有価証券報告書-第16期(2023/04/01-2024/03/31)
① コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方
当社は、企業価値の増大により、株主、顧客をはじめとするステークホルダーの期待に応えるため、コーポレート・ガバナンスの確立を最重要課題と位置づけ、以下をその基本的な考え方としています。
・株主の権利を尊重し、株主が権利を適切に行使することができる環境の整備と株主の実質的な平等性の確保に取り組む。
・株主、お客様、地域社会、取引先、従業員を含む様々なステークホルダーの利益を考慮し、それらのステークホルダーと適切に協働する。
・会社情報を適時・適切に開示し、透明性を確保する。
・当社グループの中核たる持株会社として取締役会による業務執行の監督機能の実効性確保に努める。
・株主との建設的な対話に努めるとともに、株主との建設的な対話を促進するための体制整備や株主構造の把握に努める。
② 企業統治の体制の概要及び当該体制を採用する理由
イ.企業統治の体制の概要
当社は、取締役会における監督機能の強化、業務執行決定権限の一部を取締役へ委任することによる経営の意思決定の迅速化を図るため、2020年6月26日付で監査等委員会設置会社に移行しました。また、取締役会の任意の諮問機関として指名・報酬委員会、取締役会によるグループ全体のコーポレート・ガバナンスの充実に向けた諸施策の意見形成機関として各種委員会を設置しています。
(a) 取締役会
取締役会は、取締役10名(監査等委員である取締役3名を含む)で構成されており、構成比は社内取締役である川田忠裕氏、渡邉敏氏、川田琢哉氏、宮田謙作氏及び岡田敏成氏の5名並びに社外取締役である山川隆久氏、高桑幸一氏、麦野英順氏、福地啓子氏及び勝野めぐみ氏の5名と、3分の1以上を社外取締役で占めています。なお、社外取締役全員を、独立役員として東京証券取引所に届出をしています。
取締役会は、代表取締役社長である川田忠裕氏を議長として、原則として毎月1回開催し、当社グループの「経営理念」、「行動指針」、「コーポレート・ガバナンス基本方針」及び「川田グループコンプライアンス憲章」に基づき、経営戦略、経営計画等、重要事項に関する討議・決定を行うとともに、業務の執行状況に関する監督、経営計画の進捗状況の確認等を随時行い、企業統治の強化を図っています。
(b) 監査等委員会
監査等委員会は、監査等委員である取締役3名(うち社外取締役2名)で構成されています。社内出身者である岡田敏成氏を常勤監査等委員とし、また監査等委員会事務局を設けることにより、取締役からの情報収集及び重要な社内会議における情報共有並びに内部監査部門と監査等委員会との連携を図る体制としています。監査等委員会は、委員長を常勤監査等委員が務め、原則として毎月1回開催し、必要に応じて随時開催しています。
監査等委員は、取締役会への出席や内部統制システムを利用した取締役の業務執行の監査・監督の実施、内部監査部門報告や関係者への聴取などを実施しています。
(c) 指名・報酬委員会
指名・報酬委員会は、監査等委員である取締役以外の取締役の候補者指名及び報酬決定を行うにあたり、取締役会による客観的かつ合理的な判断を担保し、もって良好なコーポレート・ガバナンスの実現に寄与することを目的として、取締役会からの諮問に応じて随時開催され、答申を行っています。
同委員会は、独立社外取締役である山川隆久、高桑幸一及び麦野英順の諸氏、並びに代表取締役川田忠裕氏、総務担当取締役渡邉敏氏の5名で構成され、独立社外取締役である山川隆久氏が委員長を務めています。
(d) サステナビリティ推進委員会
「サステナビリティ推進委員会」は、取締役会の指示・諮問に基づき、サステナビリティ課題にかかる各種方針やリスク及び機会の識別・評価、並びにその重要性と対応策に関する事項などについて協議もしくは情報の共有を行い、定期的又は必要に応じて取締役会に報告・答申等を行い、もって「持続可能な社会の実現」と「グループの持続的な成長」に寄与することを目的としています。
同委員会は、取締役会が選任する委員をもって構成され、取締役でもあるサステナビリティ推進室長が委員長を務め、原則として毎月1回、必要に応じて随時開催しています。
(e) その他各種委員会
取締役会からの各種施策の諮問に答申し意見を提言することにより、取締役会による当社グループにおけるコーポレート・ガバナンスの一層の強化を図るとともに、取締役会が実効性のある諸施策を決定しグループ会社に展開することを目的として、担当役員等を委員長とし、関連する当社グループ会社等の部門長等で構成される「グループコンプライアンス委員会」、「ICT委員会」、「イノベーション推進委員会」などの各種委員会を設置しています。
ロ.企業統治の体制を採用する理由
当社は、監査等委員会設置会社を選択することにより、監査等委員である取締役に取締役会における議決権を付与すること等によって、取締役会の監査・監督機能を一層強化するとともに、意思決定の迅速化及び中長期視点の議論の更なる充実を図る体制を構築することと、取締役会が、独立社外取締役等で構成する指名・報酬委員会、グループ全体のコーポレート・ガバナンスの充実に向けて設置された各種委員会からの答申や提言を受け意思決定することが、法令遵守と透明性の高い経営を実現するとともに、企業統治の確立において極めて有効な経営監視機能を果たすものと考えていることから当該体制を採用しています。
ハ.図表

③ 企業統治に関するその他の事項
イ.内部統制システムの整備の状況
当社は、会社法及び会社法施行規則に定める「業務の適正を確保するための体制」について、「内部統制基本方針」(2021年12月10日最終改正)を次のとおり定めています。
・当社及び当社グループ会社の取締役等の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制
(a)当社及び当社グループ会社のコンプライアンス体制の基盤となる「川田グループコンプライアンス憲章」に基づき、職務の執行に当たっては法令及び定款を遵守することを徹底します。
(b)当社の取締役会に対する意見形成機関として、当社及び当社グループ会社のコンプライアンス担当などで構成する「グループコンプライアンス委員会」を設置し、コンプライアンス体制を強化します。
(c)当社及び当社グループ会社のコンプライアンスに関する組織、教育、監視、通報、行動マニュアルなど、内部体制並びに関連諸制度を整備し、適宜に検証・改善を行います。
・当社の取締役の職務の執行に係る情報の保存及び管理に関する体制
(a)取締役の職務執行に係る情報については、文書又は電磁的媒体(以下、「文書など」という。)に記録し、「文書取扱規程」、「職務権限規程」、「稟議規程」などに基づき、担当部門において適切に保存及び管理します。
(b)取締役は、必要のある場合は文書などを閲覧することができるものとします。
・当社及び当社グループ会社の損失の危険の管理に関する規程その他の体制
(a)当社及び当社グループ会社の全社的リスク管理を行うため、「川田グループリスクマネジメント基本方針」を定め、各種規程による全社的なリスク管理を行い、「ICT委員会」、「グループコンプライアンス委員会」等の当社グループ会社の横断的な組織による全社的なリスクマネジメント体制を整備しています。
(b)当社及び当社グループ会社において予防及び危機発生時の対応措置としてのガイドライン、マニュアルの作成、周知、研修などを行います。また、当社グループ各社の総務部門を主管とし、当社取締役会による組織横断的リスク状況の監視及び全社的対応を図ります。
・当社及び当社グループ会社の取締役等の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制
(a)当社グループ経営目標・方針など、重要事項の決定については、事前に当社グループ会社の社長、取締役、執行役員などと十分な審議を行った上で当社の取締役会に諮ります。
(b)原則として、毎月1回開催する当社の取締役会においては、当社グループの経営概況及び重要な経営施策の実況の報告を受け、その内容を検証します。また、必要に応じ臨時取締役会を適宜開催します。
(c)ITなどを活用して経営目標及び業務遂行状況をレビューするなど、情報システムの有効な運用により、意思決定の迅速化・効率化を図ります。
・当社及び当社グループ会社の使用人の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制
(a)企業行動規範としての「川田グループコンプライアンス憲章」、コンプライアンスの組織体制・運用などに関する規程、その他行動マニュアルなどを、全使用人がITなどにより常に最新の状態で確認できる環境を維持します。
(b)当社の監査室は、内部監査部門として当社及び当社グループ会社のコンプライアンスの状況を定期的に監査し、当社の社長、コンプライアンス担当役員、監査等委員会に報告します。
(c)当社法務部によるグループ法務研修を定期的に開催し、コンプライアンス及び法令等に関する情報の提供を行うと共に、コンプライアンスに関する教育・啓発活動を行います。
・当社及び当社グループ会社から成る企業集団における業務の適正を確保するための体制
(a)当社及び当社グループ会社共通の精神的基盤としての「社訓」の基に、各社はその業態に適合するコンプライアンス体制を定め、施策を実行します。
(b)当社及び当社グループ会社の業務に関しては、「関係会社業務処理規程」に基づき、所定の事項について承認又は報告を受ける体制を維持します。
(c)当社グループ会社は、当社による経営指導内容などが法令に違反し、又はその疑義が生じた場合は、当社監査等委員会に報告を行います。
(d)当社の監査等委員である取締役(以下「監査等委員」という。)及び当社グループ会社の監査役による「監査役等協議会」において、当社グループ各社における監査の状況報告及び意見の交換を行います。
・当社監査等委員会の職務を補助すべき使用人に関する事項及び当該使用人の取締役からの独立性に関する事項
(a)監査等委員は、監査室所属の使用人に監査業務に必要な事項を命ずることができるものとします。
(b)監査等委員から監査に必要な業務命令を受けた使用人は、その業務命令に関して取締役の指揮命令を受けないものとします。
(c)監査室所属の使用人に対する人事的処遇に関し、担当取締役は監査等委員会の求めに応じてその事由などを説明する義務を負います。
・当社及び当社グループ各社の取締役及び使用人が当社監査等委員会に報告をするための体制その他の当社監査等委員会への報告に関する体制及び報告したことを理由として不利な取扱いを受けないことを確保するための体制
(a)監査等委員は、当社及び当社グループ各社の取締役会その他の重要な会議に出席して、重要な意思決定の過程や業務執行状況を把握するとともに、必要に応じて取締役又は使用人に説明を求めることができるものとします。
(b)当社及び当社グループ各社の取締役及び使用人は、各監査等委員の要請に応じて必要な報告及び情報提供を行います。なお、報告・情報提供すべき主なものは次のとおりになります。
・当社グループの内部統制システムに関わる部門の活動状況
・当社の子会社の監査役及び内部監査部門又はこれに相当する部門の活動状況
・当社グループの重要な会計方針、会計基準及びその変更
・当社グループの業績及び業績見込の発表内容、重要開示書類の内容
・当社グループの社内稟議書及び監査等委員から要求された会議議事録の内容
(c)監査等委員は「グループコンプライアンス規程」に基づき、「グループコンプライアンス委員会」に出席し、その報告を受け、意見を述べることができるものとします。
(d)当社監査等委員会に報告を行った当社及び当社グループ各社の取締役及び使用人が、報告をしたことを理由としていかなる不利な取扱いも受けないことを周知、徹底します。
・その他監査等委員会の監査が実効的に行われることを確保するための体制
(a)監査等委員会は、取締役・会計監査人などとの意見交換会の開催を求めることができるものとします。また、必要に応じ弁護士、税理士などの助言を受けることができるものとします。
(b)監査等委員会は、監査室による内部監査の実施計画について事前に説明を受け、調整などを求めることができるものとします。
(c)監査等委員会は、会計監査人の職務の遂行に関する事項と監査等委員会監査との連携を図るため、会計監査人の監査計画について事前に報告を受けるものとします。
・当社監査等委員の職務の執行について生ずる費用又は債務の処理に係る方針に関する事項
監査等委員がその職務について生じる費用の前払い又は償還等の請求をしたときは、当該監査等委員の職務の執行に必要でないと認められる場合を除き、速やかに当該費用又は債務を処理します。
ロ.反社会的勢力排除に向けた基本的な考え方及び整備状況
・基本的考え方
当社及び当社グループ会社は、「川田グループコンプライアンス憲章」に反社会的勢力への対応として以下の事項を明記し、全社員に周知しています。
(a)社会的秩序や企業の健全な活動を阻害するあらゆる反社会的勢力には毅然とした態度で臨み、一切関係を持たない。
(b)如何なる理由があろうとも、反社会的勢力を利用せず、また、不当な要求は断固として断る。
(c)民事介入暴力に対し、社員を孤立させず組織的に対応する。また、行政当局や法律家等の支援を得て対応する。
・整備状況
当社及び当社グループ会社は、反社会的勢力排除に向けて、「グループコンプライアンス委員会」を設置するとともに、法務部を中心に警察等行政当局や顧問弁護士と緊密に連携し対応する体制を構築しています。
また、社員による反社会的勢力との関与の排除等を徹底するため、内部通報制度及び懲戒規定を整備するとともに、「川田グループコンプライアンス憲章」及び「川田グループ暴力団対応ガイドライン」に基づく研修を継続的に実施しています。
ハ.リスク管理体制の整備の状況
リスク分野毎に、担当部門において予防及び危機発生時の対応措置としてのガイドライン、マニュアルの作成、周知、研修等を行うこととし、組織横断的リスクの監視及び全社的な対応については総務部を主管部門としています。また、当社及び当社グループ会社の全社的リスク管理を行うため、「川田グループリスクマネジメント基本方針」を定め、各種規程による全社的なリスク管理を行い、「ICT委員会」、「グループコンプライアンス委員会」等のグループ会社の横断的な組織による全社的なリスクマネジメント体制を整備しています。
ニ.子会社の業務の適正性を確保するための体制整備の状況
当社は、子会社に対して適切な経営管理を行うことを「関係会社業務処理規程」に定めています。また、当社の役職員が子会社の取締役又は監査役を兼務し、子会社の取締役の職務執行状況等を監視・監督しています。さらに、子会社の業務及び取締役等の職務執行状況は、当社の取締役会において定期的に報告されています。加えて、当社監査室による内部監査結果を子会社にフィードバックしています。
ホ.責任限定契約の内容の概要
当社と全ての社外取締役とは、会社法第427条第1項及び当社定款第31条に基づき、会社法第423条第1項に定める損害賠償責任を限定する契約を締結しています。当該契約に基づく損害賠償責任の限度額は、法令に定める最低責任限度額としています。
ヘ.役員等賠償責任保険契約の内容
当社は、保険会社との間で、当社及び当社の子会社(川田工業株式会社、川田建設株式会社、東邦航空株式会社及びKawada Global (Hong Kong) Limited)の取締役、監査役及び執行役員(当事業年度中に在任していた者を含む。)を被保険者とする、会社法第430条の3第1項に規定する役員等賠償責任保険契約を締結しています。保険料は按分にて各社が負担しており、被保険者は保険料を負担していません。
当該保険契約の内容の概要は、被保険者がその地位に基づいて行った行為に起因して、保険期間中に被保険者に対して損害賠償請求がされた場合の法律上の損害賠償金及び争訟費用を当該保険契約により填補するものであり、1年毎に契約更新しています。
ただし、被保険者の職務の執行の適正性が損なわれないようにするため、被保険者が違法に利益又は便宜を得たこと、犯罪行為、不正行為又は法令等に違反することを認識しながら行った行為に起因する損害等については、填補の対象としないこととしています。
ト.取締役の定数及び選任決議要件
当社は、取締役(監査等委員である取締役を除く。)は8名以内、監査等委員である取締役は5名以内とする旨を定款に定めています。また、当社は取締役の選任決議については、株主総会において議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上有する株主が出席し、出席した当該株主の議決権の過半数をもって行う旨を定款に定めています。また、取締役の選任決議は累積投票によらない旨も定款に定めています。
④ 取締役会の活動状況
取締役会を原則毎月1回開催するほか必要に応じて随時開催します。2024年3月期は合計12回開催しました。個々の取締役の出席状況は次のとおりとなります。
(注)宮田謙作氏は、2023年6月29日開催の取締役会終結の時をもって指名・報酬委員を退任しています。
また、渡邉敏氏は、2023年6月29日開催の取締役会終結の時をもって指名・報酬委員に選任されています。
取締役会における具体的な検討内容は次のとおりとなります。
指名・報酬委員会の活動状況
監査等委員である取締役以外の取締役の候補者指名及び報酬決定を行うため、取締役会からの諮問に応じて随時開催されており、当事業年度は2回開催しました。個々の委員の出席状況は次のとおりとなります。
(注)2024年3月期の指名・報酬委員会は、2023年4月と6月に開催しています。
⑤ 株主総会決議事項を取締役会で決議することができる事項
イ.自己株式の取得及び剰余金の配当等
当社は、資本政策及び配当政策を機動的に行うことができるよう、会社法第459条第1項各号に定める事項について、法令に別段の定めがある場合を除き、取締役会決議によって定めることができる旨を定款に定めています。
ロ.取締役及び会計監査人の責任免除
当社は、職務の遂行にあたり期待される役割を十分に発揮できるようにすることを目的として、取締役(取締役であった者を含む。)及び会計監査人(会計監査人であった者を含む。)が、会社法第423条第1項の賠償責任について法令に定める要件に該当する場合には、取締役会の決議によって、賠償責任額から法令に定める最低責任限度額を控除して得た額を限度として免除することができる旨を定款に定めています。
⑥ 株主総会の特別決議要件
当社は、株主総会を円滑に運営するため、会社法第309条第2項の定めによるべき決議は、定款に別段の定めがある場合を除き、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の3分の2以上をもって行う旨を定款に定めています。
当社は、企業価値の増大により、株主、顧客をはじめとするステークホルダーの期待に応えるため、コーポレート・ガバナンスの確立を最重要課題と位置づけ、以下をその基本的な考え方としています。
・株主の権利を尊重し、株主が権利を適切に行使することができる環境の整備と株主の実質的な平等性の確保に取り組む。
・株主、お客様、地域社会、取引先、従業員を含む様々なステークホルダーの利益を考慮し、それらのステークホルダーと適切に協働する。
・会社情報を適時・適切に開示し、透明性を確保する。
・当社グループの中核たる持株会社として取締役会による業務執行の監督機能の実効性確保に努める。
・株主との建設的な対話に努めるとともに、株主との建設的な対話を促進するための体制整備や株主構造の把握に努める。
② 企業統治の体制の概要及び当該体制を採用する理由
イ.企業統治の体制の概要
当社は、取締役会における監督機能の強化、業務執行決定権限の一部を取締役へ委任することによる経営の意思決定の迅速化を図るため、2020年6月26日付で監査等委員会設置会社に移行しました。また、取締役会の任意の諮問機関として指名・報酬委員会、取締役会によるグループ全体のコーポレート・ガバナンスの充実に向けた諸施策の意見形成機関として各種委員会を設置しています。
(a) 取締役会
取締役会は、取締役10名(監査等委員である取締役3名を含む)で構成されており、構成比は社内取締役である川田忠裕氏、渡邉敏氏、川田琢哉氏、宮田謙作氏及び岡田敏成氏の5名並びに社外取締役である山川隆久氏、高桑幸一氏、麦野英順氏、福地啓子氏及び勝野めぐみ氏の5名と、3分の1以上を社外取締役で占めています。なお、社外取締役全員を、独立役員として東京証券取引所に届出をしています。
取締役会は、代表取締役社長である川田忠裕氏を議長として、原則として毎月1回開催し、当社グループの「経営理念」、「行動指針」、「コーポレート・ガバナンス基本方針」及び「川田グループコンプライアンス憲章」に基づき、経営戦略、経営計画等、重要事項に関する討議・決定を行うとともに、業務の執行状況に関する監督、経営計画の進捗状況の確認等を随時行い、企業統治の強化を図っています。
(b) 監査等委員会
監査等委員会は、監査等委員である取締役3名(うち社外取締役2名)で構成されています。社内出身者である岡田敏成氏を常勤監査等委員とし、また監査等委員会事務局を設けることにより、取締役からの情報収集及び重要な社内会議における情報共有並びに内部監査部門と監査等委員会との連携を図る体制としています。監査等委員会は、委員長を常勤監査等委員が務め、原則として毎月1回開催し、必要に応じて随時開催しています。
監査等委員は、取締役会への出席や内部統制システムを利用した取締役の業務執行の監査・監督の実施、内部監査部門報告や関係者への聴取などを実施しています。
(c) 指名・報酬委員会
指名・報酬委員会は、監査等委員である取締役以外の取締役の候補者指名及び報酬決定を行うにあたり、取締役会による客観的かつ合理的な判断を担保し、もって良好なコーポレート・ガバナンスの実現に寄与することを目的として、取締役会からの諮問に応じて随時開催され、答申を行っています。
同委員会は、独立社外取締役である山川隆久、高桑幸一及び麦野英順の諸氏、並びに代表取締役川田忠裕氏、総務担当取締役渡邉敏氏の5名で構成され、独立社外取締役である山川隆久氏が委員長を務めています。
(d) サステナビリティ推進委員会
「サステナビリティ推進委員会」は、取締役会の指示・諮問に基づき、サステナビリティ課題にかかる各種方針やリスク及び機会の識別・評価、並びにその重要性と対応策に関する事項などについて協議もしくは情報の共有を行い、定期的又は必要に応じて取締役会に報告・答申等を行い、もって「持続可能な社会の実現」と「グループの持続的な成長」に寄与することを目的としています。
同委員会は、取締役会が選任する委員をもって構成され、取締役でもあるサステナビリティ推進室長が委員長を務め、原則として毎月1回、必要に応じて随時開催しています。
(e) その他各種委員会
取締役会からの各種施策の諮問に答申し意見を提言することにより、取締役会による当社グループにおけるコーポレート・ガバナンスの一層の強化を図るとともに、取締役会が実効性のある諸施策を決定しグループ会社に展開することを目的として、担当役員等を委員長とし、関連する当社グループ会社等の部門長等で構成される「グループコンプライアンス委員会」、「ICT委員会」、「イノベーション推進委員会」などの各種委員会を設置しています。
ロ.企業統治の体制を採用する理由
当社は、監査等委員会設置会社を選択することにより、監査等委員である取締役に取締役会における議決権を付与すること等によって、取締役会の監査・監督機能を一層強化するとともに、意思決定の迅速化及び中長期視点の議論の更なる充実を図る体制を構築することと、取締役会が、独立社外取締役等で構成する指名・報酬委員会、グループ全体のコーポレート・ガバナンスの充実に向けて設置された各種委員会からの答申や提言を受け意思決定することが、法令遵守と透明性の高い経営を実現するとともに、企業統治の確立において極めて有効な経営監視機能を果たすものと考えていることから当該体制を採用しています。
ハ.図表

③ 企業統治に関するその他の事項
イ.内部統制システムの整備の状況
当社は、会社法及び会社法施行規則に定める「業務の適正を確保するための体制」について、「内部統制基本方針」(2021年12月10日最終改正)を次のとおり定めています。
・当社及び当社グループ会社の取締役等の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制
(a)当社及び当社グループ会社のコンプライアンス体制の基盤となる「川田グループコンプライアンス憲章」に基づき、職務の執行に当たっては法令及び定款を遵守することを徹底します。
(b)当社の取締役会に対する意見形成機関として、当社及び当社グループ会社のコンプライアンス担当などで構成する「グループコンプライアンス委員会」を設置し、コンプライアンス体制を強化します。
(c)当社及び当社グループ会社のコンプライアンスに関する組織、教育、監視、通報、行動マニュアルなど、内部体制並びに関連諸制度を整備し、適宜に検証・改善を行います。
・当社の取締役の職務の執行に係る情報の保存及び管理に関する体制
(a)取締役の職務執行に係る情報については、文書又は電磁的媒体(以下、「文書など」という。)に記録し、「文書取扱規程」、「職務権限規程」、「稟議規程」などに基づき、担当部門において適切に保存及び管理します。
(b)取締役は、必要のある場合は文書などを閲覧することができるものとします。
・当社及び当社グループ会社の損失の危険の管理に関する規程その他の体制
(a)当社及び当社グループ会社の全社的リスク管理を行うため、「川田グループリスクマネジメント基本方針」を定め、各種規程による全社的なリスク管理を行い、「ICT委員会」、「グループコンプライアンス委員会」等の当社グループ会社の横断的な組織による全社的なリスクマネジメント体制を整備しています。
(b)当社及び当社グループ会社において予防及び危機発生時の対応措置としてのガイドライン、マニュアルの作成、周知、研修などを行います。また、当社グループ各社の総務部門を主管とし、当社取締役会による組織横断的リスク状況の監視及び全社的対応を図ります。
・当社及び当社グループ会社の取締役等の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制
(a)当社グループ経営目標・方針など、重要事項の決定については、事前に当社グループ会社の社長、取締役、執行役員などと十分な審議を行った上で当社の取締役会に諮ります。
(b)原則として、毎月1回開催する当社の取締役会においては、当社グループの経営概況及び重要な経営施策の実況の報告を受け、その内容を検証します。また、必要に応じ臨時取締役会を適宜開催します。
(c)ITなどを活用して経営目標及び業務遂行状況をレビューするなど、情報システムの有効な運用により、意思決定の迅速化・効率化を図ります。
・当社及び当社グループ会社の使用人の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制
(a)企業行動規範としての「川田グループコンプライアンス憲章」、コンプライアンスの組織体制・運用などに関する規程、その他行動マニュアルなどを、全使用人がITなどにより常に最新の状態で確認できる環境を維持します。
(b)当社の監査室は、内部監査部門として当社及び当社グループ会社のコンプライアンスの状況を定期的に監査し、当社の社長、コンプライアンス担当役員、監査等委員会に報告します。
(c)当社法務部によるグループ法務研修を定期的に開催し、コンプライアンス及び法令等に関する情報の提供を行うと共に、コンプライアンスに関する教育・啓発活動を行います。
・当社及び当社グループ会社から成る企業集団における業務の適正を確保するための体制
(a)当社及び当社グループ会社共通の精神的基盤としての「社訓」の基に、各社はその業態に適合するコンプライアンス体制を定め、施策を実行します。
(b)当社及び当社グループ会社の業務に関しては、「関係会社業務処理規程」に基づき、所定の事項について承認又は報告を受ける体制を維持します。
(c)当社グループ会社は、当社による経営指導内容などが法令に違反し、又はその疑義が生じた場合は、当社監査等委員会に報告を行います。
(d)当社の監査等委員である取締役(以下「監査等委員」という。)及び当社グループ会社の監査役による「監査役等協議会」において、当社グループ各社における監査の状況報告及び意見の交換を行います。
・当社監査等委員会の職務を補助すべき使用人に関する事項及び当該使用人の取締役からの独立性に関する事項
(a)監査等委員は、監査室所属の使用人に監査業務に必要な事項を命ずることができるものとします。
(b)監査等委員から監査に必要な業務命令を受けた使用人は、その業務命令に関して取締役の指揮命令を受けないものとします。
(c)監査室所属の使用人に対する人事的処遇に関し、担当取締役は監査等委員会の求めに応じてその事由などを説明する義務を負います。
・当社及び当社グループ各社の取締役及び使用人が当社監査等委員会に報告をするための体制その他の当社監査等委員会への報告に関する体制及び報告したことを理由として不利な取扱いを受けないことを確保するための体制
(a)監査等委員は、当社及び当社グループ各社の取締役会その他の重要な会議に出席して、重要な意思決定の過程や業務執行状況を把握するとともに、必要に応じて取締役又は使用人に説明を求めることができるものとします。
(b)当社及び当社グループ各社の取締役及び使用人は、各監査等委員の要請に応じて必要な報告及び情報提供を行います。なお、報告・情報提供すべき主なものは次のとおりになります。
・当社グループの内部統制システムに関わる部門の活動状況
・当社の子会社の監査役及び内部監査部門又はこれに相当する部門の活動状況
・当社グループの重要な会計方針、会計基準及びその変更
・当社グループの業績及び業績見込の発表内容、重要開示書類の内容
・当社グループの社内稟議書及び監査等委員から要求された会議議事録の内容
(c)監査等委員は「グループコンプライアンス規程」に基づき、「グループコンプライアンス委員会」に出席し、その報告を受け、意見を述べることができるものとします。
(d)当社監査等委員会に報告を行った当社及び当社グループ各社の取締役及び使用人が、報告をしたことを理由としていかなる不利な取扱いも受けないことを周知、徹底します。
・その他監査等委員会の監査が実効的に行われることを確保するための体制
(a)監査等委員会は、取締役・会計監査人などとの意見交換会の開催を求めることができるものとします。また、必要に応じ弁護士、税理士などの助言を受けることができるものとします。
(b)監査等委員会は、監査室による内部監査の実施計画について事前に説明を受け、調整などを求めることができるものとします。
(c)監査等委員会は、会計監査人の職務の遂行に関する事項と監査等委員会監査との連携を図るため、会計監査人の監査計画について事前に報告を受けるものとします。
・当社監査等委員の職務の執行について生ずる費用又は債務の処理に係る方針に関する事項
監査等委員がその職務について生じる費用の前払い又は償還等の請求をしたときは、当該監査等委員の職務の執行に必要でないと認められる場合を除き、速やかに当該費用又は債務を処理します。
ロ.反社会的勢力排除に向けた基本的な考え方及び整備状況
・基本的考え方
当社及び当社グループ会社は、「川田グループコンプライアンス憲章」に反社会的勢力への対応として以下の事項を明記し、全社員に周知しています。
(a)社会的秩序や企業の健全な活動を阻害するあらゆる反社会的勢力には毅然とした態度で臨み、一切関係を持たない。
(b)如何なる理由があろうとも、反社会的勢力を利用せず、また、不当な要求は断固として断る。
(c)民事介入暴力に対し、社員を孤立させず組織的に対応する。また、行政当局や法律家等の支援を得て対応する。
・整備状況
当社及び当社グループ会社は、反社会的勢力排除に向けて、「グループコンプライアンス委員会」を設置するとともに、法務部を中心に警察等行政当局や顧問弁護士と緊密に連携し対応する体制を構築しています。
また、社員による反社会的勢力との関与の排除等を徹底するため、内部通報制度及び懲戒規定を整備するとともに、「川田グループコンプライアンス憲章」及び「川田グループ暴力団対応ガイドライン」に基づく研修を継続的に実施しています。
ハ.リスク管理体制の整備の状況
リスク分野毎に、担当部門において予防及び危機発生時の対応措置としてのガイドライン、マニュアルの作成、周知、研修等を行うこととし、組織横断的リスクの監視及び全社的な対応については総務部を主管部門としています。また、当社及び当社グループ会社の全社的リスク管理を行うため、「川田グループリスクマネジメント基本方針」を定め、各種規程による全社的なリスク管理を行い、「ICT委員会」、「グループコンプライアンス委員会」等のグループ会社の横断的な組織による全社的なリスクマネジメント体制を整備しています。
ニ.子会社の業務の適正性を確保するための体制整備の状況
当社は、子会社に対して適切な経営管理を行うことを「関係会社業務処理規程」に定めています。また、当社の役職員が子会社の取締役又は監査役を兼務し、子会社の取締役の職務執行状況等を監視・監督しています。さらに、子会社の業務及び取締役等の職務執行状況は、当社の取締役会において定期的に報告されています。加えて、当社監査室による内部監査結果を子会社にフィードバックしています。
ホ.責任限定契約の内容の概要
当社と全ての社外取締役とは、会社法第427条第1項及び当社定款第31条に基づき、会社法第423条第1項に定める損害賠償責任を限定する契約を締結しています。当該契約に基づく損害賠償責任の限度額は、法令に定める最低責任限度額としています。
ヘ.役員等賠償責任保険契約の内容
当社は、保険会社との間で、当社及び当社の子会社(川田工業株式会社、川田建設株式会社、東邦航空株式会社及びKawada Global (Hong Kong) Limited)の取締役、監査役及び執行役員(当事業年度中に在任していた者を含む。)を被保険者とする、会社法第430条の3第1項に規定する役員等賠償責任保険契約を締結しています。保険料は按分にて各社が負担しており、被保険者は保険料を負担していません。
当該保険契約の内容の概要は、被保険者がその地位に基づいて行った行為に起因して、保険期間中に被保険者に対して損害賠償請求がされた場合の法律上の損害賠償金及び争訟費用を当該保険契約により填補するものであり、1年毎に契約更新しています。
ただし、被保険者の職務の執行の適正性が損なわれないようにするため、被保険者が違法に利益又は便宜を得たこと、犯罪行為、不正行為又は法令等に違反することを認識しながら行った行為に起因する損害等については、填補の対象としないこととしています。
ト.取締役の定数及び選任決議要件
当社は、取締役(監査等委員である取締役を除く。)は8名以内、監査等委員である取締役は5名以内とする旨を定款に定めています。また、当社は取締役の選任決議については、株主総会において議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上有する株主が出席し、出席した当該株主の議決権の過半数をもって行う旨を定款に定めています。また、取締役の選任決議は累積投票によらない旨も定款に定めています。
④ 取締役会の活動状況
取締役会を原則毎月1回開催するほか必要に応じて随時開催します。2024年3月期は合計12回開催しました。個々の取締役の出席状況は次のとおりとなります。
氏 名 | 常勤/社外 区分 | 取締役会 出席状況(全12回) | 取締役会諮問委員会の兼務状況 |
川田 忠裕 | 常勤 | 12回 | 指名・報酬委員会 |
渡邉 敏 | 常勤 | 12回 | 指名・報酬委員会、グループコンプライアンス委員会、ICT委員会 |
川田 琢哉 | 常勤 | 12回 | |
宮田 謙作 | 常勤 | 12回 | サステナビリティ推進委員会 |
山川 隆久 | 社外 | 12回 | 指名・報酬委員会 |
高桑 幸一 | 社外 | 12回 | 指名・報酬委員会 |
岡田 敏成 | 常勤 | 12回 | |
髙木 繁雄 | 社外 | 12回 | |
福地 啓子 | 社外 | 12回 |
(注)宮田謙作氏は、2023年6月29日開催の取締役会終結の時をもって指名・報酬委員を退任しています。
また、渡邉敏氏は、2023年6月29日開催の取締役会終結の時をもって指名・報酬委員に選任されています。
取締役会における具体的な検討内容は次のとおりとなります。
取締役会での主な審議内容・報告内容の分類 | 2024年3月期 取締役会への付議・報告件数 |
経営戦略・サステナビリティ・ガバナンス関連 | 54 |
決算・財務関連 | 26 |
監査等委員・会計監査人関連 | 5 |
内部統制・コンプライアンス関連 | 8 |
人事関連 | 20 |
個別案件 | 8 |
合 計 | 121 |
指名・報酬委員会の活動状況
監査等委員である取締役以外の取締役の候補者指名及び報酬決定を行うため、取締役会からの諮問に応じて随時開催されており、当事業年度は2回開催しました。個々の委員の出席状況は次のとおりとなります。
氏 名 | 指名・報酬委員会 出席状況(全2回) | 地位 | |
委員長 | 山川 隆久 | 2回 | 社外取締役 |
委員 | 高桑 幸一 | 2回 | 社外取締役 |
委員 | 川田 忠裕 | 2回 | 代表取締役社長 |
委員 | 宮田 謙作 | 2回 | 取 締 役 |
(注)2024年3月期の指名・報酬委員会は、2023年4月と6月に開催しています。
⑤ 株主総会決議事項を取締役会で決議することができる事項
イ.自己株式の取得及び剰余金の配当等
当社は、資本政策及び配当政策を機動的に行うことができるよう、会社法第459条第1項各号に定める事項について、法令に別段の定めがある場合を除き、取締役会決議によって定めることができる旨を定款に定めています。
ロ.取締役及び会計監査人の責任免除
当社は、職務の遂行にあたり期待される役割を十分に発揮できるようにすることを目的として、取締役(取締役であった者を含む。)及び会計監査人(会計監査人であった者を含む。)が、会社法第423条第1項の賠償責任について法令に定める要件に該当する場合には、取締役会の決議によって、賠償責任額から法令に定める最低責任限度額を控除して得た額を限度として免除することができる旨を定款に定めています。
⑥ 株主総会の特別決議要件
当社は、株主総会を円滑に運営するため、会社法第309条第2項の定めによるべき決議は、定款に別段の定めがある場合を除き、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の3分の2以上をもって行う旨を定款に定めています。