有価証券報告書-第26期(2025/04/01-2026/03/31)
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度におけるアニコムグループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という)の状況の概要は以下のとおりです。
①経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、物価上昇や海外経済の不確実性の影響がみられたものの、企業収益の改善や雇用・所得環境の向上を背景に、個人消費は底堅く推移し、設備投資やインバウンド需要も回復するなど、内需を中心に景気は緩やかな回復基調で推移しました。一方で、物価動向の先行きに加え、中東情勢の緊迫化など地政学的リスクの高まりに伴うエネルギー価格の上昇や金融資本市場への影響が懸念されるなど、世界経済の先行きは不透明な状況が続いております。
このようななか、当社グループの中核子会社であるアニコム損害保険株式会社の重点施策と位置付けている「ペット保険の更なる収益力向上」に向け、堅調なペット飼育需要の継続に加え、販売チャネルの営業活動強化の様々な取組みや他社からの契約移管により、業績については堅調に推移しています。なお、当社グループの当連結会計年度の連結経営成績は次のとおりです。
保険引受収益64,103百万円(前期比8.9%増)、資産運用収益1,640百万円(同3.4%増)、新規事業等を含むその他経常収益8,103百万円(同12.0%増)を合計した経常収益は73,846百万円(同9.1%増)となりました。一方、保険引受費用46,620百万円(同11.2%増)、営業費及び一般管理費20,706百万円(同16.0%増)などを合計した経常費用は70,303百万円(同12.1%増)となりました。この結果、経常利益は3,543百万円(同28.3%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は2,204百万円(同32.1%減)となりました。
当社グループの事業セグメントは、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等(1)連結財務諸表(セグメント情報等)」に記載のとおり、“損害保険事業(ペット保険)”、“ペット向けインターネットサービス事業”、“動物病院運営事業”、“健康イノベーション事業”、“その他の事業”です。
最近2連結会計年度の経常収益をセグメント別に示すと、次のとおりです。
(注)当連結会計年度より、従来「ペット向けインターネットサービス事業」及び「その他」に含まれていた「動物病院運営事業」及び「健康イノベーション事業」について質的な重要性が高まったため報告セグメントとして記載する方法に変更しております。
なお、前連結会計年度のセグメント情報については、変更後の区分により作成しております。
<損害保険事業>損害保険事業の経常収益は、前年同期比5,338百万円増(同8.8%増)の65,817百万円となりました。
アニコム損害保険株式会社では、重点施策と位置付けている「ペット保険の更なる収益力向上」に向け、堅調なペット飼育需要の継続に加え、販売チャネルの営業活動強化の様々な取組みや他社からの契約移管により、新規契約件数は266,231件(前年同期比8.3%増)、保有契約件数は1,392,772件(前期末から104,849件の増加・同8.1%増)と堅調な伸長を継続しています。
[新規契約件数・保有契約件数の推移]

E/I損害率注1)については、ペットの平均寿命の伸長やどうぶつ医療の高度化、インフレの影響による診療費の高止まりなどにより、62.2%と前年同期比で1.6pt上昇いたしました。既経過保険料ベース事業費率注2)は、他社契約移管コストの発生によって、32.8%と前年同期比で0.5pt上昇いたしました。この結果、両者を合算したコンバインド・レシオ(既経過保険料ベース)は前年同期比で2.1pt上昇し95.0%となりました。
注1) E/I損害率:発生ベースでの損害率。
(正味支払保険金+支払備金増減額+損害調査費)÷既経過保険料にて算出。
注2) 既経過保険料ベース事業費率:発生ベースの保険料(既経過保険料)に対する発生ベースの事業費率。
損保事業費÷既経過保険料にて算出。
[E/I損害率・既経過事業費率の推移] [コンバインド・レシオの推移]

なお、保険引受業務、資産運用業務に関する2連結会計年度の比較並びに当連結会計年度のソルベンシー・マージン比率は、以下のとおりです。
(ⅰ)保険引受業務
アニコム損保における保険引受の実績は以下のとおりです。
(イ) 元受正味保険料(含む収入積立保険料)
(注)1.元受正味保険料(含む収入積立保険料)とは、元受保険料から元受解約返戻金及び元受その他返戻金を控除したものです。(積立型保険の積立保険料を含む)
2.諸数値はセグメント間の内部取引相殺後の金額であります。
(ロ) 正味収入保険料
(注)諸数値はセグメント間の内部取引相殺後の金額であります。
(ハ) 正味支払保険金
(注)諸数値はセグメント間の内部取引相殺後の金額であります。
(ⅱ)資産運用業務
アニコム損保の資産運用実績は以下のとおりです。
(イ) 運用資産
(ロ) 有価証券
(注) 「その他の証券」は、証券投資信託の受益証券等です。
(ハ) 利回り
運用資産利回り(インカム利回り)
(注) 平均運用額は、原則として各月末残高(取得原価または償却原価)の平均に基づいて算出しています。
(ニ) 資産運用利回り(実現利回り)
(注) 平均運用額(取得原価ベース)は原則として各月末残高(取得原価または償却原価)の平均に基づいて算出しています。
(ホ) 資産運用利回り(実現利回り)にその他有価証券の評価差額等を加味した時価ベースの利回り(時価総合利回り)は以下のとおりです。
なお、資産運用損益等(時価ベース)は、資産運用損益(実現ベース)にその他有価証券に係る評価差額(税効果控除前の金額による)の当期増加額を加算した金額です。
また、平均運用額(時価ベース)は、平均運用額(取得原価ベース)にその他有価証券に係る期首評価差額(税効果控除前の金額による)を加算した金額です。
(ⅲ)ソルベンシー・マージン比率
損害保険会社は、自然災害や市場の急変など、発生頻度は低いものの大きな損失が生じうるリスクに備え、十分な資本を保有しておく必要があります。そうした「通常の予測を超えるリスク」に対して、どれだけ支払余力(=ソルベンシー・マージン)を持っているか表したものがソルベンシー・マージン比率です。
この比率が100%以上あれば、その損害保険会社は必要な備えができているため一定の健全性が確保されていると評価されますが、100%を下回った場合には、早期是正措置により、金融庁長官によって早期に経営の健全性の回復を図るための措置がとられます。
2026年3月期末のソルベンシー・マージン比率につきましては、2026年7月末に発行予定のディスクロージャー誌において公表することを検討しています。
(イ)連結ベースのソルベンシー・マージン比率
国内保険持株会社は、保険業法施行規則第210条の11の3及び第210条の11の4ならびに令和7年金融庁告示第74号の規定に基づき、ソルベンシー・マージン比率を算出します。アニコム ホールディングス株式会社における2026年3月末のソルベンシー・マージン比率は、早期是正措置の発動基準である100%は上回る見込みです。
(ロ)単体ベースのソルベンシー・マージン比率
国内保険会社は、保険業法施行規則第86条及び第87条ならびに令和7年金融庁告示第74号の規定に基づき、ソルベンシー・マージン比率を算出します。アニコム損害保険株式会社における2026年3月末のソルベンシー・マージン比率は、早期是正措置の発動基準である100%は上回る見込みです。
<ペット向けインターネットサービス事業>ペット向けインターネットサービス事業の経常収益は、前年同期比30百万円増(同1.3%増)の2,270百万円となりました。株式会社シムネットにおいては、犬や猫を販売するブリーダーと飼い主のマッチングサイトや保護された犬や猫の譲渡の機会を提供する里親マッチングサイトの運営等の「ペット向けインターネットサービス事業」を行っております。同社が運営する「みんなのブリーダー」は日本最大のブリーダーマッチングサイトであり、このプラットフォームを活用することで、当社グループの中核事業である損害保険事業のペット保険契約件数の増加に向けた効果的・効率的な施策につなげるとともに、ブリーダーサポートサービスの拡大につなげています。
<動物病院運営事業>動物病院運営事業の経常収益は、前年同期比231百万円増(同10.7%増)の2,401百万円となりました。アニコム先進医療研究所株式会社においては、どうぶつ医療分野における基礎研究の推進、科学的根拠に基づく診療方法の確立及び、予防・先進医療の開発に向けた研究・臨床・開発等を行うとともに、地域獣医療のサポートとしての病院承継を行っております。同社では、自ら動物病院を運営し、予防から一次・二次診療を展開しておりますが、JARVISどうぶつ医療センター Tokyoについては、二次診療・夜間救急を中心とした高度動物医療を提供し、症例蓄積やグループ連携を通じて、予防から高度医療までを支える成長拠点を目指しております。
<健康イノベーション事業>健康イノベーション事業の経常収益は、前年同期比227百万円増(同65.8%増)の573百万円となりました。主にアニコム パフェ株式会社において、各検査をキーにした口腔・腸内ケア商材の開発及び販売を行っております。同社では、歯周病予防のためにMA-T™を利用した歯みがきジェル「CRYSTAL JOY」や、腸内フローラの多様性を高める「7Days Food」、愛犬・愛猫の食事を美味しく健康にサポートする「CARE PUREE」の販売を開始するとともに販路の開拓を進め、日々の口腔・腸内ケアによって病気の予防を目指しています。
<その他の事業>その他の事業の経常収益は、前年同期比335百万円増(同13.7%増)の2,783百万円となりました。
・動物病院支援事業
アニコム パフェ株式会社において、動物病院経営に必要となる顧客管理、レセプト精算、診療明細書の発行等の機能を有しているカルテ管理システム「アニコムレセプター」の開発、販売、保守等を行っており、当連結会計年度における経常収益は386百万円(前連結会計年度比10.6%増)となりました。
・保険代理店事業
アニコム パフェ株式会社において、ペット関連の取引先企業等に対して損害保険及び生命保険の募集・販売を行っており、当連結会計年度における経常収益は20百万円(前連結会計年度比39.3%増)となりました。
・遺伝子検査等事業
アニコム パフェ株式会社において、親と子の遺伝子検査を通じてペットが生まれてくる際の遺伝病を避けるべく、ペットショップ及びブリーダー向けに遺伝子検査の販売を行っております。加えて、どうぶつの健康チェックを目的とした腸内フローラ測定サービス(どうぶつ健活)の販売等を行っておりますが、遺伝子検査の検体受注の安定等により、当連結会計年度における経常収益は335百万円(前連結会計年度比4.6%増)となりました。
・その他事業
上記のほかに、アニコム パフェ株式会社において、ペットの健康に関する24時間365日の電話相談サービス「アニコム24」の提供、ペットを失った悲しみ(ペットロス)を支えるWEBサイト「アニコムメモリアル」の運営、動物関係者に特化した人材紹介サイト「アニジョブ」の運営等を行っており、株式会社フローエンスにおいて、ブリーディング事業を行っております。その結果、その他事業全体としての経常収益は2,041百万円(前連結会計年度比15.8%増)となっています。
②資産、負債及び資本の状況
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ4,198百万円増加して76,693百万円となりました。その主な要因は、有形固定資産の増加3,347百万円であります。また、資産運用効率の向上を図るため、現預金から有価証券へシフトいたしました。その結果、現預金が13,068百万円減少した一方で、有価証券が13,200百万円増加いたしました。
負債の部は、前連結会計年度末に比べ3,323百万円増加して47,751百万円となりました。その主な要因は、保険契約の増加に伴う保険契約準備金の増加2,305百万円及びその他負債の増加5,957百万円、社債の減少5,000百万円であります。
純資産の部は、前連結会計年度末に比べ875百万円増加して28,942百万円となりました。その主な要因は、利益剰余金の増加1,567百万円及び自己株式の増加999百万円によるものであります。
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末より13,518百万円減少し、9,092百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
保有契約の順調な増加により、責任準備金が1,721百万円増加したこと等により4,820百万円の収入となり、前連結会計年度に比べると1,580百万円の減少となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
16,666百万円の支出となりました。主に有価証券の取得による支出21,824百万円でありますが、前連結会計年度に比べると11,575百万円の支出の増加となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
前連結会計年度では271百万円の収入でしたが、自己株式の取得による支出1,016百万円などにより当連結会計年度では1,672百万円の支出となりました。
④生産、受注及び販売の実績
当社グループの業務の性質上、生産、受注及び販売の実績として把握することが困難であるため、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要」に記載しているとおり、経常収益の実績を記載しています。
(2) 経営成績等の状況に関する分析・検討内容
文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものです。
①経営数値目標に対する進捗
当社グループでは、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、主要経営数値目標と主要KPI目標を重要な経営上の指標としています。当連結会計年度は「中期経営計画2025-2027」の初年度に当たりますが、各経営目標指標に対する進捗は、次のとおりです。
<主要経営数値目標およびKPIに対する進捗>主要経営数値目標については、項目毎に進捗の強弱はあるものの、「中期経営計画2025-2027」の初年度として全体的に計画線上の進捗となりました。
保険事業については、損害率の上昇や他社契約移管手数料の発生による事業費率の上昇により、コンバインド・レシオは上昇いたしました。
当社グループでは、ROEについて、「中期経営計画2025-2027」の中では、ROE12%水準を掲げておりますが、当連結会計年度のROEについては7.7%となりました。

当社の直近の株主資本コストである7.0%(※)と比較すると0.7ポイントのエクイティ・スプレッド(「ROE>資本コスト」)の水準となっています。今後もペット保険事業に加え、保険以外の事業の収益性や投資効率の改善を図ることで資本効率の向上を図りたいと考えています。
(※)当社株主資本コストの算出
株主資本コストの算出には資本資産評価モデル(CAPM)を使用し、国債などの安定資産の期待収益率、株式市場のリスクプレミアムに当社の株価変動率及び株式市場全体の変動率を加味した数値を用いて推計しています。
(株主)資本コスト = Rf(リスクフリーレート) + β(ベータ値) × マーケット・リスクプレミアム
(対TOPIX過去5年週次)
7.0% = 2.38% + 0.827 × 5.53%
[経常収益・経常利益の推移] [ROEの推移]
経常収益 経常利益

②財政状態の分析
当社グループの当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは4,820百万円であり、当連結会計年度末の現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、9,092百万円となりました。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、財務体質の健全性を維持しつつ、適切な資本配分による資本効率の改善と企業価値向上の実現に向け、営業キャッシュ・フローにより得られた資金を、再投資として、財務価値・非財務価値の双方に貢献度の高い案件(事業拡大投資+サステナビリティ投資)に優先的に配分すると同時に、段階的な株主還元の改善を図り、投資と還元のバランスに配慮した配分としています。
③重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しています。その作成には、経営者による会計方針の選択適用、合理的な見積りを必要としますが、実際には見積りと異なる結果となることもあります。
当社の連結財務諸表で採用する重要な会計方針は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載していますが、特に以下の項目については、連結財務諸表に大きな影響を及ぼすと考えています。
a.有価証券の減損
売買目的有価証券以外の有価証券について、時価若しくは実質価額が取得原価に比べて著しく下落した場合、回復する見込みがあると認められるものを除き、減損処理を行っています。
b.支払備金
保険契約に基づいて支払義務が発生したと認められる保険金等のうち、未だ支払っていない金額を見積り、支払備金として積み立てています。このうち既発生未報告損害に対する支払備金については、主に統計的見積法により算出しております。各事象の将来における状況変化などにより、支払備金の計上額が、将来の保険金支払額と異なる可能性があります。
c.責任準備金
保険契約に基づく将来における債務の履行に備えるため、責任準備金等を積み立てています。当初想定した環境や条件等が大きく変化し、責任準備金等を上回る支払が発生する可能性があります。
d.固定資産の減損
固定資産については、のれんを含む資産グループに減損の兆候があり、かつ、当該資産グループに係る割引前将来キャッシュ・フローの合計が当該資産グループの帳簿価額を下回る場合に、減損損失を計上することとしております。
減損の兆候把握及び減損損失の認識判定に当たっては、各資産グループが使用されている事業の将来利益やキャッシュ・フローを予測する必要があり、これらの予測に当たっての主要な仮定は、各事業を取り巻く経営環境の変化や事業戦略の成否によって影響を受けるため、不確実性を伴うものであります。したがって、これらの仮定が変化した場合には、当連結会計年度末において減損損失の計上を不要と判断したのれんを含む資産グループについて、減損損失を計上する必要が生じる可能性があります。
なお、のれんの評価に関する算出方法等、主要な仮定については、「第5経理の状況 1連結財務諸表等 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
e.繰延税金資産及び繰延税金負債
繰延税金資産及び繰延税金負債については、「税効果会計に係る会計基準(平成10年10月30日企業会計審議会)」に基づき回収可能と認められる額を計上しています。
当連結会計年度におけるアニコムグループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という)の状況の概要は以下のとおりです。
①経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、物価上昇や海外経済の不確実性の影響がみられたものの、企業収益の改善や雇用・所得環境の向上を背景に、個人消費は底堅く推移し、設備投資やインバウンド需要も回復するなど、内需を中心に景気は緩やかな回復基調で推移しました。一方で、物価動向の先行きに加え、中東情勢の緊迫化など地政学的リスクの高まりに伴うエネルギー価格の上昇や金融資本市場への影響が懸念されるなど、世界経済の先行きは不透明な状況が続いております。
このようななか、当社グループの中核子会社であるアニコム損害保険株式会社の重点施策と位置付けている「ペット保険の更なる収益力向上」に向け、堅調なペット飼育需要の継続に加え、販売チャネルの営業活動強化の様々な取組みや他社からの契約移管により、業績については堅調に推移しています。なお、当社グループの当連結会計年度の連結経営成績は次のとおりです。
保険引受収益64,103百万円(前期比8.9%増)、資産運用収益1,640百万円(同3.4%増)、新規事業等を含むその他経常収益8,103百万円(同12.0%増)を合計した経常収益は73,846百万円(同9.1%増)となりました。一方、保険引受費用46,620百万円(同11.2%増)、営業費及び一般管理費20,706百万円(同16.0%増)などを合計した経常費用は70,303百万円(同12.1%増)となりました。この結果、経常利益は3,543百万円(同28.3%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は2,204百万円(同32.1%減)となりました。
当社グループの事業セグメントは、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等(1)連結財務諸表(セグメント情報等)」に記載のとおり、“損害保険事業(ペット保険)”、“ペット向けインターネットサービス事業”、“動物病院運営事業”、“健康イノベーション事業”、“その他の事業”です。
最近2連結会計年度の経常収益をセグメント別に示すと、次のとおりです。
| セグメントの名称 | 前連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) | 対前年増減(△)率 | |
| 金額(百万円) | 金額(百万円) | (%) | ||
| 損害保険事業(ペット保険) | 60,479 | 65,817 | 8.8 | |
| 損害保険(アニコム損害保険㈱) | 60,479 | 65,817 | 8.8 | |
| (うち正味収入保険料) | 58,862 | 64,103 | 8.9 | |
| ペット向けインターネットサービス事業 | 2,240 | 2,270 | 1.3 | |
| 動物病院運営事業 | 2,169 | 2,401 | 10.7 | |
| 健康イノベーション事業 | 346 | 573 | 65.8 | |
| その他の事業 | 2,447 | 2,783 | 13.7 | |
| 動物病院支援 | 349 | 386 | 10.6 | |
| 保険代理店 | 14 | 20 | 39.3 | |
| 遺伝子検査等 | 320 | 335 | 4.6 | |
| その他 | 1,762 | 2,041 | 15.8 | |
| 合計 | 67,683 | 73,846 | 9.1 | |
(注)当連結会計年度より、従来「ペット向けインターネットサービス事業」及び「その他」に含まれていた「動物病院運営事業」及び「健康イノベーション事業」について質的な重要性が高まったため報告セグメントとして記載する方法に変更しております。
なお、前連結会計年度のセグメント情報については、変更後の区分により作成しております。
<損害保険事業>損害保険事業の経常収益は、前年同期比5,338百万円増(同8.8%増)の65,817百万円となりました。
アニコム損害保険株式会社では、重点施策と位置付けている「ペット保険の更なる収益力向上」に向け、堅調なペット飼育需要の継続に加え、販売チャネルの営業活動強化の様々な取組みや他社からの契約移管により、新規契約件数は266,231件(前年同期比8.3%増)、保有契約件数は1,392,772件(前期末から104,849件の増加・同8.1%増)と堅調な伸長を継続しています。
[新規契約件数・保有契約件数の推移]

E/I損害率注1)については、ペットの平均寿命の伸長やどうぶつ医療の高度化、インフレの影響による診療費の高止まりなどにより、62.2%と前年同期比で1.6pt上昇いたしました。既経過保険料ベース事業費率注2)は、他社契約移管コストの発生によって、32.8%と前年同期比で0.5pt上昇いたしました。この結果、両者を合算したコンバインド・レシオ(既経過保険料ベース)は前年同期比で2.1pt上昇し95.0%となりました。
注1) E/I損害率:発生ベースでの損害率。
(正味支払保険金+支払備金増減額+損害調査費)÷既経過保険料にて算出。
注2) 既経過保険料ベース事業費率:発生ベースの保険料(既経過保険料)に対する発生ベースの事業費率。
損保事業費÷既経過保険料にて算出。
[E/I損害率・既経過事業費率の推移] [コンバインド・レシオの推移]

なお、保険引受業務、資産運用業務に関する2連結会計年度の比較並びに当連結会計年度のソルベンシー・マージン比率は、以下のとおりです。
(ⅰ)保険引受業務
アニコム損保における保険引受の実績は以下のとおりです。
(イ) 元受正味保険料(含む収入積立保険料)
| 区分 | 前連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) | ||||
| 金額 (百万円) | 構成比 (%) | 対前年増減(△)率 (%) | 金額 (百万円) | 構成比 (%) | 対前年増減(△)率 (%) | |
| ペット保険 | 58,836 | 100.0 | 8.4 | 64,042 | 100.0 | 8.8 |
| 合計 | 58,836 | 100.0 | 8.4 | 64,042 | 100.0 | 8.8 |
| (うち収入積立保険料) | (-) | (-) | (-) | (-) | (-) | (-) |
(注)1.元受正味保険料(含む収入積立保険料)とは、元受保険料から元受解約返戻金及び元受その他返戻金を控除したものです。(積立型保険の積立保険料を含む)
2.諸数値はセグメント間の内部取引相殺後の金額であります。
(ロ) 正味収入保険料
| 区分 | 前連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) | ||||
| 金額 (百万円) | 構成比 (%) | 対前年増減(△)率 (%) | 金額 (百万円) | 構成比 (%) | 対前年増減(△)率 (%) | |
| ペット保険 | 58,862 | 100.0 | 8.5 | 64,103 | 100.0 | 8.9 |
| 合計 | 58,862 | 100.0 | 8.5 | 64,103 | 100.0 | 8.9 |
(注)諸数値はセグメント間の内部取引相殺後の金額であります。
(ハ) 正味支払保険金
| 区分 | 前連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) | ||||
| 金額 (百万円) | 構成比 (%) | 対前年増減(△)率 (%) | 金額 (百万円) | 構成比 (%) | 対前年増減(△)率 (%) | |
| ペット保険 | 33,345 | 100.0 | 9.3 | 37,213 | 100.0 | 11.6 |
| 合計 | 33,345 | 100.0 | 9.3 | 37,213 | 100.0 | 11.6 |
(注)諸数値はセグメント間の内部取引相殺後の金額であります。
(ⅱ)資産運用業務
アニコム損保の資産運用実績は以下のとおりです。
(イ) 運用資産
| 区分 | 前連結会計年度 (2025年3月31日現在) | 当連結会計年度 (2026年3月31日現在) | ||
| 金額(百万円) | 構成比(%) | 金額(百万円) | 構成比(%) | |
| 預貯金 | 15,423 | 27.9 | 8,281 | 13.0 |
| コールローン | - | - | - | - |
| 買入金銭債権 | - | - | - | - |
| 有価証券 | 29,419 | 53.3 | 42,626 | 67.0 |
| 貸付金 | 44 | 0.1 | - | - |
| 土地・建物 | 1,372 | 2.5 | 2,720 | 4.3 |
| 運用資産計 | 46,260 | 83.8 | 53,628 | 84.3 |
| 総資産 | 55,217 | 100.0 | 63,584 | 100.0 |
(ロ) 有価証券
| 区分 | 前連結会計年度 (2025年3月31日現在) | 当連結会計年度 (2026年3月31日現在) | ||
| 金額(百万円) | 構成比(%) | 金額(百万円) | 構成比(%) | |
| 国債 | - | - | 6,876 | 16.1 |
| 地方債 | 4,488 | 15.3 | 5,486 | 12.9 |
| 社債 | 4,428 | 15.1 | 5,201 | 12.2 |
| 株式 | 2,369 | 8.1 | 3,312 | 7.8 |
| 外国証券 | - | - | - | - |
| その他の証券 | 18,133 | 61.6 | 21,749 | 51.0 |
| 合計 | 29,419 | 100.0 | 42,626 | 100.0 |
(注) 「その他の証券」は、証券投資信託の受益証券等です。
(ハ) 利回り
運用資産利回り(インカム利回り)
| 区分 | 前連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) | ||||
| 収入金額 (百万円) | 平均運用額 (百万円) | 年利回り (%) | 収入金額 (百万円) | 平均運用額 (百万円) | 年利回り (%) | |
| 預貯金 | 9 | 14,482 | 0.1 | 38 | 13,670 | 0.3 |
| コールローン | - | - | - | - | - | - |
| 買入金銭債権 | - | - | - | - | - | - |
| 有価証券 | 728 | 30,235 | 2.4 | 805 | 34,021 | 2.4 |
| 貸付金 | 0 | 45 | 1.4 | 0 | 18 | 1.8 |
| 土地・建物 | 41 | 1,373 | 3.0 | 42 | 2,124 | 2.0 |
| 小計 | 780 | 46,137 | 1.7 | 887 | 49,835 | 1.8 |
| その他 | - | - | - | - | - | - |
| 合計 | 780 | - | - | 887 | - | - |
(注) 平均運用額は、原則として各月末残高(取得原価または償却原価)の平均に基づいて算出しています。
(ニ) 資産運用利回り(実現利回り)
| 区分 | 前連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) | ||||
| 資産運用損益 (実現ベース) (百万円) | 平均運用額 (取得原価ベース) (百万円) | 年利回り (%) | 資産運用損益 (実現ベース) (百万円) | 平均運用額 (取得原価ベース) (百万円) | 年利回り (%) | |
| 預貯金 | 9 | 14,482 | 0.1 | 38 | 13,670 | 0.3 |
| コールローン | - | - | - | - | - | - |
| 買入金銭債権 | - | - | - | - | - | - |
| 有価証券 | 1,274 | 30,235 | 4.2 | 1,516 | 34,021 | 4.5 |
| 貸付金 | 0 | 45 | 0.1 | 0 | 18 | 0.4 |
| 土地・建物 | 41 | 1,373 | 3.0 | 42 | 2,124 | 2.0 |
| その他 | - | - | - | - | - | - |
| 合計 | 1,325 | 46,137 | 2.9 | 1,598 | 49,835 | 3.2 |
(注) 平均運用額(取得原価ベース)は原則として各月末残高(取得原価または償却原価)の平均に基づいて算出しています。
(ホ) 資産運用利回り(実現利回り)にその他有価証券の評価差額等を加味した時価ベースの利回り(時価総合利回り)は以下のとおりです。
なお、資産運用損益等(時価ベース)は、資産運用損益(実現ベース)にその他有価証券に係る評価差額(税効果控除前の金額による)の当期増加額を加算した金額です。
また、平均運用額(時価ベース)は、平均運用額(取得原価ベース)にその他有価証券に係る期首評価差額(税効果控除前の金額による)を加算した金額です。
| 区分 | 前連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) | ||||
| 資産運用損益等 (時価ベース) (百万円) | 平均運用額 (時価ベース) (百万円) | 年利回り (%) | 資産運用損益等 (時価ベース) (百万円) | 平均運用額 (時価ベース) (百万円) | 年利回り (%) | |
| 預貯金 | 9 | 14,482 | 0.1 | 38 | 13,670 | 0.3 |
| コールローン | - | - | - | - | - | - |
| 買入金銭債権 | - | - | - | - | - | - |
| 有価証券 | 311 | 28,501 | 1.1 | 1,950 | 31,324 | 6.2 |
| 貸付金 | 0 | 45 | 0.1 | 0 | 18 | 0.4 |
| 土地・建物 | 41 | 1,373 | 3.0 | 42 | 2,124 | 2.0 |
| その他 | - | - | - | - | - | - |
| 合計 | 362 | 44,402 | 0.8 | 2,031 | 47,138 | 4.3 |
(ⅲ)ソルベンシー・マージン比率
損害保険会社は、自然災害や市場の急変など、発生頻度は低いものの大きな損失が生じうるリスクに備え、十分な資本を保有しておく必要があります。そうした「通常の予測を超えるリスク」に対して、どれだけ支払余力(=ソルベンシー・マージン)を持っているか表したものがソルベンシー・マージン比率です。
この比率が100%以上あれば、その損害保険会社は必要な備えができているため一定の健全性が確保されていると評価されますが、100%を下回った場合には、早期是正措置により、金融庁長官によって早期に経営の健全性の回復を図るための措置がとられます。
2026年3月期末のソルベンシー・マージン比率につきましては、2026年7月末に発行予定のディスクロージャー誌において公表することを検討しています。
(イ)連結ベースのソルベンシー・マージン比率
国内保険持株会社は、保険業法施行規則第210条の11の3及び第210条の11の4ならびに令和7年金融庁告示第74号の規定に基づき、ソルベンシー・マージン比率を算出します。アニコム ホールディングス株式会社における2026年3月末のソルベンシー・マージン比率は、早期是正措置の発動基準である100%は上回る見込みです。
(ロ)単体ベースのソルベンシー・マージン比率
国内保険会社は、保険業法施行規則第86条及び第87条ならびに令和7年金融庁告示第74号の規定に基づき、ソルベンシー・マージン比率を算出します。アニコム損害保険株式会社における2026年3月末のソルベンシー・マージン比率は、早期是正措置の発動基準である100%は上回る見込みです。
<ペット向けインターネットサービス事業>ペット向けインターネットサービス事業の経常収益は、前年同期比30百万円増(同1.3%増)の2,270百万円となりました。株式会社シムネットにおいては、犬や猫を販売するブリーダーと飼い主のマッチングサイトや保護された犬や猫の譲渡の機会を提供する里親マッチングサイトの運営等の「ペット向けインターネットサービス事業」を行っております。同社が運営する「みんなのブリーダー」は日本最大のブリーダーマッチングサイトであり、このプラットフォームを活用することで、当社グループの中核事業である損害保険事業のペット保険契約件数の増加に向けた効果的・効率的な施策につなげるとともに、ブリーダーサポートサービスの拡大につなげています。
<動物病院運営事業>動物病院運営事業の経常収益は、前年同期比231百万円増(同10.7%増)の2,401百万円となりました。アニコム先進医療研究所株式会社においては、どうぶつ医療分野における基礎研究の推進、科学的根拠に基づく診療方法の確立及び、予防・先進医療の開発に向けた研究・臨床・開発等を行うとともに、地域獣医療のサポートとしての病院承継を行っております。同社では、自ら動物病院を運営し、予防から一次・二次診療を展開しておりますが、JARVISどうぶつ医療センター Tokyoについては、二次診療・夜間救急を中心とした高度動物医療を提供し、症例蓄積やグループ連携を通じて、予防から高度医療までを支える成長拠点を目指しております。
<健康イノベーション事業>健康イノベーション事業の経常収益は、前年同期比227百万円増(同65.8%増)の573百万円となりました。主にアニコム パフェ株式会社において、各検査をキーにした口腔・腸内ケア商材の開発及び販売を行っております。同社では、歯周病予防のためにMA-T™を利用した歯みがきジェル「CRYSTAL JOY」や、腸内フローラの多様性を高める「7Days Food」、愛犬・愛猫の食事を美味しく健康にサポートする「CARE PUREE」の販売を開始するとともに販路の開拓を進め、日々の口腔・腸内ケアによって病気の予防を目指しています。
<その他の事業>その他の事業の経常収益は、前年同期比335百万円増(同13.7%増)の2,783百万円となりました。
・動物病院支援事業
アニコム パフェ株式会社において、動物病院経営に必要となる顧客管理、レセプト精算、診療明細書の発行等の機能を有しているカルテ管理システム「アニコムレセプター」の開発、販売、保守等を行っており、当連結会計年度における経常収益は386百万円(前連結会計年度比10.6%増)となりました。
・保険代理店事業
アニコム パフェ株式会社において、ペット関連の取引先企業等に対して損害保険及び生命保険の募集・販売を行っており、当連結会計年度における経常収益は20百万円(前連結会計年度比39.3%増)となりました。
・遺伝子検査等事業
アニコム パフェ株式会社において、親と子の遺伝子検査を通じてペットが生まれてくる際の遺伝病を避けるべく、ペットショップ及びブリーダー向けに遺伝子検査の販売を行っております。加えて、どうぶつの健康チェックを目的とした腸内フローラ測定サービス(どうぶつ健活)の販売等を行っておりますが、遺伝子検査の検体受注の安定等により、当連結会計年度における経常収益は335百万円(前連結会計年度比4.6%増)となりました。
・その他事業
上記のほかに、アニコム パフェ株式会社において、ペットの健康に関する24時間365日の電話相談サービス「アニコム24」の提供、ペットを失った悲しみ(ペットロス)を支えるWEBサイト「アニコムメモリアル」の運営、動物関係者に特化した人材紹介サイト「アニジョブ」の運営等を行っており、株式会社フローエンスにおいて、ブリーディング事業を行っております。その結果、その他事業全体としての経常収益は2,041百万円(前連結会計年度比15.8%増)となっています。
②資産、負債及び資本の状況
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ4,198百万円増加して76,693百万円となりました。その主な要因は、有形固定資産の増加3,347百万円であります。また、資産運用効率の向上を図るため、現預金から有価証券へシフトいたしました。その結果、現預金が13,068百万円減少した一方で、有価証券が13,200百万円増加いたしました。
負債の部は、前連結会計年度末に比べ3,323百万円増加して47,751百万円となりました。その主な要因は、保険契約の増加に伴う保険契約準備金の増加2,305百万円及びその他負債の増加5,957百万円、社債の減少5,000百万円であります。
純資産の部は、前連結会計年度末に比べ875百万円増加して28,942百万円となりました。その主な要因は、利益剰余金の増加1,567百万円及び自己株式の増加999百万円によるものであります。
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末より13,518百万円減少し、9,092百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
保有契約の順調な増加により、責任準備金が1,721百万円増加したこと等により4,820百万円の収入となり、前連結会計年度に比べると1,580百万円の減少となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
16,666百万円の支出となりました。主に有価証券の取得による支出21,824百万円でありますが、前連結会計年度に比べると11,575百万円の支出の増加となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
前連結会計年度では271百万円の収入でしたが、自己株式の取得による支出1,016百万円などにより当連結会計年度では1,672百万円の支出となりました。
④生産、受注及び販売の実績
当社グループの業務の性質上、生産、受注及び販売の実績として把握することが困難であるため、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要」に記載しているとおり、経常収益の実績を記載しています。
(2) 経営成績等の状況に関する分析・検討内容
文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものです。
①経営数値目標に対する進捗
当社グループでは、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、主要経営数値目標と主要KPI目標を重要な経営上の指標としています。当連結会計年度は「中期経営計画2025-2027」の初年度に当たりますが、各経営目標指標に対する進捗は、次のとおりです。
<主要経営数値目標およびKPIに対する進捗>主要経営数値目標については、項目毎に進捗の強弱はあるものの、「中期経営計画2025-2027」の初年度として全体的に計画線上の進捗となりました。
保険事業については、損害率の上昇や他社契約移管手数料の発生による事業費率の上昇により、コンバインド・レシオは上昇いたしました。
当社グループでは、ROEについて、「中期経営計画2025-2027」の中では、ROE12%水準を掲げておりますが、当連結会計年度のROEについては7.7%となりました。

当社の直近の株主資本コストである7.0%(※)と比較すると0.7ポイントのエクイティ・スプレッド(「ROE>資本コスト」)の水準となっています。今後もペット保険事業に加え、保険以外の事業の収益性や投資効率の改善を図ることで資本効率の向上を図りたいと考えています。
(※)当社株主資本コストの算出
株主資本コストの算出には資本資産評価モデル(CAPM)を使用し、国債などの安定資産の期待収益率、株式市場のリスクプレミアムに当社の株価変動率及び株式市場全体の変動率を加味した数値を用いて推計しています。
(株主)資本コスト = Rf(リスクフリーレート) + β(ベータ値) × マーケット・リスクプレミアム
(対TOPIX過去5年週次)
7.0% = 2.38% + 0.827 × 5.53%
[経常収益・経常利益の推移] [ROEの推移]
経常収益 経常利益

②財政状態の分析
当社グループの当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは4,820百万円であり、当連結会計年度末の現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、9,092百万円となりました。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、財務体質の健全性を維持しつつ、適切な資本配分による資本効率の改善と企業価値向上の実現に向け、営業キャッシュ・フローにより得られた資金を、再投資として、財務価値・非財務価値の双方に貢献度の高い案件(事業拡大投資+サステナビリティ投資)に優先的に配分すると同時に、段階的な株主還元の改善を図り、投資と還元のバランスに配慮した配分としています。
③重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しています。その作成には、経営者による会計方針の選択適用、合理的な見積りを必要としますが、実際には見積りと異なる結果となることもあります。
当社の連結財務諸表で採用する重要な会計方針は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載していますが、特に以下の項目については、連結財務諸表に大きな影響を及ぼすと考えています。
a.有価証券の減損
売買目的有価証券以外の有価証券について、時価若しくは実質価額が取得原価に比べて著しく下落した場合、回復する見込みがあると認められるものを除き、減損処理を行っています。
b.支払備金
保険契約に基づいて支払義務が発生したと認められる保険金等のうち、未だ支払っていない金額を見積り、支払備金として積み立てています。このうち既発生未報告損害に対する支払備金については、主に統計的見積法により算出しております。各事象の将来における状況変化などにより、支払備金の計上額が、将来の保険金支払額と異なる可能性があります。
c.責任準備金
保険契約に基づく将来における債務の履行に備えるため、責任準備金等を積み立てています。当初想定した環境や条件等が大きく変化し、責任準備金等を上回る支払が発生する可能性があります。
d.固定資産の減損
固定資産については、のれんを含む資産グループに減損の兆候があり、かつ、当該資産グループに係る割引前将来キャッシュ・フローの合計が当該資産グループの帳簿価額を下回る場合に、減損損失を計上することとしております。
減損の兆候把握及び減損損失の認識判定に当たっては、各資産グループが使用されている事業の将来利益やキャッシュ・フローを予測する必要があり、これらの予測に当たっての主要な仮定は、各事業を取り巻く経営環境の変化や事業戦略の成否によって影響を受けるため、不確実性を伴うものであります。したがって、これらの仮定が変化した場合には、当連結会計年度末において減損損失の計上を不要と判断したのれんを含む資産グループについて、減損損失を計上する必要が生じる可能性があります。
なお、のれんの評価に関する算出方法等、主要な仮定については、「第5経理の状況 1連結財務諸表等 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
e.繰延税金資産及び繰延税金負債
繰延税金資産及び繰延税金負債については、「税効果会計に係る会計基準(平成10年10月30日企業会計審議会)」に基づき回収可能と認められる額を計上しています。