有価証券報告書-第13期(平成25年4月1日-平成26年3月31日)

【提出】
2014/06/25 15:13
【資料】
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【項目】
88項目

財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

当社の財政状態及び経営成績の分析は、以下のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項は、本報告書提出日現在において当社が判断したものであります。
(1)重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたっては、期末日における資産及び負債、会計期間における収益及び費用に影響を及ぼすような仮定や見積りを必要とします。これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、仮定あるいは条件の変化により、実際の結果と異なる可能性があります。当社の財務諸表に大きな影響を及ぼす可能性がある重要な会計方針の適用における仮定や見積りには、以下のようなものが考えられます。
①ソフトウエアの会計処理
当社が開発するソフトウエア製品において、開発に要した外注費や労務費等を費用計上せず、投資としてソフトウエア又はソフトウエア仮勘定に計上することがあります。精緻な事業計画に基づき積極的に開発を行っていきますが、ソフトウエア資産の回収可能性については見積り特有の不確実性があるため、追加的な減価償却費又は損失が発生する可能性があります。
(2)当事業年度の財政状態の分析
①流動資産
当事業年度における流動資産の残高は2,828,823千円(前事業年度比23.7%減少)であり、総資産に占める割合は69.5%であります。このうち主要なものは、現金及び預金が1,338,180千円及び売掛金が1,110,882千円であります。
②固定資産
当事業年度における固定資産の残高は1,243,445千円(前事業年度比48.9%増加)であり、総資産に占める割合は30.5%であります。このうち主要なものは、ソフトウエア450,655千円及びソフトウエア仮勘定173,685千円並びに繰延税金資産264,459千円であります。
③流動負債
当事業年度における流動負債の残高は1,813,946千円(前事業年度比1.2%減少)であり、負債純資産合計に占める割合は44.5%であります。このうち主要なものは、未払金742,639千円及び1年内返済予定の長期借入金380,712千円であります。
④固定負債
当事業年度における固定負債の残高は426,764千円(前事業年度比4.0%減少)であり、負債純資産合計に占める割合は10.5%であります。このうち主要なものは、長期借入金224,800千円であります。
⑤純資産
当事業年度における純資産の残高は1,831,558千円(前事業年度比19.1%減少)であり、負債純資産合計に占める割合は45.0%であります。このうち主要なものは、資本金1,124,359千円及び資本剰余金1,365,339千円であります。
(3)当事業年度の経営成績の分析
①営業損益
当事業年度における売上高は前事業年度に比べて17.7%減少し、6,989,141千円、営業損失は、503,565千円となりました。セグメント別実績は下記のとおりであります。
エンタメウェブでは、主力のソーシャルゲームサービス事業において、新規スマートフォンゲームを複数リリースしました。第2四半期にリリースした「ファンタジスタドールガールズロワイヤル」でユーザー獲得が計画未達となり、また第4四半期リリースの「フルボッコヒーローズ」並びに他社が配信するアニメ版権ゲームは、順調な立ち上がりとなっているものの、当事業年度業績には限定的な寄与となりました。既存ゲームに関しては、中核ユーザーに焦点をあてた運用・サポートにより「ちょこっとファーム」、「陰陽師」、「ビックリマン」が底堅く推移しましたが、スマートフォン向け新規リリースに向けた注力のため、既存ゲーム各々に優先順位をつけ、人員等のリソースを新規開発に重点配分したことで、他の既存ゲームはリリースからの経年とスマートフォンへの移行が進む環境変化も相俟って、軟調な推移となりました。
中期的な観点で事業開発を進めているソーシャルラーニング事業においては、英語学習アプリ「えいぽんたん」をiOS、Android双方の端末向けにリリースしました。既存アプリを含む累計ユーザー数は200万人を超え、累計の問題回答数も15億題に至っております。同事業はソーシャルゲームの手法も取り入れ売上高を伸ばしておりますが、事業開発段階にあり業績への影響は軽微にとどまっております。
以上のことから、セグメント売上高は6,384,431千円(前事業年度比17.6%減)、セグメント損失は272,423千円(前事業年度はセグメント利益637,216千円)となりました。
アドソリューション事業において、動画を利用したリワード広告の導入促進に加え、スマートフォン向けコンテンツ事業者を広告主とする広告サービス「HEATAPP REWARD」、「フライングガチャ」を開始しました。「HEATAPP REWARD」、「フライングガチャ」は、スマートフォン向けアプリのセールスプロモーションに特化したサービスで、足下の市場環境の変化が追い風となり、順調にサービスが立ち上がりつつあります。しかしながら、前事業年度下期からユーザー数が減少していた一部媒体の取扱を第2四半期に止めた影響が大きく、セグメント売上高は623,031千円(前事業年度比21.6%減)、セグメント損失は231,142千円(前事業年度はセグメント損失162,997千円)となりました。
②経常損益
当事業年度においては、上記のとおり営業利益が減少したことに伴い、522,601千円(前事業年度は経常利益465,071千円)の経常損失となりました。
③純損益
当事業年度においては、減損損失として特別損失を181,768千円計上し、税金費用として法人税、住民税及び事業税2,491千円、法人税等調整額204,135千円を計上したことにより、508,725千円(前事業年度は当期純利益127,010千円)の当期純損失となりました。
(4)経営戦略の現状と見通し
当社の事業領域におきましては、引き続きスマートフォンの普及が大きな影響を及ぼすと思われます。このような事業環境の中、当社では、各事業において安定成長を目指し品質の高いコンテンツを提供し運営していくほか、当社の強みであるマーケティング力を強化し、事業間で融合を進化させることにより収益シナジーを創出し、事業拡大に努めていく所存です。