有価証券報告書-第18期(2025/01/01-2025/12/31)

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2026/03/26 10:13
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【項目】
154項目
36.企業結合
(1)重要な企業結合
前連結会計年度(自 2024年1月1日 至 2024年12月31日)
(Jnana Therapeutics Inc.の買収について)
当社の連結子会社である大塚製薬株式会社(以下「大塚製薬」)は、2024年8月1日に医薬品の研究開発を営むJnana Therapeutics Inc.(以下「ジュナナ社」)と、大塚アメリカ Inc.が設立した買収目的子会社を通じて、現金及び将来のマイルストーンの支払いを対価とする株式取得及びそれに続く合併を実施することにより、ジュナナ社を完全子会社化(以下「本買収」)することについて合意し、2024年9月19日に本買収は完了しました。
① 企業結合の概要
(a) 被取得企業の名称及びその事業の内容
被取得企業の名称Jnana Therapeutics Inc.
事業の内容医薬品の研究開発

(b) 企業結合を行った主な理由
ジュナナ社の革新的な創薬アプローチは、独自のRAPID(Reactive Affinity Probe Interaction Discovery)プラットフォームを使って実現されています。ジュナナ社は、RAPIDを利用してファースト・イン・クラスの化合物を同定し、これまで創薬が難しいとされてきた細胞の内外で物質を運ぶためのタンパク質の一種である溶質キャリアや転写因子、シグナル伝達の基盤となるタンパク質等、さまざまな創薬ターゲットへの対応に成功しています。ジュナナ社は、英国ケンブリッジに本社を持つ大塚製薬の子会社であるアステックス社のフラグメント創薬技術とシナジーを生み出す新しい創薬アプローチを追求しています。
ジュナナ社の創薬技術は特定の疾患領域に限定されるものではありませんが、低分子創薬が困難だった自己免疫疾患領域や一部の希少疾患に集中することで、ユニークな競争ポジションを築いています。この創薬技術によりジュナナ社は、難易度の高い創薬ターゲットである腎臓におけるアミノ酸の再吸収を制御するタンパク質に対する低分子阻害剤JNT-517を開発することに成功しました。JNT-517は、厳しい食事制限や医薬品で治療できない患者さんが多く残るフェニルケトン尿症(Phenylketonuria、以下「PKU」)に対する有効な治療手段として、フェーズ1b/2試験で有効性及び忍容性と安全性が確認されており、PKUに対するファースト・イン・クラスの薬剤になる可能性があります。他にもインターフェロン産生のマスター転写因子である Interferon regulatory factor 3(IRF3) 等の創薬難易度の高い標的に対する活性化合物を獲得する等、自己免疫疾患での低分子創薬の新たな可能性に挑戦しています。
大塚製薬では、ジンアーク(常染色体優性多発性嚢胞腎:ADPKD)、シベプレンリマブ(IgA腎症)、ボクロスポリン(ループス腎炎)等の腎領域だけでなく、ドニダロルセン(遺伝性血管性浮腫)等の新たなスペシャルティ治療薬を加えることで、幅広い希少疾患の患者さんへの貢献を進めてきました。また、2018年に買収した米国ボストン地域のビステラ社を通じて、抗体医薬技術を用いた自己免疫領域の研究開発を進めるとともに、創薬プラットフォームの拡充を進めています。
本買収は、JNT-517により、アンメットメディカルニーズに挑戦する大塚製薬のさらなるポートフォリオの拡大につなげるとともに、ジュナナ社の創薬技術、自己免疫研究での低分子パイプラインが加わることで、世界で最も重要なバイオクラスターの一つである米国ボストン地域における研究開発を強化し、複合的な形で当社グループのグローバル展開に相乗効果を与えていくことを目的としています。
(c) 支配獲得日
2024年9月19日
(d) 被取得企業の支配獲得の方法及び取得する議決権付資本持分割合
当社の連結子会社である大塚アメリカ Inc.が設立した買収目的子会社が、現金及び将来のマイルストーンの支払いを対価としてジュナナ社の議決権付株式を100%取得しています。
② 支配獲得日現在における支払対価、取得資産及び引受負債の公正価値
(単位:百万円)
金額
支払対価の公正価値147,443
現金118,784
条件付対価28,658
取得資産及び引受負債の公正価値
流動資産6,620
非流動資産143,140
流動負債△5,429
非流動負債△24,438
取得資産及び引受負債の公正価値119,892
のれん27,550

(注)・取得に直接要した費用は1,918百万円であり、連結損益計算書の「販売費及び一般管理費」に含まれております。
・取得した売上債権及びその他の債権は2百万円であり、回収が見込まれない契約上のキャッシュ・フローはありません。
・のれんの主な内容は、取得から生じることが期待される既存事業とのシナジー効果と超過収益力であります。のれんについて、税務上損金算入を見込んでいる金額はありません。
・非流動資産のうち、無形資産に配分された主要な内訳は、仕掛研究開発133,594百万円及びその他の無形資産4,596百万円であります。
・非流動負債のうち、当該企業結合により認識された繰延税金負債は、19,149百万円であります。
・前連結会計年度において支払対価である条件付対価、取得資産及び引受負債の公正価値の評価、取得対価の配分が完了しております。当初の暫定的な金額からの主な修正は、支払対価である条件付対価、仕掛研究開発、その他無形資産、及び繰延税金負債がそれぞれ7,886百万円、133,594百万円、4,596百万円、19,149百万円増加し、契約負債が3,004百万円減少した結果、のれんが114,174百万円減少しています。
③ 当社グループの業績に与える影響
当社グループの連結損益計算書に含まれる、支配獲得日以降にジュナナ社から生じた売上収益及び損益に重要性はありません。また、当該企業結合日が2024年1月1日であると仮定した売上収益及び損益(いわゆる「プロ・フォーマ」情報)は、当該影響の重要性が乏しいため、開示を省略しております。
当連結会計年度(自 2025年1月1日 至 2025年12月31日)
(Araris Biotech AGの買収について)
当社の連結子会社である大鵬薬品工業株式会社(以下「大鵬薬品」)は、2025年3月17日にスイスに拠点を置き、次世代の抗体薬物複合体(Antibody-drug conjugate、以下「ADC」)を開発するバイオテクノロジー企業Araris Biotech AG (以下「アラリス社」)と、現金及び将来のマイルストーンの支払いを対価とする株式取得を実施することにより、アラリス社を完全子会社化(以下「本買収」)することについて合意し、2025年3月31日に本買収は完了しました。
① 企業結合の概要
(a) 被取得企業の名称及びその事業の内容
被取得企業の名称Araris Biotech AG
事業の内容医薬品の研究開発

(b) 企業結合を行った主な理由
大鵬薬品は、「がん」及び「免疫関連疾患」の2つの領域に注力する研究開発型のスペシャリティファーマです。特にがん領域においては、代謝拮抗剤や独自のシステイノミクス創薬技術基盤を用いた分子標的薬の開発といった低分子経口剤治療薬の創薬に強みをもっているほか、低分子以外の新規モダリティについても国内外の企業やアカデミアとの協業を通じて複数の研究開発プログラムを進めています。ADCは有望なモダリティのひとつとして自社での創薬活動を開始しており、アラリス社とも2023年11月より共同研究を実施していました。
アラリス社は、既存のADCが持つ課題を克服できる優れた設計、高溶解性リンカーとシンプルな製造プロセスを特徴とするベスト・イン・クラスのADC開発に先駆的に取り組んでいます。ADCは、がん細胞に特異的に結合する抗体に繋ぎ手(リンカー)を用いて細胞障害性薬物(ペイロード)を結合させ、がん部位選択的に殺細胞効果を発揮するよう設計されています。同社のアプローチの基盤となるのが、独自のADCリンカープラットフォームAraLinQ™です。このプラットフォームは、非常に均一で安定、かつ強い効力を持つADC候補を生み出し、基礎試験において既存のADCと比較して抗腫瘍効果の増強や広い安全域を確認しています。さらに、同社は血液及び固形がんを対象に、独自のAraLinQ™技術を用いて創製した3つの製品の開発を進めています。これらの製品は現在前臨床段階にあり、早い段階での臨床試験開始に向け、準備を進めています。
大鵬薬品は今後、システイノミクス創薬技術基盤に加え、アラリス社の革新的なADC創薬技術獲得を通して同社とともにバイオロジクス研究開発体制を構築し、低分子とADCの両方に強みを持ち、がん領域での継続的な開発品ポートフォリオの拡充を進めます。
(c) 支配獲得日
2025年3月31日
(d) 被取得企業の支配獲得の方法及び取得する議決権付資本持分割合
当社の連結子会社である大鵬薬品が、現金及び将来のマイルストーンの支払いを対価としてアラリス社の議決権付株式を100%取得しています。
② 支配獲得日現在における支払対価、取得資産及び引受負債の公正価値
(単位:百万円)
金額
支払対価の公正価値75,965
現金62,517
条件付対価13,448
取得資産及び引受負債の公正価値
流動資産5,900
非流動資産26,285
流動負債△3,266
非流動負債△5,157
取得資産及び引受負債の公正価値23,762
のれん52,203

(注)・取得に直接要した費用は1,143百万円であり、連結損益計算書の「販売費及び一般管理費」に含まれております。
・取得した売上債権及びその他の債権は150百万円であり、回収が見込まれない契約上のキャッシュ・フローはありません。
・のれんの主な内容は、取得から生じることが期待される既存事業とのシナジー効果と超過収益力であります。のれんについて、税務上損金算入を見込んでいる金額はありません。
・非流動資産のうち、無形資産に配分された主要な内訳は、その他無形資産26,244百万円であります。
・非流動負債のうち、当該企業結合により認識された繰延税金負債は、5,157百万円であります。
・当連結会計年度において取得資産及び引受負債の公正価値の評価、取得対価の配分が完了しております。当初の暫定的な金額からの主な修正は、その他無形資産及び繰延税金負債がそれぞれ26,244百万円、5,157百万円増加し、のれんが20,781百万円減少しております。
③ 当社グループの業績に与える影響
当社グループの連結損益計算書に含まれる、支配獲得日以降にアラリス社から生じた売上収益及び損益に重要性はありません。また、当該企業結合日が2025年1月1日であると仮定した売上収益及び損益(いわゆる「プロ・フォーマ」情報)は、当該影響の重要性が乏しいため、開示を省略しております。
(Otsuka ICU Medical LLCの子会社化について)
当社の連結子会社である株式会社大塚製薬工場(以下「大塚製薬工場」)の米国子会社であるOtsuka Pharmaceutical Factory America, Inc.(以下「OPFA」)は、ICU Medical, Inc.(以下「ICU Medical」)との間で、2024年11月12日にICU Medicalが新設する輸液事業会社に資本参加することで合意する契約を締結し、2025年5月1日付で、ICU Medicalが新設した輸液事業会社の持分の60%を取得するとともに、社名をOtsuka ICU Medical LLC(以下「大塚ICUメディカル社」)に変更し、その子会社としました。
① 企業結合の概要
(a) 被取得企業の名称及びその事業の内容
被取得企業の名称Otsuka ICU Medical LLC
事業の内容基礎輸液・臨床栄養製品を中心とした医薬品、医療機器の製造・輸入及び販売業

(b) 企業結合を行った主な理由
大塚ICUメディカル社は、北米最大級の基礎輸液工場を有し、輸液療法、血管アクセス、バイタルケアアプリケーションに使用される革新的な医療製品の開発、製造、販売を行うICU Medicalにより新設され、ICU Medicalから輸液事業を譲り受けた後、OPFAがICU Medicalから同社持分の60%を取得したことにより、OPFAの子会社となりました。
北米の輸液市場は世界有数の規模で、市場は年々拡大しています。日本最大の輸液メーカーである大塚製薬工場と北米大手総合輸液メーカーであるICU Medicalは、大塚ICUメディカル社を通じて、北米での輸液の供給体制を強化し、安定供給に寄与するとともに、より一層の北米での輸液事業の強化並びに製品の技術革新の促進を目指します。
(c) 支配獲得日
2025年5月1日
(d) 被取得企業の支配獲得の方法及び取得する議決権付資本持分割合
当社の連結子会社である大塚製薬工場の米国子会社であるOPFAが、現金及び将来のマイルストーン支払いを対価として大塚ICUメディカル社の持分の60%を取得しました。
② 支配獲得日現在における支払対価、取得資産及び引受負債の公正価値
(単位:百万円)
金額
支払対価の公正価値31,419
現金30,212
条件付対価1,207
取得資産及び引受負債の公正価値
流動資産19,707
非流動資産39,586
流動負債△3,240
非流動負債△5,728
取得資産及び引受負債の公正価値50,323
非支配持分18,904

(注)・取得に直接要した費用は517百万円であり、連結損益計算書の「販売費及び一般管理費」に含まれております。
・取得した売上債権及びその他の債権は1,737百万円であり、回収が見込まれない契約上のキャッシュ・フローはありません。
・非流動資産のうち、有形固定資産に配分された主要な内訳は、建物9,492百万円、機械装置及び運搬具8,465百万円、土地12,566百万円等であります。
・非流動資産のうち、無形資産に配分された主要な内訳は、その他無形資産143百万円であります。
・当連結会計年度において取得資産及び引受負債の公正価値の評価、取得対価の配分が完了しております。当初の暫定的な金額からの主な修正は、有形固定資産、無形資産、投資その他の資産がそれぞれ10,205百万円、143百万円、6,658百万円増加し、非支配持分が1,237百万円減少した結果、のれんはすべて配分されました。
・非支配持分は、被取得企業の識別可能な純資産の公正価値に対する非支配持分割合に当該持分が有する支配権の欠如を調整し、割引率7.0%を用いて公正価値を算定しております。
③ 当社グループの業績に与える影響
当社グループの連結損益計算書に含まれる、支配獲得日以降に大塚ICUメディカル社から生じた売上収益及び損益に重要性はありません。また、当該企業結合日が2025年1月1日であると仮定した売上収益及び損益(いわゆる「プロ・フォーマ」情報)は、当該影響の重要性が乏しいため、開示を省略しております。
(2) 条件付対価
条件付対価は、ニューロバンス Inc.、ジュナナ社、アラリス社及び大塚ICUメディカル社の企業結合により生じたものです。
ニューロバンス Inc.の企業結合による条件付対価は、2017年3月にニューロバンス Inc.を買収した際に取得したADHD治療薬として開発中の化合物センタナファジンの開発進捗に応じたマイルストーン及び発売後の売上収益に応じた販売マイルストーンであり、最大でそれぞれ50百万米ドル、750百万米ドルを支払う可能性があります。
ジュナナ社の企業結合による条件付対価は、2024年9月にジュナナ社を買収した際に取得したrepinatrabitをはじめとする開発品の進捗に応じた開発マイルストーン及び薬事マイルストーンであり、最大でそれぞれ75百万米ドル、250百万米ドルを支払う可能性があります。
アラリス社の企業結合による条件付対価は、2025年3月にアラリス社を買収した際に取得したADC開発の複数のパイプラインの進捗等に応じた開発・薬事マイルストーン及び発売後の売上収益に応じた販売マイルストーンであり、最大で740百万米ドルを支払う可能性があります。
大塚ICUメディカル社の企業結合による条件付対価は、2025年5月に大塚ICUメディカル社を子会社化した際に取得したICU Medical社の既存製品の売上実績に基づく販売マイルストーンであり、契約時の純売上予測額及び売上総利益予測額を上回った場合、その超過額に係数を乗じた支払が発生する可能性があります。
条件付対価の公正価値は、契約相手に支払う可能性がある金額について、その発生確率を加味した現在価値で算定しております。
公正価値ヒエラルキーの内容は、注記「33.金融商品」に記載しております。
条件付対価の公正価値の増減は、以下のとおりです。
(単位:百万円)
金額
2024年1月1日残高16,210
企業結合28,658
公正価値の変動2,790
為替換算調整4,884
2024年12月31日残高52,544
企業結合14,656
公正価値の変動4,848
為替換算調整△257
2025年12月31日残高71,790

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