有価証券報告書-第57期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)
経営成績等の状況の概要
(1) 財政状態
当連結会計年度末の資産につきましては、33,384百万円となり、前連結会計年度末と比べ862百万円増加しました。これは仕掛品及びのれんが増加したことが主な要因であります。
負債合計につきましては、23,101百万円となり、前連結会計年度末と比べ614百万円増加しました。これは支払手形及び買掛金並びに前受金が増加したことが主な要因であります。
純資産合計につきましては、10,283百万円となり、前連結会計年度末と比べ248百万円増加しました。これは親会社株主に帰属する当期純利益の利益剰余金への計上が主な要因であります。
(2) 経営成績
当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善を背景に緩やかな回復基調で推移しておりました。しかしながら、新型コロナウイルス感染症の影響により、当連結会計年度の終盤にかけて景気は急速に悪化し、先行きについても極めて厳しい状況が続くものと見込まれます。
このような状況のもと当社グループ(当社と連結子会社20社)は、中期経営計画「ビジョン2020」において、音響、映像、音楽、ライブの分野でナンバーワン、オンリーワンの企業が集まり、連携する仕組みをつくる「ハニカム型経営」に取り組んでおります。
この基本戦略に基づき、第1四半期には、ホールやスタジオの建築音響、商業施設や事業施設の防音対策及び鉄道や道路の騒音に対する防音対策に強みを持つ日本板硝子環境アメニテイ株式会社(現 日本環境アメニティ株式会社)を連結子会社化いたしました。また、第3四半期には、連結子会社であったスチューダー・ジャパン-ブロードキャスト株式会社を経営資源の集中と効率化の観点から吸収合併した一方で、グローバル展開を加速するため、欧州地域の統括会社として、オランダ王国にHibino Europe B.V.を設立いたしました。さらに、第4四半期には、展示会や企業イベント等の大型映像サービスを展開する株式会社シグマ映像を連結子会社化するなど、成長戦略を着実に実行しております。
当連結会計年度における2020年1月までの業績は、2019年10月30日に公表しました修正予想数値に対して、事業ごとにばらつきはあるものの、ほぼ計画どおりに推移いたしました。M&Aによる事業拡大に加え、東京オリンピック・パラリンピック関連や東京都内・地方主要都市の再開発需要、コンサート・イベント需要の拡大を追い風に、順調な進捗を示しておりました。しかしながら、2020年2月中旬以降、新型コロナウイルス感染症の拡大を受け、大多数のコンサート・イベントが中止・延期となりました。当社グループの主たる収益源であるコンサート・イベントサービス事業において需要の著しい減少に見舞われたことから、売上高は前連結会計年度と比べ増加いたしましたが、営業利益及び経常利益は減少いたしました。
また、当社の連結子会社であるH&X Technologies, Inc.が固定資産に計上している事業用設備(LEDディスプレイ・システム)について、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う需要の急減等により収益性が悪化したため、資産の健全化を目的として、固定資産の減損損失107百万円を特別損失に計上しております。
これらの結果、売上高40,825百万円(前年同期比20.4%増)、営業利益1,267百万円(同11.4%減)、経常利益1,428百万円(同17.2%減)、親会社株主に帰属する当期純利益694百万円(同28.8%減)となりました。
なお、2019年2月28日に行われたTLS PRODUCTIONS,INC.との企業結合について、前連結会計年度に暫定的な会計処理を行っておりましたが、当連結会計年度に確定したため、前連結会計年度との比較・分析にあたっては、暫定的な会計処理の確定による影響を反映した後の金額を用いております。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
なお、当連結会計年度よりセグメントの区分方法及び名称を変更しております。また、セグメント別の利益の算定方法の変更を行っております。業績における前年同期比較については、前年同期の数値を変更後の区分方法、名称及び算定方法に組み替えて比較しております。
[電気音響・販売施工事業]
電気音響・販売施工事業は、市場や事業を取り巻く外部環境が大きく変化する中、連結子会社であったスチューダー・ジャパン-ブロードキャスト株式会社を経営資源の集中と効率化の観点から吸収合併いたしました。
売上高は、Sama Soundグループ及び株式会社テクノハウスの通期連結等により前連結会計年度を上回りました。しかしながら、前連結会計年度と比べ大型案件が減少したことや、工事の遅れにより検収が翌期に遅延した案件が発生するなど、一部の低調さが影響し、利益は前連結会計年度を下回りました。
これらの結果、売上高16,229百万円(前年同期比9.5%増)、セグメント利益342百万円(同55.0%減)となりました。
[建築音響・施工事業]
建築音響・施工事業は、日本環境アメニティ株式会社の新規連結により、売上高は前連結会計年度を上回りました。東京都内・地方主要都市の再開発や放送局の建て替えなど、大型案件が集中したことに加え、これらの大型案件で特に高い利益率を確保できたことから、のれん償却額が増加したものの、利益が大幅に増加いたしました。
これらの結果、売上高8,871百万円(前年同期比77.7%増)、セグメント利益909百万円(同146.8%増)となりました。
[映像製品の開発・製造・販売事業]
映像製品の開発・製造・販売事業は、東京オリンピック・パラリンピックに向けた施設整備や都市圏の再開発事業の増加、また、すでにLEDディスプレイ・システムを導入している施設等でのリプレイス需要を背景に、国内市場は拡大基調で推移いたしました。
このような状況のもと、東京オリンピック・パラリンピック関連施設や公営競技場、オフィスビル、東京都内の再開発等を手掛け、売上高及び利益は前連結会計年度を上回りました。
これらの結果、売上高2,012百万円(前年同期比2.5%増)、セグメント利益231百万円(同101.0%増)となりました。
[コンサート・イベントサービス事業]
コンサート・イベントサービス事業は、コンサート市場が引き続き好調に推移したことに加え、大型国際会議やラグビーワールドカップ2019日本大会、東京モーターショー等の大規模な国際行事が開催され、これらの特需案件を確実に獲得したことから、売上高が伸長いたしました。
しかしながら、2020年2月中旬以降、新型コロナウイルス感染症の拡大を受け、大多数のコンサート・イベントが中止・延期となりました。当連結会計年度における2020年1月までの業績は、ほぼ順調に推移いたしましたが、2月、3月の落ち込みが大きく、特に深刻な影響が及んだアメリカ子会社では、損失が拡大いたしました。
これらの結果、売上高13,180百万円(前年同期比13.2%増)、セグメント利益1,052百万円(同20.2%減)となりました。
[その他の事業]
その他の事業は、業務用照明機器の販売、システム設計・施工・メンテナンスを行っております。
売上高531百万円(前年同期比7.3%増)、セグメント利益40百万円(同59.6%増)となりました。
(3) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前連結会計年度に比べ2,056百万円減少し、2,718百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は6,724百万円(前年同期比267.6%増)となりました。
資金の主な増加要因としては、税金等調整前当期純利益1,339百万円の計上及び減価償却費2,740百万円、売上債権の減少額2,877百万円並びに前受金の増加額1,818百万円であります。また、主な減少要因としては、たな卸資産の増加額1,616百万円であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は5,766百万円(前年同期比31.9%増)となりました。
資金の主な減少要因としては、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出2,323百万円及び有形固定資産の取得による支出3,400百万円であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は2,976百万円(前年同期は4,696百万円の資金獲得)となりました。
資金の主な減少要因としては、短期借入金の純減額3,367百万円及び長期借入金の返済による支出2,395百万円であります。また、主な増加要因としては、長期借入れによる収入3,300百万円であります。
生産、受注及び販売の実績
(1) 生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.電気音響・販売施工事業及び建築音響・施工事業の金額は、一部の国内連結子会社における当期完成工事高を記載しております。
2.映像製品の開発・製造・販売事業の金額は、製造原価によっております。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 受注実績
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.電気音響・販売施工事業及び建築音響・施工事業は、一部の国内連結子会社における建設工事に限定しております。
2.映像製品の開発・製造・販売事業の受注実績は、特注品を対象にしております。
(3) 商品仕入実績
当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(4) 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において分析、判断したものであります。
(1) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成にあたりまして経営陣は、資産・負債及び収益・費用の計上、偶発債務等の開示に関連した種々の見積りを行っております。これら見積りにつきましては過去の実績や状況を勘案した合理的な仮定に基づき判断しておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5経理の状況の1連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しておりますが、当社は次のものを連結財務諸表作成における重要な見積り項目と考えております。
会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の不確実性の内容やその変動により経営成績等に生じる影響は、「第5経理の状況」の連結財務諸表及び財務諸表の「注記事項(追加情報)」に記載しております。
① 完成工事高及び完成工事原価の計上方法
当社グループは、工事契約に関して、成果の確実性が認められる工事については工事進行基準を適用し、その他の工事については工事完成基準を適用しております。工事進行基準の適用に当たっては、工事収入総額、工事原価総額及び決算日における工事進捗度を合理的に見積もっており、工事の進捗部分については成果の確実性が認められるものと判断しております。
② のれん
当社グループは、のれんについて、その効果の発現する期間を見積り、その期間で均等償却しております。また、その資産性について子会社の業績や事業計画等を基に検討しており、将来において当初想定した収益が見込めなくなり、減損の必要性を認識した場合には、当該連結会計年度においてのれんの減損処理を行う可能性があります。
(2) 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
① 売上高及び売上総利益
当連結会計年度における2020年1月までの業績は、M&Aによる事業拡大に加え、東京オリンピック・パラリンピック関連や東京都内・地方主要都市の再開発需要、コンサート・イベント需要の拡大を追い風に、順調な進捗を示しておりました。しかしながら、2020年2月中旬以降、新型コロナウイルス感染症の拡大を受け、流通商品の販売が鈍化し、大多数のコンサート・イベントが中止・延期になりました。
これらの結果、売上高は40,825百万円(前年同期比20.4%増)、売上総利益は13,701百万円(同24.8%増)となりました。
② 営業損益、経常損益
営業利益については、連結子会社の増加による販管費の増加及び新型コロナウイルス感染症の拡大により、当社グループの主たる収益源であるコンサート・イベントサービス事業において需要の著しい減少に見舞われたことから前連結会計年度に比べ減少いたしました。経常利益については、為替差損78百万円の計上等により前連結会計年度と比べ減少しました。
これらの結果、営業利益は1,267百万円(前年同期比11.4%減)、経常利益は1,428百万円(同17.2%減)となりました。
③ 特別損益及び親会社株主に帰属する当期純損益
当社の連結子会社であるH&X Technologies, Inc.が固定資産に計上している事業用設備(LEDディスプレイ・システム)について、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う需要の急減等により収益性が悪化したため、資産の健全化を目的として、固定資産の減損損失107百万円を特別損失に計上しております。
これらの結果、親会社株主に帰属する当期純利益は694百万円(前年同期比28.8%減)となりました。
(3) 経営成績等に重要な影響を与える要因について
経営成績等に重要な影響を与える要因は、「第2 事業の状況 2.事業等のリスク」に詳述したとおりであります。
(4) 経営戦略の現状と見通し
経営戦略の現状と見通しは、「第2 事業の状況 1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に詳述したとおりであります。
(5) キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
① キャッシュ・フロー
当社グループのキャッシュ・フローの分析については、「第2 事業の状況 3.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (3)キャッシュ・フローの状況」に詳述したとおりであります。
② 資金需要
当社グループの資金需要の主なものは、運転資金、子会社取得に要する資金及び設備投資資金であります。設備(機材)投資資金は、最新鋭かつ大量の機材を保有し他社との差別化を図るために欠かすことの出来ないものです。また運転資金としては、売上債権の入金時期と仕入債務の支払時期に差異が出るため、一定の資金を常に保有しておく必要があります。
③ 財務政策
当社グループは、運転資金、子会社取得に要する資金及び設備投資資金について、必要に応じて借入による資金調達を行っております。運転資金につきましては、貸出コミットメント契約を締結し機動的な調達を行なっております。子会社取得に要する資金及び設備投資資金につきましては、長期借入金による調達を行っております。また、グループ全社資金の効率化を図るため、資金余剰状態にある子会社から当社が資金を借り入れ、資金需要が発生している子会社に貸出を行うグループファイナンスを実施しております。
なお、貸出コミットメント契約の締結につきましては以下の財務制限条項が付されており、これに抵触した場合、借入先の請求に基づき、借入金を一括返済することがあり(複数ある場合は、条件の厳しい方を記載しております。)、当社グループの財政状態、経営成績及び信用に影響が及ぶ可能性があります。
①各年度及び第2四半期の決算期末日において、貸借対照表(連結及び個別)における純資産の部の金額を、前年度決算期末日における純資産の部の合計額の80%以上に維持すること。
②各年度及び第2四半期の決算期末日における、損益計算書(連結及び個別)の営業損益及び経常損益においてそれぞれ損失を計上しないこと。
なお、当連結会計年度末において財務制限条項に抵触しておりません。
(6) 経営者の問題認識と今後の方針について
当社グループを取り巻く経営環境は、技術革新や社会インフラ整備の進行により日々変化し続けております。
当社グループの経営陣は、当社グループを「仕事にこだわりを持つ、技術力を背景にした信頼度の高いプロ集団」と位置づけ、グループ全体でヒビノブランドの知名度拡大・浸透を図りながら、プロ用AV&IT業界の牽引役になれるよう法令等の遵守のもと改善・改革を推し進め、時代の変化を先取りして創造性を十二分に発揮することで事業を継続的に発展させ、企業価値の最大化を目指してまいります。
とりわけ、電気音響・販売施工事業においては、すでに品質の良さを認知されている著名なブランドだけでなく、国内での知名度は高くなくても当社グループが品質等に関して優秀であると見極めたブランドについても輸入販売権を確保することで、より一層の業績拡大を図ってまいります。
LEDディスプレイ・システムを中心とした映像製品の開発・製造・販売事業においては、高品質・高精彩によって世界的な評価を得ている当社製LEDディスプレイ・システムの性能をさらに高めることやコンサート・イベントサービス事業との連携を強化すること等により、事業基盤を拡充してまいります。また、さらなる「ものづくり」事業の強化に向けて、LED関連のオリジナル製品や、市場ニーズを先取りした製品の研究開発に注力するとともに、製造面で一層のコストダウンを図り収益性を高めてまいります。
さらにM&Aや業務提携による事業分野の拡大を進めるとともに、グループ全体の連携、共同事業の拡大、業務の効率化にも努めてまいります。
グループ経営に関しては、引き続き内部統制体制を強化しつつ、リスク管理の徹底、公正な経営の推進ならびに透明性の確保によりコーポレート・ガバナンスの充実を図ってまいります。
(1) 財政状態
当連結会計年度末の資産につきましては、33,384百万円となり、前連結会計年度末と比べ862百万円増加しました。これは仕掛品及びのれんが増加したことが主な要因であります。
負債合計につきましては、23,101百万円となり、前連結会計年度末と比べ614百万円増加しました。これは支払手形及び買掛金並びに前受金が増加したことが主な要因であります。
純資産合計につきましては、10,283百万円となり、前連結会計年度末と比べ248百万円増加しました。これは親会社株主に帰属する当期純利益の利益剰余金への計上が主な要因であります。
(2) 経営成績
当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善を背景に緩やかな回復基調で推移しておりました。しかしながら、新型コロナウイルス感染症の影響により、当連結会計年度の終盤にかけて景気は急速に悪化し、先行きについても極めて厳しい状況が続くものと見込まれます。
このような状況のもと当社グループ(当社と連結子会社20社)は、中期経営計画「ビジョン2020」において、音響、映像、音楽、ライブの分野でナンバーワン、オンリーワンの企業が集まり、連携する仕組みをつくる「ハニカム型経営」に取り組んでおります。
この基本戦略に基づき、第1四半期には、ホールやスタジオの建築音響、商業施設や事業施設の防音対策及び鉄道や道路の騒音に対する防音対策に強みを持つ日本板硝子環境アメニテイ株式会社(現 日本環境アメニティ株式会社)を連結子会社化いたしました。また、第3四半期には、連結子会社であったスチューダー・ジャパン-ブロードキャスト株式会社を経営資源の集中と効率化の観点から吸収合併した一方で、グローバル展開を加速するため、欧州地域の統括会社として、オランダ王国にHibino Europe B.V.を設立いたしました。さらに、第4四半期には、展示会や企業イベント等の大型映像サービスを展開する株式会社シグマ映像を連結子会社化するなど、成長戦略を着実に実行しております。
当連結会計年度における2020年1月までの業績は、2019年10月30日に公表しました修正予想数値に対して、事業ごとにばらつきはあるものの、ほぼ計画どおりに推移いたしました。M&Aによる事業拡大に加え、東京オリンピック・パラリンピック関連や東京都内・地方主要都市の再開発需要、コンサート・イベント需要の拡大を追い風に、順調な進捗を示しておりました。しかしながら、2020年2月中旬以降、新型コロナウイルス感染症の拡大を受け、大多数のコンサート・イベントが中止・延期となりました。当社グループの主たる収益源であるコンサート・イベントサービス事業において需要の著しい減少に見舞われたことから、売上高は前連結会計年度と比べ増加いたしましたが、営業利益及び経常利益は減少いたしました。
また、当社の連結子会社であるH&X Technologies, Inc.が固定資産に計上している事業用設備(LEDディスプレイ・システム)について、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う需要の急減等により収益性が悪化したため、資産の健全化を目的として、固定資産の減損損失107百万円を特別損失に計上しております。
これらの結果、売上高40,825百万円(前年同期比20.4%増)、営業利益1,267百万円(同11.4%減)、経常利益1,428百万円(同17.2%減)、親会社株主に帰属する当期純利益694百万円(同28.8%減)となりました。
なお、2019年2月28日に行われたTLS PRODUCTIONS,INC.との企業結合について、前連結会計年度に暫定的な会計処理を行っておりましたが、当連結会計年度に確定したため、前連結会計年度との比較・分析にあたっては、暫定的な会計処理の確定による影響を反映した後の金額を用いております。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
なお、当連結会計年度よりセグメントの区分方法及び名称を変更しております。また、セグメント別の利益の算定方法の変更を行っております。業績における前年同期比較については、前年同期の数値を変更後の区分方法、名称及び算定方法に組み替えて比較しております。
[電気音響・販売施工事業]
電気音響・販売施工事業は、市場や事業を取り巻く外部環境が大きく変化する中、連結子会社であったスチューダー・ジャパン-ブロードキャスト株式会社を経営資源の集中と効率化の観点から吸収合併いたしました。
売上高は、Sama Soundグループ及び株式会社テクノハウスの通期連結等により前連結会計年度を上回りました。しかしながら、前連結会計年度と比べ大型案件が減少したことや、工事の遅れにより検収が翌期に遅延した案件が発生するなど、一部の低調さが影響し、利益は前連結会計年度を下回りました。
これらの結果、売上高16,229百万円(前年同期比9.5%増)、セグメント利益342百万円(同55.0%減)となりました。
[建築音響・施工事業]
建築音響・施工事業は、日本環境アメニティ株式会社の新規連結により、売上高は前連結会計年度を上回りました。東京都内・地方主要都市の再開発や放送局の建て替えなど、大型案件が集中したことに加え、これらの大型案件で特に高い利益率を確保できたことから、のれん償却額が増加したものの、利益が大幅に増加いたしました。
これらの結果、売上高8,871百万円(前年同期比77.7%増)、セグメント利益909百万円(同146.8%増)となりました。
[映像製品の開発・製造・販売事業]
映像製品の開発・製造・販売事業は、東京オリンピック・パラリンピックに向けた施設整備や都市圏の再開発事業の増加、また、すでにLEDディスプレイ・システムを導入している施設等でのリプレイス需要を背景に、国内市場は拡大基調で推移いたしました。
このような状況のもと、東京オリンピック・パラリンピック関連施設や公営競技場、オフィスビル、東京都内の再開発等を手掛け、売上高及び利益は前連結会計年度を上回りました。
これらの結果、売上高2,012百万円(前年同期比2.5%増)、セグメント利益231百万円(同101.0%増)となりました。
[コンサート・イベントサービス事業]
コンサート・イベントサービス事業は、コンサート市場が引き続き好調に推移したことに加え、大型国際会議やラグビーワールドカップ2019日本大会、東京モーターショー等の大規模な国際行事が開催され、これらの特需案件を確実に獲得したことから、売上高が伸長いたしました。
しかしながら、2020年2月中旬以降、新型コロナウイルス感染症の拡大を受け、大多数のコンサート・イベントが中止・延期となりました。当連結会計年度における2020年1月までの業績は、ほぼ順調に推移いたしましたが、2月、3月の落ち込みが大きく、特に深刻な影響が及んだアメリカ子会社では、損失が拡大いたしました。
これらの結果、売上高13,180百万円(前年同期比13.2%増)、セグメント利益1,052百万円(同20.2%減)となりました。
[その他の事業]
その他の事業は、業務用照明機器の販売、システム設計・施工・メンテナンスを行っております。
売上高531百万円(前年同期比7.3%増)、セグメント利益40百万円(同59.6%増)となりました。
(3) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前連結会計年度に比べ2,056百万円減少し、2,718百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は6,724百万円(前年同期比267.6%増)となりました。
資金の主な増加要因としては、税金等調整前当期純利益1,339百万円の計上及び減価償却費2,740百万円、売上債権の減少額2,877百万円並びに前受金の増加額1,818百万円であります。また、主な減少要因としては、たな卸資産の増加額1,616百万円であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は5,766百万円(前年同期比31.9%増)となりました。
資金の主な減少要因としては、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出2,323百万円及び有形固定資産の取得による支出3,400百万円であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は2,976百万円(前年同期は4,696百万円の資金獲得)となりました。
資金の主な減少要因としては、短期借入金の純減額3,367百万円及び長期借入金の返済による支出2,395百万円であります。また、主な増加要因としては、長期借入れによる収入3,300百万円であります。
生産、受注及び販売の実績
(1) 生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | 前年同期比(%) |
| 電気音響・販売施工事業 (千円) | 2,487,498 | 129.6 |
| 建築音響・施工事業 (千円) | 5,172,747 | 155.3 |
| 映像製品の開発・製造・販売事業 (千円) | 979,604 | 164.3 |
| 合計 (千円) | 8,639,850 | 147.8 |
(注)1.電気音響・販売施工事業及び建築音響・施工事業の金額は、一部の国内連結子会社における当期完成工事高を記載しております。
2.映像製品の開発・製造・販売事業の金額は、製造原価によっております。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 受注実績
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 受注高(千円) | 前年同期比(%) | 受注残高(千円) | 前年同期比(%) |
| 電気音響・販売施工事業 | 4,479,951 | 117.2 | 1,241,269 | 145.0 |
| 建築音響・施工事業 | 6,943,596 | 111.7 | 3,638,511 | 64.4 |
| 映像製品の開発・製造・販売事業 | 2,173,909 | 167.5 | 1,660,169 | 399.1 |
| 合計 | 13,597,457 | 119.9 | 6,539,950 | 94.4 |
(注)1.電気音響・販売施工事業及び建築音響・施工事業は、一部の国内連結子会社における建設工事に限定しております。
2.映像製品の開発・製造・販売事業の受注実績は、特注品を対象にしております。
(3) 商品仕入実績
当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | 前年同期比(%) |
| 電気音響・販売施工事業 (千円) | 4,411,598 | 101.8 |
| 映像製品の開発・製造・販売事業 (千円) | 573,422 | 121.0 |
| その他の事業 (千円) | 320,062 | 82.0 |
| 合計 (千円) | 5,305,084 | 102.1 |
(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(4) 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | 前年同期比(%) |
| 電気音響・販売施工事業 (千円) | 16,229,793 | 109.5 |
| 建築音響・施工事業 (千円) | 8,871,307 | 177.7 |
| 映像製品の開発・製造・販売事業 (千円) | 2,012,651 | 102.5 |
| コンサート・イベントサービス事業 (千円) | 13,180,787 | 113.2 |
| その他の事業 (千円) | 531,282 | 107.3 |
| 合計 (千円) | 40,825,821 | 120.4 |
(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において分析、判断したものであります。
(1) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成にあたりまして経営陣は、資産・負債及び収益・費用の計上、偶発債務等の開示に関連した種々の見積りを行っております。これら見積りにつきましては過去の実績や状況を勘案した合理的な仮定に基づき判断しておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5経理の状況の1連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しておりますが、当社は次のものを連結財務諸表作成における重要な見積り項目と考えております。
会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の不確実性の内容やその変動により経営成績等に生じる影響は、「第5経理の状況」の連結財務諸表及び財務諸表の「注記事項(追加情報)」に記載しております。
① 完成工事高及び完成工事原価の計上方法
当社グループは、工事契約に関して、成果の確実性が認められる工事については工事進行基準を適用し、その他の工事については工事完成基準を適用しております。工事進行基準の適用に当たっては、工事収入総額、工事原価総額及び決算日における工事進捗度を合理的に見積もっており、工事の進捗部分については成果の確実性が認められるものと判断しております。
② のれん
当社グループは、のれんについて、その効果の発現する期間を見積り、その期間で均等償却しております。また、その資産性について子会社の業績や事業計画等を基に検討しており、将来において当初想定した収益が見込めなくなり、減損の必要性を認識した場合には、当該連結会計年度においてのれんの減損処理を行う可能性があります。
(2) 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
① 売上高及び売上総利益
当連結会計年度における2020年1月までの業績は、M&Aによる事業拡大に加え、東京オリンピック・パラリンピック関連や東京都内・地方主要都市の再開発需要、コンサート・イベント需要の拡大を追い風に、順調な進捗を示しておりました。しかしながら、2020年2月中旬以降、新型コロナウイルス感染症の拡大を受け、流通商品の販売が鈍化し、大多数のコンサート・イベントが中止・延期になりました。
これらの結果、売上高は40,825百万円(前年同期比20.4%増)、売上総利益は13,701百万円(同24.8%増)となりました。
② 営業損益、経常損益
営業利益については、連結子会社の増加による販管費の増加及び新型コロナウイルス感染症の拡大により、当社グループの主たる収益源であるコンサート・イベントサービス事業において需要の著しい減少に見舞われたことから前連結会計年度に比べ減少いたしました。経常利益については、為替差損78百万円の計上等により前連結会計年度と比べ減少しました。
これらの結果、営業利益は1,267百万円(前年同期比11.4%減)、経常利益は1,428百万円(同17.2%減)となりました。
③ 特別損益及び親会社株主に帰属する当期純損益
当社の連結子会社であるH&X Technologies, Inc.が固定資産に計上している事業用設備(LEDディスプレイ・システム)について、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う需要の急減等により収益性が悪化したため、資産の健全化を目的として、固定資産の減損損失107百万円を特別損失に計上しております。
これらの結果、親会社株主に帰属する当期純利益は694百万円(前年同期比28.8%減)となりました。
(3) 経営成績等に重要な影響を与える要因について
経営成績等に重要な影響を与える要因は、「第2 事業の状況 2.事業等のリスク」に詳述したとおりであります。
(4) 経営戦略の現状と見通し
経営戦略の現状と見通しは、「第2 事業の状況 1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に詳述したとおりであります。
(5) キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
① キャッシュ・フロー
当社グループのキャッシュ・フローの分析については、「第2 事業の状況 3.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (3)キャッシュ・フローの状況」に詳述したとおりであります。
② 資金需要
当社グループの資金需要の主なものは、運転資金、子会社取得に要する資金及び設備投資資金であります。設備(機材)投資資金は、最新鋭かつ大量の機材を保有し他社との差別化を図るために欠かすことの出来ないものです。また運転資金としては、売上債権の入金時期と仕入債務の支払時期に差異が出るため、一定の資金を常に保有しておく必要があります。
③ 財務政策
当社グループは、運転資金、子会社取得に要する資金及び設備投資資金について、必要に応じて借入による資金調達を行っております。運転資金につきましては、貸出コミットメント契約を締結し機動的な調達を行なっております。子会社取得に要する資金及び設備投資資金につきましては、長期借入金による調達を行っております。また、グループ全社資金の効率化を図るため、資金余剰状態にある子会社から当社が資金を借り入れ、資金需要が発生している子会社に貸出を行うグループファイナンスを実施しております。
なお、貸出コミットメント契約の締結につきましては以下の財務制限条項が付されており、これに抵触した場合、借入先の請求に基づき、借入金を一括返済することがあり(複数ある場合は、条件の厳しい方を記載しております。)、当社グループの財政状態、経営成績及び信用に影響が及ぶ可能性があります。
①各年度及び第2四半期の決算期末日において、貸借対照表(連結及び個別)における純資産の部の金額を、前年度決算期末日における純資産の部の合計額の80%以上に維持すること。
②各年度及び第2四半期の決算期末日における、損益計算書(連結及び個別)の営業損益及び経常損益においてそれぞれ損失を計上しないこと。
なお、当連結会計年度末において財務制限条項に抵触しておりません。
(6) 経営者の問題認識と今後の方針について
当社グループを取り巻く経営環境は、技術革新や社会インフラ整備の進行により日々変化し続けております。
当社グループの経営陣は、当社グループを「仕事にこだわりを持つ、技術力を背景にした信頼度の高いプロ集団」と位置づけ、グループ全体でヒビノブランドの知名度拡大・浸透を図りながら、プロ用AV&IT業界の牽引役になれるよう法令等の遵守のもと改善・改革を推し進め、時代の変化を先取りして創造性を十二分に発揮することで事業を継続的に発展させ、企業価値の最大化を目指してまいります。
とりわけ、電気音響・販売施工事業においては、すでに品質の良さを認知されている著名なブランドだけでなく、国内での知名度は高くなくても当社グループが品質等に関して優秀であると見極めたブランドについても輸入販売権を確保することで、より一層の業績拡大を図ってまいります。
LEDディスプレイ・システムを中心とした映像製品の開発・製造・販売事業においては、高品質・高精彩によって世界的な評価を得ている当社製LEDディスプレイ・システムの性能をさらに高めることやコンサート・イベントサービス事業との連携を強化すること等により、事業基盤を拡充してまいります。また、さらなる「ものづくり」事業の強化に向けて、LED関連のオリジナル製品や、市場ニーズを先取りした製品の研究開発に注力するとともに、製造面で一層のコストダウンを図り収益性を高めてまいります。
さらにM&Aや業務提携による事業分野の拡大を進めるとともに、グループ全体の連携、共同事業の拡大、業務の効率化にも努めてまいります。
グループ経営に関しては、引き続き内部統制体制を強化しつつ、リスク管理の徹底、公正な経営の推進ならびに透明性の確保によりコーポレート・ガバナンスの充実を図ってまいります。