有価証券報告書-第35期(2025/04/01-2026/03/31)
(1) 経営成績等の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用関連会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりです。
①財政状態及び経営成績の状況
A.財政状態
(a)資産の部
流動資産は、前連結会計年度末に比べて1,192百万円(2.8%)増加し、43,758百万円となりました。これは主に、売掛金が1,824百万円減少し、現金及び預金が1,236百万円、その他が1,615百万円増加したことなどによります。
固定資産は、前連結会計年度末に比べて3,244百万円(16.9%)増加し、22,464百万円となりました。これは主に、投資有価証券が2,542百万円、敷金及び保証金が2,285百万円増加し、長期貸付金が1,085百万円減少したことなどによります。
この結果、資産合計は、前連結会計年度末に比べて4,436百万円(7.2%)増加し、66,223百万円となりました。
(b)負債の部
流動負債は、前連結会計年度末に比べて3,237百万円(32.7%)増加し、13,133百万円となりました。これは主に、1年内返済予定の長期借入金が500百万円、その他が1,826百万円増加したことなどによります。
固定負債は、前連結会計年度末に比べて1,853百万円(43.1%)減少し、2,446百万円となりました。これは、長期借入金が1,900百万円減少し、繰延税金負債が46百万円増加したことによります。
この結果、負債合計は、前連結会計年度末に比べて1,383百万円(9.7%)増加し、15,579百万円となりました。
(c)純資産の部
純資産合計は、前連結会計年度末に比べて3,053百万円(6.4%)増加し、50,643百万円となりました。これは主に、利益剰余金が、親会社株主に帰属する当期純利益による増加額12,487百万円及び配当金の支払による減少額9,200百万円などにより3,261百万円増加したことなどによります。
B.経営成績
(a)売上高
当連結会計年度の売上高は50,257百万円と、前連結会計年度に比べて14.0%増加し、6,179百万円の増加となりました。
売上内訳といたしましては、M&A仲介事業が48,488百万円、その他の事業が1,768百万円であり、前連結会計年度と比べて、M&A仲介事業は5,779百万円の増加、その他の事業は400百万円の増加となりました。
(b)経常利益
当連結会計年度の経常利益は19,154百万円と、前連結会計年度に比べて13.2%増加し、2,236百万円の増加となりました。
売上原価は19,979百万円で、前連結会計年度に比べて2,604百万円の増加となりました。
販売費及び一般管理費は11,516百万円で、前連結会計年度に比べて1,528百万円の増加となりました。
営業利益は18,761百万円で、前連結会計年度に比べて2,045百万円の増加となりました。
営業外収益は447百万円で、主なものは受取利息173百万円であります。
営業外費用は54百万円で、主なものは支払利息53百万円であります。
この結果、経常利益は19,154百万円となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は39,440百万円と、前連結会計年度末に比べて725百万円の増加となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動におけるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、15,551百万円と前年同期に比べ2,435百万円(18.6%)の増加となりました。これは主に税金等調整前当期純利益が19,170百万円となったこと等を反映したものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、4,314百万円(前年同期は11,982百万円の収入)となりました。これは主に敷金及び保証金が2,284百万円増加したこと、投資有価証券の取得による支出が2,155百万円、長期貸付けによる支出が799百万円あったこと及び有形固定資産の取得による支出が251百万円あったことや、定期預金の払戻による収入が1,397百万円あったこと等を反映したものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、10,588百万円と前年同期と比べ1,834百万円(21.0%)の増加となりました。これは主に長期借入金の返済による支出が1,400百万円あったこと、及び配当金の支払額が9,200百万円あったこと等を反映したものであります。
③生産、受注及び販売の状況
A.生産実績、受注状況
該当事項はありません。
B.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定は次のとおりであります。
A. 繰延税金資産の回収可能性
(a) 当連結会計年度の連結財務諸表に計上した金額
繰延税金資産の金額は、連結財務諸表「注記事項(税効果会計関係)」の1.に記載の金額と同一であります。
(b) 識別した項目に係る重要な会計上の見積りの内容に関する情報
当社グループは、繰延税金資産について、将来の利益計画に基づいた課税所得が十分に確保できることや、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、業績が著しく悪化する等して、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じ、課税所得が減少した場合、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
A. 当連結会計年度の経過と経営成績
当社グループは、不祥事発覚後4年間の再生過程を経て、当連結会計年度において下表のとおり売上高並びに営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益のすべてにおいて過去最高の業績を計上することができました。
当社グループ本来の業績達成サイクルへの回帰も着実に進行し、当社グループは次連結会計年度以降の「第2創業」としての再成長ステージに歩みを進めることができたものと認識しております。
当連結会計年度の成約件数は1,061件(前年同期比17件減)にとどまりましたが、他方では引き続きミッドキャップ案件(売上高10億円以上又は利益5千万円以上)の成約に注力した結果、1件当たりのM&A売上高は、前連結会計年度の39.6百万円と比べ6.1百万円増加し、45.7百万円となりました。
着実に成果が出つつあるミッドキャップ案件受託施策の一層の強化、大規模セミナー等のダイレクト企画やAI活用を推進する一方で、削減可能な各種費用の抑制等を図った結果、経常利益率は38.1%となり、高利益率体制を維持することができました。
当連結会計年度における譲渡案件の新規受託件数は1,283件(前年同期1,432件)となり、前年同期と比べて151件減少しました。これは、これまでの可能な限り多くの受託を行う量拡大型の受託方針から「成約可能性」や「顧客に対する結果責任」を重視した受託方針へ転換したことによるものです。
この方針転換により実質的な有効受託件数は上昇すると見込んでおり、将来の収益性向上に向けた前向きな構造転換を実施しております。
B. 当連結会計年度の営業の取組
① データドリブン経営
当社グループでは2025年2月にAIによる商談解析サービス「Bring Out」を提供する株式会社ブリングアウトと資本業務提携を行っております。この「Bring Out」を用いて当社グループの営業コンサルタントが商談の際に顧客情報や顧客ニーズなどを録音し、その商談の音声データから重要情報を抽出・分析したうえで商談データを可視化し、社内の顧客管理システムへ格納します。そのデータを活用することで主に次の3点に注力しております。
1)企業データベースの構築、企業データと過去の事例や専門家等の社内ナレッジとの連携
2)AIを活用した新規買い受託件数の増加、成約率の向上
3)ハイパフォーマーの商談を解析し、コンサルタントの育成に活用
このようにAIを活用した顧客情報管理を行うことで、当社グループのコンサルティング品質を更に高度化しております。2026年3月時点で以下の情報集積を行っております。
譲渡企業:約3,000社分の定性情報インタビュー、800件以上のキックオフミーティングの録音・解析
譲受候補企業:約9,000社のM&Aニーズインタビュー、7,000社以上の企業概要書提案
(音声データの録音は商談参加者全員の許諾を得た場合のみ取得しています。また、録音された音声データは「日本M&Aセンター 個人情報保護方針」の利用目的の範囲内で利用しています。)
② ダイレクトマーケティングの強化
「企業をイノベーションするM&Aセミナー 日本創生2025」と題し、当連結会計年度間においては全国で約40会場においてセミナーを開催し、前年同期比で1.5倍を超える10,000名超の申し込みをいただきました。これらのセミナー以外にも、M&Aに馴染みのない経営者向けのオンラインセミナーや、少人数の経営者同士で行う意見交換会等の多様なセミナーを行い、多くの経営者にM&Aの魅力を伝え、当社グループが継続的にフォローを行うことで新規受託の獲得へ繋げてまいります。
また、当社グループでは地域に特化した「地方創生プロジェクト」を行っております。これは地方にお住まいの経営者の課題解決を迅速に行えるよう、各地域に専属のコンサルタントを常駐させ、経営相談窓口を開設して経営者のお悩みに寄り添い、支援を行っております。この経営相談窓口は、新潟県、宮城県、茨城県と静岡県の4県に加え、2026年1月には新たに山口県にも開設しております。
③ 地域金融機関との合弁事業
2025年7月に当社と株式会社沖縄銀行の共同出資により、沖縄県の企業の事業承継問題の解決に貢献し、地域経済の持続的成長を支援する目的で株式会社おきぎんサクセスパートナーズを設立いたしました。
地域金融機関との合弁事業は、当社と株式会社十六フィナンシャルグループの共同出資によるNOBUNAGAサクセション株式会社や、当社、株式会社肥後銀行と台湾の玉山ベンチャーキャピタルの3社の共同出資による九州M&Aアドバイザーズ株式会社に続き3社目となります。このように当社グループでは地域金融機関との連携を一層強化することでそれぞれの地域経済の持続的成長を支援し続けてまいります。
C.当社グループの資本の財源及び資金の流動性について
資本政策については、財務体質と経営基盤の強化を図るとともに、株主に対する長期的な利益還元を経営の最重要課題と認識しております。内部留保については、財務体質の強化、将来にわたる安定した株主利益の確保、事業の拡大のために有効活用してまいります。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物残高は39,440百万円となっております。キャッシュ・フローの状況は、前記「(1)経営成績等の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用関連会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりです。
①財政状態及び経営成績の状況
A.財政状態
(a)資産の部
流動資産は、前連結会計年度末に比べて1,192百万円(2.8%)増加し、43,758百万円となりました。これは主に、売掛金が1,824百万円減少し、現金及び預金が1,236百万円、その他が1,615百万円増加したことなどによります。
固定資産は、前連結会計年度末に比べて3,244百万円(16.9%)増加し、22,464百万円となりました。これは主に、投資有価証券が2,542百万円、敷金及び保証金が2,285百万円増加し、長期貸付金が1,085百万円減少したことなどによります。
この結果、資産合計は、前連結会計年度末に比べて4,436百万円(7.2%)増加し、66,223百万円となりました。
(b)負債の部
流動負債は、前連結会計年度末に比べて3,237百万円(32.7%)増加し、13,133百万円となりました。これは主に、1年内返済予定の長期借入金が500百万円、その他が1,826百万円増加したことなどによります。
固定負債は、前連結会計年度末に比べて1,853百万円(43.1%)減少し、2,446百万円となりました。これは、長期借入金が1,900百万円減少し、繰延税金負債が46百万円増加したことによります。
この結果、負債合計は、前連結会計年度末に比べて1,383百万円(9.7%)増加し、15,579百万円となりました。
(c)純資産の部
純資産合計は、前連結会計年度末に比べて3,053百万円(6.4%)増加し、50,643百万円となりました。これは主に、利益剰余金が、親会社株主に帰属する当期純利益による増加額12,487百万円及び配当金の支払による減少額9,200百万円などにより3,261百万円増加したことなどによります。
B.経営成績
(a)売上高
当連結会計年度の売上高は50,257百万円と、前連結会計年度に比べて14.0%増加し、6,179百万円の増加となりました。
売上内訳といたしましては、M&A仲介事業が48,488百万円、その他の事業が1,768百万円であり、前連結会計年度と比べて、M&A仲介事業は5,779百万円の増加、その他の事業は400百万円の増加となりました。
(b)経常利益
当連結会計年度の経常利益は19,154百万円と、前連結会計年度に比べて13.2%増加し、2,236百万円の増加となりました。
売上原価は19,979百万円で、前連結会計年度に比べて2,604百万円の増加となりました。
販売費及び一般管理費は11,516百万円で、前連結会計年度に比べて1,528百万円の増加となりました。
営業利益は18,761百万円で、前連結会計年度に比べて2,045百万円の増加となりました。
営業外収益は447百万円で、主なものは受取利息173百万円であります。
営業外費用は54百万円で、主なものは支払利息53百万円であります。
この結果、経常利益は19,154百万円となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は39,440百万円と、前連結会計年度末に比べて725百万円の増加となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動におけるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、15,551百万円と前年同期に比べ2,435百万円(18.6%)の増加となりました。これは主に税金等調整前当期純利益が19,170百万円となったこと等を反映したものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、4,314百万円(前年同期は11,982百万円の収入)となりました。これは主に敷金及び保証金が2,284百万円増加したこと、投資有価証券の取得による支出が2,155百万円、長期貸付けによる支出が799百万円あったこと及び有形固定資産の取得による支出が251百万円あったことや、定期預金の払戻による収入が1,397百万円あったこと等を反映したものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、10,588百万円と前年同期と比べ1,834百万円(21.0%)の増加となりました。これは主に長期借入金の返済による支出が1,400百万円あったこと、及び配当金の支払額が9,200百万円あったこと等を反映したものであります。
③生産、受注及び販売の状況
A.生産実績、受注状況
該当事項はありません。
B.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 販売高(百万円) | 前年同期比(%) |
| M&A仲介事業 | 48,488 | +13.5 |
| その他の事業 | 1,768 | +29.2 |
| 合計 | 50,257 | +14.0 |
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定は次のとおりであります。
A. 繰延税金資産の回収可能性
(a) 当連結会計年度の連結財務諸表に計上した金額
繰延税金資産の金額は、連結財務諸表「注記事項(税効果会計関係)」の1.に記載の金額と同一であります。
(b) 識別した項目に係る重要な会計上の見積りの内容に関する情報
当社グループは、繰延税金資産について、将来の利益計画に基づいた課税所得が十分に確保できることや、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、業績が著しく悪化する等して、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じ、課税所得が減少した場合、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
A. 当連結会計年度の経過と経営成績
当社グループは、不祥事発覚後4年間の再生過程を経て、当連結会計年度において下表のとおり売上高並びに営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益のすべてにおいて過去最高の業績を計上することができました。
当社グループ本来の業績達成サイクルへの回帰も着実に進行し、当社グループは次連結会計年度以降の「第2創業」としての再成長ステージに歩みを進めることができたものと認識しております。
当連結会計年度の成約件数は1,061件(前年同期比17件減)にとどまりましたが、他方では引き続きミッドキャップ案件(売上高10億円以上又は利益5千万円以上)の成約に注力した結果、1件当たりのM&A売上高は、前連結会計年度の39.6百万円と比べ6.1百万円増加し、45.7百万円となりました。
着実に成果が出つつあるミッドキャップ案件受託施策の一層の強化、大規模セミナー等のダイレクト企画やAI活用を推進する一方で、削減可能な各種費用の抑制等を図った結果、経常利益率は38.1%となり、高利益率体制を維持することができました。
| 当連結会計年度の 業績予想 | 当連結会計年度の 実績 | 前連結会計年度の 実績 | 業績予想の 達成率 | 前年 同期比 | |
| 売上高 | 46,300百万円 | 50,257百万円 | 44,077百万円 | 108.5% | +14.0% |
| 営業利益 | 17,000百万円 | 18,761百万円 | 16,715百万円 | 110.4% | +12.2% |
| 経常利益 | 17,000百万円 | 19,154百万円 | 16,918百万円 | 112.7% | +13.2% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 11,000百万円 | 12,487百万円 | 10,955百万円 | 113.5% | +14.0% |
当連結会計年度における譲渡案件の新規受託件数は1,283件(前年同期1,432件)となり、前年同期と比べて151件減少しました。これは、これまでの可能な限り多くの受託を行う量拡大型の受託方針から「成約可能性」や「顧客に対する結果責任」を重視した受託方針へ転換したことによるものです。
この方針転換により実質的な有効受託件数は上昇すると見込んでおり、将来の収益性向上に向けた前向きな構造転換を実施しております。
B. 当連結会計年度の営業の取組
① データドリブン経営
当社グループでは2025年2月にAIによる商談解析サービス「Bring Out」を提供する株式会社ブリングアウトと資本業務提携を行っております。この「Bring Out」を用いて当社グループの営業コンサルタントが商談の際に顧客情報や顧客ニーズなどを録音し、その商談の音声データから重要情報を抽出・分析したうえで商談データを可視化し、社内の顧客管理システムへ格納します。そのデータを活用することで主に次の3点に注力しております。
1)企業データベースの構築、企業データと過去の事例や専門家等の社内ナレッジとの連携
2)AIを活用した新規買い受託件数の増加、成約率の向上
3)ハイパフォーマーの商談を解析し、コンサルタントの育成に活用
このようにAIを活用した顧客情報管理を行うことで、当社グループのコンサルティング品質を更に高度化しております。2026年3月時点で以下の情報集積を行っております。
譲渡企業:約3,000社分の定性情報インタビュー、800件以上のキックオフミーティングの録音・解析
譲受候補企業:約9,000社のM&Aニーズインタビュー、7,000社以上の企業概要書提案
(音声データの録音は商談参加者全員の許諾を得た場合のみ取得しています。また、録音された音声データは「日本M&Aセンター 個人情報保護方針」の利用目的の範囲内で利用しています。)
② ダイレクトマーケティングの強化
「企業をイノベーションするM&Aセミナー 日本創生2025」と題し、当連結会計年度間においては全国で約40会場においてセミナーを開催し、前年同期比で1.5倍を超える10,000名超の申し込みをいただきました。これらのセミナー以外にも、M&Aに馴染みのない経営者向けのオンラインセミナーや、少人数の経営者同士で行う意見交換会等の多様なセミナーを行い、多くの経営者にM&Aの魅力を伝え、当社グループが継続的にフォローを行うことで新規受託の獲得へ繋げてまいります。
また、当社グループでは地域に特化した「地方創生プロジェクト」を行っております。これは地方にお住まいの経営者の課題解決を迅速に行えるよう、各地域に専属のコンサルタントを常駐させ、経営相談窓口を開設して経営者のお悩みに寄り添い、支援を行っております。この経営相談窓口は、新潟県、宮城県、茨城県と静岡県の4県に加え、2026年1月には新たに山口県にも開設しております。
③ 地域金融機関との合弁事業
2025年7月に当社と株式会社沖縄銀行の共同出資により、沖縄県の企業の事業承継問題の解決に貢献し、地域経済の持続的成長を支援する目的で株式会社おきぎんサクセスパートナーズを設立いたしました。
地域金融機関との合弁事業は、当社と株式会社十六フィナンシャルグループの共同出資によるNOBUNAGAサクセション株式会社や、当社、株式会社肥後銀行と台湾の玉山ベンチャーキャピタルの3社の共同出資による九州M&Aアドバイザーズ株式会社に続き3社目となります。このように当社グループでは地域金融機関との連携を一層強化することでそれぞれの地域経済の持続的成長を支援し続けてまいります。
C.当社グループの資本の財源及び資金の流動性について
資本政策については、財務体質と経営基盤の強化を図るとともに、株主に対する長期的な利益還元を経営の最重要課題と認識しております。内部留保については、財務体質の強化、将来にわたる安定した株主利益の確保、事業の拡大のために有効活用してまいります。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物残高は39,440百万円となっております。キャッシュ・フローの状況は、前記「(1)経営成績等の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。