有価証券報告書-第12期(令和3年4月1日-令和4年3月31日)

【提出】
2022/06/28 14:28
【資料】
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【項目】
135項目
24.売上収益
(1)収益の分解
当社グループは、エネルギー事業、石油・天然ガス開発事業、金属事業およびその他の事業を基本にして組織が構成されており、当社の取締役会が、経営資源の配分の決定および業績の評価をするために、定期的に検討を行う対象としていることから、これらの事業で計上する収益を売上高として表示しています。なお、IFRS第15号「顧客との契約から生じる収益」以外に、IFRS第9号「金融商品」に基づく商品等に係る収益およびIAS第20号「政府補助金の会計処理及び政府援助の開示」に基づく政府補助金収益を、その他の源泉から生じる収益として、売上高に含めて表示しています。また、売上高は顧客の所在地に基づき地域別に分解しています。分解した売上高と各報告セグメントの売上高との関連は以下のとおりです。
前連結会計年度(自 2020年4月1日 至 2021年3月31日)
(単位:百万円)
地域エネルギー石油・天然
ガス開発
金属その他合計
日本5,160,2218,642608,019441,8116,218,693
アジア中国266,96122,372189,42227478,782
他アジア381,15839,790231,9143,487656,349
その他186,33741,57660,30915,965304,187
合計5,994,677112,3801,089,664461,2907,658,011

(注)グループ会社間の内部取引控除後の金額を表示しています。
当連結会計年度(自 2021年4月1日 至 2022年3月31日)
(単位:百万円)
地域エネルギー石油・天然
ガス開発
金属その他合計
日本7,316,86414,930697,154436,5898,465,537
アジア中国371,71629,798205,52329607,066
他アジア779,39066,113306,7032,6491,154,855
その他462,632132,11881,19318,358694,301
合計8,930,602242,9591,290,573457,62510,921,759

(注)グループ会社間の内部取引控除後の金額を表示しています。
①エネルギー事業
エネルギー事業においては、石油製品(ガソリン・灯油・潤滑油等)、石油化学製品、ガス(LPガス・LNG)、電力等の販売を行っています。
これらの販売は、製品の支配が顧客に移転したとき、すなわち製品を顧客へ引き渡した時点で、製品の法的所有権、物的占有権、製品の所有に伴う重要なリスク及び経済価値が移転し、顧客から製品の対価を受ける権利を得るため、その時点で収益を認識します。また収益は、顧客との契約による取引価格に基づき認識しており、取引の対価は製品の引き渡し後1年以内に受け取るため、重大な金融要素を含んでいません。対価に変動可能性のある取引については、考え得る対価の金額の範囲における単一の最も可能性の高い金額を用いて、将来において重大な戻し入れが生じない範囲内で収益を認識しています。
また、当連結会計年度において、売上高に含められているその他の源泉から生じる収益は、138,352百万円です。当連結会計年度から米国子会社において開始された石油製品等のトレーディングから生じた収益であり、当該取引は販売業者としてのマージンを生み出すことを目的とし売買契約を締結し、短期間での売買を行っているため、IFRS第9号「金融商品」に基づきデリバティブとして会計処理を行っています。なお、このうち現物決済による取引については、売上高の総額を計上しています。この他に、国内子会社において、日本政府によるコロナ禍における「原油価格・物価高騰等総合緊急対策」に基づく施策である、「燃料油価格激変緩和対策事業」により受領する補助金について、IAS第20号「政府補助金の会計処理及び政府援助の開示」に基づき会計処理を行い、売上高に含めて表示しています。なお、前連結会計年度において、売上高に含められているその他の源泉から生じる収益はありません。
②石油・天然ガス開発事業
石油・天然ガス開発事業においては、原油、天然ガス、その他の鉱物資源等の販売を行っています。
これらの販売は、製品の支配が顧客に移転したとき、すなわち製品を顧客へ引き渡した時点で、製品の法的所有権、物的占有権、製品の所有に伴う重要なリスク及び経済価値が移転し、顧客から製品の対価を受ける権利を得るため、その時点で収益を認識します。また収益は、顧客との契約による取引価格に基づき認識しており、取引の対価は製品の引き渡し後1年以内に受け取るため、重大な金融要素を含んでいません。
③金属事業
金属事業においては、銅箔、精密圧延品、精密加工品、薄膜材料製品、銅精鉱等の原料鉱石、電気銅等の非鉄金属製品の販売を行っています。
これらの販売は、製品の支配が顧客に移転したとき、すなわち製品を顧客へ引き渡した時点で、製品の法的所有権、物的占有権、製品の所有に伴う重要なリスク及び経済価値が移転し、顧客から製品の対価を受ける権利を得るため、その時点で収益を認識します。また収益は、顧客との契約による取引価格に基づき認識しており、取引の対価は製品の引き渡し後1年以内に受け取るため、重大な金融要素を含んでいません。
なお、銅精鉱の販売契約には一般的に出荷時の仮価格条項が含まれており、最終的な価格は将来の一定期間のロンドン金属取引所(LME)の銅価格の月平均市場価格に基づき決定されます。このような仮価格販売は、価格決定月を限月とした商品先渡の性質を有する販売契約と考えられ、主契約を銅精鉱の販売とする組込デリバティブを含んでいます。出荷後の価格精算過程に関連した当該組込デリバティブは、主契約の対象が金融資産のため、IFRS第9号「金融商品」に従い、主契約から分離することなく、一体のものとして会計処理します。仮価格販売に係る収益は、受取対価の公正価値を出荷時の市場価格に基づき見積った上で認識し、報告期間の末日において再見積りを行います。出荷時点と報告期間の末日における公正価値の差額は収益の調整額として認識し、製錬業者及び工場へ売却され加工される銅精鉱の収益は、顧客により支払われる金属の市場価値から加工料(T/C(溶錬費)・R/C(精製費)等)を控除した金額で認識します。
④その他の事業
その他の事業の収益は、主に建設事業に関連するものです。
建設事業では、履行義務が一定期間にわたり充足される工事請負契約については、工事の進捗に伴い当該資産に対する支配が顧客に移転するため、対応する工事期間にわたり収益を認識します。収益は、工事の成果が信頼性をもって見積ることができる場合には、工事契約に必要な見積総原価に対する、現在までにかかった工事原価の割合に基づき測定します。また、長期の工事請負契約においては、契約時又は期間中に対価の一部を前受けで受領しています。
(2)顧客との契約から生じた債権、契約資産及び契約負債
顧客との契約により生じた債権、契約資産及び契約負債の内訳は以下のとおりです。
なお、連結財政状態計算書において、営業債権は営業債権及びその他債権に、契約資産はその他の流動資産に、契約負債はその他の流動負債にそれぞれ含まれています。
(単位:百万円)
前連結会計年度期首
(2020年4月1日)
前連結会計年度末
(2021年3月31日)
当連結会計年度末
(2022年3月31日)
営業債権(売掛金及び受取手形)867,746980,5471,251,446
契約資産54,48746,54942,778
契約負債17,83519,63015,862

契約資産は工事請負契約から生じる未請求の債権であり、支払に対する権利が無条件になった時点で債権へ振り替えられます。契約負債は契約に基づく履行に先だち受領した対価であり、当社が契約に基づき履行するにつれて(もしくは履行した時点で)収益に振り替えられます。
前連結会計年度及び当連結会計年度の期首現在の契約負債残高は、おおむね当該会計年度中の収益として認識しており、繰り越された金額に重要性はありません。また、前連結会計年度及び当連結会計年度において、過去の期間に充足した履行義務から認識した収益の額についても重要性はありません。
(3)残存履行義務に配分した取引価格
前連結会計年度及び当連結会計年度において、未充足(又は部分的に未充足)の履行義務に配分した取引価格の総額は、以下のとおりです。
(単位:百万円)
建設事業における工事契約等前連結会計年度
(2021年3月31日)
当連結会計年度
(2022年3月31日)
1年内134,318137,151
1年超~2年内53,34541,549
2年超74,74463,744
合計262,407242,444

前連結会計年度及び当連結会計年度の末時点で工事計画が確定していなかった契約の取引価格は、完工時期に基づき区分しています。
また、建設事業における工事契約以外にも当社グループで取り扱う一部製品の長期販売契約に基づく取引価格も含めています。なお、取引価格が販売時点の市況価格に基づく長期の販売契約もありますが、当連結会計年度末時点で見積もる金額に対して将来に重要な戻し入れが生じる可能性があるため記載していません。
IFRS第15号「顧客との契約から生じる収益」第121項の実務上の便法を適用し、当初の予想期間が1年以内の残存履行義務については上記の表に含めていません。
(4)契約コスト
前連結会計年度及び当連結会計年度において、顧客との契約の獲得又は履行のためのコストから認識した資産の額に重要性はありません。また、実務上の便法を適用し、償却期間が1年以内である場合には、契約コストを発生時に費用として認識しています。