有価証券報告書-第16期(2025/04/01-2026/03/31)

【提出】
2026/06/23 13:35
【資料】
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【項目】
155項目

有報資料

文中の将来に関する事項は、当社が本報告書提出日現在において判断したものです。
(1)会社の経営の基本方針
当社は、事業活動の基礎となる「ENEOSグループ理念」を次のとおり定めています。
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また、当社グループを取り巻く事業環境がかつてない転換期を迎えている中、「ENEOSグループ理念」の実現に向けて「『今日のあたり前』を支え、『明日のあたり前』をリードする。」を新たな決意として掲げています。ENEOSグループは、困難な課題に挑戦し、「明日のあたり前」を創りつづけるリーディングカンパニーとして、ステークホルダーの皆様からの一層の信頼に応えていきます。
(2)目標とする経営指標
当社は、2025年5月に2025年度からの3ヵ年の第4次中期経営計画(2025-2027年度)を策定しています。
ENEOSグループ理念・長期ビジョンの実現に向け、第4次中期経営計画の2本柱である「筋肉質な経営体質への転換」・「ポートフォリオ再編」、そしてこれらの実現を可能にする人的資本経営を推進し、企業価値最大化の実現に向けた取組を加速しています。
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<第4次中期経営計画の進捗(筋肉質な経営体質への転換)>既存事業の収益最大化を成し遂げるべく、徹底的な効率化を推進しています。
① グループ会社の組織・体制再構築
ノンコア事業の売却及び組織・機能の重複解消等を目的としたグループ内再編を推進し、連結対象会社を2025年3月末から13社削減しました。
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② AI活用の推進
当社は、新たにAI活用を推進する専任組織「AIイノベーション部」を設置しました。同部を中心に、業務全域におけるAIの活用可能性を追求し、データに基づく最適化により業務効率の向上及び組織のスリム化を図っています。また、データ・AIに関するガバナンス体制の強化、データの整備・標準化の推進に加え、従業員のAIリテラシー向上に向けた教育も実施しました。
<第4次中期経営計画の進捗(ポートフォリオ再編)>企業価値向上に向け、海外燃料油・低炭素事業を中心とした投資案件を実行するとともに、グループ内事業再編を推進しています。
③ 戦略的投資案件の検討及び実行
投資審査プロセスの厳格化を通じ、採算性が劣後する案件や事業リスクの高い案件を適切に選別し、海外燃料油やLNG・バイオ燃料等、投資案件の検討を進め、具体的な投資案件を決定しています。2026年5月に、海外における燃料油事業の拡大を目的に、Chevronが保有する東南アジア・豪州法人の株式100%を取得することを決定しました。
④ グループ内ポートフォリオの再編
電気事業・再生可能エネルギー事業について、2026年4月1日付で、役員を兼任とし組織の一部を一体運営することにより、経営の実質的な一体運営体制に移行しました。
また、2026年4月1日付で、ENEOSの天然ガス事業をENEOS Xploraに移管・統合し、上流から下流まで一元的に運営する体制としました。
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<財務目標の実績及び見通し>2025年度の主な経営指標の実績及び2026年度の見通し、第4次中期経営計画最終年度である2027年度の財務目標は、以下のとおりです。
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(3)対処すべき課題
<基本方針>当社グループは、徹底的な効率化による既存事業の収益最大化及び厳選した投資の実行による事業ポートフォリオ再編等、第4次中期経営計画に包含される各種施策を通じて、企業価値の向上を図ります。
<東南アジア・豪州における石油精製・販売事業のM&A>当社は、Chevronグループが東南アジア及び豪州で展開する石油精製・販売事業を取得することを決定しました。
本件により、シンガポール、マレーシア、フィリピン、オーストラリア、ベトナム、インドネシアの6か国における燃料油・潤滑油事業を取得します。特にシンガポールでは、製油所を有するSingapore Refining Companyの持分50%を取得し、精製機能を含むバリューチェーンを強化します。これにより、製油所、貯蔵ターミナル、販売ネットワーク等の実物資産を包括的に獲得し、安定的な事業運営基盤を構築します。
本M&Aは、第4次中期経営計画の柱である「ポートフォリオ再編」を具体化する中核施策です。本件を通じて、当社の基盤事業である石油精製・販売事業を一層強化し、成長機会の拡大を図ります。また、海外売上高は本件の実施により大きく伸長し、2030年度には約50%規模まで拡大することを目指しています。
国内では石油需要の構造的な減少が見込まれる一方、東南アジア及び豪州では中長期的な需要の成長が期待されています。このような環境を踏まえ、当社は成長市場である東南アジア及び主要輸出先である豪州における事業を取り込むことで、石油ビジネスの持続的な成長を図ります。
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<グループ会社の組織・体制の再構築>当社グループは、会社別の保有方針を決定し、2025年3月末との比較で約100社の削減を行う計画を策定しています。今後、対象会社については、売却や統合・再編等の実行を進めていきます。
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当社グループは、業務全域におけるAI活用を、グループ会社の再構築と並び重要な経営課題として位置付けて推進し、業務効率の向上及び組織のスリム化を図っています。
具体的には、原油調達から製造、物流、販売に至るサプライチェーン全体のデータを一元的に管理・活用し、市況や需要の変化に応じた最適な意思決定を実現する体制の構築を進めています。
また、AI活用による複数シナリオの検討を通じて収益機会を的確に捉え、全社的な利益最大化を目指すとともに、経営データの可視化及び分析の高度化により、迅速かつ高度な経営判断の実現に取り組んでいます。
さらに、管理部門における業務の標準化・自動化を推進し、コスト効率の高い事業運営体制の構築及びガバナンスの強化を進めています。
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<企業価値向上に向けた取組>当社は、PBR及びROEの推移を踏まえ、企業価値向上に向けた現状を以下のとおり認識しています。
2026年3月末時点のPBRは1.10倍となり、1倍を上回る水準へ改善しました。この改善は、グループ会社再編や累進配当方針に基づく増配等、各種中期経営計画施策に対する市場からの評価・期待が株価に反映された結果であると認識しています。
ROE(在庫影響除き)は、株主資本コスト(CAPMベース)を上回る水準で推移しています。堅調な白油マージンや五井火力発電所の全基稼働を受け、改善傾向にあります。一方、さらなるPBR向上にはROEの一層の改善が課題であると認識しており、引き続き中期経営計画の各施策を着実に実行していきます。
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各事業の分野別の取組は以下のとおりです。
石油製品事業においては、製油所の競争力強化に取り組んでおり、設備投資による計画稼働の向上と合わせて、2027年度における定修除き稼働率90%の達成を目指しています。また、海外燃料油事業の拡大を進めており、東南アジア及び豪州における石油精製・販売事業のM&Aを決定する等、海外アセットの獲得を通じて事業拡大を図っています。
石油化学事業においては、国内におけるエチレン需要の減退や国際競争の激化を踏まえ、生産・供給体制の最適化を進めています。その一環として、川崎製油所のエチレン製造装置1基の停止を最終決定し、2027年度末の停止を予定しています。
バイオ燃料事業においては、国内外の有力企業との協力を通じた事業推進に取り組んでいます。具体的には、和歌山製造所において2028年度以降に年間40万KLのSAF製造を目指すとともに、英国C2Xへの出資を通じて、海運セクター向けサプライチェーンの構築や、バイオ資源を原料とする合成燃料・ケミカルへの展開を検討しています。
天然ガス事業においては、これまで東南アジア及びオセアニアにおける優良プロジェクトへの参画を通じて蓄積してきた知見を活かし、投資の拡大を図っています。LNGについては、2040年頃まで需要の増加が見込まれていることから、引き続き事業の強化・拡充を進めます。
<株主還元>資本効率改善の観点及び株主還元方針を踏まえ、500億円の自己株式取得を決定しました。「3カ年平均で総還元性向50%以上」との中期経営計画方針に則り、今後の業績進捗を踏まえつつ、適切な時期に追加還元を検討していきます。
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<次期の連結業績予想について(2026年5月公表)>2025年度に計上したプラスタイムラグの剥落による減益、石油・天然ガス開発事業の増益、及びJX金属株式売却による利益を織り込んでいます。前提条件に基づく次期の業績予想は下記のとおりです。
●前提条件(2026年4月以降)
為替:155円/ドル、原油(ドバイスポット):85ドル/バーレル
売上高:12兆8,500億円 営業利益:6,100億円 親会社の所有者に帰属する当期利益:4,150億円
在庫影響(総平均法及び簿価切下げによる棚卸資産の評価が売上原価に与える影響)を除いた営業利益相当額は、5,900億円と見込んでいます。

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