有価証券報告書-第61期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用関連会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、通商問題の動向や海外経済の不確実性により、輸出や生産の一部に弱さがみられたものの、個人消費や設備投資の増加等により、緩やかな回復基調で推移しました。
このような環境下、東京都心5区の賃貸オフィスビル市場は、企業の業容拡大、雇用者数の増加によりオフィス需要が堅調に推移したことから、空室率は過去最低水準で推移し、賃料相場も緩やかな上昇が継続しました。高級賃貸住宅市場においては、3Aエリア内(赤坂・六本木、麻布・広尾、青山・原宿エリア)の稼働率は92%台と高水準を維持し、稼働賃料単価も上昇が続きました。
このような事業環境のもと、当社におきましては、オフィス稼働率が過去最高の99%となるなど、オフィス・住宅ともに高稼働・高単価を維持したほか、「MORI Building DIGITAL ART MUSEUM: EPSON teamLab Borderless」や「森美術館」が高い集客を実現し、フォーラム事業やホテル事業等の施設営業事業も好調に推移しましたが、不動産売却を抑えたことなどから、当連結会計年度の営業収益は前期比△1.5%の246,127百万円となり、営業利益は、同△3.1%の61,119百万円となりました。経常利益は、賃貸事業が好調なことに加え、営業外収支の改善により、同+1.5%の57,931百万円となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は再開発事業推進に伴う一過性の費用により、同△20.0%の32,183百万円となりました。
次に財政状態ですが、当連結会計年度の総資産は、前連結会計年度に比べ102,857百万円増加し、2,089,838百万円となりました。
流動資産は、販売用不動産の売却やプロジェクトへの投資などに伴い現預金が減少したことから、21,045百万円減少しました。
固定資産は、「虎ノ門ヒルズビジネスタワー」「(仮称)虎ノ門ヒルズレジデンシャルタワー」「(仮称)虎ノ門ヒルズステーションタワー」「虎ノ門・麻布台地区第一種市街地再開発事業」への投資等から、123,903百万円増加しました。
当連結会計年度の負債は、社債及び長期借入金の増加等により、前連結会計年度に比べ101,267百万円増加し、1,589,423百万円となりました。
当連結会計年度の純資産は、親会社株主に帰属する当期純利益により、前連結会計年度に比べ1,590百万円増加し、500,415百万円となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
a. 賃貸
当連結会計年度においては、オフィス・住宅が高稼働を維持したほか、「MORI Building DIGITAL ART MUSEUM:EPSON teamLab Borderless」や「森美術館」では高い集客を実現し、「アカデミーヒルズ」においてはフォーラム事業が好調に推移したことなどから、当事業の営業収益は156,416百万円と前連結会計年度と比べ1,142百万円増収となり、営業利益は157百万円増の39,214百万円となりました。
〈営業収益の内訳〉
(単位:百万円)
| 摘要 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 |
| 賃貸管理事業収益(注)1 | 110,612 | 111,482 |
| 運営受託事業収益 | 20,255 | 19,493 |
| 請負工事事業収益(注)2 | 8,780 | 7,363 |
| 地域冷暖房事業・電気供給事業収益(注)3 | 5,066 | 5,616 |
| その他事業収益 | 10,558 | 12,459 |
| 合計 | 155,273 | 156,416 |
※平成31年3月期より、一部のサブセグメントの内容を変更しております。
これにより、前連結会計年度の数値を修正しております。
(注)1 貸付面積及び貸付戸数
| 摘要 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 |
| (オフィス・店舗) | ||
| 貸付面積 | ||
| 所有面積 | 537,654.82㎡ | 531,800.89㎡ |
| 転貸面積 | 199,902.78㎡ | 209,971.79㎡ |
| 計 | 737,557.60㎡ | 741,772.68㎡ |
| (住宅) | ||
| 貸付戸数 | ||
| 所有戸数 | 1,441戸 | 1,402戸 |
| 転貸戸数 | 540戸 | 546戸 |
| 計 | 1,981戸 | 1,948戸 |
(注)2 請負工事件数
| 摘要 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 |
| 受注件数 | 878件 | 958件 |
| 完成件数 | 870件 | 904件 |
(注)3 地域冷暖房・電気供給先
| 摘要 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 |
| オフィスビル | 11棟 | 11棟 |
| 住宅 | 5棟 | 5棟 |
| ホテル | 2棟 | 2棟 |
| 地下鉄 | 1駅舎 | 1駅舎 |
| その他 | 2棟 | 2棟 |
b. 分譲
当連結会計年度においては、「アークヒルズ仙石山レジデンス」などの住宅分譲が好調に推移したものの、ビル売却の減少により、当事業の営業収益は39,671百万円と前連結会計年度と比べ5,328百万円減収となり、営業利益は1,505百万円減の22,599百万円となりました。
c. 施設営業
当連結会計年度においては、「グランドハイアット東京」や「アンダーズ東京」が高稼働・高単価を維持したことにより、当事業の営業収益は30,432百万円と前連結会計年度と比べ1,063百万円増収となり、営業利益は691百万円増の3,012百万円となりました。
〈営業収益の内訳〉
(単位:百万円)
| 摘要 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 |
| ホテル事業収益 | 21,602 | 22,530 |
| 会員制クラブ事業収益 | 5,611 | 5,737 |
| ゴルフ事業収益 | 2,154 | 2,164 |
| 合計 | 29,368 | 30,432 |
d. 海外
当連結会計年度においては、「上海環球金融中心」が高稼働で推移したことや、「MORI BUILDING ASIA PTE. LTD.」を新規に連結したことから、当事業の営業収益は27,233百万円と前連結会計年度に比べ587百万円増収となり、営業利益は1,070百万円増の9,515百万円となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物は税金等調整前当期純利益、減価償却費、有形及び無形固定資産の取得等により、372,421百万円(前連結会計年度比△14,170百万円)となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益等により、95,594百万円の収入(前連結会計年度比+7,347百万円)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、有形及び無形固定資産の取得等により、186,885百万円の支出(前連結会計年度比△181,449百万円)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、社債の発行や長期借入金の増加等により、77,570百万円の収入(前連結会計年度比+39,306百万円)となりました。
③生産、受注及び販売の実績
生産、受注及び販売の実績については「(1) 経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」におけるセグメントごとの経営成績に関連付けて記載しております。
なお、最近2連結会計年度における主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
| 相手先 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | ||
| (自 平成29年4月1日 | (自 平成30年4月1日 | |||
| 至 平成30年3月31日) | 至 平成31年3月31日) | |||
| 金額(百万円) | 割合(%) | 金額(百万円) | 割合(%) | |
| 森ヒルズリート投資法人 | 20,743 | 8.3 | 28,157 | 11.4 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、連結会計年度末における資産・負債並びに連結会計年度の収益・費用の数値に影響を与える見積り及び判断が行われています。これらの見積り及び判断については、継続して評価し、必要に応じて見直しを行っていますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果はこれらと異なることがあります。当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況」の連結財務諸表の「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度は、オフィス稼働率が過去最高の99%となるなど、オフィス・住宅ともに高稼働・高単価を維持したほか、「MORI Building DIGITAL ART MUSEUM:EPSON teamLab Borderless」や「森美術館」では高い集客を実現し、「アカデミーヒルズ」におけるフォーラム事業や、ホテル事業等の施設営業事業も好調に推移しました。当連結会計年度の経営成績等は、高稼働・高単価を維持したオフィス・住宅等の賃貸事業が好調に推移しましたが、物件売却及び住宅分譲の収入が減少したことなどから営業収益は減収となりました。また、同様の理由から営業利益は減益となりました。経常利益は主力の賃貸事業が好調に推移したことや営業外収支が改善したことなどから増益となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は再開発事業推進に伴う一過性の費用などにより減益となりました。なお、期初に予想しておりました営業収益、営業利益、経常利益、及び親会社株主に帰属する当期純利益を上回る結果となりました。進行する再開発プロジェクトに向け資金調達を実行する一方、利益の積み立てにより自己資本比率を維持することで、引き続き安定的な財政状態を維持しております。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因として、不動産市況動向、各種法制・税制等の変更、海外の経済情勢及び政治体制並びに為替変動、有利子負債に係る金利環境、自然災害や天災による保有資産の毀損等が考えられます。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、六本木から新橋・虎ノ門にわたる一帯の戦略エリアにおいて、仕掛かり中の都市再開発プロジェクトへの投資がプロジェクトの進行により発生するため、営業キャッシュ・フローの積立、社債の発行及び借入の実行並びにビル売却等の調達手段を用いて、柔軟かつ安定的に資金調達を行っております。
経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等については、国内外の仕掛かり中の都市再開発・都市開発プロジェクトを順調に推進し、また、エリア全体の価値の向上に寄与するタウンマネジメント及びエリアマネジメントの取り組みを推進することにより、快適で豊かな都市をつくり、育むことを継続的に実現し、グループ全体の価値を向上させることを図っております。さらに、中長期的に安定した成長を可能とする堅固な財務基盤を維持するために、利益の積立により自己資本比率を一定の水準に維持しております。
セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
賃貸
賃貸は、オフィス・住宅が高稼働・高単価を維持したことや「MORI Building DIGITAL ART MUSEUM:EPSON teamLab Borderless」や「森美術館」では高い集客を実現し、「アカデミーヒルズ」におけるフォーラム事業が好調だったことなどから増収増益となりました。
分譲
分譲は、物件売却収入及び住宅分譲収入の減少により減収減益となりました。
施設営業
施設営業は、「グランドハイアット東京」や「アンダーズ東京」が好調に推移したことから増収増益となりました。
海外
海外は、オフィスが高稼働を維持したことや「Mori Building Asia Pte. Ltd.」を新規連結子会社としたことなどから増収増益となりました。