有価証券報告書-第68期(平成29年6月1日-平成30年5月31日)

【提出】
2018/08/22 14:45
【資料】
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【項目】
95項目
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は以下のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
a.財政状態
当連結会計年度末の資産残高につきましては、前連結会計年度末と比較して現金及び預金が8億8百万円増加したこと等により、流動資産は全体で9億13百万円増加しました。一方固定資産は、建物及び構築物が56百万円、機械及び装置が96百万円増加したものの、投資有価証券が1億58百万円減少したこと等により、全体で5百万円減少しました。その結果、資産総額は前連結会計年度末と比較して9億7百万円増加し、185億82百万円となりました。
負債残高につきましては、前連結会計年度末と比較して短期借入金が6億30百万円増加したこと等により、流動負債が全体で5億39百万円増加しました。一方固定負債は、長期借入金が13億24百万円減少したこと等により、全体で12億71百万円減少しました。その結果、負債総額は、前連結会計年度末と比較して7億32百万円減少し、141億14百万円となりました。
純資産残高につきましては、前連結会計年度末と比較して増資により資本金が6億1百万円、資本剰余金が6億1百万円増加したこと、利益剰余金が5億2百万円増加したこと等により、16億39百万円増加し、44億67百万円となりました。
b.経営成績
当連結会計年度におけるわが国経済は、企業収益や雇用環境が改善するなど、景気は緩やかな回復基調で推移しましたが、欧米諸国の政策動向やアジアでの地政学的リスクが懸念されるなど、先行きは不透明な状況が続いております。
当社グループの主要販売先である外食産業におきましては、依然として消費者の節約志向・低価格志向は根強く、さらに人手不足による人件費や物流費の上昇などにより、厳しい経営環境が継続しております。
このような環境のなか、当社グループでは業務用食品等の卸売事業である「外商事業」において、新規開拓の強化に加え、既存得意先との取引拡大や前連結会計年度に獲得した新規得意先が寄与し、売上が伸長いたしました。また、業務用食品等の小売事業である「アミカ事業」において、新規店舗を開業するとともに、品揃えの充実化や営業活動の強化など、来店客数の増加に向けた取り組みを進めてまいりました。
両事業におきましては、収益性の向上を図るため、当社プライベートブランド商品である「O!Marche
(オーマルシェ)」、「プロの選択」や業務用食品販売事業者の共同オリジナルブランド商品である「JFDA
(ジェフダ)」の販売強化と全社的な業務の効率化を継続して行ってまいりました。
さらに、水産品の卸売事業である「水産品事業」では、連結子会社である株式会社マリンデリカにおいて、既存得意先との深耕を図るとともに、新規得意先の開拓など販路の拡大に取り組んでまいりました。
この結果、当連結会計年度の売上高は605億64百万円(前期比7.6%増)、営業利益は9億6百万円(前期比14.4%増)、経常利益は9億34百万円(前期比14.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は5億79百万円(前期比40.4%増)となりました。
なお、セグメントごとの販売実績は、次のとおりであります。
セグメントの名称第67期
(自 平成28年6月1日
至 平成29年5月31日)
第68期
(自 平成29年6月1日
至 平成30年5月31日)
増減
金額構成比金額構成比金額増減率
千円%千円%千円%
外商事業36,422,77264.740,446,57966.84,023,80611.0
アミカ事業18,229,24932.418,505,38230.6276,1321.5
水産品事業1,746,7983.11,715,8832.8△30,915△1.8
報告セグメント計56,398,820100.260,667,844100.24,269,0247.6
その他16,4630.016,6060.01430.9
セグメント間の内部売上高又は振替高△115,685△0.2△120,282△0.2△4,597-
合計56,299,598100.060,564,169100.04,264,5707.6

(外商事業)
当事業におきましては、商品提案会を実施するなど、既存得意先との深耕に努めるとともに、大手外食チェーンやホテル、レストランなど多様な外食産業に対する新規開拓に注力してまいりました。また、提案型営業を強化するため商品知識の向上に取り組むほか、業務の効率化による人件費の削減や物流費をはじめとした経費の抑制に取り組み、収益性の向上を図ってまいりました。
この結果、外商事業の売上高は404億46百万円(前期比11.0%増)、営業利益は3億65百万円(前期比21.1%増)となりました。
(アミカ事業)
当事業におきましては、それぞれの店舗において、品揃えの充実やメーカーフェアー等の販売施策の展開、近隣飲食店等への営業活動の強化などに注力したことに加え、新規店舗やネットショップが寄与し、売上が伸長いたしました。新規出店については、平成29年12月に福井文京店(福井県福井市)、平成30年4月に掛川店(静岡県掛川市)を開業いたしました。
この結果、アミカ事業の売上高は185億5百万円(前期比1.5%増)、営業利益は14億34百万円(前期比3.2%減)となりました。
なお、当連結会計年度末の店舗数は、愛知県・岐阜県を中心として45店舗であります。
(水産品事業)
当事業におきましては、連結子会社である株式会社マリンデリカにおいて、大手水産会社をはじめとする既存得意先との深耕を図るとともに、海外を含めた新規得意先の開拓など、国内外への販路拡大に努めてまいりました。また、採算管理の徹底や経費抑制に取り組み収益改善に努めるとともに、外商事業及びアミカ事業と連携し当社グループの水産品ラインナップ強化を推進してまいりました。
この結果、水産品事業の売上高は17億15百万円(前期比1.8%減)、営業利益は65百万円(前期は営業損失46百万円)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは13億89百万円の収入となりました。これは、税金等調整前当期純利益8億53百万円、減価償却費4億76百万円の計上等によるものであります。
投資活動によるキャッシュ・フローは5億21百万円の支出となりました。これは、有形固定資産の取得による支出5億70百万円等によるものであります。
財務活動によるキャッシュ・フローは58百万円の支出となりました。これは、短期借入金の純増額6億30百万円、株式の発行による収入12億2百万円があったものの、長期借入金の返済による支出17億64百万円等によるものであります。
これらに換算差額を合わせた結果、現金及び現金同等物は前連結会計年度末に比べ8億8百万円増加し、11億97百万円となりました。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社は生産活動を行っておりませんので、該当事項はありません。
b.仕入実績
当連結会計年度の仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 平成29年6月1日
至 平成30年5月31日)
前年同期比(%)
外商事業(千円)35,253,547110.2
アミカ事業(千円)12,580,132100.7
水産品事業(千円)1,632,304140.7
合計(千円)49,465,984108.4

(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 平成29年6月1日
至 平成30年5月31日)
前年同期比(%)
外商事業(千円)40,446,579111.0
アミカ事業(千円)18,505,382101.5
水産品事業(千円)1,715,88398.2
報告セグメント計(千円)60,667,844107.6
その他(千円)16,606100.9
セグメント間の内部売上高又は振替高 (千円)△120,282-
合計(千円)60,564,169107.6

(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たりましては、決算日における資産・負債の報告数値及び報告期間における収入・費用の報告数値に影響を与える見積りは、主に固定資産の減損、繰延税金資産の回収可能性、貸倒引当金、退職給付に係る負債であり、継続的な評価を行っております。
なお、見積り及び判断・評価につきましては、過去の実績や状況に応じて合理的と考えられる要因等に基づき行っておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は異なる場合があります。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の経営成績等は次のとおりであります。
a.経営成績等の状況
当社グループの当連結会計年度の売上高は、外商事業における既存得意先との取引拡大やアミカ事業における新規開業店舗による増収などが寄与し、前連結会計年度と比較して42億64百万円増加し605億64百万円となりました。売上総利益は、売上高の増加に伴い7億48百万円増加し112億80百万円、営業利益は、売上総利益の増加に加え経費抑制の取組みを通じ1億13百万円増加し9億6百万円、経常利益は、1億17百万円増加し9億34百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は1億66百万円増加し5億79百万円となりました。
b.経営成績に重要な影響を与える要因について
「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
c.資本の財源及び資金の流動性についての分析
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは13億89百万円の収入となりました。これは、税金等調整前当期純利益8億53百万円、減価償却費4億76百万円の計上等によるものであります。
投資活動によるキャッシュ・フローは5億21百万円の支出となりました。これは、有形固定資産の取得による支出5億70百万円等によるものであります。
財務活動によるキャッシュ・フローは58百万円の支出となりました。これは、短期借入金の純増額6億30百万円、株式の発行による収入12億2百万円があったものの、長期借入金の返済による支出17億64百万円等によるものであります。
当社グループは、営業活動及び債務の返済などの資金需要に備え十分な資金を確保するために、資金調達及び流動性の確保に努めております。また、取引銀行とは良好な関係を築いており、必要な資金は、金融機関からの借入金などによって調達しております。設備投資資金につきましては、基本的に固定金利による長期借入金によって調達しております。
d.経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等について
当社グループは、売上高経常利益率を主な経営指標とし、継続的な収益力の改善効果を測定し、経営判断を行うことが重要であると考えております。当連結会計年度における売上高経常利益率は1.5%(前期比0.1ポイント改善)であり、引き続き、業務の効率化や物流費の抑制による販管費率の低下に取り組み、当該指標の向上に努めてまいります。
e.セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
(外商事業)
当事業の売上高は、既存得意先との取引拡大や新規得意先の獲得が寄与し、404億46百万円(前期比11.0%増)となりました。営業利益につきましては、売上高の増加に伴う売上総利益の増加に加え、物流費をはじめとする経費抑制に取り組み、3億65百万円(前期比21.1%増)となりました。
財政状態につきましては、流動資産が3億17百万円減少したこと等により、セグメント資産は前連結会計年度と比較して3億33百万円減少し、79億90百万円となりました。
(アミカ事業)
当事業の売上高は、当連結会計年度に開業した新規店舗やネットショップの売上が貢献し、185億5百万円(前期比1.5%増)となりました。営業利益につきましては、売上高の増加に伴い売上総利益が増加したものの、新規出店に係る経費増加などが影響し、14億34百万円(前期比3.2%減)となりました。
財政状態につきましては、固定資産が1億68百万円増加したこと等により、セグメント資産は前連結会計年度と比較して1億53百万円増加し、66億84百万円となりました。
(水産品事業)
当事業の売上高は、大手水産会社をはじめとする既存得意先との深耕を図るとともに、海外を含めた新規開拓に注力し、17億15百万円(前期比1.8%減)となりました。営業利益につきましては、採算管理の徹底や経費抑制の取組みを通じ、65百万円(前期は営業損失46百万円)と改善いたしました。
財政状態につきましては、流動資産が1億94百万円増加したこと等により、セグメント資産は前連結会計年度と比較して1億94百万円増加し、7億55百万円となりました。