半期報告書-第28期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)
本項における将来に関する事項は、別段の記載がない限り、当中間会計期間の末日現在において当社が判断したものであります。
(1)重要な会計方針及び見積もり
当社の中間財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められた会計基準に基づき作成されております。また、当社は、中間財務諸表を作成するにあたり、会計方針に基づいていくつかの重要な見積もりを行っており、これらの見積もりは一定の条件や仮定を前提としております。そのため、条件や仮定が変化した場合には、実際の結果が見積もりと異なることがあり、結果として中間財務諸表に重要な影響を与える場合があります。重要な会計方針のうち、特に重要と考える項目は、次の4項目です。
①金融商品の評価
当社では、トレーディング商品に属する有価証券及びデリバティブ取引は、時価をもって中間貸借対照表価額とし、評価損益はトレーディング損益として中間損益計算書に計上しております。評価に用いる時価は、市場で取引が行われている有価証券やデリバティブ取引については当中間会計期間末時点の市場価格を、市場価格のない有価証券やデリバティブ取引については理論価格を、それぞれ使用しております。理論価格を算出する際には、対象となる商品や取引について最も適切と考えられるモデルを採用しております。
②有価証券の減損
当社では、投資有価証券等のトレーディング商品に属さない有価証券を保有しております。このうち時価のある有価証券については、時価が著しく下落したときは、回復する見込みがあると認められる場合を除き、減損処理を行っております。具体的には、当中間会計期間末における時価の下落率が取得原価の50%以上の場合は、著しい下落かつ回復する見込みがないものと判断して、減損処理を行っております。時価の下落率が取得原価の30%以上50%未満の場合は、時価の推移及び発行会社の財政状態等を総合的に勘案して回復する見込みを検討し、回復する見込みがないと判断したものについては、減損処理を行っております。また、時価を把握することが極めて困難と認められる有価証券については、実質価額が著しく低下し、かつ、回復する見込みがないと判断した場合には、減損処理を行っております。
③固定資産の減損
当社では、各資産グループにおいて、収益性が著しく低下した資産については、当該資産の帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。なお、資産のグルーピングは、証券店舗等の個別性の強い資産については個別物件単位で行い、その他の事業用資産については管理会計上の区分に従って行っております。
④繰延税金資産の回収可能性
当社では、企業会計上の資産・負債と税務上の資産・負債との差額である一時差異等について税効果会計を適用し、繰延税金資産及び繰延税金負債を計上しております。繰延税金資産の回収可能性については、将来の合理的な見積可能期間における課税所得の見積額を限度として、当該期間における一時差異等のスケジューリングの結果に基づき判断しております。
(2)当中間会計期間の財政状態の分析
<資産の部>当中間会計期間末の総資産は前事業年度末比1兆135億円(10.3%)増加の10兆8,464億円となりました。内訳は流動資産が同1兆134億円(10.4%)増加の10兆7,233億円であり、このうち現金・預金が同2,457億円(17.1%)減少の1兆1,903億円、トレーディング商品が同1兆1,112億円(24.2%)増加の5兆6,968億円、有価証券担保貸付金が同381億円(1.8%)減少の2兆1,196億円となっております。固定資産は同1億円(0.1%)増加の1,230億円となっております。
<負債の部・純資産の部>当中間会計期間末の負債合計は前事業年度末比1兆493億円(11.6%)増加の10兆1,098億円となりました。内訳は流動負債が同1兆2,006億円(15.9%)増加の8兆7,614億円であり、このうちトレーディング商品が同9,062億円(25.2%)増加の4兆5,001億円、有価証券担保借入金が同2,974億円(16.9%)増加の2兆548億円、短期借入金が同2,785億円(22.0%)減少の9,851億円となっております。固定負債は同1,512億円(10.1%)減少の1兆3,445億円であり、このうち社債が同557億円(8.9%)減少の5,704億円、長期借入金が同985億円(11.9%)減少の7,319億円となっております。
純資産合計は、中間純利益29億円を計上したほか、配当金382億円の支払いを行ったこと等から、同357億円(4.6%)減少の7,365億円となりました。
(3)当中間会計期間の経営成績の分析
①事業全体の状況
当中間会計期間の営業収益は1,534億円(前年同期比10.5%減)となりました。受入手数料は株式取引が減少したことによる委託手数料の減少や投資信託の販売にかかる募集・売出しの取扱手数料の減少等により878億円(同4.7%減)、トレーディング損益は株券等、債券・為替等の減少により424億円(同14.8%減)となりました。金融収支は69億円(同30.1%減)、純営業収益は1,372億円(同9.7%減)となっております。
販売費・一般管理費は、人件費が479億円(同3.5%減)、取引関係費が222億円(同4.7%増)となったこと等から、1,204億円(同0.2%増)となりました。この結果、経常利益は171億円(同45.9%減)となりました。
これに特別損益、法人税等を加味した結果、中間純利益は29億円(同86.0%減)となりました。
②セグメント情報に記載された区分ごとの状況
純営業収益及び経常利益をセグメント別に分析した状況は次のとおりであります。
(単位:百万円)
[リテール営業部門]
リテール営業部門は、主に個人や未上場法人のお客様に幅広い金融商品・サービスを提供しております。
リテール営業部門の主な収益源は、国内の個人投資家及び未上場会社のお客様の資産管理・運用に関する商品・サービスの手数料であり、経営成績に重要な影響を与える要因には、お客様動向を左右する国内外の金融市場及び経済環境の状況に加え、お客様のニーズに合った商品の開発状況や引受け状況及び販売戦略が挙げられます。
当中間会計期間においては、ラップ口座サービスの契約資産残高が前期に最高水準の2兆円を突破した後も堅調に推移したものの、低調な顧客アクティビティからエクイティ収益が減少しました。また、個人向け国債の販売額は増加しましたが、外債の販売額減少等により、債券収益も減少しました。
その結果、当中間会計期間のリテール営業部門における純営業収益は814億円(前年同期比15.2%減)、経常利益は27億円(同82.8%減)となりました。リテール営業部門の当中間会計期間の純営業収益及び経常利益の当社全体の純営業収益及び経常利益に占める割合は、それぞれ59.3%及び14.9%でした。
[国内ホールセール部門]
国内ホールセール部門は、グローバル・マーケッツとグローバル・インベストメント・バンキングで構成されており、グローバル・マーケッツは、主に国内外の機関投資家や事業法人、金融法人、公共法人等の顧客向けに、株式、債券・為替及びそれらの派生商品のセールスとトレーディングを行っております。グローバル・インベストメント・バンキングは、国内外における有価証券の引受け、M&Aアドバイザリー等、多様なインベストメント・バンキング・サービスを提供しております。
グローバル・マーケッツの主な収益源は、機関投資家に対する有価証券の売買に伴って得る取引手数料及びトレーディング収益です。グローバル・インベストメント・バンキングの主な収益源は、引受業務やM&Aアドバイザリー業務によって得る引受け・売出し手数料とM&A関連手数料です。グローバル・マーケッツにおいては、国際的な地政学リスクや経済状況等で変化する金融市場の動向や、それに伴う顧客フローの変化が、経営成績に重要な影響を与える要因となります。グローバル・インベストメント・バンキングにおいては、顧客企業の資金調達手段の決定やM&Aの需要を左右する国内外の経済環境等に加え、当社が企業の需要を捉え、案件を獲得できるかが経営成績に重要な影響を与える要因となります。
グローバル・マーケッツは減収減益となりました。フィクスト・インカム収益は、金利動向を捉えたポジション運営等により増収となりましたが、エクイティ収益は昨年度からの米中貿易摩擦懸念等による不透明な市場環境が継続したことにより、日本株における顧客のアクティビティが低調に推移し、減収となりました。
グローバル・インベストメント・バンキングにおいては、エクイティの引受け・売出し手数料が複数の大型エクイティ募集・売出し案件でジョイント・グローバル・コーディネーターや主幹事を務めた前年同期と比べ、減収となりました。その一方でM&Aビジネスにおいては、複数の国内案件が収益に貢献し、増収となりました。これらの結果、当中間会計期間は増収増益となりました。
以上のことから、当中間会計期間の国内ホールセール部門における純営業収益は528億円(前年同期比2.6%減)、経常利益は157億円(同8.7%減)となりました。国内ホールセール部門の当中間会計期間の純営業収益及び経常利益の当社全体の純営業収益及び経常利益に占める割合は、それぞれ38.5%及び85.1%でした。
③経営成績の前提となる当中間会計期間のマクロ経済環境
<海外の状況>世界経済は緩やかに拡大しているものの、IMF(国際通貨基金)などの国際機関は、米国のトランプ大統領が保
護主義的な通商政策を強力に推進したことで米中間の貿易摩擦が激化し、世界経済の先行きに対する下振れリス
クが一段と高まっているとみています。IMFによると、2018年の世界経済成長率は3.6%と前年を下回る伸びにと
どまり、2019年は3.0%とさらに鈍化すると見込まれています。地域別にみると、先進国では米国やユーロ圏、イ
ギリスの減速を主因に、2018年の2.3%の成長から、2019年は1.7%まで成長率が低下すると予想されています。
新興国についても、2019年は下記のように幅広い地域で減速する見通しです。
米国経済では、2019年4-6月期の実質GDP成長率が前期比年率2.0%増となりました。1-3月期にあった政
府閉鎖や悪天候などの一時的な下押し要因がなかったことに加えて、雇用・所得環境の改善が続いたことで個人
消費が堅調な伸びとなり、実質GDPを押し上げました。一方で、海外経済の減速や貿易摩擦の悪化を受けて、輸出
や設備投資が減少に転じたことから、実質GDP成長率の伸び率は1-3月期から縮小しました。7-9月期に入っ
ても、底堅い個人消費の増加を主因として米国経済は緩やかな拡大が続き、7-9月期の実質GDP成長率は前期比
年率1.9%増となりました。しかし、海外経済の減速傾向が続いていることや、米中対立をはじめとする通商政策
をめぐる不透明感によって、輸出や生産では停滞が見られています。また製造業を中心に企業の景況感は悪化が
続いており、設備投資を抑制する要因になっています。トランプ大統領の政権運営は米国内外で混乱を招いてお
り、先行きに対する懸念が強い状態が続いています。米国内では、野党である民主党とトランプ大統領の対立は
激しさを増し、対外的には、中国との貿易摩擦は悪化が続き、対立解消に向けた糸口が見えない状況にありま
す。
金融面では、景気の先行きに対する不透明感が強まる中、FRB(連邦準備制度理事会)が景気に配慮した「ハト
派」の姿勢にシフトしました。3月のFOMC(連邦公開市場委員会)では、2019年中の利上げを見送る見通しを示
すと同時に、バランスシート縮小を9月末で停止することが決定されました。また7月のFOMCでは、バランスシ
ート縮小の停止を2ヶ月前倒しすることを決定したほか、およそ10年ぶりの利下げに踏み切りました。さらに、
9月のFOMCでも2会合連続となる利下げを実施しました。
欧州経済(ユーロ圏経済)では、緩やかな成長が続いているものの、成長ペースが減速傾向にあります。2019
年4-6月期の実質GDP成長率は前期比年率0.8%増となり、前期の同1.7%増から伸び率が縮小しました。雇用者
所得の増加が続く中、個人消費を中心とした内需が底堅く推移する一方、外需の落ち込みによって成長率が押し
下げられました。米中摩擦の激化や、長引くイギリスのEU離脱問題などによる不透明感が外需の下押し要因とな
っており、特に外需依存度が高いドイツは4-6月期にはマイナス成長に陥りました。外需を巡る不透明感は7
-9月期に入っても払拭されておらず、製造業の景況感が低い水準で推移する中、企業は設備投資に対して慎重
な姿勢を続けています。7-9月期のユーロ圏の実質GDP成長率は前期比年率0.8%増と、前期と同様に緩やかな
伸びにとどまりました。
金融面では、ECB(欧州中央銀行)が2018年末まで非伝統的な金融緩和政策の軌道修正を進めてきました。しか
しながら、世界経済の不透明さが増し、ユーロ圏の景気減速が鮮明になる中で、2019年3月、ECBは次の利上げの
可能性を2019年秋から2020年以降に先送りし、6月にはこれを2020年後半まで先送りしました。さらに9月には、3年半ぶりとなる利下げを実施したことに加えて、量的緩和政策の再開を決定し、再び金融緩和路線へと舵を切りました。
新興市場国・発展途上国経済は、2018年の実質GDP成長率が4.5%と、3年ぶりに成長が鈍化しました。その大
きな要因となったのは、世界第2位の経済規模を持つ中国で、2018年1-3月期の6.8%をピークに成長率の低下
傾向が続いていることです。2019年に入ると、中国の1-3月期の実質GDP成長率は6.4%と、前期から横ばいと
なり、成長率の低下に一旦歯止めがかかったように見えましたが、4-6月期の実質GDP成長率は6.2%、7-9
月期には6.0%と、さらに伸びが低下する結果となりました。中国政府は、貿易摩擦をきっかけとした景気失速を
回避すべく財政・金融の両面から大規模な経済対策を打ち出しており、内需を下支えする効果が期待されます。
米中を中心とした貿易摩擦の激化の影響は世界全体に及んでおり、中国以外の新興国経済にも大きな打撃を与え
ています。新興国全体では、上記のような中国の成長率の鈍化に加えて、ASEANやロシア、中南米など、幅広い地
域で減速が見込まれ、2019年の成長率は3.9%と、2018年の4.5%から低下する見通しです。
他方、世界経済の減速を受けて、FRBをはじめとする各国中央銀行が金融緩和を実施し、世界的に金利が低下し
たことは、新興国への資金流入を促し、新興国経済を下支えする要因になると期待されています。また、経済対
策によって中国経済の減速に歯止めがかかれば、その効果は他の新興国へも波及するとみられることから、中国
の経済対策への期待感が高まっています。
<日本の状況>日本経済は、緩やかな回復基調が続いています。ただし、海外経済の減速や貿易摩擦の影響によって輸出が停
滞する中、製造業を中心とした企業部門では減速感が高まっています。
2019年4-6月期の実質GDP成長率は前期比年率1.3%増となりました。成長を牽引したのは、GDPに占めるウエ
イトの大きい個人消費が前期比年率2.5%増と、堅調な伸びとなったことです。個人消費の裏付けとなる雇用・所
得環境の着実な改善が続いたことに加え、ゴールデンウィークの10連休が個人消費の押し上げに寄与しました。
7-9月期は、7月の悪天候によって個人消費は一旦減速することになりましたが、10月の消費増税に向けた駆
け込み需要が発生したため、9月末にかけて個人消費は大きく増加しました。
住宅投資は、2018年7-9月期以降、4四半期連続で増加が続いています。低金利の継続や雇用・所得環境の
改善に加えて、個人消費と同様に消費増税前の駆け込み需要が押し上げ要因となりました。ただし、消費増税後
の住宅取得に対する支援策がとられたことにより、駆け込み需要は過去の消費増税時に比べると小幅なものとな
り、2019年7-9月期に入ると駆け込み需要からの反動減が顕在化し始め、住宅着工は弱含んでいます。
企業の設備投資は、2019年4-6月期に2四半期ぶりの増加となりました。高水準の企業収益や低金利、労働
需給の逼迫など企業を取り巻く環境に変化はなく、人手不足に対応した合理化・省人化投資や、競争力を維持す
るための機械・設備の更新、研究開発投資などの増加基調が続いています。日銀短観(9月調査)の2019年度の
設備投資計画をみても、大企業を中心に設備投資の増加基調が続くことが見込まれています。もっとも、イギリ
スのEU離脱を巡る迷走や米中対立の激化・長期化など、先行きの不透明感が一層高まったことから、企業の景況
感は悪化傾向にあり、設備投資に対する態度にも慎重さが増しつつあります。引き続き、米国の保護主義的な通
商政策によって、世界貿易の縮小につながるリスクがある点には留意が必要です。
金融面では、日本銀行による短期金利に加えて長期金利も操作対象とする金融緩和措置が継続しています。ま
た、世界経済の減速懸念が強まる中、日本銀行は2019年4月の金融政策決定会合において、少なくとも2020年春
頃まで金融緩和措置を続けることを表明しました。2019年に入って以降は、FRBによる利下げへの期待の高まり、および7月、9月の利下げ実施によって世界的に金利が低下する中、日本の長期金利も低下基調を強めました。
さらに9月には、米国による対中追加関税の拡大を受け、世界的にリスク回避の動きが強まる中、安全資産とさ
れる日本国債の需要が高まり、10年国債利回りは一時△0.29%前後と、2016年7月以来の水準まで低下しまし
た。
為替市場をみると、対ドルでは、世界経済に対する過度に悲観的な見方が後退したことから、2019年年初から
は円安・ドル高傾向で推移し、4月には一時112円台まで円安が進みました。しかし、5月に入ると米国による対
中関税率の追加引き上げをきっかけに米中貿易摩擦激化への警戒感が高まり、再びリスク回避の動きが強まりま
した。また、世界経済の減速感が強まる中、FRBによる金融緩和およびさらなる追加緩和への期待によって日米金
利差が縮小したことも円高・ドル安要因となり、8月には一時105円台前半まで円高が進みました。対ユーロでも
対ドルと同様に、2019年年初から4月にかけて円安傾向で推移した後、4月半ば以降は、リスク回避の動きが強
まったことにより、円高傾向で推移しました。
株式市場は、引き続き海外経済・市場の動向に左右される展開となりました。2019年に入りFRBがそれまでの引
き締め路線から緩和的な政策スタンスへと転じたことにより、2018年末の過度な景気悪化懸念が後退し、世界的
に株価は上昇基調となりました。日経平均も2019年年初から上昇基調が続き、4月の半ばには2018年12月以来お
よそ4ヵ月ぶりに22,000円台を回復しました。しかし、5月に米中貿易摩擦激化に対する懸念が再燃したことで、株価は下落に転じました。6月にはFRBによる利下げ期待の高まりによる金利低下、米国株高を受けて、日経平均も一時上昇に転じましたが、7-9月期に入ると、再び米中交渉の動向に左右される形で、下落と上昇を繰り返す展開となりました。
2019年9月末の日経平均株価は21,755円84銭(同年3月末比550円3銭高)、10年国債利回りは△0.215%(同0.120ポイントの低下)、為替は1ドル107円86銭(同2円89銭の円高)となりました。
(4)キャッシュ・フローの状況の分析
営業活動、投資活動及び財務活動によるキャッシュ・フロー並びに現金及び現金同等物
当中間会計期間におけるキャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
(単位:百万円)
当中間会計期間において、営業活動によるキャッシュ・フローは、トレーディング商品の増減、信用取引資産及び信用取引負債の増減、有価証券担保貸付金及び有価証券担保借入金の増減などにより845億円(前年同期は2,747億円)となりました。投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産及び無形固定資産の取得による支出などにより△148億円(同△136億円)となりました。財務活動によるキャッシュ・フローは、短期借入金の純増減、配当金の支払いなどにより△3,144億円(同△5,555億円)となりました。当中間会計期間末の現金及び現金同等物の残高は、前事業年度末に比べ2,447億円減少し、1兆1,923億円となりました。
(5)資本の財源及び流動性に係る情報
①流動性の管理
<財務の効率性と安定性の両立>当社は、多くの資産及び負債を用いて有価証券関連業務を中心としたビジネスを行っており、ビジネスを継続する上で十分な流動性を効率的かつ安定的に確保することを資金調達の基本方針としております。
当社の資金調達手段には、社債、ミディアム・ターム・ノート、金融機関借入、コマーシャル・ペーパー、コールマネー等の無担保調達、現先取引、レポ取引等の有担保調達があり、これらの多様な調達手段を適切に組み合わせることにより、効率的かつ安定的な資金調達の実現を図っております。
財務の安定性という観点では、環境が大きく変動した場合においても、業務の継続に支障をきたすことのないよう、平時から安定的に資金を確保するよう努めると同時に、危機発生等により、新規の資金調達及び既存資金の再調達が困難となる場合も想定し、調達資金の償還期限及び調達先の分散を図っております。
また、当社の親会社である大和証券グループ本社を中心とする大和証券グループでは、グループ全体での適正な流動性確保という基本方針の下、大和証券グループ本社が一元的に資金の流動性の管理・モニタリングを行っております。その中で当社は、一定期間内に期日が到来する無担保調達資金及び同期間にストレスが発生した場合の資金流出見込額に対し、様々なストレスシナリオを想定したうえで、それらをカバーする流動性ポートフォリオが保持されていることを日次で確認しております。
なお、当社の親会社である大和証券グループ本社は、平成26年金融庁告示第61号による連結流動性カバレッジ比率(以下、「LCR」という。)の最低基準の遵守が求められております。大和証券グループ本社の2020年3月期第2四半期日次平均のLCRは141.7%となっており、上記金融庁告示による要件を満たしております。
<コンティンジェンシー・ファンディング・プラン>当社は、流動性リスクへの対応の一環として、コンティンジェンシー・ファンディング・プランを策定しております。同プランは、信用力の低下等の内生的要因や金融市場の混乱等の外生的要因によるストレスの逼迫度に応じた報告体制や資金調達手段の確保などの方針を定めており、これにより当社は機動的な対応により流動性を確保する態勢を整備しております。
当社のコンティンジェンシー・ファンディング・プランは、変動する金融環境に機動的に対応するため、定期的な見直しを行っております。
②株主資本
当社が株式や債券、デリバティブ等のトレーディング取引、貸借取引、引受業務、ストラクチャード・ファイナンス、M&A、証券担保ローン等の有価証券関連業務を中心とした幅広い金融サービスを展開するためには、十分な資本を確保する必要があります。
当中間会計期間末の株主資本は、7,346億円(前事業年度末比353億円減)となりました。資本金及び資本剰余金の合計は4,499億円であり、利益剰余金は中間純利益29億円を計上したほか、配当金382億円の支払いを行った結果、2,847億円(同353億円減)となりました。
(1)重要な会計方針及び見積もり
当社の中間財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められた会計基準に基づき作成されております。また、当社は、中間財務諸表を作成するにあたり、会計方針に基づいていくつかの重要な見積もりを行っており、これらの見積もりは一定の条件や仮定を前提としております。そのため、条件や仮定が変化した場合には、実際の結果が見積もりと異なることがあり、結果として中間財務諸表に重要な影響を与える場合があります。重要な会計方針のうち、特に重要と考える項目は、次の4項目です。
①金融商品の評価
当社では、トレーディング商品に属する有価証券及びデリバティブ取引は、時価をもって中間貸借対照表価額とし、評価損益はトレーディング損益として中間損益計算書に計上しております。評価に用いる時価は、市場で取引が行われている有価証券やデリバティブ取引については当中間会計期間末時点の市場価格を、市場価格のない有価証券やデリバティブ取引については理論価格を、それぞれ使用しております。理論価格を算出する際には、対象となる商品や取引について最も適切と考えられるモデルを採用しております。
②有価証券の減損
当社では、投資有価証券等のトレーディング商品に属さない有価証券を保有しております。このうち時価のある有価証券については、時価が著しく下落したときは、回復する見込みがあると認められる場合を除き、減損処理を行っております。具体的には、当中間会計期間末における時価の下落率が取得原価の50%以上の場合は、著しい下落かつ回復する見込みがないものと判断して、減損処理を行っております。時価の下落率が取得原価の30%以上50%未満の場合は、時価の推移及び発行会社の財政状態等を総合的に勘案して回復する見込みを検討し、回復する見込みがないと判断したものについては、減損処理を行っております。また、時価を把握することが極めて困難と認められる有価証券については、実質価額が著しく低下し、かつ、回復する見込みがないと判断した場合には、減損処理を行っております。
③固定資産の減損
当社では、各資産グループにおいて、収益性が著しく低下した資産については、当該資産の帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。なお、資産のグルーピングは、証券店舗等の個別性の強い資産については個別物件単位で行い、その他の事業用資産については管理会計上の区分に従って行っております。
④繰延税金資産の回収可能性
当社では、企業会計上の資産・負債と税務上の資産・負債との差額である一時差異等について税効果会計を適用し、繰延税金資産及び繰延税金負債を計上しております。繰延税金資産の回収可能性については、将来の合理的な見積可能期間における課税所得の見積額を限度として、当該期間における一時差異等のスケジューリングの結果に基づき判断しております。
(2)当中間会計期間の財政状態の分析
<資産の部>当中間会計期間末の総資産は前事業年度末比1兆135億円(10.3%)増加の10兆8,464億円となりました。内訳は流動資産が同1兆134億円(10.4%)増加の10兆7,233億円であり、このうち現金・預金が同2,457億円(17.1%)減少の1兆1,903億円、トレーディング商品が同1兆1,112億円(24.2%)増加の5兆6,968億円、有価証券担保貸付金が同381億円(1.8%)減少の2兆1,196億円となっております。固定資産は同1億円(0.1%)増加の1,230億円となっております。
<負債の部・純資産の部>当中間会計期間末の負債合計は前事業年度末比1兆493億円(11.6%)増加の10兆1,098億円となりました。内訳は流動負債が同1兆2,006億円(15.9%)増加の8兆7,614億円であり、このうちトレーディング商品が同9,062億円(25.2%)増加の4兆5,001億円、有価証券担保借入金が同2,974億円(16.9%)増加の2兆548億円、短期借入金が同2,785億円(22.0%)減少の9,851億円となっております。固定負債は同1,512億円(10.1%)減少の1兆3,445億円であり、このうち社債が同557億円(8.9%)減少の5,704億円、長期借入金が同985億円(11.9%)減少の7,319億円となっております。
純資産合計は、中間純利益29億円を計上したほか、配当金382億円の支払いを行ったこと等から、同357億円(4.6%)減少の7,365億円となりました。
(3)当中間会計期間の経営成績の分析
①事業全体の状況
当中間会計期間の営業収益は1,534億円(前年同期比10.5%減)となりました。受入手数料は株式取引が減少したことによる委託手数料の減少や投資信託の販売にかかる募集・売出しの取扱手数料の減少等により878億円(同4.7%減)、トレーディング損益は株券等、債券・為替等の減少により424億円(同14.8%減)となりました。金融収支は69億円(同30.1%減)、純営業収益は1,372億円(同9.7%減)となっております。
販売費・一般管理費は、人件費が479億円(同3.5%減)、取引関係費が222億円(同4.7%増)となったこと等から、1,204億円(同0.2%増)となりました。この結果、経常利益は171億円(同45.9%減)となりました。
これに特別損益、法人税等を加味した結果、中間純利益は29億円(同86.0%減)となりました。
②セグメント情報に記載された区分ごとの状況
純営業収益及び経常利益をセグメント別に分析した状況は次のとおりであります。
(単位:百万円)
| 純営業収益 | 経常利益又は経常損失(△) | |||||||
| 2018年 9月期 | 2019年 9月期 | 対前年同期 増減率 | 構成比率 | 2018年 9月期 | 2019年 9月期 | 対前年同期 増減率 | 構成比率 | |
| リテール営業部門 | 96,029 | 81,402 | △15.2% | 59.3% | 16,144 | 2,773 | △82.8% | 14.9% |
| 国内ホールセール部門 | 54,230 | 52,802 | △2.6% | 38.5% | 17,305 | 15,798 | △8.7% | 85.1% |
| その他・調整等 | 1,700 | 3,080 | ― | 2.2% | △1,751 | △1,415 | ― | ― |
| 合計 | 151,960 | 137,284 | △9.7% | 100.0% | 31,698 | 17,155 | △45.9% | 100.0% |
[リテール営業部門]
リテール営業部門は、主に個人や未上場法人のお客様に幅広い金融商品・サービスを提供しております。
リテール営業部門の主な収益源は、国内の個人投資家及び未上場会社のお客様の資産管理・運用に関する商品・サービスの手数料であり、経営成績に重要な影響を与える要因には、お客様動向を左右する国内外の金融市場及び経済環境の状況に加え、お客様のニーズに合った商品の開発状況や引受け状況及び販売戦略が挙げられます。
当中間会計期間においては、ラップ口座サービスの契約資産残高が前期に最高水準の2兆円を突破した後も堅調に推移したものの、低調な顧客アクティビティからエクイティ収益が減少しました。また、個人向け国債の販売額は増加しましたが、外債の販売額減少等により、債券収益も減少しました。
その結果、当中間会計期間のリテール営業部門における純営業収益は814億円(前年同期比15.2%減)、経常利益は27億円(同82.8%減)となりました。リテール営業部門の当中間会計期間の純営業収益及び経常利益の当社全体の純営業収益及び経常利益に占める割合は、それぞれ59.3%及び14.9%でした。
[国内ホールセール部門]
国内ホールセール部門は、グローバル・マーケッツとグローバル・インベストメント・バンキングで構成されており、グローバル・マーケッツは、主に国内外の機関投資家や事業法人、金融法人、公共法人等の顧客向けに、株式、債券・為替及びそれらの派生商品のセールスとトレーディングを行っております。グローバル・インベストメント・バンキングは、国内外における有価証券の引受け、M&Aアドバイザリー等、多様なインベストメント・バンキング・サービスを提供しております。
グローバル・マーケッツの主な収益源は、機関投資家に対する有価証券の売買に伴って得る取引手数料及びトレーディング収益です。グローバル・インベストメント・バンキングの主な収益源は、引受業務やM&Aアドバイザリー業務によって得る引受け・売出し手数料とM&A関連手数料です。グローバル・マーケッツにおいては、国際的な地政学リスクや経済状況等で変化する金融市場の動向や、それに伴う顧客フローの変化が、経営成績に重要な影響を与える要因となります。グローバル・インベストメント・バンキングにおいては、顧客企業の資金調達手段の決定やM&Aの需要を左右する国内外の経済環境等に加え、当社が企業の需要を捉え、案件を獲得できるかが経営成績に重要な影響を与える要因となります。
グローバル・マーケッツは減収減益となりました。フィクスト・インカム収益は、金利動向を捉えたポジション運営等により増収となりましたが、エクイティ収益は昨年度からの米中貿易摩擦懸念等による不透明な市場環境が継続したことにより、日本株における顧客のアクティビティが低調に推移し、減収となりました。
グローバル・インベストメント・バンキングにおいては、エクイティの引受け・売出し手数料が複数の大型エクイティ募集・売出し案件でジョイント・グローバル・コーディネーターや主幹事を務めた前年同期と比べ、減収となりました。その一方でM&Aビジネスにおいては、複数の国内案件が収益に貢献し、増収となりました。これらの結果、当中間会計期間は増収増益となりました。
以上のことから、当中間会計期間の国内ホールセール部門における純営業収益は528億円(前年同期比2.6%減)、経常利益は157億円(同8.7%減)となりました。国内ホールセール部門の当中間会計期間の純営業収益及び経常利益の当社全体の純営業収益及び経常利益に占める割合は、それぞれ38.5%及び85.1%でした。
③経営成績の前提となる当中間会計期間のマクロ経済環境
<海外の状況>世界経済は緩やかに拡大しているものの、IMF(国際通貨基金)などの国際機関は、米国のトランプ大統領が保
護主義的な通商政策を強力に推進したことで米中間の貿易摩擦が激化し、世界経済の先行きに対する下振れリス
クが一段と高まっているとみています。IMFによると、2018年の世界経済成長率は3.6%と前年を下回る伸びにと
どまり、2019年は3.0%とさらに鈍化すると見込まれています。地域別にみると、先進国では米国やユーロ圏、イ
ギリスの減速を主因に、2018年の2.3%の成長から、2019年は1.7%まで成長率が低下すると予想されています。
新興国についても、2019年は下記のように幅広い地域で減速する見通しです。
米国経済では、2019年4-6月期の実質GDP成長率が前期比年率2.0%増となりました。1-3月期にあった政
府閉鎖や悪天候などの一時的な下押し要因がなかったことに加えて、雇用・所得環境の改善が続いたことで個人
消費が堅調な伸びとなり、実質GDPを押し上げました。一方で、海外経済の減速や貿易摩擦の悪化を受けて、輸出
や設備投資が減少に転じたことから、実質GDP成長率の伸び率は1-3月期から縮小しました。7-9月期に入っ
ても、底堅い個人消費の増加を主因として米国経済は緩やかな拡大が続き、7-9月期の実質GDP成長率は前期比
年率1.9%増となりました。しかし、海外経済の減速傾向が続いていることや、米中対立をはじめとする通商政策
をめぐる不透明感によって、輸出や生産では停滞が見られています。また製造業を中心に企業の景況感は悪化が
続いており、設備投資を抑制する要因になっています。トランプ大統領の政権運営は米国内外で混乱を招いてお
り、先行きに対する懸念が強い状態が続いています。米国内では、野党である民主党とトランプ大統領の対立は
激しさを増し、対外的には、中国との貿易摩擦は悪化が続き、対立解消に向けた糸口が見えない状況にありま
す。
金融面では、景気の先行きに対する不透明感が強まる中、FRB(連邦準備制度理事会)が景気に配慮した「ハト
派」の姿勢にシフトしました。3月のFOMC(連邦公開市場委員会)では、2019年中の利上げを見送る見通しを示
すと同時に、バランスシート縮小を9月末で停止することが決定されました。また7月のFOMCでは、バランスシ
ート縮小の停止を2ヶ月前倒しすることを決定したほか、およそ10年ぶりの利下げに踏み切りました。さらに、
9月のFOMCでも2会合連続となる利下げを実施しました。
欧州経済(ユーロ圏経済)では、緩やかな成長が続いているものの、成長ペースが減速傾向にあります。2019
年4-6月期の実質GDP成長率は前期比年率0.8%増となり、前期の同1.7%増から伸び率が縮小しました。雇用者
所得の増加が続く中、個人消費を中心とした内需が底堅く推移する一方、外需の落ち込みによって成長率が押し
下げられました。米中摩擦の激化や、長引くイギリスのEU離脱問題などによる不透明感が外需の下押し要因とな
っており、特に外需依存度が高いドイツは4-6月期にはマイナス成長に陥りました。外需を巡る不透明感は7
-9月期に入っても払拭されておらず、製造業の景況感が低い水準で推移する中、企業は設備投資に対して慎重
な姿勢を続けています。7-9月期のユーロ圏の実質GDP成長率は前期比年率0.8%増と、前期と同様に緩やかな
伸びにとどまりました。
金融面では、ECB(欧州中央銀行)が2018年末まで非伝統的な金融緩和政策の軌道修正を進めてきました。しか
しながら、世界経済の不透明さが増し、ユーロ圏の景気減速が鮮明になる中で、2019年3月、ECBは次の利上げの
可能性を2019年秋から2020年以降に先送りし、6月にはこれを2020年後半まで先送りしました。さらに9月には、3年半ぶりとなる利下げを実施したことに加えて、量的緩和政策の再開を決定し、再び金融緩和路線へと舵を切りました。
新興市場国・発展途上国経済は、2018年の実質GDP成長率が4.5%と、3年ぶりに成長が鈍化しました。その大
きな要因となったのは、世界第2位の経済規模を持つ中国で、2018年1-3月期の6.8%をピークに成長率の低下
傾向が続いていることです。2019年に入ると、中国の1-3月期の実質GDP成長率は6.4%と、前期から横ばいと
なり、成長率の低下に一旦歯止めがかかったように見えましたが、4-6月期の実質GDP成長率は6.2%、7-9
月期には6.0%と、さらに伸びが低下する結果となりました。中国政府は、貿易摩擦をきっかけとした景気失速を
回避すべく財政・金融の両面から大規模な経済対策を打ち出しており、内需を下支えする効果が期待されます。
米中を中心とした貿易摩擦の激化の影響は世界全体に及んでおり、中国以外の新興国経済にも大きな打撃を与え
ています。新興国全体では、上記のような中国の成長率の鈍化に加えて、ASEANやロシア、中南米など、幅広い地
域で減速が見込まれ、2019年の成長率は3.9%と、2018年の4.5%から低下する見通しです。
他方、世界経済の減速を受けて、FRBをはじめとする各国中央銀行が金融緩和を実施し、世界的に金利が低下し
たことは、新興国への資金流入を促し、新興国経済を下支えする要因になると期待されています。また、経済対
策によって中国経済の減速に歯止めがかかれば、その効果は他の新興国へも波及するとみられることから、中国
の経済対策への期待感が高まっています。
<日本の状況>日本経済は、緩やかな回復基調が続いています。ただし、海外経済の減速や貿易摩擦の影響によって輸出が停
滞する中、製造業を中心とした企業部門では減速感が高まっています。
2019年4-6月期の実質GDP成長率は前期比年率1.3%増となりました。成長を牽引したのは、GDPに占めるウエ
イトの大きい個人消費が前期比年率2.5%増と、堅調な伸びとなったことです。個人消費の裏付けとなる雇用・所
得環境の着実な改善が続いたことに加え、ゴールデンウィークの10連休が個人消費の押し上げに寄与しました。
7-9月期は、7月の悪天候によって個人消費は一旦減速することになりましたが、10月の消費増税に向けた駆
け込み需要が発生したため、9月末にかけて個人消費は大きく増加しました。
住宅投資は、2018年7-9月期以降、4四半期連続で増加が続いています。低金利の継続や雇用・所得環境の
改善に加えて、個人消費と同様に消費増税前の駆け込み需要が押し上げ要因となりました。ただし、消費増税後
の住宅取得に対する支援策がとられたことにより、駆け込み需要は過去の消費増税時に比べると小幅なものとな
り、2019年7-9月期に入ると駆け込み需要からの反動減が顕在化し始め、住宅着工は弱含んでいます。
企業の設備投資は、2019年4-6月期に2四半期ぶりの増加となりました。高水準の企業収益や低金利、労働
需給の逼迫など企業を取り巻く環境に変化はなく、人手不足に対応した合理化・省人化投資や、競争力を維持す
るための機械・設備の更新、研究開発投資などの増加基調が続いています。日銀短観(9月調査)の2019年度の
設備投資計画をみても、大企業を中心に設備投資の増加基調が続くことが見込まれています。もっとも、イギリ
スのEU離脱を巡る迷走や米中対立の激化・長期化など、先行きの不透明感が一層高まったことから、企業の景況
感は悪化傾向にあり、設備投資に対する態度にも慎重さが増しつつあります。引き続き、米国の保護主義的な通
商政策によって、世界貿易の縮小につながるリスクがある点には留意が必要です。
金融面では、日本銀行による短期金利に加えて長期金利も操作対象とする金融緩和措置が継続しています。ま
た、世界経済の減速懸念が強まる中、日本銀行は2019年4月の金融政策決定会合において、少なくとも2020年春
頃まで金融緩和措置を続けることを表明しました。2019年に入って以降は、FRBによる利下げへの期待の高まり、および7月、9月の利下げ実施によって世界的に金利が低下する中、日本の長期金利も低下基調を強めました。
さらに9月には、米国による対中追加関税の拡大を受け、世界的にリスク回避の動きが強まる中、安全資産とさ
れる日本国債の需要が高まり、10年国債利回りは一時△0.29%前後と、2016年7月以来の水準まで低下しまし
た。
為替市場をみると、対ドルでは、世界経済に対する過度に悲観的な見方が後退したことから、2019年年初から
は円安・ドル高傾向で推移し、4月には一時112円台まで円安が進みました。しかし、5月に入ると米国による対
中関税率の追加引き上げをきっかけに米中貿易摩擦激化への警戒感が高まり、再びリスク回避の動きが強まりま
した。また、世界経済の減速感が強まる中、FRBによる金融緩和およびさらなる追加緩和への期待によって日米金
利差が縮小したことも円高・ドル安要因となり、8月には一時105円台前半まで円高が進みました。対ユーロでも
対ドルと同様に、2019年年初から4月にかけて円安傾向で推移した後、4月半ば以降は、リスク回避の動きが強
まったことにより、円高傾向で推移しました。
株式市場は、引き続き海外経済・市場の動向に左右される展開となりました。2019年に入りFRBがそれまでの引
き締め路線から緩和的な政策スタンスへと転じたことにより、2018年末の過度な景気悪化懸念が後退し、世界的
に株価は上昇基調となりました。日経平均も2019年年初から上昇基調が続き、4月の半ばには2018年12月以来お
よそ4ヵ月ぶりに22,000円台を回復しました。しかし、5月に米中貿易摩擦激化に対する懸念が再燃したことで、株価は下落に転じました。6月にはFRBによる利下げ期待の高まりによる金利低下、米国株高を受けて、日経平均も一時上昇に転じましたが、7-9月期に入ると、再び米中交渉の動向に左右される形で、下落と上昇を繰り返す展開となりました。
2019年9月末の日経平均株価は21,755円84銭(同年3月末比550円3銭高)、10年国債利回りは△0.215%(同0.120ポイントの低下)、為替は1ドル107円86銭(同2円89銭の円高)となりました。
(4)キャッシュ・フローの状況の分析
営業活動、投資活動及び財務活動によるキャッシュ・フロー並びに現金及び現金同等物
当中間会計期間におけるキャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
(単位:百万円)
| 2018年9月期 | 2019年9月期 | |
| 営業活動によるキャッシュ・フロー | 274,716 | 84,533 |
| 投資活動によるキャッシュ・フロー | △13,681 | △14,801 |
| 財務活動によるキャッシュ・フロー | △555,518 | △314,458 |
| 現金及び現金同等物の増減額(△は減少) | △294,483 | △244,726 |
| 現金及び現金同等物の期首残高 | 1,317,548 | 1,437,026 |
| 現金及び現金同等物の中間期末残高 | 1,023,064 | 1,192,300 |
当中間会計期間において、営業活動によるキャッシュ・フローは、トレーディング商品の増減、信用取引資産及び信用取引負債の増減、有価証券担保貸付金及び有価証券担保借入金の増減などにより845億円(前年同期は2,747億円)となりました。投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産及び無形固定資産の取得による支出などにより△148億円(同△136億円)となりました。財務活動によるキャッシュ・フローは、短期借入金の純増減、配当金の支払いなどにより△3,144億円(同△5,555億円)となりました。当中間会計期間末の現金及び現金同等物の残高は、前事業年度末に比べ2,447億円減少し、1兆1,923億円となりました。
(5)資本の財源及び流動性に係る情報
①流動性の管理
<財務の効率性と安定性の両立>当社は、多くの資産及び負債を用いて有価証券関連業務を中心としたビジネスを行っており、ビジネスを継続する上で十分な流動性を効率的かつ安定的に確保することを資金調達の基本方針としております。
当社の資金調達手段には、社債、ミディアム・ターム・ノート、金融機関借入、コマーシャル・ペーパー、コールマネー等の無担保調達、現先取引、レポ取引等の有担保調達があり、これらの多様な調達手段を適切に組み合わせることにより、効率的かつ安定的な資金調達の実現を図っております。
財務の安定性という観点では、環境が大きく変動した場合においても、業務の継続に支障をきたすことのないよう、平時から安定的に資金を確保するよう努めると同時に、危機発生等により、新規の資金調達及び既存資金の再調達が困難となる場合も想定し、調達資金の償還期限及び調達先の分散を図っております。
また、当社の親会社である大和証券グループ本社を中心とする大和証券グループでは、グループ全体での適正な流動性確保という基本方針の下、大和証券グループ本社が一元的に資金の流動性の管理・モニタリングを行っております。その中で当社は、一定期間内に期日が到来する無担保調達資金及び同期間にストレスが発生した場合の資金流出見込額に対し、様々なストレスシナリオを想定したうえで、それらをカバーする流動性ポートフォリオが保持されていることを日次で確認しております。
なお、当社の親会社である大和証券グループ本社は、平成26年金融庁告示第61号による連結流動性カバレッジ比率(以下、「LCR」という。)の最低基準の遵守が求められております。大和証券グループ本社の2020年3月期第2四半期日次平均のLCRは141.7%となっており、上記金融庁告示による要件を満たしております。
<コンティンジェンシー・ファンディング・プラン>当社は、流動性リスクへの対応の一環として、コンティンジェンシー・ファンディング・プランを策定しております。同プランは、信用力の低下等の内生的要因や金融市場の混乱等の外生的要因によるストレスの逼迫度に応じた報告体制や資金調達手段の確保などの方針を定めており、これにより当社は機動的な対応により流動性を確保する態勢を整備しております。
当社のコンティンジェンシー・ファンディング・プランは、変動する金融環境に機動的に対応するため、定期的な見直しを行っております。
②株主資本
当社が株式や債券、デリバティブ等のトレーディング取引、貸借取引、引受業務、ストラクチャード・ファイナンス、M&A、証券担保ローン等の有価証券関連業務を中心とした幅広い金融サービスを展開するためには、十分な資本を確保する必要があります。
当中間会計期間末の株主資本は、7,346億円(前事業年度末比353億円減)となりました。資本金及び資本剰余金の合計は4,499億円であり、利益剰余金は中間純利益29億円を計上したほか、配当金382億円の支払いを行った結果、2,847億円(同353億円減)となりました。