半期報告書-第31期(令和4年4月1日-令和5年3月31日)

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2022/12/09 15:19
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71項目
本項における将来に関する事項は、別段の記載がない限り、当中間会計期間の末日現在において当社が判断したものであります。
(1)重要な会計方針及び見積り
当社の中間財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる中間財務諸表の作成基準に基づき作成されております。また、当社は、中間財務諸表を作成するにあたり、会計方針に基づいていくつかの重要な見積りを行っており、これらの見積りは一定の条件や仮定を前提としております。そのため、条件や仮定が変化した場合には、実際の結果が見積りと異なることがあり、結果として中間財務諸表に重要な影響を与える場合があります。重要な会計方針のうち、特に重要と考える項目は、次の4項目です。
① トレーディング商品の評価
当社では、トレーディング商品に属する有価証券及びデリバティブ取引は、時価をもって中間貸借対照表価額とし、評価損益はトレーディング損益として中間損益計算書に計上しております。また、「時価の算定に関する会計基準」(企業会計基準第30号 2019年7月4日)等を適用しており、トレーディング商品の時価は、時価の算定に用いたインプットの観察可能性及び重要性に応じて、3つのレベルに分類しております。これらの時価は「第5 経理の状況 (金融商品関係) 1.金融商品の時価等及び時価のレベルごとの内訳等に関する事項」に記載しております。
時価測定に用いた評価技法及びインプットの詳細は以下のとおりであります。これらは、市場参加者が商品を評価するときに考慮するであろう当社による仮定及び見積りを含んでおります。
(ⅰ)商品有価証券等
主に同一又は類似の商品に関する市場価格を用いております。また、特定の負債性金融商品及び資産担保証券については、デリバティブ取引に準じた評価技法もしくは、ディスカウント・キャッシュ・フロー・モデルにより時価を測定しております。
(ⅱ)デリバティブ
上場デリバティブについては原則として市場価格を、店頭デリバティブについては、評価技法により理論価格を算定しております。
デリバティブ取引の理論価格には、信用リスク及び流動性リスクを考慮した調整が含まれており、時価測定においては、市場で一般に用いられるリスク中立測度の仮定のもとでの期待キャッシュ・フローの現在価値を、主に数値積分法、有限差分法及びモンテカルロ法による価格算定モデルにより算定しております。
価格算定モデルには、金利、為替レート、株価、ボラティリティ、相関係数などの様々なインプットがあります。また、市場で観察可能でないインプットとしては、相関係数、長期のボラティリティ、長期のクレジット・スプレッドなどがあります。
価格算定モデルの選択及びその価格算定モデルに投入するインプットの決定、信用リスク及び流動性リスクにかかる評価調整には見積り及び前提を含んでおり、特に、市場で観察可能でないインプットを使用する場合には、その見積り及び前提は、トレーディング商品の評価額に重要な影響を及ぼす可能性があります。
算定に用いたインプットを含め、価格算定モデルは社内における指針に基づいて承認され、価格算定モデルの開発部署から独立した部署が、モデル内の仮定及び技法、算定に用いたインプットについて検証を行っております。また、価格算定モデルを観察可能な市場情報や代替可能なモデルとの比較分析等により、市場動向に合わせて調整する体制を構築しております。
経営者は、時価測定に用いられた前提は合理的であると考えております。しかしながら、これらの見積りには不確実性が含まれているため、将来キャッシュ・フローや時価の下落を引き起こすような見積りの変化が、評価金額に不利に影響し、結果として、中間財務諸表に重要な影響を与える可能性があります。
② 有価証券の減損
当社では、投資有価証券等のトレーディング商品に属さない有価証券を保有しております。このうち市場価格のある有価証券については、市場価格が著しく下落したときは、回復する見込みがあると認められる場合を除き、減損処理を行っております。具体的には、当中間会計期間末における市場価格の下落率が取得原価の50%以上の場合は、著しい下落かつ回復する見込みがないものと判断して、減損処理を行っております。市場価格の下落率が取得原価の30%以上50%未満の場合は、市場価格の推移及び発行会社の財政状態等を総合的に勘案して回復する見込みを検討し、回復する見込みがあると認められる場合を除き、減損処理を行っております。また、市場価格のない有価証券については、実質価額が著しく低下し、かつ、回復可能性が十分な証拠によって裏付けられない場合には、減損処理を行っております。
③ 固定資産の減損
当社では、各資産グループにおいて、収益性が著しく低下した資産については、当該資産の帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。なお、資産のグルーピングは、証券店舗等の個別性の強い資産については個別物件単位で行い、その他の事業用資産については管理会計上の区分に従って行っております。
④ 繰延税金資産の回収可能性
当社では、会計基準に従い、税務上の繰越欠損金や企業会計上の資産・負債と税務上の資産・負債との差額である一時差異等について税効果会計を適用し、繰延税金資産及び繰延税金負債を計上しております。繰延税金資産の回収可能性については、将来の合理的な見積可能期間における課税所得の見積額を限度として、当該期間における一時差異等のスケジューリングの結果に基づき判断しております。
なお、新型コロナウイルス感染症の影響による経済活動の制限と緩和が繰り返される中での経済、企業活動の停滞・悪化や、ロシア・ウクライナ情勢に起因した資源価格の高騰、米国長期金利の上昇に伴う経済情勢や相場環境の悪化は、現時点においてはこれらの見積りに重大な影響を及ぼしておりませんが、今後、入手可能となる情報等によりこれらの市場、経済または地政学リスクが顕在化した場合には、会計上の見積りに用いられた前提条件に悪影響を及ぼす可能性があります。
(2)当中間会計期間の財政状態の分析
<資産の部>当中間会計期間末の総資産は前事業年度末比1兆4,966億円(10.2%)増加の16兆1,418億円となりました。内訳は流動資産が同1兆4,876億円(10.3%)増加の15兆9,440億円であり、このうち現金・預金が同5,312億円(34.5%)減少の1兆76億円、トレーディング商品が同2兆1,787億円(40.0%)増加の7兆6,294億円、有価証券担保貸付金が同3,252億円(5.9%)減少の5兆1,567億円となっております。固定資産は同90億円(4.8%)増加の1,978億円となっております。
<負債の部・純資産の部>当中間会計期間末の負債合計は前事業年度末比1兆4,964億円(10.6%)増加の15兆6,309億円となりました。内訳は流動負債が同1兆6,171億円(13.1%)増加の13兆9,680億円であり、このうちトレーディング商品が同6,056億円(17.6%)増加の4兆427億円、有価証券担保借入金が同1兆749億円(18.2%)増加の6兆9,940億円、預り金が同1,887億円(49.1%)増加の5,731億円、短期借入金が同8,854億円(52.5%)減少の8,002億円となっております。固定負債は同1,206億円(6.8%)減少の1兆6,592億円であり、このうち社債が同955億円(11.0%)減少の7,704億円、長期借入金が同249億円(2.9%)減少の8,418億円となっております。
純資産合計は、中間純利益を4億円計上したこと等から、同1億円(0.03%)増加の5,109億円となりました。
(3)当中間会計期間の経営成績の分析
① 事業全体の状況
当中間会計期間の営業収益は1,265億円(前年同期比25.7%減)となりました。受入手数料は委託手数料及び募集・売出しの取扱手数料が減少し、総額で851億円(同17.0%減)、トレーディング損益は株券等、債券・為替等の減少により222億円(同59.5%減)となりました。金融収支は78億円(同10.1%増)、純営業収益は1,152億円(同30.0%減)となっております。
販売費・一般管理費は、取引関係費が203億円(同14.7%増)、事務費が266億円(同10.0%増)であったものの、人件費が452億円(同9.6%減)となったこと等から、1,182億円(同0.8%減)となりました。この結果、経常損失は20億円(前年同期は466億円の経常利益)となりました。
これに特別損益、法人税等を加味した結果、中間純利益は4億円(同98.8%減)となりました。
② セグメント情報に記載された区分ごとの状況
純営業収益及び経常利益をセグメント別に分析した状況は次のとおりであります。
(単位:百万円)
純営業収益経常利益又は経常損失(△)
2021年
9月期
2022年
9月期
対前年同期
増減率
構成比率2021年
9月期
2022年
9月期
対前年同期
増減率
構成比率
リテール営業部門94,66479,576△15.9%67.8%21,57312,117△43.8%100.0%
国内ホールセール
部門
63,50337,878△40.4%32.2%22,312△6,194--
その他・調整等6,499△2,194--2,751△8,020--
合計164,667115,261△30.0%100.0%46,636△2,097-100.0%

(注)純営業収益の構成比率は、当中間会計期間において純営業収益が正の値であったセグメントの純営業収益に占める、各セグメントの純営業収益の割合としております。また、経常利益又は経常損失(△)の構成比率は、当中間会計期間において経常利益であったセグメントの経常利益合計に占める、各セグメントの経常利益の割合としております。
[リテール営業部門]
リテール営業部門は、主に個人や未上場法人のお客様に幅広い金融商品・サービスを提供しております。
リテール営業部門の主な収益源は、国内の個人投資家及び未上場会社のお客様の資産管理・運用に関する商品・サービスの手数料であり、経営成績に重要な影響を与える要因には、お客様動向を左右する国内外の金融市場及び経済環境の状況に加え、お客様のニーズに合った商品の開発状況や引受け状況及び販売戦略が挙げられます。
当中間会計期間においては、エクイティ収益は、委託手数料が減少したほか、募集・売出し案件が前年同期に比べて少なかったことに起因する募集手数料収入の減少等により減収となりました。債券収益は募集・売出し案件の減少等により減収となりました。株式投資信託についても、販売額が減少したことから販売手数料収入は減収となりました。
その結果、当中間会計期間のリテール営業部門における純営業収益は795億円(前年同期比15.9%減)、経常利益は121億円(同43.8%減)となりました。リテール営業部門の当中間会計期間の純営業収益及び経常利益の当社全体の純営業収益及び経常利益に占める割合は、それぞれ67.8%及び100.0%でした。
[国内ホールセール部門]
国内ホールセール部門は、グローバル・マーケッツとグローバル・インベストメント・バンキングで構成されており、グローバル・マーケッツは、主に国内外の機関投資家や事業法人、金融法人、公共法人等のお客様向けに、株式、債券・為替及びそれらの派生商品のセールスおよびトレーディングを行っております。グローバル・インベストメント・バンキングは、国内外における有価証券の引受け、M&Aアドバイザリー等、多様なインベストメント・バンキング・サービスを提供しております。
グローバル・マーケッツの主な収益源は、機関投資家に対する有価証券の売買に伴って得る顧客フロー収益およびトレーディング収益です。グローバル・インベストメント・バンキングの主な収益源は、引受業務やM&Aアドバイザリー業務によって得る引受け・売出し手数料とM&A手数料です。グローバル・マーケッツにおいては、地政学リスクや国際的な経済状況等で変化する市場の動向や、それに伴う顧客フローの変化が、経営成績に重要な影響を与える要因となります。グローバル・インベストメント・バンキングにおいては、顧客企業の資金調達手段の決定やM&Aの需要を左右する国内外の経済環境等に加え、当社が企業の需要を捉え、案件を獲得できるかどうかが経営成績に重要な影響を与える要因となります。
グローバル・マーケッツは減収減益となりました。エクイティ収益は、市場の不透明感を背景とした顧客フローの減少に加え、ポジション運営も苦戦したことから、減収となりました。 フィクストインカム収益は、クレジットスプレッドの拡大を受け、ポジション運営に苦戦したことから、減収となりました。
グローバル・インベストメント・バンキングは減収減益となりました。引受け・売出し手数料は、エクイティ大型公募売出し案件でグローバル・コーディネーターを務め、かつ、多数の債券主幹事案件を積上げた前年同期との比較では、減収となりました。また、M&Aビジネスでは多数の案件を遂行したものの、前年同期比では減収となりました。
その結果、当中間会計期間の国内ホールセール部門における純営業収益は378億円(前年同期比40.4%減)、経常損失は61億円(前年同期は223億円の経常利益)となりました。国内ホールセール部門の当中間会計期間の純営業収益の当社全体の純営業収益に占める割合は32.2%でした。
③ 経営成績の前提となる当中間会計期間のマクロ経済環境
<海外の状況>世界経済は、総じて2020年前半の新型コロナウイルスの感染拡大による落ち込みからの拡大基調が続いていますが、その改善ペースは鈍化しつつあります。IMF(国際通貨基金)が2022年10月に公表した世界経済見通しによれば、2020年の大幅な落ち込みからの反動もあり、2021年の世界経済成長率は+6.0%と、IMFが成長率を公表する1980年以降で最も高い成長となりました。一方、2022年の世界経済成長率は+3.2%へと低下することが見込まれています。世界的にコロナ禍で落ち込んだサービス活動の回復が継続する一方、歴史的に高いインフレ率や、それに対応するための当局による金融引き締めが、景気拡大ペースを抑制する要因となっています。また、2022年初に始まったロシアによるウクライナへの侵攻を契機とした地政学的リスクの高まりや、それに伴うエネルギー不足への懸念などが、世界経済における新たなリスクとなっています。
米国経済は、緩やかな回復傾向が続いています。2022年4-6月期の実質GDP成長率は、前期比年率△0.6%と2四半期連続のマイナス成長となりました。中国・上海市でのロックダウンなどを背景とした供給制約によって生産が停滞し、在庫投資が大幅に減少したことに加え、金利上昇を背景に住宅投資の減少が続いたことがGDPを押し下げました。他方、労働市場が改善基調を維持する中、経済正常化によるサービス消費の回復もあり、個人消費は減速しつつも増加が続きました。7-9月期に入ってからも労働市場の改善は続いており、個人消費の増加を主因に7-9月期の実質GDP成長率は前期比年率+2.6%と3四半期ぶりの増加に転じました。ただし、高いインフレ率が引き続き家計の重荷になっていることに加え、株価の低迷や、FRB(連邦準備制度理事会)による利上げを受けた労働市場の回復ペースの鈍化などにより、米国経済の先行きの不透明感は増しています。
金融面では、FRBは、歴史的な高インフレを鎮静化するため、金融引き締めを強化しています。インフレ率がFRBの目標である2%を大幅に上回っていることを背景に、2022年3月のFOMC(連邦公開市場委員会)では政策金利が0.25%pt引き上げられ、2020年3月以降続いてきた実質的なゼロ金利政策が終了しました。続く5月のFOMCでは、0.50%ptの利上げに加えて、6月からFRBのバランスシートの縮小を開始することが決定されました。6月のFOMCでは利上げ幅がさらに拡大され、0.75%ptの利上げが行われました。その後、7月及び9月のFOMCでもそれぞれ0.75%ptの利上げが実施され、政策金利の水準は2007年以来の高さとなりました。FOMCが、9月の会合においてさらなる利上げを継続する見通しを示したことから、米国の10年債利回りは上昇が続き、9月末には一時、2010年以来となる4%超まで金利が上昇しました。
欧州経済(ユーロ圏経済)は、回復基調が続いているものの、減速感が強まっています。2022年4-6月期の実質GDP成長率は、行動制限が緩和されたことなどによる個人消費の持ち直しなどから、前期比年率+3.3%と堅調な結果となりました。しかし、2月下旬に開始したロシアによるウクライナ侵攻の長期化や、インフレ率の高進、さらにはエネルギー不足への懸念などから、個人や企業の景況感は大幅な悪化が続いています。また、インフレ率の高進を背景に、ECB(欧州中央銀行)が金融引き締めに転じたことによる借り入れコストの上昇も、投資や消費を下押しする要因となり、7-9月期の実質GDP成長率は前期比年率+0.7%と小幅な増加にとどまりました。
金融面では、ECBはコロナ禍以降の金融緩和を終了し、引き締めへと転じています。インフレが加速する中、2022年3月のECB理事会では、コロナ禍以前から実施されてきた資産買入プログラムの終了を前倒しする方針が示され、6月の理事会では、7月1日付で同プログラムを終了することが決定されました。続く7月の理事会では、0.50%ptの利上げに踏み切り、2014年に導入されたマイナス金利が8年ぶりに解除されました。さらに、9月の理事会では、0.75%ptと過去最大の利上げ幅での利上げを実施しました。
新興国経済は、2020年後半以降、総じて持ち直しの動きが続いています。IMFによれば、2021年の新興国の実質GDP成長率は、前年の落ち込みの反動から+6.6%と高い成長となりました。また、2022年は+3.6%の成長が見込まれています。
新興国のうち、世界第2位の経済規模を持つ中国では、2022年3月頃から新型コロナウイルスの感染者数が急増し、政府が掲げるゼロコロナ政策の下、上海市などの多くの都市でロックダウンが実施されたため、4-6月期の実質GDP成長率は前年比+0.4%の低成長にとどまりました。しかし、感染者数の減少を受けてロックダウンが順次解除されたことに加えて、財政・金融政策による下支えもあり、4-6月期後半から中国経済は再び持ち直しに向かっています。7-9月期の中国の実質GDP成長率は前年比+3.9%となり、前期の前年比+0.4%から伸びが加速しました。
中国以外の新興国は、総じて見れば持ち直しの動きが続きました。欧米を中心とした主要国経済の回復による外需の拡大が新興国経済を下支えしたことに加え、一部の資源国では、資源価格の上昇が経済を押し上げる要因となりました。一方、高インフレや、欧米での金融引き締め・金利上昇に伴う資金流出抑制のため、多くの国が利上げを余儀なくされており、新興国でも景気の減速感は強まりつつあります。
<日本の状況>日本経済は、2022年度に入り緩やかな回復が続いています。2022年1-3月期は、感染者数の増加を受けて多くの地域でまん延防止等重点措置が適用されたことに加え、半導体不足による供給制約なども影響し、実質GDP成長率は前期比年率+0.2%と小幅なプラスにとどまりました。その後、まん延防止等重点措置が解除され、経済活動の正常化が進んだことで、4-6月期の実質GDP成長率は前期比年率+3.5%と成長ペースが大きく加速しました。また、7-9月期も経済正常化によるサービス消費の増加基調が続いたことに加えて、供給制約の緩和による生産活動の回復が押し上げ要因となり、経済の拡大が継続しています。
需要項目ごとに見ると、個人消費は持ち直しの動きが続いています。2022年1-3月期は、感染再拡大に伴い多くの地域でまん延防止等重点措置が適用されたことで、サービス消費を中心に個人消費は小幅な増加にとどまりました。しかし、まん延防止等重点措置が3月21日を期限に全面解除されたことで、4-6月期以降は、サービス消費を中心に個人消費は持ち直しに向かっています。7-9月期には、再び新型コロナウイルスの感染が拡大しましたが、行動制限が導入されなかったため、緩やかながらサービス消費の拡大傾向が続き、個人消費の増加基調が継続しています。一方、家計による需要のうち住宅投資については、資材価格上昇を背景とした価格上昇などにより、2021年後半以降、緩やかな減少傾向にあります。
企業部門の需要である設備投資は、緩やかに増加しています。2022年1-3月期の設備投資は、まん延防止等重点措置に伴う個人消費の減少や、供給制約による生産活動の停滞、さらにはロシアのウクライナ侵攻による先行きの不透明感などが影響し、前期から減少しました。しかし、4-6月期に入って新型コロナウイルスの感染者数が減少し、国内の経済活動が再開される中、設備投資にも再び増加の兆しが見られました。また、7-9月期には、それまで設備投資を抑制する要因となっていた、中国でのロックダウンなどによるサプライチェーンの混乱が解消に向かったこともあり、設備投資の回復傾向が続いています。新型コロナウイルス感染症拡大の影響などから2021年に見送られた設備投資の一部は2022年に先送りされているとみられ、日銀短観(2022年9月調査)によれば、2022年度の設備投資計画(含む土地投資額)は、前年比+16.4%と非常に高い伸びが見込まれています。
金融面では、短期金利に加えて長期金利も操作対象とする日本銀行の金融緩和措置が継続しています。ただし、日本経済がコロナ禍による落ち込みから持ち直す中、日本銀行は、2021年12月の政策決定会合で、コロナ禍への対応として導入された社債などの買い入れ増額の一部について2022年3月で終了することを決定しました。日本銀行による緩和的な金融政策が続くものの、2022年に入って米国長期金利が上昇する中、日本の10年国債利回りでも上昇圧力が強まっており、2022年度に入ってからは、日本銀行が政策目標とする範囲の上限である0.25%近傍で推移しています。
為替市場をみると、2022年以降、総じて円安傾向で推移しました。米国では高インフレを抑制するためにFRBが利上げを続ける姿勢を示し、金利の上昇が続いた一方、日本では日本銀行による低金利政策が維持されたことで、日米金利差が拡大し、対ドルレートは非常に速いペースで円安が進みました。年初時点で115円台だった対ドルレートは、9月には一時145円台とおよそ24年ぶりの円安水準となりました。対ユーロでも同様に、ユーロ圏との金利差拡大を背景に円安が進み、年初時点の130円台から9月には一時145円台まで円安が進みました。
株式市場では、海外市場の動向に大きく左右される形で、株価が一進一退の推移を続けています。4-6月期は、米国での金融引き締めや、景気減速懸念によって米国の株価が一進一退となる中、日経平均株価も上昇・下落を繰り返す不安定な相場展開となりました。7-9月期に入ると、米国での景気減速懸念が強まったことに加えてインフレ率に鈍化の兆候が見られたことで、米国長期金利の低下が進み、8月中旬まで米国株価は上昇しました。日経平均株価もそうした米国株価の動きに追随して上昇し、8月半ばには一時29,000円台を回復しました。しかし、8月後半に入ると米国のインフレ懸念が再び高まり、これに対してFRBがタカ派的な姿勢を強めたため、9月末にかけて日米ともに株価は下落基調となりました。
2022年9月末の日経平均株価は25,937円21銭(同年3月末比1,884円22銭安)、10年国債利回りは0.277%(同0.059%ptの上昇)、為替は1ドル144円32銭(同22円68銭の円安)となりました。
(4)キャッシュ・フローの状況の分析
営業活動、投資活動及び財務活動によるキャッシュ・フロー並びに現金及び現金同等物
当中間会計期間におけるキャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
(単位:百万円)
2021年9月期2022年9月期
営業活動によるキャッシュ・フロー188,675308,551
投資活動によるキャッシュ・フロー△7,624△21,870
財務活動によるキャッシュ・フロー△150,362△822,968
現金及び現金同等物の増減額(△は減少)30,688△536,288
現金及び現金同等物の期首残高1,494,6821,543,967
現金及び現金同等物の中間期末残高1,525,3701,007,679

当中間会計期間において、営業活動によるキャッシュ・フローは、トレーディング商品の増減や有価証券担保貸付金及び有価証券担保借入金の増減などにより3,085億円(前年同期は1,886億円)となりました。投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産及び無形固定資産の取得による支出などにより△218億円(同△76億円)となりました。財務活動によるキャッシュ・フローは、短期借入金の純増減などにより△8,229億円(同△1,503億円)となりました。当中間会計期間末の現金及び現金同等物の残高は、前事業年度末に比べ5,362億円減少し、1兆76億円となりました。
(5)資本の財源及び流動性に係る情報
① 流動性の管理
<財務の効率性と安定性の両立>当社は、多くの資産及び負債を用いる有価証券関連業務を中心としたビジネスを行っており、ビジネスを継続する上で十分な流動性を効率的かつ安定的に確保することを資金調達の基本方針としております。
当社の資金調達手段には、社債、ミディアム・ターム・ノート、金融機関借入、コマーシャル・ペーパー、コールマネー等の無担保調達、現先取引、レポ取引等の有担保調達があり、これらの多様な調達手段を適切に組み合わせることにより、効率的かつ安定的な資金調達の実現を図っております。
財務の安定性という観点では、環境が大きく変動した場合においても、業務の継続に支障をきたすことのないよう、平時から安定的に資金を確保するよう努めると同時に、危機発生等により、新規の資金調達及び既存資金の再調達が困難となる場合も想定し、調達資金の償還期限及び調達先の分散を図っております。
また、当社の親会社である大和証券グループ本社を中心とする大和証券グループでは、グループ全体での適正な流動性確保という基本方針の下、大和証券グループ本社が一元的に資金の流動性の管理・モニタリングを行っております。その中で当社は、一定期間内に期日が到来する無担保調達資金及び同期間にストレスが発生した場合の資金流出見込額に対し、様々なストレスシナリオを想定したうえで、それらをカバーする流動性ポートフォリオが保持されていることを日次で確認しております。
なお、当社の親会社である大和証券グループ本社は、「金融商品取引法第五十七条の十七第一項の規定に基づき、最終指定親会社が当該最終指定親会社及びその子法人等の経営の健全性を判断するための基準として定める最終指定親会社及びその子法人等の経営の健全性のうち流動性に係る健全性の状況を表示する基準」(平成26年金融庁告示第61号)により連結流動性カバレッジ比率(以下、「LCR」という。)及び連結安定調達比率(以下、「NSFR」という。)を所定の比率(それぞれ100%)以上に維持することが求められており、大和証券グループ本社の当第2四半期日次平均のLCRは143.8%です。また、同第2四半期末のNSFRは、当半期報告書提出日における速報値で147.9%となっております。確定値は算出完了次第、大和証券グループ本社ホームページにて公表する予定です。
<コンティンジェンシー・ファンディング・プラン>当社は、流動性リスクへの対応の一環として、コンティンジェンシー・ファンディング・プランを策定しております。同プランは、信用力の低下等の内生的要因や金融市場の混乱等の外生的要因によるストレスの逼迫度に応じた報告体制や資金調達手段の確保などの方針を定めており、これにより当社は機動的な対応により流動性を確保する態勢を整備しております。
当社のコンティンジェンシー・ファンディング・プランは、変動する金融環境に機動的に対応するため、定期的な見直しを行っております。
② 株主資本
当社が株式や債券、デリバティブ等のトレーディング取引、貸借取引、引受業務、ストラクチャード・ファイナンス、M&A、証券担保ローン等の有価証券関連業務を中心とした幅広い金融サービスを展開するためには、十分な資本を確保する必要があります。
当中間会計期間末の株主資本は、5,089億円(前事業年度末比4億円増)となりました。資本金及び資本剰余金の合計は1,523億円であり、利益剰余金は中間純利益4億円を計上した結果、3,565億円(同4億円増)となりました。

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  • 百万人の現IRBANKユーザーとまだIRBANKを知らない数千万人に対してマーケティングをしてみたい方。