有価証券報告書-第64期(2023/04/01-2024/03/31)

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2024/06/21 15:00
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142項目
(1) 【コーポレート・ガバナンスの概要】
① 企業統治の体制の概要等について
コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方
取締役会は、リクルートグループ経営理念に基づいて、長期的に発展し、従業員・個人ユーザー・企業クライアント・株主・取引先・NPO・NGO・国・行政及び地域社会等、すべてのステークホルダーにとって魅力的な企業として継続的に企業価値及び株主価値を向上させていく上で、コーポレート・ガバナンスを重視しています。
また当社は、持続的な企業価値向上のためには、すべてのステークホルダーとの共存共栄を、健全なガバナンスの下で目指していくことが重要であると考えています。その実現のため、サステナビリティへのコミットメントを行いサステナビリティ目標を掲げるとともに、コーポレート・ガバナンスを企業活動の重要な基盤として定めて取組んでいます。
企業統治の体制の概要
当社は、機関設計として監査役会設置会社を選択しています。株主が選任した監査役が、取締役会から独立した機関として取締役の職務執行を監査する監査役制度を基礎として、経営の透明性、健全性、及び効率性の向上を図るコーポレート・ガバナンス体制の構築と強化に取組んでいます。具体的には、独立性の高い社外取締役・社外監査役の複数任用や、取締役会の諮問機関として指名・ガバナンス、報酬、コンプライアンス、リスクマネジメント及びサステナビリティ等の委員会を任意設置しています。なお、指名・ガバナンス、報酬委員会については、独立社外取締役が委員長を務め、且つ、社外委員が過半数を構成することで、独立性を強化しています。
また取締役会は、毎年、取締役会の実効性の分析・評価を実施し、その中で、多様なステークホルダーの観点での審議が適切に行われているかを確認するとともに、改善に向けた取組みを行っています。
加えて当社は、迅速な意思決定や業務執行機能の強化を目的に、執行役員制度を導入するとともに、CEOの諮問機関として経営戦略会議を設置しています。経営戦略会議では、CEOが業務執行上の重要な課題について決定するに当たり、必要な事項の協議を行っています。また、当社グループは、戦略的なマネジメント単位として戦略ビジネスユニット(Strategic Business Unit、以下「SBU」)を設置し、SBU配下の子会社及び事業を統括する会社として、SBU統括会社を設置しています。当社の取締役会は、経営の基本方針や重要事項を決定し責任範囲を明確にした上で、経営戦略会議や各SBU統括会社の取締役会等に対して業務執行の決定に関する一定の権限を委譲しています。
当社は、迅速な意思決定及び効果的な内部統制の両面で、当社の企業統治を充分に機能させていくことを企図しています。
コーポレート・ガバナンス体制図

各SBUの統括会社は、以下のとおりです。
- HRテクノロジーSBU:RGF OHR USA, INC.
- マッチング&ソリューションSBU:㈱リクルート
- 人材派遣SBU:RGF Staffing B.V.
SBUにおける重要な意思決定は、SBU統括会社の取締役会で行っています。SBU統括会社の取締役会の過半数は、当社から派遣される非業務執行取締役で構成されています。また、各SBUの責任者は、当社の執行役員が兼任しています。
取締役会
・取締役会の役割
取締役会は、中長期的な企業価値及び株主価値向上を実現させるために以下に関する責任を担っています。
- 経営の基本方針の決定
- 経営監督
- グループに大きな影響を与えうる業務執行の決定
- 法令で定められた専決事項の決定
取締役会は、少なくとも3カ月に1回以上開催しています。また、取締役会から各取締役・執行役員に対する権限委譲の考え方として、一定金額以上の投資案件や基幹人事等の、当社のコーポレート・ガバナンス及び連結業績に多大な影響を与えうる議案については取締役会において決裁し、それ以外の議案については、可能な限り経営戦略会議等で決裁する運用としています。権限委譲の範囲については決裁権限表を制定の上、権限配分の実効性を随時見直し、取締役会にて毎年度に1回以上の改定を決議しています。
・取締役会の構成
取締役会は、8名の取締役及び4名の監査役で構成しており、うち4名は独立社外取締役、2名は独立社外監査役です。
当社は、当社の事業内容及び展開地域並びに当社のステークホルダーである個人ユーザー、企業クライアント及び従業員の属性等の多様化が急速に進む中、取締役会における多様性を維持・拡充することが取締役会の議論の質的向上に寄与し、当社の長期的成長に向けたイノベーション促進に不可欠であると考えています。
また、取締役会の規模としては、質の高い議論を行える適正規模にすることが望ましいと考えています。そのため、当社定款において取締役の人数を11名以内と定めています。
加えて、取締役会議長とCEOを別の人物が務める体制としています。取締役会議長とCEOの役割を分離することで牽制機能がより発揮され、ガバナンス強化に寄与するものと考えています。
・取締役の選定方針
取締役候補者の選定においては、スキル、リーダーシップ、パーソナルバックグラウンド、判断力、人格、見識及び経験等の多様性を確保するために、性別、年齢、国籍、人種といった属性の区別なく、取締役の職務と責任を全うできる候補者を選定する方針です。また、現任取締役の再任にあたっては、上記要素に加えて、任期、業績、取締役会における貢献度等も考慮します。これらの取締役候補者は定時株主総会において個人単位で選任されます。
当社では、経営の意思決定の質を更に高めるために、取締役会の多様性向上に取組み、特にジェンダーについては目標を設定し進めます。具体的には、2031年3月期までに、当社の監査役を含む取締役会構成員の女性比率を約50%にすべく、定時株主総会の選任議案を上程することを目指します。
2024年6月21日時点では、取締役会構成員12名のうち4名が女性となっています。
また、当社は業務執行から一定の距離を置く独立性の高い社外取締役の構成比率を取締役の員数の3分の1以上とする方針です。この方針に則り、2024年6月21日時点において、取締役8名のうち4名を独立社外取締役として東京証券取引所に届出を行っています。社外取締役候補者の選定にあたっては、上述の選定方針に加えて、グローバル企業や上場企業での経営経験の有無を重視しています。
独立社外取締役については、当社の経営の監督に加えて、以下の役割を期待しています。
- グローバル企業や上場企業の経営経験を通じ、当社に必要な中長期的な企業価値及び株主価値の向上に向けた助言をいただく
- 社外取締役が委員長・委員を務める指名・ガバナンス、報酬の2つの委員会を通じ、取締役及び執行役員の選解任、報酬、評価に関する事項の検討に主体的に関与いただく
- 取締役と会社の間で利益相反の可能性のある事項については、決裁機関を取締役会とし、独立社外取締役・社外監査役のいる場で利益相反の可能性のある業務の執行を監督いただく
また、当社は、上述の役割を果たせるように、以下の取組みを実施しています。
- 取締役・執行役員による適切なリスクテイクを支える環境整備の一環として、コンプライアンス委員会及びリスクマネジメント委員会の議論内容について、取締役会に適宜共有した上で、議論を行う
- 取締役会において様々なステークホルダーの観点から発言いただくために、サステナビリティ委員会の議論内容や株主からの意見について、取締役会で適宜共有した上で、議論を行う
加えて、業務執行には携わらない、インターネットビジネスにおける高い知見を有する非業務執行取締役を1名選任しています。
・取締役会の活動内容
取締役会は、社外取締役による問題提起を含め自由闊達で建設的な議論・意見交換を尊ぶ気風の醸成に努めています。特に社外取締役の専門性・経験の高い分野等においては、積極的に発言・助言を求めています。
取締役会の参加者が自由闊達で建設的な議論を行えるように、以下の取組みを実施しています。
- 取締役会の資料については、少なくとも開催3営業日前にドラフト段階の資料を配布しています。
- 取締役会の資料に加え、議案の趣旨を取りまとめたサマリーを、開催3営業日前を目途に事務局から参加者に提供しています。加えて、議長、独立社外取締役、非業務執行取締役に対しては、事務局から議案内容を事前説明しています。
- 取締役会の開催スケジュールは前年度に年間スケジュールを決定するとともに、重要な審議事項については、期初に起案時期を確定しています。
- 取締役会の開催頻度、審議項目及び審議時間については、当期の実績や翌期以降の戦略等に鑑み、毎期見直し、適切に設定しています。
また、取締役会とは別に取締役会の参加者が自由な議論を行う会議を実施し、取締役会開催と同程度の時間を費やし、活発な意見交換を行う等努めています。
・取締役会の具体的な検討事項
業績やリスク等の業務執行状況のモニタリングに加えて、当事業年度に開催した取締役会における具体的な検討事項は以下のとおりです。
- 事業ポートフォリオ戦略の進捗管理
- サステナビリティ戦略の進捗管理
- 資本政策及び株主還元の検討
事業ポートフォリオ戦略の進捗管理は、経営戦略として掲げている「Simplify Hiring」「Help Businesses Work Smarter」に関して、戦略の進捗及び推進方針を審議しました。詳細は、「第2 事業の状況」「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」「(3)経営戦略」をご参照ください。また、リスクマネジメント委員会の審議内容を踏まえ、戦略の推進を阻害し得るリスク及び対応方針について審議しました。詳細は「第2 事業の状況」「3 事業等のリスク」「(2)当社グループのトップリスクと主な対応策」及び「(3)当社グループの経営成績等に影響を与える重要なリスク」をご参照ください。
サステナビリティ戦略の進捗管理は、経営戦略として掲げている「Prosper Together」に関して、サステナビリティ委員会の審議内容を踏まえ、サステナビリティ目標の達成に向けたサステナビリティ活動の進捗及び計画について審議しました。詳細は「第2 事業の状況」「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」「(3)経営戦略」をご参照ください。
資本政策及び株主還元としては、安定的かつ継続的な配当に加えて、市場環境及び財務状況の見通しを考慮した上での自己株式取得の検討を行い、決議しました。詳細は、以下URLをご参照ください。
https://recruit-holdings.com/ja/newsroom/20230517_0001/
https://recruit-holdings.com/ja/newsroom/20231002_0001/
https://recruit-holdings.com/ja/newsroom/20231213_0001/
・取締役会全体の実効性に関する分析・評価
総評
当社は毎年、取締役会全体の実効性を評価し、発見された課題に対する改善策を検討・実施しています。2024年3月期の取締役会の評価の結果、取締役会は、監督及び業務執行に係る意思決定の両面において適切な役割・責務を果たしており、実効性が高いと評価しました。全てのステークホルダーにとって魅力的な企業として継続的な企業価値及び株主価値を向上させていくために、このプロセスを通じて発見された課題を踏まえ、取締役会の実効性の更なる向上に取組んでいきます。
評価手法
評価の手法として、取締役会事務局が中心となって取締役及び監査役へアンケートを実施し、社外取締役・社外監査役から個別に意見を聴取しています。その分析結果を取締役会にて審議した上で、翌期のアジェンダ設定や各種施策へ反映させています。当社は、自社の状況を深く理解した取締役・監査役による自己評価の有効性が高く、又、取締役会でオープンな議論ができている旨を前年度の取締役会の実効性評価で確認できていることを踏まえ、この評価手法を採用しています。
アンケートの設問内容:
- 取締役会の役割・責任の妥当性
ⅰ 取締役会の役割・責務の妥当性
ⅱ 株主及び株主以外のステークホルダー視点での審議の適切性
- 経営体制の妥当性
ⅲ 取締役会の機関設計の妥当性
ⅳ 取締役会の構成(総数/独立役員比率/ジェンダー比率)の妥当性
ⅴ 取締役会メンバーの資質・知見の妥当性(スキル・マトリックス)
- 取締役会の審議の有効性
ⅵ 社外取締役による監督・助言機能の有効性
ⅶ 業務執行取締役間の牽制・監督・協働機能の有効性
ⅷ 取締役会における議論の質と量の妥当性、環境整備の有効性
- その他
ⅸ その他、取締役会全体の実効性において考慮すべき事項
2023年3月期の実効性評価を踏まえた取組み
昨年度の評価で課題とされた、経営体制の更なる強化に向けた施策及び取締役会の審議の一層の充実に向けた施策に関しては、以下のような取組み・改善が進んでいます。
‐ 指名・ガバナンス委員会において、現在選択している監査役会設置会社の形態は、当社にとって十分な実効性が発揮されていること、及び短期的にはその継続に問題が無い旨を確認しています。その上で、中長期的な企業統治の進化に向けて、国内外の事例を調査し、各形態における当社の将来的な適用是非を議論した上で、取締役会実効性の更なる向上に向けて取組む方針を確認しています。
‐ 2024年3月期は重要な議論テーマとして、「事業ポートフォリオ戦略とそれに伴うリスクマネジメント」「資本市場戦略」及び「サステナビリティトランスフォーメーション」を掲げ、事業運営のための議論の充足だけでなく、「Investor Update FY2023」を通じての資本市場への非財務情報の情報公開も充実させながら、自己株式の取得及び消却による株主還元も実施しました。
2024年3月期の取締役会評価結果を踏まえた施策
2024年3月期の実効性評価を通じて、今後更に取締役会の実効性を高めるため、下記の取締役会の審議の一層の充実に向けた施策を優先的に取組んでいく方針を取締役会にて確認しました。
- 重要な議論テーマとして「事業ポートフォリオ戦略とそれに伴うリスクマネジメント」「資本市場戦略」及び「サステナビリティトランスフォーメーション」の審議を継続的に行うこと
- オンサイトミーティングの継続及び新型コロナウィルス感染症拡大を受けて中止をしていた拠点訪問の再開により、中長期の戦略議論の充実をはかること
監査役会
・監査役会の役割
監査役会は、以下に関する責任を担っています。
- 監査計画に基づいた取締役会の職務遂行及び内部統制システムの整備・運用状況等の監査
- 会計監査人の適正性及び職務遂行状況の評価
すべての監査役は、取締役の職務執行の監督のために取締役会に参加しています。加えて、経営戦略会議において、少なくとも1名以上の常勤監査役の参加を成立要件とすることで、監督機能の強化を図っています。
また、監査役会は、原則として月1回開催しています。
・監査役会の構成
監査役会は4名の監査役で構成しており、うち2名は社外監査役です。なお、監査役会の構成員の半数以上を社外監査役としなければならない法令要件を欠くことになる場合に備え、補欠監査役を1名選任しています。
・監査役の選定方針
監査役候補者の選定を行うに当たっては、適切な経験・能力及び必要な財務・会計・法務に関する知識を有する適任者を選定する方針です。当社グループの事業理解が深い2名の常勤監査役に加えて、社外監査役として、法律専門家及び財務・会計の専門家をそれぞれ1名選任しています。
すべての監査役は、当社の費用負担で、財務・会計・法務等の監査に必要な知識を随時アップデートする取組みを行っています。具体的には、日本監査役協会や外部監査人から提供される研修・勉強会等への参加を通じて、最新の会計基準や監査上の重要事項に対する理解を深めています。
取締役会の諮問機関: 指名・ガバナンス委員会、報酬委員会
取締役及び執行役員の指名、評価、報酬決定にあたっては、透明性及び客観性を高めるために、取締役会の諮問機関である任意の指名・ガバナンス委員会、報酬委員会において、社外委員を中心に審議を行う方針です。
具体的な手続きとして、毎期、独立役員である社外取締役が議長を務める指名・ガバナンス委員会、報酬委員会にて審議し、取締役会にて決議しています。各委員会の役割は以下のとおりです。
・指名・ガバナンス委員会
以下のテーマについて審議を行います。
- CEOの選解任
- CEOの後継者計画
- 取締役候補者・執行役員・専門役員の選解任プロセス
- 取締役候補者の選任要件・候補者
- 統治形態・取締役会構成等のガバナンス体制
ガバナンス体制については従来も審議してきましたが、その重要性が一層増していることを鑑み、当該委員会で審議していることを対内外に分かりやすく示すべく、2025年3月期より、その名称を指名委員会から指名・ガバナンス委員会に変更しています。
当事業年度に開催した委員会における主な審議内容は以下のとおりです。
CEOの選解任については、当社の中長期戦略の推進状況や業績等を踏まえその機能を十分発揮しているかを審議し、翌事業年度についても現CEOを再任する原案を、取締役会に上申しました。CEOの後継者計画については、経営戦略に基づいて定めた人材要件を前提に、現任の交代時期を見据えた後継者候補の育成計画とその進捗について、妥当性を確認しました。
取締役候補者・執行役員・専門役員の選解任については、中長期的なガバナンス方針とCEOサクセッションのタイミングを勘案しながら、ベストな経営体制について協議しており、指名・ガバナンス委員会では、選任の原案作成から取締役会での決議までのプロセス全体の妥当性について審議しました。なお、取締役・執行役員・専門役員の解任については、法令に違反する等により当社の企業価値を著しく毀損したと認められる場合等に検討することとしています。
統治形態・取締役会構成等のガバナンス体制については、取締役会の実効性評価の結果を参照しながら、中長期的な進化に向けた方針について審議しました。また、委員会運営のサステナビリティを一層向上すべく、委員会規程や運用ガイドラインの内容について審議しました。
・報酬委員会
以下のテーマについて審議を行います。
- 取締役及び執行役員の報酬決定に関する方針・報酬制度・評価制度
- 取締役の個別報酬額及び個別評価
- 取締役以外の執行役員の個別報酬額の決定プロセス及び個別評価の決定プロセス
- リクルートグループ全体の株式報酬の上限金額
当事業年度に開催した委員会における主な審議内容は以下のとおりです。
取締役及び執行役員の報酬決定に関する方針・報酬制度・評価制度に関しては、翌事業年度における報酬水準について、直近事業年度における国内外の同業種・同規模企業の役員報酬水準データ等を参照して決定しました。また、翌事業年度の評価制度における業績連動について、業務執行取締役の短期インセンティブを連結調整後EBITDAの成長率に連動させることで、事業状況に応じて自動的に報酬が変動する仕組みを維持することを確認しました。
取締役の個別報酬額及び個別評価に関しては、当事業年度における個別評価について、対象となる業務執行取締役本人は退席した上で、個人ごとに事業年度開始時に定めたミッションに基づき振り返りを行いました。代表取締役2名の個人業績評価については、委員長を務める独立社外取締役が、すべての業務執行取締役と常勤監査役へのヒアリングを行った上で、報酬委員会で審議するための原案を策定しました。また、翌事業年度の業務執行取締役の個別報酬については、対象者本人は退席した上で、個人ごとに翌事業年度に実際に期待する役割等を議論して決定しました。取締役以外の執行役員の個別報酬額の決定プロセス及び個別評価の決定プロセスについては、報酬委員会で審議し取締役会で決議した報酬制度・評価制度に則って、経営戦略会議で決定することを確認しました。
リクルートグループ全体の株式報酬の上限金額については、中長期的な事業戦略の一層の推進に向けて最適な対象者の範囲や、翌期の業績見通し等を考慮しながら、適切な上限金額について審議しました。
当社の役員報酬の方針や実績について、詳細は本項目「(4) 役員の報酬等」をご参照ください。
取締役会の諮問機関: その他の委員会
・コンプライアンス委員会
取締役会の諮問機関。委員長は代表取締役社長 兼 CEO。当社グループのコンプライアンスに関するテーマ及び施策についての審議を行う委員会。当社管理部門及び当社子会社より収集した情報を基に、当社グループにおけるコンプライアンスの実効性の評価や活動計画の決定・点検を行い、コンプライアンス風土推進のための方針や活動案を取締役会に報告します。
・リスクマネジメント委員会
取締役会の諮問機関。委員長はリスクマネジメント本部担当取締役 兼 常務執行役員。当社グループのリスクに関する重点テーマ及び施策についての審議を行う委員会。各SBUのリスクマネジメント状況のモニタリング及び当社グループとして特に注視すべきリスクの識別・決定を行った上で、グループ重点リスクテーマをまとめ、取締役会に報告します。
・サステナビリティ委員会
取締役会の諮問機関。委員長はサステナビリティ担当取締役 兼 常務執行役員。サステナビリティ活動の推進に向けた戦略策定及び進捗管理等の審議を行う委員会。CEO、会長、サステナビリティ担当取締役と各SBU統括会社を兼務する執行役員に加えて、社外の有識者が参加します。
すべてのステークホルダーとの共存共栄を目指して、経営戦略として掲げているProsper Together(サステナビリティのコミットメント)の達成に向けた取組み等、当社グループの重要なサステナビリティ課題について議論します。委員会での議論を踏まえ、取締役会にて当社グループのサステナビリティ活動の進捗確認と計画の決議を行った上で、具体的な活動を推進します。
当事業年度は合計2回サステナビリティ委員会を開催しました。委員会における主な審議事項は以下のとおりです。
- サステナビリティコミットメントの進捗報告と議論
- 社会潮流に基づく当社が対応すべきサステナビリティ課題の更新
サステナビリティ課題の潮流については、当事業年度は、欧州を中心に法制化が先行するサステナビリティ情報開示規制への対応方針の審議や、その準備に向けたマテリアリティ特定手法と結果の報告及び審議に加えて、当社グループ全体での責任あるAI活用に向けた取組みについて議論しました。
審議内容は取締役会に上申され、決議されています。
その他の諮問機関
・経営戦略会議
CEOの諮問機関。議長はCEO、構成員は業務執行取締役、コーポレート機能を担当する執行役員及び常勤監査役。投資案件や人事等の議案のうち、取締役会から権限委譲された事項等について審議を行う会議。
・人材開発委員会
経営戦略会議の諮問機関。当社の執行役員が参加し、当社グループの基幹人材の育成計画、配置及び育成状況についての審議を行う委員会。
・倫理委員会
取締役会及び経営戦略会議の諮問機関。当社従業員等の懲戒処分の事前審議を行う委員会。
2024年6月21日時点の取締役会、監査役会、経営戦略会議、各委員会の構成

(注1) 監査役は、日本の会社法上、取締役の職務執行を監査する者として取締役会への出席義務があります。
2024年3月期の取締役会、監査役会、各委員会の開催及び各構成員の出席状況

(注1)2023年6月26日の定時株主総会で当社取締役に選任されて以降、合計8回の取締役会、合計2回の報酬委員会を開催。
取締役会メンバーのスキル・マトリックス
当社の取締役会の構成、並びに各取締役及び監査役が備えるスキルは以下のとおりです。
当社では、会社経営の観点から、当社の中長期的な経営戦略の実現に際し、特に重要度が高いスキルを指名・ガバナンス委員会で審議した上で、取締役会にて決議しています。

・スキルの選定理由
- 企業経営
当社は東京証券取引所プライム市場に上場し、HRテクノロジー、マッチング&ソリューション、人材派遣といった幅広い事業を、世界60カ国以上で展開しています。そのため、当社の持続的な成長に向けては、多様なステークホルダーからの期待を受けて事業ポートフォリオマネジメントを行う企業経営スキルが必要となることから「企業経営」を重要なスキルとして特定しています。
- 財務・会計
当社は長期的な企業価値及び株主価値の最大化に向けて、新規事業投資や研究開発、クロスボーダーM&A等の成長投資を機動的且つ積極的に実行しています。取締役会においても、企業戦略を実現するためのファイナンス戦略が重要となることから「財務・会計」を重要なスキルとして特定しています。
- 法務・リスクマネジメント
当社は、当社グループの継続的且つ安定的な成長を確保するためにリスクマネジメント体制を体系的に定め、関連する法令等を遵守しつつ積極的なリスクマネジメントに取組んでいます。取締役会においても、効果的なリスクマネジメント方針を決定し、監督を行うために必要となることから「法務・リスクマネジメント」を重要なスキルとして特定しています。
- グローバルビジネス
当社グループは世界60カ国以上の国・地域で事業やサービスを運営しています。そのため、経営に関わる重要な決定を行う上で重要なスキルとして「グローバルビジネス」を特定しています。
- テクノロジー
当社グループは、テクノロジーとデータを活用することでマッチングの更なる効率性向上と高速化を実現し、個人ユーザーに最適な選択肢を提供し、企業クライアントの更なる業務効率化を支援することを目指しています。そのため、取締役会において経営に関わる重要な決定を行う上で重要なスキルとして「テクノロジー」を特定しています。
- 人材ビジネス
当社グループでは、求人広告及び採用ツール市場、人材紹介市場、エグゼクティブサーチ市場、採用オートメーション市場及び人材派遣市場の総称を人材マッチング市場と定義し、求職者がより速く容易に仕事を得られることや企業クライアントの採用に掛かるコストや時間を削減することを通じて、人材マッチング市場における採用プロセスの効率化に取組んでいます。そのため、取締役会において経営に関わる重要な決定を行う上で重要なスキルとして「人材ビジネス」を特定しています。
- ESG・サステナビリティ
当社グループでは、企業活動全体を通じて社会や地球環境にポジティブなインパクトを与え、すべてのステークホルダーと共存共栄を目指していくことが、当社の持続的な成長に繋がると考え、経営戦略の1つに定めています。そのため、取締役会において経営に関わる重要な決定を行う上で重要なスキルとして「ESG・サステナビリティ」を特定しています。
- トランスフォーメーション
当社は創業以来、「まだ、ここにない、出会い。」の実現に向けて、新しい価値の創造を通じて社会の不(不満・不便・不安)を解消するために事業ポートフォリオを組み替え、持続的な成長を実現してきました。新たな価値の創造に向けて自らが変容し続けることこそが当社のDNAであると考え、「トランスフォーメーション」を社内・社外を問わず取締役会メンバーに共通の重要なスキルとして特定しています。
氏名スキル説明
峰岸 真澄企業経営
- 2012年から2020年まで当社代表取締役社長 兼 CEOとして、グローバルテクノロジーカンパニーへの変貌に向けて、グローバル市場でのM&Aに積極的に資本投下を行い事業ポートフォリオ再編を実現した。また、2014年には東京証券取引所に株式公開を行い、当社のガバナンスを進化させた実績を持つ。
- 2022年よりコニカミノルタ㈱、ANAホールディングス㈱の社外取締役を務める。
グローバルビジネス
- 当社代表取締役社長 兼 CEOとして、海外売上比率を2012年度の約4%から2019年度には約45%まで引き上げ、グローバルカンパニーへの変革をリードした。
テクノロジー
- 当社執行役員として、販促領域における情報誌事業のデジタル化を牽引した。当社代表取締役社長 兼 CEO就任後は、国内横断でデジタル化を加速するとともにグローバルテクノロジー企業のM&Aを牽引した。
人材ビジネス
- 当社代表取締役社長 兼 CEOとして、Indeed, Inc.やGlassdoor LLC等の求人マッチング企業や人材派遣企業の買収等を通じて、人材ビジネスのグローバル展開をリードした。
トランスフォーメーション
- 当社ビジネスのデジタル化を強力に推進することで、事業ポートフォリオの組み替えを牽引した。あわせて、株式上場やM&Aを通じて、当社をグローバルカンパニーとして進化させた実績を有する。
出木場 久 征企業経営
- 2012年にIndeed, Inc.買収をリードし、買収後は同社CEOとしてその成長を牽引した。その後、当社取締役 兼 副社長執行役員としてグループ全体の変革を推進し、2021年4月より当社代表取締役社長 兼 CEOを務める。
グローバルビジネス
- 人材マッチング市場におけるグローバルリーダーを目指してクロスボーダーM&Aを進め、買収後の成長を主導した。2018年よりHRテクノロジー事業、人材派遣事業の統括会社取締役として、グローバルガバナンスを強力に推進している。
テクノロジー
- 日本の販促領域において、テクノロジーを活用した情報誌事業の変革やオンライン予約の推進等を通じてビジネスのデジタル化を推進した。Indeed, Inc.買収後は、テクノロジーとデータを活用したグローバルプラットフォーム事業の進化をリードした実績を持つ。
人材ビジネス
- 「ボタン一つで仕事に就ける世界」を目指し、既存の人材ビジネス業界の枠組みを超えて、テクノロジーとデータを用いた人材マッチングの進化を構想し、強力に牽引している。
トランスフォーメーション
- 日本において情報誌事業のデジタルシフトを主導することで、事業ポートフォリオ再編を推進した。その後、クロスボーダーM&Aとその後の事業成長を通じて、当社をグローバル人材マッチング企業に進化させた実績を有する。

氏名スキル説明
瀬名波 文 野法務・リスクマネジメント
- 2018年より当社執行役員として、ビジネス戦略とリスクマネジメントを両立させるガバナンス体制の構築を推進した。2021年より当社リスクマネジメント委員会の委員長を務める。
グローバルビジネス
- 2013年より英国人材派遣企業のDirector、2014年よりManaging DirectorとしてクロスボーダーM&A後の事業成長を牽引した。2018年よりHRテクノロジー事業の統括会社及び主要配下子会社の取締役として、グローバルガバナンス強化を推進している。
- 2022年よりスイス上場企業であるGeorg Fischer Ltd., の社外取締役を務める。
テクノロジー
- HRテクノロジー事業の統括会社及び主要配下子会社の取締役として、テクノロジーとデータを活用した事業の進化を進めている。
人材ビジネス
- 日本の人材ビジネス領域において大手企業向けの広告営業を担当。英国人材派遣会社のManaging Directorとして大幅な業績改善を実現。2018年よりHRテクノロジー事業統括会社及び主要配下子会社の取締役に就任。人材ビジネスに関する幅広い知見と経験を有する。
ESG・サステナビリティ
- 2018年より当社執行役員としてサステナビリティを管掌。2021年に、攻めのサステナビリティとして「Prosper together サステナビリティへのコミットメント」を経営戦略に組み込み、2030年までの定量目標を定めた。機関投資家やESG格付け機関からグローバルレベルの先進企業として評価を得ている。
トランスフォーメーション
- 当社のグローバル化とガバナンスの進化を牽引するとともに、攻めのサステナビリティを当社グループの経営戦略とし、企業活動全体を通じて社会や地球環境にポジティブなインパクトを与えることで、当社の持続的な成長を実現するためのグループ横断の推進体制を構築した。
Rony Kahan企業経営
- 1998年に金融専門家向け求人サイトを設立し、2003年に同社を売却。2004年にIndeed, Inc.を共同設立しPresident & Chairmanに就任し、2012年よりCEO、2013年にChairmanを務めた。創業から規模の拡大、事業領域の展開まで多様な企業フェーズにおける経営経験と知見を有する。2018年より当社取締役を務める。
グローバルビジネス
- 共同創業したIndeed, Inc.を、2012年には世界50カ国以上(26言語)に対応するグローバル求人プラットフォームに成長させた実績を有する。
テクノロジー
- インターネット黎明期に1社目を起業した後、2004年に当時普及しつつあった検索エンジン技術に着目し、求人情報を自動収集することで業種を問わない求人検索エンジンを実現することを目指しIndeed, Inc.を創業、早期に黒字化を達成した。テクノロジーやデータを活用したプロダクト開発や事業運営に対する広く深い知見と経験を有する。
人材ビジネス
- グローバル人材マッチング事業に関する広く深い知見と豊富な経験を有する。Indeed, Inc.において「Job seekers first 求職者第一主義」の理念を推進した。
トランスフォーメーション
- インターネット黎明期に人材マッチング事業の革新に挑戦し「We help people get jobs」の理念に基づき世界No.1の求人検索エンジンとなるサービスの礎を築いた。当社買収後には、Director and Chairmanとして更なる進化を牽引した実績を持つ。

氏名スキル説明
泉 谷 直 木企業経営
- 2010年からアサヒビール㈱(現 アサヒグループホールディングス㈱)の代表取締役社長、翌年からアサヒグループホールディングス㈱の初代代表取締役社長 兼 COOとして、グループの企業価値向上に向けて国内外で大規模M&Aを指揮するとともに、ガバナンスを進化させた実績を持つ。
- 2018年より㈱大林組、当社の社外取締役を務める。
グローバルビジネス
- アサヒビール㈱(現 アサヒグループホールディングス㈱)の代表取締役社長への就任以降、東南アジアや豪州を中心とした数々の大規模M&Aを通じて海外売上比率を著しく拡大し、同社のグローバル化をリードした実績を有する。
ESG・サステナビリティ
- アサヒビール㈱(現 アサヒグループホールディングス㈱)において低炭素社会構築への貢献や生物多様性の保全等の先進的なサステナビリティテーマへの取組みを推進した。また、グローバルサステナビリティ委員会の設置等を通じてガバナンス体制を構築した経験と知見を有する。
トランスフォーメーション
- 代表取締役社長としてアサヒグループホールディングス㈱を設立し純粋持株会社への移行を実現し、グループガバナンスの進化を牽引した。また、国内外のM&Aを通じて同社のポートフォリオ再編をリードした実績を有する。

十 時 裕 樹企業経営
- ソニー銀行㈱の立ち上げ後、2002年に代表取締役に就任。その後、2014年にソニーモバイルコミュニケーションズ㈱の代表取締役社長 兼 CEOとしてスマートフォン事業の構造改革を遂行。2016年ソネット㈱(現ソニーネットワークコミュニケーションズ㈱)代表取締役 執行役員社長に就任。2023年4月よりソニーグループ㈱ 取締役 代表執行役 社長 COO 兼 CFOに就任。グローバル展開する上場企業に必要な企業経営に関する豊富な知見と経験を有する。
- 2018年より当社の社外取締役を務める。
財務・会計
- ソニー㈱(現 ソニーグループ㈱)において財務部や金融子会社を経て、金融事業会社の代表やグループ子会社のCFOを歴任後、2018年にソニー㈱(現 ソニーグループ㈱)の代表執行役EVP CFO、2020年に同社取締役 代表執行役 副社長 兼 CFOに就任。グローバル展開する上場企業の経営判断に必要な財務・会計に関する豊富な知見と経験を有する。
グローバルビジネス
- ソニー㈱(現 ソニーグループ㈱)において、海外売上比率が7割を超える企業の経営・事業執行を牽引。グローバルビジネスに関する広く・深い知見と経験を有する。
テクノロジー
- ソニーモバイルコミュニケーションズ㈱の代表としてスマートフォン事業の構造改革を遂行した。また、テクノロジー起点の映像・音響機器やイメージセンサー等の半導体製品の事業領域において、同社の事業成長を牽引した実績を持つ。
トランスフォーメーション
- ソニー銀行㈱の立ち上げに携わり、同行代表取締役として事業を急成長させ、継続的な事業拡大の礎を築いた。また、ソニーグループ㈱のCFOとして、持続的なポートフォリオ転換をリードした実績を有する。

氏名スキル説明
本 田 桂 子企業経営
- 世界銀行グループで開発途上国におけるリスクに対して保証を提供する多数国間投資保証機関(MIGA)において、2013年より長官、2014年より長官CEOとして、2019年まで同機関を牽引した経験を有する。
- 2020年よりAGC㈱、㈱三菱UFJフィナンシャル・グループ、2022年より当社の社外取締役を務める。
財務・会計
- 金融機関やコンサルティングファームにおいてコーポレートファイナンスやM&Aに関するプロジェクトを牽引した実績を持つ。また、2018年より国際連合の投資委員会委員、2021年より日本の金融庁の政策評価に関する有識者会議の委員を務める。
グローバルビジネス
- グローバルに展開する金融機関やコンサルティングファームにおける経験に加え、世界銀行グループの機関である多数国間投資保証機関(MIGA)の長官CEOとして、国や地域を跨ぐ事業・組織・人材をリードした豊富な経験を有する。
ESG・サステナビリティ
- コロンビア大学国際公共政策大学院において、ESG投資を専門としたAdjunct Professor and Adjunct Senior Research Scholarを担った経験を持ち、豊富な知見と専門性を有する。
トランスフォーメーション
- マッキンゼー・アンド・カンパニーにてアジア部門で初の女性シニア・パートナーに就任。また、多数国間投資保証機関(MIGA)において組織改革をリードし、同機関のプロジェクトポートフォリオを大幅に拡大させるとともにリーダーシップの多様性向上を実現した実績を有する。
Katrina Lake企業経営
- ハーバード大学大学院在学中の2011年にテクノロジーを活用したプラットフォーム事業を運営するStitch Fix, Inc.を創業。2017年にCEOとしてNASDAQへの上場を果たし、事業成長を牽引した。また、上場企業を含む複数のプラットフォーム企業の社外取締役を務めた経験と知見を有する。
- 2023年より当社の社外取締役を務める。
グローバルビジネス
- Stitch Fix, Inc.では、米国においてビジネスを展開。地域ごとのユーザーニーズに合わせて、ブランドとの提携やスタイリストとの最適なマッチングを進め事業成長を実現した実績を持つ。
テクノロジー
- Stitch Fix, Inc.では、AIがセレクトした商品を人間のパーソナルスタイリストが選別し、顧客に最適な洋服を提供するサービスを展開。2016年には、米国『Fast Company』誌の選ぶ、「ビジネス界の最もクリエイティブな100人(100 Most Creative People in Business)」、米国『Fortune』誌の「40 Under 40」に選出された。
トランスフォーメーション
- テクノロジーを活用して、既存の産業やビジネスモデルの枠を超えてユーザーに求められるサービスを開発し、事業を拡大させた実績を持つ。また、2017年11月に女性として最年少のNASDAQ上場記録を樹立し、テクノロジー分野で上場を主導した初めての女性として評価を得ている。

氏名スキル説明
長 嶋 由紀子企業経営
- 当社グループ会社である㈱リクルートスタッフィングの代表取締役社長として、継続的な事業成長を実現した実績を持つ。生産性を重視する働き方を推進し、より多様な個が活躍する就業機会を創出した。
- 2019年より日本たばこ産業㈱の社外取締役を務める。
人材ビジネス
- 当社グループ会社において日本の求人広告事業や人材派遣事業を牽引した実績とともに、人材ビジネス業界団体において役員を歴任した経験を持ち、人材ビジネスに関する広範な知見と経験を有する。
トランスフォーメーション
- 当社グループにおいて、求人情報事業から販促情報事業への事業拡大、情報誌からインターネットへの移行を推進した。また、監査役として、当社がグローバルカンパニーへ進化するためのガバナンス強化を支えた実績を持つ。
西 村 崇グローバルビジネス
- 当社が海外事業展開を強化した2013年より海外事業統括室の室長を担い、翌年Recruit U.S.AのExecutive Vice Presidentに就任。その後、Indeed, Inc.やRecruit Global Staffing B.V.(現 RGF Staffing B.V.)等の取締役を担い、グローバルでのグループガバナンス強化を推進した実績を持つ。
テクノロジー
- 当社子会社であるIndeed, Inc.のSenior Vice Presidentとして新たな採用ソリューションやサービス開発を担当し、テクノロジーを起点としたプロダクト開発組織を率いた実績を持つ。
人材ビジネス
- 当社グループ会社において、日本の求人広告事業、国内外の人材派遣事業、グローバル採用プラットフォーム事業を牽引した実績を持ち、人材ビジネスに関する広範な知見と経験を持つ。
トランスフォーメーション
- 当社グループのグローバルカンパニーへの進化を現場の最前線において牽引した。また、Indeed Inc.のSenior Vice Presidentとして、HRテクノロジー事業と人材派遣事業を横断したソリューション開発を行うことで、SBUを超えたシナジー創出を推進した実績を持つ。

氏名スキル説明
小 川 陽一郎企業経営
- デロイト トウシュ トーマツ リミテッドにおいて取締役会副会長やアジア太平洋地域代表を歴任するとともに、デロイト トーマツ グループにてCEOを担った実績を持ち、企業トップとして経営を牽引した豊富な経験と知見を有する。
- 2021年より本田技研工業㈱の社外取締役を担う。
財務・会計
- 等松・青木監査法人(現 有限責任監査法人トーマツ)入社後、1984年に公認会計士登録。米国会計事務所にて国際会計に従事した後、同法人のパートナーに就任。会計・監査に関する幅広い知見と専門性を有する。
法務・リスクマネジメント
- 監査業務に対する高い見識や豊富な国際経験に基づき、監査法人において、中立的且つ客観的な立場で長期に渡りクライアントサービスを提供した経験を有する。
グローバルビジネス
- 等松・青木監査法人(現 有限責任監査法人トーマツ)に入社後、米国においてクライアントサービスを提供。また、2015年より、デロイト トウシュ トーマツ リミテッド アジア太平洋地域代表として国や地域を超えた連携を牽引した。
トランスフォーメーション
- デロイト トーマツ グループCEOとして、テクノロジー領域でのソリューション展開を加速するとともに、グループ横断でサービス品質向上とセキュリティ対応の高度化を進めた。また、アジア太平洋地域のリーダー育成や女性活躍推進により、組織の多様性を向上した実績を持つ。
名 取 勝 也法務・リスクマネジメント
- 1986年に弁護士資格を取得後、桝田江尻法律事務所(現 西村あさひ法律事務所)に入所。1990年にワシントン大学ロースクール(LL.M.)修了後、複数の米国法律事務所にて国際法務の経験を積んだ。その後、複数のグローバル企業の法務部門を率いた経験を有する。
グローバルビジネス
- アップルコンピュータ㈱の法務・渉外本部長、サン・マイクロシステムズ㈱の取締役法務本部長、㈱ファーストリテイリングの執行役員法務部長、日本アイ・ビー・エム㈱の取締役執行役員を歴任。グローバルに事業展開する企業の経営を牽引した豊富な経験を有する。
テクノロジー
- グローバルIT企業において法務部門をリードした経験に加えて、テクノロジー起点でのビジネスプロセス・アウトソーシング事業の責任者を務める等、テクノロジーに関わる豊富な知見・経験を有する。
トランスフォーメーション
- 法律知見を起点に、リスクをコントロールし最適にマネジメントするジェネラル・カウンセル(GC)としての役割を日本において確立してきた。また、企業コンプライアンスやガバナンスに関する深い見識を基に様々な企業において社外監査役や第三者委員会委員長を務め、企業運営の適正化を促進した実績を有する。


② 内部統制システム整備の状況
当社及び当社子会社の業務の適正を確保するための体制(2024年3月19日開催の取締役会で決議)の内容は、以下のとおりです。
当社の取締役及び使用人並びに当社子会社の取締役等及び使用人の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制
・機関設計
- 当社は、社外取締役を含む取締役会を設置し、当社グループ全体における重要な意思決定を行います。
- 当社は、社外監査役を含む監査役会を設置しています。当社の各監査役は、当社監査役会が定めた監査基準の下当社の取締役会その他重要会議への出席及び業務執行状況の調査等を通じ、当社の取締役の職務執行の監査を行います。
- 当社は、社外取締役を委員長とした指名・ガバナンス委員会及び報酬委員会を設置し、当社の取締役及び執行役員の指名又は選任、評価及び報酬等について審議を行います。
- 当社は、SBU統括会社の取締役会の過半を構成するように取締役を派遣し、SBU統括会社の経営を監督します。
・内部監査
- 当社に代表取締役社長 兼 CEO直轄の内部監査所管部署を設置し、当社グループの役職員等による業務が法令、定款又は規程に違反していないか監査します。
・倫理綱領・社内規程
- 当社は、「リクルートグループ倫理綱領」を制定し、当社グループのすべての役職員等に周知しています。
- 当社は、当社子会社の自主独立の精神を尊重しつつ、一体的なグループ経営を実現するため、意思決定、投資管理、ファイナンス、人事管理、リスクマネジメント及びコンプライアンス等に関する当社グループ統一の規程として「リクルートグループ規程」を制定しています。
・コンプライアンス体制
- 当社は、当社グループのコンプライアンスに関する基本方針を定める「リクルートグループコンプライアンス規程」を制定しています。当社の取締役会は、当社グループ全体におけるコンプライアンス責任者を任命した上、コンプライアンス所管部署を設置し、当社グループのコンプライアンスに関する基本方針の決定及び実効性のモニタリングを行います。また、当社の代表取締役社長 兼 CEOは、自らが委員長となってコンプライアンス委員会を開催し、各SBUにおけるコンプライアンスの実効性の評価を行った上、経営戦略会議において当社グループ全体のコンプライアンスの活動計画の決定を行います。
- SBU統括会社の取締役会は、各SBUにおけるコンプライアンス責任者を任命した上、コンプライアンスに関する基本方針の決定及び実効性のモニタリングを行います。また、SBU統括会社の代表取締役社長は、自らが委員長となってコンプライアンス委員会を開催し、SBUにおけるコンプライアンスの実効性の評価や活動計画の決定・点検を行います。
- 当社子会社の代表取締役社長は、各社におけるコンプライアンス責任者を任命した上、各社におけるコンプライアンスの実効性の評価や活動計画の決定・点検を行います。
・内部通報
- 当社及び当社子会社は、内部通報窓口及び職場のハラスメントに関する相談窓口等、当社グループの役職員等が内部統制に関する問題を発見した場合に、迅速に当社又は当社子会社のコンプライアンス所管部署に情報伝達する体制を構築しています。報告又は通報を受けたコンプライアンス所管部署は、その内容を調査し、対応策を当社グループ内の関係部署と協議の上決定し、実施します。
・教育
- 当社及び当社子会社は、倫理綱領及び社内規程の遵守等を図るために、役職員等に対して、必要な教育を企画し、実施します。
・懲戒
- 当社及び当社子会社は、法令違反、社内規程違反その他コンプライアンス違反行為が明らかになった場合には、当該行為に関与した役職員等に対し、厳正な処分を課すものとしています。
・反社会的勢力との取引遮断
- 当社及び当社子会社は、反社会的勢力との取引関係を含めた一切の関係を遮断する体制を構築しています。
当社の取締役の職務の執行に係る情報の保存及び管理に関する体制
「文書及び契約書管理規程」を制定し、これに基づき、株主総会議事録、取締役会議事録及び経営戦略会議議事録等、取締役の職務の執行に係る文書を関連資料と共に保存します。
前項に定める文書の保存年限及び保存部署については、「文書及び契約書管理規程」に定めています。当社の取締役又は監査役から閲覧の要請があった場合に閲覧が可能である方法で保存します。
当社グループの損失の危険の管理に関する規程その他の体制
当社は、当社グループのリスク管理を体系的に定める「リクルートグループリスクマネジメント規程」及び「リクルートグループエスカレーション細則」を制定しています。
当社の取締役会は、当社グループ全体におけるリスクマネジメント責任者を任命した上、リスクマネジメント所管部署を設置し、当社グループのリスクマネジメントに関する基本方針の決定及びリスクマネジメント状況のモニタリングを行います。また、リスク統括所管部署担当取締役を委員長とするリスクマネジメント委員会において、各SBUのリスクマネジメント状況のモニタリング及びリスクの識別を実施します。その結果を受けて経営戦略会議において当社グループとして特に注視すべきリスクの識別・決定とその低減策について検討を行います。
SBU統括会社の取締役会は、SBUにおけるリスクマネジメント責任者を任命した上、SBUのリスクマネジメントに関する基本方針の決定及びリスクマネジメント状況のモニタリングを行います。また、SBU統括会社の各統括機能の責任者が参加するリスクマネジメント委員会において、自SBUのリスクマネジメント状況のモニタリング及び特に注視すべきリスクの識別・決定を行います。
当社子会社の代表取締役社長は、各社におけるリスクマネジメント責任者を任命した上、各社におけるリスクの洗い出し及び重要性の判断を行い、リスク管理について最終責任を負います。
当社は、当社グループ全体に影響が及ぶような重大な事案が発生した場合には、危機対策本部を立ち上げ、対応を進めることとしています。
当社の取締役及び当社子会社の取締役等の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制
当社の取締役会又は経営戦略会議は、当社グループの経営目標を定め、浸透を図るとともに、この目標の達成に向けて当社グループの各部門が実施すべき具体的な目標を定めます。当社の各部門の担当執行役員は、この目標の達成に向けて、効率的な達成の方法を定め、実行します。
当社の取締役会は、定期的に当社グループの目標達成状況をレビューし、効率化を阻害する要因を排除又は低減する等の改善を促すことにより、目標達成の確度を高め、当社グループ全体の業務の効率化を実現します。
当社は、当社CEOの諮問機関として経営戦略会議を設置し、当社グループ全体の経営に関して必要な事項の協議を行います。
その他、当社の取締役会又は経営戦略会議の諮問機関として、サステナビリティ委員会等の専門性を持った委員会を設置します。
財務報告に係る内部統制の信頼性の確保のための体制
当社は、「J-SOX基本規程」を定め、金融商品取引法に定める内部統制報告制度に準拠した財務報告に係る内部統制システムの構築を図ります。
当社子会社の取締役等の職務の執行に係る事項の当社への報告に関する体制
当社は、当社内に、各SBUを統括する部門を設置します。当社子会社の取締役等は、各統括部門の求めに応じ、定期的に業績及び事業戦略の遂行状況を報告します。
当社は、SBU統括会社の取締役等と、定期的に経営状況の共有を図るほか、随時当社グループの経営にかかわる方針の協議を行います。
当社は、当社グループの子会社管理を体系的に定める「リクルートグループグループマネジメント規程」を定め、これに基づき、当社子会社に対し、重要事項について当社の決裁を得ること又は当社の関連部署との事前確認又は事後報告を義務付けます。
当社の監査役がその職務を補助すべき使用人を置くことを求めた場合における当該使用人に関する事項
当社は、当社の監査役の職務を補助する者として「監査役補佐担当」を任命し、正式に人事発令を行います。
前号の使用人の当社の取締役からの独立性及び当該使用人に対する指示の実効性の確保に関する事項
当社の監査役補佐担当は、監査役の職務を補助するに際しては、監査役の指揮命令にのみ従うものとし、その任命、異動、評価及び懲戒については、当社の監査役又は監査役会の意見を尊重するものとしています。
当社の監査役への報告に関する体制
当社の役職員等及び会計監査人は、監査役に次に定める事項を報告します。報告の方法については、会議、面談、電話又は電子メール等により随時報告できるように体制を整備します。
- 経営状況として重要な事項
- 会社に著しい損害を及ぼすおそれのある事項
- 内部監査状況及びリスク管理に関する重要な事項
- 重大な法令及び定款違反
- その他内部統制上重要な事項
当社の監査役及び内部監査所管部署は、SBU統括会社やその配下会社の取締役又は監査役と随時連携し、定期的に情報共有します。
前号の報告をした者が当該報告をしたことを理由として不利な取扱いを受けないことを確保するための体制
当社は、「リクルートグループコンプライアンス規程」において、誠実に通報したことを理由に、通報者に対し解雇又は不当な配置転換等の不利益な処遇をしてはならないことを定めます。
当社の監査役の職務の執行について生ずる費用の前払又は償還の手続その他の当該職務の執行について生ずる費用又は債務の処理に係る方針に関する事項
当社は、当社監査役が職務の執行上必要としてあらかじめ予算を計上した費用について負担するほか、当社監査役は、緊急又は臨時に要する費用についても当社に請求することができ、当社はこれを負担します。
その他当社の監査役の監査が実効的に行われることを確保するための体制
当社の監査役及び監査役会は、当社の代表取締役社長 兼 CEO及び会計監査人とそれぞれ定期的に意見交換会を開催します。
③ 取締役・監査役等との契約
非業務執行取締役等との責任限定契約について
当社は非業務執行取締役及び監査役の全員との間において、会社法第423条第1項の賠償責任を限定する契約を締結しています。当該契約に基づく賠償責任の限度額は、法令の定める最低責任限度額です。なお、当該責任限定は、当該役員が責任の原因となった職務の遂行について善意で且つ重大な過失がないときに限り認められます。
役員等賠償責任保険契約(D&O保険)
当社は、グローバルな事業展開を推進しているため、高い水準で知見・経験、人脈をもつ国内外の優秀な経営人材の獲得や経営人材が萎縮せずに職務執行できることを主な目的として役員等賠償責任保険契約を締結しています。当該契約は、当社及び子会社(その総資産額が当社の連結総資産額の25%超の子会社又はその有価証券が米国で公開取引をされている子会社を除きます。)の取締役、監査役、執行役員及びこれらの相続人並びに従業員等を被保険者としています。保険料は全額当社が負担しており、職務執行によって保険期間中に損害賠償請求を受けた場合に生じた損害賠償金及び争訟費用等が当該契約により填補されます。但し、故意の義務違反、犯罪行為等の不正又は不適切な行為を原因とする損害賠償請求は、当該契約により填補されません。
④ 定款に定める事項について
取締役の定数
当社の取締役は11名以内とする旨を定款に定めています。
取締役選任の決議要件
当社は、取締役の選任決議について、株主総会において、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の過半数によって選任する旨を定款に定めています。なお、取締役の選任決議は、累積投票によらない旨を定款に定めています。
株主総会の特別決議要件
当社は、会社法第309条第2項に定める株主総会の特別決議要件について、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の3分の2以上をもって行う旨を定款に定めています。これは、株主総会における特別決議の定足数を緩和することにより、株主総会の円滑な運営を行うことを目的とするものです。
剰余金の配当等の決定機関
当社は、剰余金の配当等会社法第459条第1項各号に定める事項について、法令に別段の定めがある場合を除き、株主総会の決議によらず取締役会の決議により定める旨を定款に定めています。これは、剰余金の配当等を取締役会の権限とすることにより、株主への機動的な利益還元を行うことを目的とするものです。
自己の株式の取得
当社は、会社法第165条第2項の規定により、取締役会の決議により自己の株式を取得することができる旨を定款に定めています。これは、経営環境の変化に対応した機動的な資本政策の遂行を可能とするため、市場取引等により自己の株式を取得することを目的とするものです。
取締役及び監査役の責任免除
当社は、会社法第426条第1項の規定により、任務を怠ったことによる取締役(取締役であった者を含む)及び監査役(監査役であった者を含む)の損害賠償責任を、法令の限度において、取締役会の決議によって免除することができる旨を定款に定めています。これは、取締役及び監査役が職務を遂行するに当たり、その能力を十分に発揮して、期待される役割を果たし得る環境を整備することを目的とするものです。