴いリアル空間におけるコンサート・イベントが再開され始めましたが、第4四半期の緊急事態宣言再発令により、回復にブレーキがかかりました。
このような状況下、アフターコロナ時代にも持続可能な新サービスを開発すべく、XR技術を活用したライブ配信などの取り組みに注力し、損失額を一定程度挽回することができました。
これらの結果、売上高4,969百万円(前連結会計年度比62.3%減)、セグメント損失3,622百万円(前連結会計年度はセグメント利益1,052百万円)となりました。
[その他の事業]
その他の事業は、業務用照明機器の販売、システム設計・施工・メンテナンスを行っております。
売上高298百万円(前連結会計年度比43.8%減)、セグメント損失7百万円(前連結会計年度はセグメント利益40百万円)となりました。
(3) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前連結会計年度に比べ1,097百万円増加し、3,816百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果使用した資金は1,097百万円(前連結会計年度は6,724百万円の資金獲得)となりました。
資金の主な増加要因としては、減価償却費2,517百万円及び助成金の受取額1,071百万円であります。また、主な減少要因としては、税金等調整前当期純損失2,904百万円、その他の流動資産の増加額874百万円及び仕入債務の減少額833百万円であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は2,174百万円(前連結会計年度比62.3%減)となりました。
資金の主な減少要因としては、有形固定資産の取得による支出1,974百万円であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果獲得した資金は4,307百万円(前連結会計年度は2,976百万円の資金使用)となりました。
資金の主な増加要因としては、短期借入金の純増額3,760百万円及び長期借入れによる収入4,375百万円であります。
生産、受注及び販売の実績
(1) 生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2020年4月1日
至 2021年3月31日)
前年同期比(%)
電気音響・販売施工事業
(千円)
1,755,40970.6
建築音響・施工事業
(千円)
5,331,961103.1
映像製品の開発・製造・販売事業
(千円)
68,2937.0
合計 (千円)7,155,66482.8

(注)1.電気音響・販売施工事業及び建築音響・施工事業の金額は、一部の国内連結子会社における当期完成工事高を記載しております。
2.映像製品の開発・製造・販売事業の金額は、製造原価によっております。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 受注実績
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称受注高(千円)前年同期比(%)受注残高(千円)前年同期比(%)
電気音響・販売施工事業3,828,82085.51,701,508137.1
建築音響・施工事業7,321,011105.44,822,378132.5
映像製品の開発・製造・販売事業386,61617.8966,68958.2
合計11,536,44784.87,490,576114.5

(注)1.電気音響・販売施工事業及び建築音響・施工事業は、一部の国内連結子会社における建設工事に限定しております。
2.映像製品の開発・製造・販売事業の受注実績は、特注品を対象にしております。
(3) 商品仕入実績
当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2020年4月1日
至 2021年3月31日)
前年同期比(%)
電気音響・販売施工事業
(千円)
3,219,45473.0
映像製品の開発・製造・販売事業
(千円)
439,61476.7
その他の事業 (千円)283,10888.5
合計 (千円)3,942,17674.3

(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(4) 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2020年4月1日
至 2021年3月31日)
前年同期比(%)
電気音響・販売施工事業
(千円)
15,303,22594.3
建築音響・施工事業
(千円)
8,203,22392.5
映像製品の開発・製造・販売事業
(千円)
1,748,65186.9
コンサート・イベントサービス事業
(千円)
4,969,94037.7
その他の事業 (千円)298,43756.2
合計 (千円)30,523,47974.8

(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において分析、判断したものであります。
(1) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成にあたりまして経営陣は、資産・負債及び収益・費用の計上、偶発債務等の開示に関連した種々の見積りを行っております。これら見積りにつきましては過去の実績や状況を勘案した合理的な仮定に基づき判断しておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5経理の状況の1連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しており、重要な会社の見積り及び当該見積りに用いた仮定については、「同注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
(2) 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
① 売上高及び売上総利益
売上高は、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴うイベントの開催制限・自粛の継続、主力市場の需要減少などにより、前連結会計年度と比べ減少しました。
売上原価は、売上高の減少に伴う減少に加え、事業活動の制限に伴う人件費、旅費交通費等の減少、機材投資抑制による減価償却費の減少により、前連結会計年度と比べ減少しました。これらにより、売上総利益は、前連結会計年度と比べ減少しました。
これらの結果、売上高は30,523百万円(前連結会計年度比25.2%減)、売上総利益は7,378百万円(同46.1%減)となりました。
② 営業損益、経常損益
販売費及び一般管理費については、役員報酬・賞与等人件費、旅費交通費、広告宣伝費その他管理可能コストの削減をグループ全体で実施しました。また、休業に伴う助成金収入等を営業外収益に計上しておりますが、新型コロナウイルス感染症の影響は大きく、営業損失及び経常損失を計上しました。
これらの結果、営業損失は4,073百万円(前連結会計年度は営業利益1,267百万円)、経常損失は2,636百万円(前連結会計年度は経常利益1,428百万円)となりました。
③ 特別損益及び親会社株主に帰属する当期純損益
当社のアメリカの連結子会社であるTLS PRODUCTIONS, INC.及び中国(上海)の連結子会社であるHibino Asia Pacific (Shanghai) Limitedは、新型コロナウイルス感染症の影響によりイベント需要が消失したことなどから、今後の事業計画の見直しを行い、回収可能性を慎重に検討した結果、事業用資産(機械装置及び運搬具、のれん、その他(無形固定資産))の減損損失219百万円を特別損失に計上いたしました。一方、期末での将来の課税所得の十分性や将来減算一時差異の将来解消見込年度のスケジューリング等に基づき、繰延税金資産の回収可能性を検討した結果、回収が見込まれる部分について繰延税金資産を計上したことに伴い法人税等調整額(益)632百万円を計上いたしました。
これらの結果、親会社株主に帰属する当期純損失は2,423百万円(前連結会計年度は親会社株主に帰属する当期純利益は694百万円)となりました。
(3) 経営成績等に重要な影響を与える要因について
経営成績等に重要な影響を与える要因は、「第2 事業の状況 2.事業等のリスク」に詳述したとおりであります。
(4) 経営戦略の現状と見通し
経営戦略の現状と見通しは、「第2 事業の状況 1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に詳述したとおりであります。
(5) キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
① キャッシュ・フロー
当社グループのキャッシュ・フローの分析については、「第2 事業の状況 3.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (3)キャッシュ・フローの状況」に詳述したとおりであります。
② 資金需要
当社グループの資金需要の主なものは、運転資金、子会社取得に要する資金及び設備投資資金であります。設備(機材)投資資金は、最新鋭かつ大量の機材を保有し他社との差別化を図るために欠かすことの出来ないものです。また運転資金としては、売上債権の入金時期と仕入債務の支払時期に差異が出るため、一定の資金を常に保有しておく必要があります。
③ 財務政策
当社グループは、運転資金、子会社取得に要する資金及び設備投資資金について、必要に応じて借入による資金調達を行っております。運転資金につきましては、貸出コミットメント契約を締結し機動的な調達を行なっております。子会社取得に要する資金及び設備投資資金につきましては、長期借入金による調達を行っております。また、グループ全社資金の効率化を図るため、資金余剰状態にある子会社から当社が資金を借り入れ、資金需要が発生している子会社に貸出を行うグループファイナンスを実施しております。
なお、貸出コミットメント契約の締結につきましては以下の財務制限条項が付されており、これに抵触した場合、借入先の請求に基づき、借入金を一括返済することがあり(複数ある場合は、条件の厳しい方を記載しております。)、当社グループの財政状態、経営成績及び信用に影響が及ぶ可能性があります。
①各年度及び第2四半期の決算期末日において、貸借対照表(連結及び個別)における純資産の部の金額を、前年度決算期末日における純資産の部の合計額の80%以上に維持すること。
②各年度及び第2四半期の決算期末日における、損益計算書(連結及び個別)の営業損益及び経常損益においてそれぞれ損失を計上しないこと。
なお、当社は、当連結会計年度末において、上記の財務制限条項に一部抵触することになります。しかしながら、主要取引銀行と緊密な関係は維持しており、本抵触に関する期限の利益喪失の猶予について取引銀行から承諾を得ております。
(6) 経営者の問題認識と今後の方針について
当社グループを取り巻く経営環境は、技術革新や社会インフラ整備の進行により日々変化し続けております。
当社グループの経営陣は、当社グループを「仕事にこだわりを持つ、技術力を背景にした信頼度の高いプロ集団」と位置づけ、グループ全体でヒビノブランドの知名度拡大・浸透を図りながら、プロ用AV&IT業界の牽引役になれるよう法令等の遵守のもと改善・改革を推し進め、時代の変化を先取りして創造性を十二分に発揮することで事業を継続的に発展させ、企業価値の最大化を目指してまいります。
とりわけ、電気音響・販売施工事業においては、すでに品質の良さを認知されている著名なブランドだけでなく、国内での知名度は高くなくても当社グループが品質等に関して優秀であると見極めたブランドについても輸入販売権を確保することで、より一層の業績拡大を図ってまいります。
LEDディスプレイ・システムを中心とした映像製品の開発・製造・販売事業においては、高品質・高精彩によって世界的な評価を得ている当社製LEDディスプレイ・システムの性能をさらに高めることやコンサート・イベントサービス事業との連携を強化すること等により、事業基盤を拡充してまいります。また、さらなる「ものづくり」事業の強化に向けて、LED関連のオリジナル製品や、市場ニーズを先取りした製品の研究開発に注力するとともに、製造面で一層のコストダウンを図り収益性を高めてまいります。
さらにM&Aや業務提携による事業分野の拡大を進めるとともに、グループ全体の連携、共同事業の拡大、業務の効率化にも努めてまいります。
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