有価証券報告書-第15期(2024/04/01-2025/03/31)
24.売上収益
(1)収益の分解
当社グループは、石油製品ほか事業、石油・天然ガス開発事業、機能材事業、電気事業、再生可能エネルギー事業及びその他の事業を基本にして組織が構成されており、当社の取締役会が、経営資源の配分の決定及び業績の評価をするために、定期的に検討を行う対象としていることから、これらの事業で計上する収益を売上高として表示しています。なお、IFRS第15号「顧客との契約から生じる収益」(以下、IFRS第15号)以外に、IFRS第9号「金融商品」(以下、IFRS第9号)に基づく商品等に係る収益及びIAS第20号「政府補助金の会計処理及び政府援助の開示」(以下、IAS第20号)に基づく政府補助金収益を、その他の源泉から生じる収益として、売上高に含めて表示しています。また、売上高は顧客の所在地に基づき地域別に分解しています。分解した売上高と各報告セグメントの売上高との関連は以下のとおりです。
なお、ENEOSグループ長期ビジョン実現に向けた経営基盤強化のため、従来のエネルギーセグメントに属するENEOS株式会社の3事業(機能材、電気、再生可能エネルギー)を2024年4月1日に分社化しました。
また、2025年3月19日にJX金属が東京証券取引所プライム市場に上場しました。株式上場に際し、JX金属株式の一部売出しを行ったことにより、JX金属は子会社から持分法適用会社となったため、金属事業を非継続事業に分類しています。詳細については、注記15.「売却目的保有に分類される処分グループ及び非継続事業」をご覧ください。
これらに伴い、当連結会計年度より報告セグメントを変更しており、前連結会計年度の各報告セグメントの売上高は、変更後の区分方法に基づき作成したものを開示しています。詳細については、注記7.「セグメント情報」をご覧ください。
前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
(注)グループ会社間の内部取引控除後の金額を表示しています。
当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
(注)グループ会社間の内部取引控除後の金額を表示しています。
(表示方法の変更)
前連結会計年度において、「他アジア」に含めていた「シンガポール」は、金額的重要性が増したため、当連結会計年度より独立掲記しています。
この表示方法の変更を反映させるため、前連結会計年度の項目を組み替えて表示しています。
①石油製品ほか事業
石油製品ほか事業においては、石油製品(ガソリン・灯油・潤滑油等)、石油化学製品、ガス等の販売を行っています。
これらの販売は、製品の支配が顧客に移転したとき、すなわち製品を顧客へ引き渡した時点で、製品の法的所有権、物的占有権、製品の所有に伴う重要なリスク及び経済価値が移転し、顧客から製品の対価を受ける権利を得るため、その時点で収益を認識します。また収益は、顧客との契約による取引価格に基づき認識しており、取引の対価は製品の引き渡し後1年以内に受け取るため、重大な金融要素を含んでいません。対価に変動可能性のある取引については、考え得る対価の金額の範囲における単一の最も可能性の高い金額を用いて、将来において重大な戻入れが生じない可能性が非常に高い範囲内でのみ、収益を認識しています。
また、当連結会計年度において、「売上高」に含められているその他の源泉から生じる収益には、米国子会社において石油製品等のトレーディングから生じた収益が198,079百万円(前連結会計年度は231,207百万円)あります。当該取引は販売業者としてのマージンを生み出すことを目的とし売買契約を締結し、短期間での売買を行っているため、IFRS第9号に基づきデリバティブとして会計処理を行っています。なお、このうち現物決済による取引については、売上高の総額を計上しています。この他に、国内子会社において、日本政府によるコロナ禍における「原油価格・物価高騰等総合緊急対策」に基づく施策である「燃料油価格激変緩和対策事業」(2022年1月より発動)により受領する補助金827,990百万円(前連結会計年度は830,117百万円)及び「電気・ガス価格激変緩和対策事業」(2023年1月より発動、2024年5月使用分まで)により受領する補助金133百万円(前連結会計年度は1,233百万円)、「酷暑乗り切り緊急支援」(2024年8月~10月分)により受領する補助金217百万円、「電気・ガス料金負担軽減支援事業」(2025年1月~3月分)により受領する補助金132百万円について、IAS第20号に基づき会計処理を行い、その他の源泉から生じる収益として売上高に含めて表示しています。受領する当該補助金は、事業の趣旨に従い、適切に全額卸売価格に反映させています。
②石油・天然ガス開発事業
石油・天然ガス開発事業においては、原油、天然ガス、その他の鉱物資源等の販売を行っています。
これらの販売は、製品の支配が顧客に移転したとき、すなわち製品を顧客へ引き渡した時点で、製品の法的所有権、物的占有権、製品の所有に伴う重要なリスク及び経済価値が移転し、顧客から製品の対価を受ける権利を得るため、その時点で収益を認識します。また収益は、顧客との契約による取引価格に基づき認識しており、取引の対価は製品の引き渡し後1年以内に受け取るため、重大な金融要素を含んでいません。
③機能材事業
機能材事業においては、合成ゴム、熱可塑性エラストマー等の販売を行っています。
これらの販売は、製品の支配が顧客に移転したとき、すなわち製品を顧客へ引き渡した時点で、製品の法的所有権、物的占有権、製品の所有に伴う重要なリスク及び経済価値が移転し、顧客から製品の対価を受ける権利を得るため、その時点で収益を認識します。また収益は、顧客との契約による取引価格に基づき認識しており、取引の対価は製品の引き渡し後1年以内に受け取るため、重要な金融要素を含んでいません。対価に変動可能性のある取引については、考え得る対価の金額の範囲における単一の最も可能性の高い金額を用いて、将来において重大な戻入れが生じない可能性が非常に高い範囲内でのみ、収益を認識しています。
④電気事業
電気事業においては、主に火力発電による電力等の販売を行っています。
これらの販売は、顧客と電力受給契約を締結し、当該契約に基づき一定の期間にわたり履行義務を充足する取引であり、履行義務の充足に係る進捗度は、電力量計の検針により把握した使用量により測定し、把握した使用量と当該契約による単価等に基づき、収益を認識します。
なお、検針日と決算日が一致していない顧客の電力量に関しては検針日から決算日までの顧客の電力量について、一般送配電事業者から電力量を入手し、当該消費電力情報や単価情報に基づいて収益を計上しています。
その他、一般社団法人日本卸電力取引所において約定した電力を受け渡す履行義務に関する収益があります。卸電力市場における履行義務は、取引規定等に基づき約定した電力を受け渡すことであり、受け渡しの一時点において履行義務を充足する取引については、都度収益を認識しています。
上記の収益はいずれも、顧客との契約による取引価格に基づき認識しており、取引の対価は電力の供給から1年以内に受け取るため、重大な金融要素を含んでいません。また、電気事業における検針日から決算日までの取引について、送配電事業者から入手した使用量に当月の平均単価を乗じて算出した金額を用いて、当社と顧客との間に重大な戻入れが生じない可能性が非常に高い範囲内でのみ、収益を認識しています。
また、当連結会計年度において、日本政府によるコロナ禍における「原油価格・物価高騰等総合緊急対策」に基づく施策である「電気・ガス価格激変緩和対策事業」(2023年1月より発動、2024年5月使用分まで)により受領する補助金2,944百万円(前連結会計年度は26,211百万円)、「酷暑乗り切り緊急支援」(2024年8月~10月分)により受領する補助金4,062百万円、「電気・ガス料金負担軽減支援事業」(2025年1月~3月分)により受領する補助金2,362百万円について、IAS第20号に基づき会計処理を行い、その他の源泉から生じる収益として売上高に含めて表示しています。受領する当該補助金は、事業の趣旨に従い、適切に全額小売及び卸売価格に反映させています。
⑤再生可能エネルギー事業
再生可能エネルギー事業においては、当社グループが保有する再生可能エネルギー発電所から発電した電力等の販売を行っています。
これらの販売は、顧客と電力受給契約を締結し、当該契約に基づき、主として顧客に電力が供給された時点で履行義務を充足する取引であり、顧客の計測値に基づき収益を認識します。また収益は、顧客との取引価格(主に固定単価)に基づき認識しており、取引の対価は電力の供給から1年以内に受け取るため、重大な金融要素を含んでいません。
また、当連結会計年度において、日本政府により発電事業者の投資を促し、再生可能エネルギーをさらに普及させ、独立した電源として電力市場に統合することを目的に、2022年4月より導入された「FIP制度」(認定を取得した再生可能エネルギー発電事業者が市場等で売電した際に、一定のプレミアム(補助額)が上乗せされて交付される制度)により受領する補助金691百万円について、IAS第20号に基づき会計処理を行い、その他の源泉から生じる収益として売上高に含めて表示しています。受領する当該補助金は、制度の趣旨に基づき、「再生可能エネルギー発電促進賦課金」を通じて間接的に消費者が負担しています。
⑥その他の事業
その他の事業の収益は、主に建設事業に関連するものです。
建設事業では、履行義務が一定期間にわたり充足される工事請負契約については、工事の進捗に伴い当該資産に対する支配が顧客に移転するため、対応する工事期間にわたり収益を認識します。収益は、工事の成果が信頼性をもって見積ることができる場合には、工事契約に必要な見積総原価に対する、現在までにかかった工事原価の割合に基づき測定します。また、長期の工事請負契約においては、契約時又は期間中に対価の一部を前受けで受領しています。
(2)顧客との契約から生じた債権、契約資産及び契約負債
顧客との契約から生じた債権、契約資産及び契約負債の内訳は以下のとおりです。
なお、連結財政状態計算書において、営業債権は「営業債権及びその他の債権」に、契約資産は「その他の流動資産」に、契約負債は「その他の流動負債」にそれぞれ含まれています。
契約資産は工事請負契約から生じる未請求の対価に対する当社グループの権利に関するものであり、支払に対する権利が無条件になった時点で債権へ振り替えられます。契約負債は契約に基づく履行に先だち受領した対価であり、当社が契約に基づき履行するにつれて(もしくは履行した時点で)収益に振り替えられます。
前連結会計年度及び当連結会計年度の期首現在の契約負債残高は、おおむね当該会計年度中の収益として認識しており、繰り越された金額に重要性はありません。また、前連結会計年度及び当連結会計年度において、過去の期間に充足した履行義務から認識した収益の額についても重要性はありません。
(3)残存履行義務に配分した取引価格
前連結会計年度及び当連結会計年度において、未充足(又は部分的に未充足)の履行義務に配分した取引価格の総額は、以下のとおりです。なお、当連結会計年度において、金属事業を非継続事業に分類しており、前連結会計年度については、非継続事業を除いた継続事業の金額に組み替えて表示しています。
前連結会計年度及び当連結会計年度の末時点で工事計画が確定していなかった契約の取引価格は、完工時期に基づき区分しています。
また、建設事業における工事契約以外にも当社グループで取り扱う一部製品の長期販売契約に基づく取引価格も含めています。なお、取引価格が販売時点の市況価格に基づく長期の販売契約もありますが、当連結会計年度末時点で見積る金額に対して将来に重要な戻入れが生じる可能性と金額的重要性等を考慮して、記載していません。
IFRS第15号第121項の実務上の便法を適用し、当初の予想期間が1年以内の残存履行義務については上記の表に含めていません。
(4)契約コスト
前連結会計年度及び当連結会計年度において、顧客との契約の獲得又は履行のためのコストから認識した資産の額に重要性はありません。また、実務上の便法を適用し、償却期間が1年以内である場合には、契約コストを発生時に費用として認識しています。
(1)収益の分解
当社グループは、石油製品ほか事業、石油・天然ガス開発事業、機能材事業、電気事業、再生可能エネルギー事業及びその他の事業を基本にして組織が構成されており、当社の取締役会が、経営資源の配分の決定及び業績の評価をするために、定期的に検討を行う対象としていることから、これらの事業で計上する収益を売上高として表示しています。なお、IFRS第15号「顧客との契約から生じる収益」(以下、IFRS第15号)以外に、IFRS第9号「金融商品」(以下、IFRS第9号)に基づく商品等に係る収益及びIAS第20号「政府補助金の会計処理及び政府援助の開示」(以下、IAS第20号)に基づく政府補助金収益を、その他の源泉から生じる収益として、売上高に含めて表示しています。また、売上高は顧客の所在地に基づき地域別に分解しています。分解した売上高と各報告セグメントの売上高との関連は以下のとおりです。
なお、ENEOSグループ長期ビジョン実現に向けた経営基盤強化のため、従来のエネルギーセグメントに属するENEOS株式会社の3事業(機能材、電気、再生可能エネルギー)を2024年4月1日に分社化しました。
また、2025年3月19日にJX金属が東京証券取引所プライム市場に上場しました。株式上場に際し、JX金属株式の一部売出しを行ったことにより、JX金属は子会社から持分法適用会社となったため、金属事業を非継続事業に分類しています。詳細については、注記15.「売却目的保有に分類される処分グループ及び非継続事業」をご覧ください。
これらに伴い、当連結会計年度より報告セグメントを変更しており、前連結会計年度の各報告セグメントの売上高は、変更後の区分方法に基づき作成したものを開示しています。詳細については、注記7.「セグメント情報」をご覧ください。
前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
| (単位:百万円) | ||||
| 地域 | 石油製品ほか | 石油・天然 ガス開発 | 機能材 | |
| 日本 | 8,600,408 | 36,886 | 158,339 | |
| アジア | シンガポール | 846,299 | 2,387 | 719 |
| 中国 | 454,066 | 51,266 | 29,347 | |
| 他アジア | 404,943 | 94,395 | 50,816 | |
| その他 | 762,712 | 19,929 | 66,642 | |
| 合計 | 11,068,428 | 204,863 | 305,863 | |
| (単位:百万円) | |||||
| 地域 | 電気 | 再生可能 エネルギー | その他 | 合計 | |
| 日本 | 266,707 | 41,748 | 441,973 | 9,546,061 | |
| アジア | シンガポール | - | - | - | 849,405 |
| 中国 | - | - | 191 | 534,870 | |
| 他アジア | - | 42 | 5,177 | 555,373 | |
| その他 | - | - | 9,565 | 858,848 | |
| 合計 | 266,707 | 41,790 | 456,906 | 12,344,557 | |
(注)グループ会社間の内部取引控除後の金額を表示しています。
当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
| (単位:百万円) | ||||
| 地域 | 石油製品ほか | 石油・天然 ガス開発 | 機能材 | |
| 日本 | 8,666,931 | 42,043 | 175,338 | |
| アジア | シンガポール | 655,990 | 4,386 | 393 |
| 中国 | 407,507 | 53,860 | 34,959 | |
| 他アジア | 426,708 | 115,313 | 62,228 | |
| その他 | 745,169 | 27,211 | 71,344 | |
| 合計 | 10,902,305 | 242,813 | 344,262 | |
| (単位:百万円) | |||||
| 地域 | 電気 | 再生可能 エネルギー | その他 | 合計 | |
| 日本 | 313,228 | 43,310 | 456,972 | 9,697,822 | |
| アジア | シンガポール | - | - | - | 660,769 |
| 中国 | - | - | 144 | 496,470 | |
| 他アジア | - | 28 | 6,661 | 610,938 | |
| その他 | - | - | 12,771 | 856,495 | |
| 合計 | 313,228 | 43,338 | 476,548 | 12,322,494 | |
(注)グループ会社間の内部取引控除後の金額を表示しています。
(表示方法の変更)
前連結会計年度において、「他アジア」に含めていた「シンガポール」は、金額的重要性が増したため、当連結会計年度より独立掲記しています。
この表示方法の変更を反映させるため、前連結会計年度の項目を組み替えて表示しています。
①石油製品ほか事業
石油製品ほか事業においては、石油製品(ガソリン・灯油・潤滑油等)、石油化学製品、ガス等の販売を行っています。
これらの販売は、製品の支配が顧客に移転したとき、すなわち製品を顧客へ引き渡した時点で、製品の法的所有権、物的占有権、製品の所有に伴う重要なリスク及び経済価値が移転し、顧客から製品の対価を受ける権利を得るため、その時点で収益を認識します。また収益は、顧客との契約による取引価格に基づき認識しており、取引の対価は製品の引き渡し後1年以内に受け取るため、重大な金融要素を含んでいません。対価に変動可能性のある取引については、考え得る対価の金額の範囲における単一の最も可能性の高い金額を用いて、将来において重大な戻入れが生じない可能性が非常に高い範囲内でのみ、収益を認識しています。
また、当連結会計年度において、「売上高」に含められているその他の源泉から生じる収益には、米国子会社において石油製品等のトレーディングから生じた収益が198,079百万円(前連結会計年度は231,207百万円)あります。当該取引は販売業者としてのマージンを生み出すことを目的とし売買契約を締結し、短期間での売買を行っているため、IFRS第9号に基づきデリバティブとして会計処理を行っています。なお、このうち現物決済による取引については、売上高の総額を計上しています。この他に、国内子会社において、日本政府によるコロナ禍における「原油価格・物価高騰等総合緊急対策」に基づく施策である「燃料油価格激変緩和対策事業」(2022年1月より発動)により受領する補助金827,990百万円(前連結会計年度は830,117百万円)及び「電気・ガス価格激変緩和対策事業」(2023年1月より発動、2024年5月使用分まで)により受領する補助金133百万円(前連結会計年度は1,233百万円)、「酷暑乗り切り緊急支援」(2024年8月~10月分)により受領する補助金217百万円、「電気・ガス料金負担軽減支援事業」(2025年1月~3月分)により受領する補助金132百万円について、IAS第20号に基づき会計処理を行い、その他の源泉から生じる収益として売上高に含めて表示しています。受領する当該補助金は、事業の趣旨に従い、適切に全額卸売価格に反映させています。
②石油・天然ガス開発事業
石油・天然ガス開発事業においては、原油、天然ガス、その他の鉱物資源等の販売を行っています。
これらの販売は、製品の支配が顧客に移転したとき、すなわち製品を顧客へ引き渡した時点で、製品の法的所有権、物的占有権、製品の所有に伴う重要なリスク及び経済価値が移転し、顧客から製品の対価を受ける権利を得るため、その時点で収益を認識します。また収益は、顧客との契約による取引価格に基づき認識しており、取引の対価は製品の引き渡し後1年以内に受け取るため、重大な金融要素を含んでいません。
③機能材事業
機能材事業においては、合成ゴム、熱可塑性エラストマー等の販売を行っています。
これらの販売は、製品の支配が顧客に移転したとき、すなわち製品を顧客へ引き渡した時点で、製品の法的所有権、物的占有権、製品の所有に伴う重要なリスク及び経済価値が移転し、顧客から製品の対価を受ける権利を得るため、その時点で収益を認識します。また収益は、顧客との契約による取引価格に基づき認識しており、取引の対価は製品の引き渡し後1年以内に受け取るため、重要な金融要素を含んでいません。対価に変動可能性のある取引については、考え得る対価の金額の範囲における単一の最も可能性の高い金額を用いて、将来において重大な戻入れが生じない可能性が非常に高い範囲内でのみ、収益を認識しています。
④電気事業
電気事業においては、主に火力発電による電力等の販売を行っています。
これらの販売は、顧客と電力受給契約を締結し、当該契約に基づき一定の期間にわたり履行義務を充足する取引であり、履行義務の充足に係る進捗度は、電力量計の検針により把握した使用量により測定し、把握した使用量と当該契約による単価等に基づき、収益を認識します。
なお、検針日と決算日が一致していない顧客の電力量に関しては検針日から決算日までの顧客の電力量について、一般送配電事業者から電力量を入手し、当該消費電力情報や単価情報に基づいて収益を計上しています。
その他、一般社団法人日本卸電力取引所において約定した電力を受け渡す履行義務に関する収益があります。卸電力市場における履行義務は、取引規定等に基づき約定した電力を受け渡すことであり、受け渡しの一時点において履行義務を充足する取引については、都度収益を認識しています。
上記の収益はいずれも、顧客との契約による取引価格に基づき認識しており、取引の対価は電力の供給から1年以内に受け取るため、重大な金融要素を含んでいません。また、電気事業における検針日から決算日までの取引について、送配電事業者から入手した使用量に当月の平均単価を乗じて算出した金額を用いて、当社と顧客との間に重大な戻入れが生じない可能性が非常に高い範囲内でのみ、収益を認識しています。
また、当連結会計年度において、日本政府によるコロナ禍における「原油価格・物価高騰等総合緊急対策」に基づく施策である「電気・ガス価格激変緩和対策事業」(2023年1月より発動、2024年5月使用分まで)により受領する補助金2,944百万円(前連結会計年度は26,211百万円)、「酷暑乗り切り緊急支援」(2024年8月~10月分)により受領する補助金4,062百万円、「電気・ガス料金負担軽減支援事業」(2025年1月~3月分)により受領する補助金2,362百万円について、IAS第20号に基づき会計処理を行い、その他の源泉から生じる収益として売上高に含めて表示しています。受領する当該補助金は、事業の趣旨に従い、適切に全額小売及び卸売価格に反映させています。
⑤再生可能エネルギー事業
再生可能エネルギー事業においては、当社グループが保有する再生可能エネルギー発電所から発電した電力等の販売を行っています。
これらの販売は、顧客と電力受給契約を締結し、当該契約に基づき、主として顧客に電力が供給された時点で履行義務を充足する取引であり、顧客の計測値に基づき収益を認識します。また収益は、顧客との取引価格(主に固定単価)に基づき認識しており、取引の対価は電力の供給から1年以内に受け取るため、重大な金融要素を含んでいません。
また、当連結会計年度において、日本政府により発電事業者の投資を促し、再生可能エネルギーをさらに普及させ、独立した電源として電力市場に統合することを目的に、2022年4月より導入された「FIP制度」(認定を取得した再生可能エネルギー発電事業者が市場等で売電した際に、一定のプレミアム(補助額)が上乗せされて交付される制度)により受領する補助金691百万円について、IAS第20号に基づき会計処理を行い、その他の源泉から生じる収益として売上高に含めて表示しています。受領する当該補助金は、制度の趣旨に基づき、「再生可能エネルギー発電促進賦課金」を通じて間接的に消費者が負担しています。
⑥その他の事業
その他の事業の収益は、主に建設事業に関連するものです。
建設事業では、履行義務が一定期間にわたり充足される工事請負契約については、工事の進捗に伴い当該資産に対する支配が顧客に移転するため、対応する工事期間にわたり収益を認識します。収益は、工事の成果が信頼性をもって見積ることができる場合には、工事契約に必要な見積総原価に対する、現在までにかかった工事原価の割合に基づき測定します。また、長期の工事請負契約においては、契約時又は期間中に対価の一部を前受けで受領しています。
(2)顧客との契約から生じた債権、契約資産及び契約負債
顧客との契約から生じた債権、契約資産及び契約負債の内訳は以下のとおりです。
なお、連結財政状態計算書において、営業債権は「営業債権及びその他の債権」に、契約資産は「その他の流動資産」に、契約負債は「その他の流動負債」にそれぞれ含まれています。
| (単位:百万円) | |||
| 前連結会計年度期首 (2023年4月1日) | 前連結会計年度末 (2024年3月31日) | 当連結会計年度末 (2025年3月31日) | |
| 営業債権(売掛金及び受取手形) | 1,360,838 | 1,398,644 | 1,172,664 |
| 契約資産 | 49,481 | 60,458 | 51,685 |
| 契約負債 | 16,355 | 25,315 | 27,713 |
契約資産は工事請負契約から生じる未請求の対価に対する当社グループの権利に関するものであり、支払に対する権利が無条件になった時点で債権へ振り替えられます。契約負債は契約に基づく履行に先だち受領した対価であり、当社が契約に基づき履行するにつれて(もしくは履行した時点で)収益に振り替えられます。
前連結会計年度及び当連結会計年度の期首現在の契約負債残高は、おおむね当該会計年度中の収益として認識しており、繰り越された金額に重要性はありません。また、前連結会計年度及び当連結会計年度において、過去の期間に充足した履行義務から認識した収益の額についても重要性はありません。
(3)残存履行義務に配分した取引価格
前連結会計年度及び当連結会計年度において、未充足(又は部分的に未充足)の履行義務に配分した取引価格の総額は、以下のとおりです。なお、当連結会計年度において、金属事業を非継続事業に分類しており、前連結会計年度については、非継続事業を除いた継続事業の金額に組み替えて表示しています。
| (単位:百万円) | ||
| 建設事業における工事契約等 | 前連結会計年度 (2024年3月31日) | 当連結会計年度 (2025年3月31日) |
| 1年内 | 134,735 | 182,713 |
| 1年超~2年内 | 64,077 | 67,544 |
| 2年超 | 37,968 | 31,060 |
| 合計 | 236,780 | 281,317 |
前連結会計年度及び当連結会計年度の末時点で工事計画が確定していなかった契約の取引価格は、完工時期に基づき区分しています。
また、建設事業における工事契約以外にも当社グループで取り扱う一部製品の長期販売契約に基づく取引価格も含めています。なお、取引価格が販売時点の市況価格に基づく長期の販売契約もありますが、当連結会計年度末時点で見積る金額に対して将来に重要な戻入れが生じる可能性と金額的重要性等を考慮して、記載していません。
IFRS第15号第121項の実務上の便法を適用し、当初の予想期間が1年以内の残存履行義務については上記の表に含めていません。
(4)契約コスト
前連結会計年度及び当連結会計年度において、顧客との契約の獲得又は履行のためのコストから認識した資産の額に重要性はありません。また、実務上の便法を適用し、償却期間が1年以内である場合には、契約コストを発生時に費用として認識しています。