有価証券報告書-第10期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)
以下に関する事項は、当連結会計年度末日現在において判断したものであります。
(1) 経営成績等の状況の概要
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における国内経済は、様々な支援策が図られながらも1年を通して新型コロナウイルス感染症の影響を大きく受けた年度となりました。期末にかけては、都市部から全国各地に感染拡散がみられ、またより感染力の強い変異株による感染者が増加するなど、先行きは依然として不透明な状況にあります。
このような状況下で、中期経営計画「Innovation Plan 2020 “JUMP”」の最終年度である当連結会計年度は、営業活動において、コロナ対策、お客様に向けた安心と従業員の安全、感染防止を最優先し、細心かつ慎重に取り組んでまいりました。それにより、お客様との接点については、新たにWebを活用した情報発信や商談会を行うなど非対面営業を積極的に取り入れ、当連結会計年度末における継続取引顧客件数は、前連結会計年度末から95千件増の3,099千件、TLC会員サービスの会員数は同83千件増の979千件となりました。
当社グループの当連結会計年度における業績については、顧客件数が順調に増加したこと等により、売上高は、196,726百万円(前連結会計年度比0.4%増)、営業利益は15,226百万円(同7.0%増)、経常利益は15,312百万円(同5.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は8,815百万円(同7.0%増)となりました。売上高については4期連続の増収、各利益項目については3期連続の増益を果たし、いずれも過去最高を更新いたしました。
当社グループは収益基盤拡充のために事業エリアの拡大に取り組んでおり、当連結会計年度では、LPガス事業において6月に愛知県春日井市と三重県四日市市に営業拠点を新設いたしました。さらに、建築設備不動産事業においては、8月に電気工事業を営む中央電機工事株式会社(愛知県名古屋市)、11月にビルメンテナンス事業を営む株式会社イノウエテクニカ(静岡県沼津市)の株式を取得し、連結子会社化いたしました。今後も、新規エリアへの進出及び事業領域の拡充に取り組み、当社グループの業容拡大につなげてまいります。また、海外においては6月にベトナム社会主義共和国でLPガス販売事業を営むMIEN TRUNG GAS JOINT STOCK COMPANY、及びV-GAS PETROLEUM CORPORATIONの2社を持分法適用関連会社とし、ベトナムLPガス市場への参入を果たしました。
セグメントごとの業績は次のとおりであります。なお、当社は、当連結会計年度より、報告セグメントの名称を「ガス及び石油」から「エネルギー」、「建築及び不動産」から「建築設備不動産」、「情報及び通信サービス」から「情報通信」に変更しております。セグメント名称変更による各セグメントの業績に与える影響はありません。
(エネルギー)
LPガス事業につきましては、コロナ禍により対面営業を控えながらもテレマーケティングやWebの活用に取り組んだ結果、当連結会計年度で需要家件数は30千件増加し、681千件となりました。仕入価格に連動した販売価格の低下があったものの、巣ごもり需要等により家庭用ガス販売量についても増加し、売上高は65,638百万円(前連結会計年度比0.6%増)となりました。
都市ガス事業につきましては、需要家件数は前連結会計年度末から2千件増加し63千件となりましたが、原料費調整制度による販売価格の低下等により、売上高は11,741百万円(同9.1%減)となりました。
これらにより、当セグメントの売上高は77,380百万円(同1.0%減)となりましたが、顧客件数の増加等により営業利益は6,115百万円(同24.6%増)となりました。
(建築設備不動産)
建築設備不動産事業につきましては、コロナ禍により営業活動が遅れましたが、M&Aが寄与したことで、当セグメントの売上高は23,177百万円(同3.5%増)となりました。しかしながら、建築設備工事など受注案件が減少したことで営業利益は1,257百万円(同8.8%減)となりました。
(CATV)
CATV事業につきましては、地域密着の事業者として、地元の情報発信や番組制作に注力するとともに、大手動画配信事業者と提携しコンテンツの充実を図るなど、コロナ禍をご家庭で過ごすための楽しみを増やすよう努めてまいりました。また新規獲得については各エリアの実情に応じて慎重かつ着実に営業活動を持続させたことで、放送サービスの顧客件数は前連結会計年度末から14千件増加し875千件、通信サービスの顧客件数は前連結会計年度末から30千件増加し322千件となりました。
これらにより、当セグメントの売上高は33,745百万円(同7.5%増)、営業利益は4,719百万円(同3.9%増)となりました。
(情報通信)
コンシューマー向け事業につきましては、大手通信キャリアへの対抗やコロナ禍における通信サービスの需要の高まりを背景に、MVNOサービス「LIBMO」に新料金プラン「なっとくプラン」の提供を開始するなど、お客様のニーズに合わせた最適な提案を行うとともに、Webによる顧客獲得を推進してまいりました。その結果、コンシューマー顧客が6期ぶりに純増に転じ、前連結会計年度末から24千件増加し785千件(うちISP顧客は19千件増加し732千件、うちLIBMO顧客は5千件増加し53千件)となりましたが、ARPUが減少したことにより売上高は26,304百万円(同8.0%減)となりました。
法人向け事業につきましては、クラウドサービスの進捗に加え、テレワークの需要を取り込み、ストックビジネスの拡大につなげました。以上により、売上高は24,430百万円(同5.5%増)となりました。
これらにより、当セグメントの売上高は50,735百万円(同2.0%減)、営業利益は3,086百万円(同4.3%増)となりました。
(アクア)
アクア事業につきましては、ショッピングモール等の営業自粛の影響を受けたものの、顧客件数が前連結会計年度末から1千件増加し、162千件となりました。加えて、巣ごもり需要により1顧客当たりの販売本数が増加いたしました。
これらにより、当セグメントの売上高は7,622百万円(同2.8%増)となりましたが、物流コストの負担増加等により、営業利益は259百万円(同35.4%減)となりました。
(その他)
その他の事業のうち、介護事業につきましては、前連結会計年度期中に連結子会社となった株式会社テンダー(岐阜県下呂市)が寄与し、売上高は1,314百万円(同5.8%増)となりました。造船事業につきましては、船舶修繕の工事量が増加したことにより、売上高は1,506百万円(同1.7%増)となりました。婚礼催事事業につきましては、婚礼の延期及び宴会の自粛により、売上高は417百万円(同69.3%減)となりました。
これらにより、当セグメントの売上高は4,065百万円(同16.3%減)、営業損失は244百万円(前連結会計年度は235百万円の営業利益)となりました。
財政状態につきましては、当連結会計年度末における資産合計は178,974百万円となり、前連結会計年度末と比較して9,001百万円の増加となりました。これは主として、関連会社株式の取得等により投資その他の資産「投資有価証券」が3,860百万円、有形固定資産が3,447百万円、デリバティブ評価差額資産の増加等により流動資産「その他」が1,237百万円、それぞれ増加したこと等によるものであります。
負債合計は102,917百万円となり、前連結会計年度末と比較して1,071百万円の減少となりました。これは主として、支払手形及び買掛金が2,192百万円、長期借入金が1,833百万円、ヘッジ取引にかかる預り保証金の増加等により流動負債「その他」が2,407百万円、それぞれ増加した一方で、有利子負債の返済を進めたことにより短期借入金が7,860百万円、訴訟の解決により訴訟損失引当金が1,161百万円減少したこと等によるものであります。
純資産合計は76,056百万円となり、前連結会計年度末と比較して10,073百万円の増加となりました。これは主として、配当を実施したことにより3,678百万円減少した一方で、親会社株主に帰属する当期純利益8,815百万円を計上したこと及び繰延ヘッジ損益が2,802百万円増加したこと等によるものであります。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」といいます。)は、前連結会計年度末から1,089百万円増加し5,136百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、32,223百万円の資金の増加(前連結会計年度比+9,688百万円)となりました。これは法人税等の支払等により資金が減少した一方で、税金等調整前当期純利益、仕入債務の増加、ヘッジ取引の保証金受入及び非資金項目である減価償却費等の要因により資金が増加したことによるものであります。
また、前連結会計年度に比べて営業活動によるキャッシュ・フローが大幅に増加しておりますが、これは税金等調整前当期純利益の増加、仕入債務の増加、ヘッジ取引の保証金受入等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、17,068百万円の資金の減少(同△4,936百万円)となりました。これは有形及び無形固定資産の取得並びに関係会社株式の取得、事業譲受による支出及び連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出等によるものであります。
また、前連結会計年度に比べて投資活動によるキャッシュ・フローが大幅に減少しておりますが、これは関係会社株式の取得並びに事業譲受による支出、有形及び無形固定資産の取得による支出等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、14,064百万円の資金の減少(同△3,689百万円)となりました。これは長期借入金による資金調達等の一方で、借入金及びリース債務の返済、配当金の支払等を行ったことによるものであります。
③ 仕入、受注及び販売の実績
a.仕入実績
当連結会計年度(自 2020年4月1日 至 2021年3月31日)の仕入実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記金額には、消費税等は含まれておりません。
b.受注実績
当連結会計年度(自 2020年4月1日 至 2021年3月31日)の受注実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
(注)1.当社グループは一部を除き受注生産を行っておりません。「エネルギー」はガス関連機器等の請負工事、「建築設備不動産」は住宅及び土木建築等の請負工事、「情報通信」はソフトウェア開発、「その他」は船舶修繕の受注高を記載しております。
2.セグメント間の取引については相殺消去しております。
3.上記金額には、消費税等は含まれておりません。
c.販売実績
当連結会計年度(自 2020年4月1日 至 2021年3月31日)の販売実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績等
ⅰ.財政状態
当連結会計年度の財政状態の状況につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
ⅱ.経営成績
当社グループの当連結会計年度の経営成績は以下のとおりであります。
(売上高)
売上高は、196,726百万円(前連結会計年度比0.4%増)となりました。売上高の主な内訳をセグメント別でみると、下記のとおりであります。
エネルギー事業におきましては、顧客増加や巣ごもり需要による家庭用ガス販売量の増加がありましたが、仕入価格に連動した販売価格の低下により、77,380百万円(同1.0%減)となりました。
建築設備不動産事業におきましては、M&Aが寄与し、23,177百万円(同3.5%増)となりました。
CATV事業におきましては、既存エリアの顧客増加と、M&Aによるエリア拡大が寄与したことで、33,745百万円(同7.5%増)となりました。
情報通信事業におきましては、顧客件数の増加や法人向けストックビジネスの拡大がありましたが、コンシューマー向け事業でARPUが減少したことにより、50,735百万円(同2.0%減)となりました。
アクア事業におきましては、顧客件数の増加に加え巣ごもり需要による1顧客あたりの販売本数が増加し、7,622百万円(同2.8%増)となりました。
その他の事業におきましては、介護事業でのM&A効果、造船事業での船舶修繕工事量の増加がありましたが、婚礼催事事業での婚礼の延期及び宴会の自粛により、4,065百万円(同16.3%減)となりました。
(売上原価、販売費及び一般管理費)
売上原価は、エネルギー事業のガス仕入価格の減少等により2,805百万円減少し、113,856百万円(同2.4%減)となりました。販売費及び一般管理費は、人件費、手数料等が増加したこと等により2,578百万円増加し67,643百万円(同4.0%増)となりました。以上により、営業利益は1,001百万円増加し、15,226百万円(同7.0%増)となりました。
(営業外損益)
営業外損益は86百万円の利益(同66.2%減)となりました。なお、支払利息は前連結会計年度から12百万円減少し、289百万円となりました。これらにより、経常利益は15,312百万円(同5.8%増)となりました。
(特別損益)
特別損益は、主として訴訟損失引当金繰入額が1,135百万円減少したこと等により、741百万円の損失(前連結会計年度は1,548百万円の損失)となりました。
以上により、税金等調整前当期純利益は14,570百万円(前連結会計年度比12.7%増)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、法人税等の負担(法人税等調整額を含む)、非支配株主に帰属する当期純利益を差し引き、8,815百万円(同7.0%増)となりました。1株当たり当期純利益は67円32銭(前連結会計年度は62円93銭)となりました。
ⅲ.キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
b.経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的指標等
当連結会計年度の業績は、LPガス及び都市ガスの仕入価格下落に伴うガス販売価格の低下(利益影響なし)や、コロナの影響があったものの、家庭用LPガス販売量の増加、情報通信法人向けストックビジネスの拡大、CATV及びアクア(宅配水)の顧客件数増加等による増収により、売上高が1,967億円となり、前連結会計年度比8億円(0.4%増)と4期連続の増収となり、過去最高を更新しました。
利益面についても、婚礼・宴会など一部の事業がコロナの影響を受けましたが、LPガス、CATV、アクア等の顧客件数増加に伴う月次課金件数の増加等による増益及び法人向け情報通信事業の増益などで補い、営業利益が152億円と前連結会計年度比10億円(7.0%増)と、3期連続の増益を果たし、各利益項目が過去最高を更新しました。
総資産については固定資産の増加等により前連結会計年度比90億円増の1,790億円、自己資本比率は利益剰余金の増加等により同3.6ポイント増の41.6%となりました。
顧客件数については顧客獲得及び解約防止に努めた結果、前連結会計年度比10万件増の310万件となりました。
(単位:億円)
当社グループは2021年度(2022年3月期)から2024年度(2025年3月期)までの4ヵ年を対象とする「TOKAIグループ中期経営計画「IP24」(Innovation Plan 2024 “Design the Future Life”)」を策定しました。指標についても、経営資源の配分や資本コストに係る情報を求める株式市場からの要望に応えるよう、営業CF*、配当性向、ROE、ROICを掲げるなど見直しを行いました。
これら指標の2021年3月期の状況及び「IP24」の4年間の目標については「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載のとおりであります。
(* 営業CF=営業利益+減価償却費-リース料支払-税金支払)
c.セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a.キャッシュ・フロー
詳細につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
なお、当社グループの財政状態及びキャッシュ・フローの指標の推移は下記のとおりであります。
(注)フリー・キャッシュ・フロー : 営業活動キャッシュ・フロー+投資活動キャッシュ・フロー
自己資本比率 : 自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率 : 株式時価総額/総資産
債務償還年数 : 有利子負債/営業活動キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ : 営業活動キャッシュ・フロー/利払い
※ 各指標はいずれも連結ベースの財務数値により算出しております。
※ 株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式総数(自己株式控除後)により算出しております。
※ 有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち、社債及び借入金を対象としております。
また、利払いについては連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
※ 「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 2018年2月16日)等を第8期の期首から適用しており、第7期に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を遡って適用した後の指標等となっております。
b.財務政策
ⅰ.財務戦略の基本的な考え方
当社グループは、2021年度から2024年度までの4ヵ年を対象とする「TOKAIグループ中期経営計画「IP24」(Innovation Plan 2024 “Design the Future Life”)において、キーメッセージの1つとして「経営資源の最適配分」を掲げており、事業から生み出したキャッシュ・フローを中心とした経営資源を、事業の将来成長や株主価値の向上に向けて最適配分を図る方針であります。
こうした方針を実現するため、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載のとおり経営指標の目標数値を定めて、今後創出するキャッシュ・フローを事業基盤拡大に向けた成長投資や株主還元に活用する考えです。なお、手許資金につきましては足許の資金需要に耐えられる必要最小限に留めております。
ⅱ.資金需要の主な内容
当社グループにおける主な資金需要は仕入代金や人件費といった営業上の支出のほか、事業基盤拡大に向けた成長投資(M&A及びアライアンス投資等)に係る資金や、顧客へのサービス提供のために継続的な設備投資を実施することに伴う支出であります。設備投資の例としては、エネルギー事業における供給権や供給設備等、情報通信事業におけるネットワーク設備等、CATV事業における放送設備や伝送設備等が挙げられます。
ⅲ.資金調達
当社グループにおける資金調達の方法は、内部資金に加え、設備投資資金や長期運転資金は銀行からの長期借入や社債、短期的な運転資金は銀行からの短期借入や短期社債(CP)及び売掛債権流動化によって調達しております。
各連結子会社の必要資金を当社が一括して調達した上で各社に貸し付ける体制をとり、加えてCMS(キャッシュ・マネジメント・システム)により資金の一元管理を行うことで、調達コストの削減と効率的な資金管理を行っております。また、取引銀行とは良好な関係を維持しており、加えて強固な財務体質を有していることから、当社グループの事業の維持拡大、運営に必要な運転資金、投資資金の調達に関しては問題なく実施可能と認識しております。また、取引銀行3行と貸出コミットメント契約60億円を設定しており、緊急時の流動性を確保しております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たりまして、以下の重要な会計方針が、当社グループの連結財務諸表の作成において使用される当社グループの重要な判断と見積りに大きな影響を及ぼすと考えております。
なお、新型コロナウイルス感染症が当社グループに与える影響につきましては、婚礼催事事業等で販売の減少がみられますが、主力のLPガスや都市ガス、CATV、情報通信、アクア等の事業においては巣ごもり需要等により業績は順調に推移していることから、感染症の拡大が当社グループに与える影響は軽微であるとの仮定をもとに、会計上の見積りを行っております。
a.収益の認識
当社グループの売上高は、主力のガスは計量販売についてはガスメーターの検針時に計上(ただし、最終検針時より期末までの分については推計計上)しており、器具等の商品は引渡時点、住宅等の建築工事は工事進行基準を適用しているものを除き検収引渡時点、役務サービスについては役務の提供が完了した時点で計上しております。なお、ガスについては商品の性格上季節的影響を受け易く、最終検針後の推計計上分については最終検針までの一定期間のガス使用量・平均気温の推移等を基に期末までの使用量を推定しておりますが、特に、推定気温より高めに推移した場合には実質消費量が推計消費量に比べ減少する可能性があります。
b.たな卸資産の評価
当社グループは、主として先入先出法により評価し、営業循環過程から外れた場合や正味売却価額が著しく下落した場合には、収益性の低下に伴う簿価切下げを行っております。将来の市況悪化または滞留在庫が増加した場合等には更なる評価損の計上が必要となる可能性があります。なお、主力のガスは実勢価格により評価し、最終検針時より期末までの使用量を推計し、期末時点の在庫を計上しております。
c.貸倒引当金
当社グループは、売上債権、貸付金等の貸倒損失に備えるために貸倒引当金を計上しております。顧客の財務状態が悪化し、その支払能力が低下した場合、貸倒引当金の追加計上が必要となる可能性があります。
d.投資有価証券の減損
当社グループは、期末における時価が取得原価に比べ50%以上下落した場合にはすべて減損処理を行い、30~50%程度下落した場合及び時価のない株式については、銘柄別に回復可能性を考慮して、必要と認められた額について減損処理を行っておりますが、将来の市況悪化または投資先の業績不振により更なる減損損失の計上が必要となる可能性があります。
e.固定資産の減損
減損の兆候がある資産グループの内、回収可能価額が帳簿価額を著しく下回った場合に、その差額を減損損失に計上しますが、回収可能価額は、資産グループの正味売却価額と割引後将来キャッシュ・フローとして算定される使用価値のいずれか大きい方としていることから、今後、業績の顕著な低下、不動産取引相場や賃料相場等が変動した場合等には減損損失の計上が必要となる可能性があります。
f.繰延税金資産
当社グループは、繰延税金資産について、その回収可能性を検討しております。回収可能性は、将来の課税所得及び慎重かつ実現可能性の高いタックスプランニングをもとに検討しますが、繰延税金資産の全部または一部を将来実現できないと判断した場合、繰延税金資産を計上しない、または取り崩すことが必要となる可能性があります。
g.退職給付に係る資産及び負債
当社グループは、退職給付会計に基づいた退職給付費用及び退職給付に係る資産・退職給付に係る負債を計上しております。前提条件として年金資産に係る長期期待運用収益率、割引率等を計算に用いており、これらが著しく変動した場合は大きく影響を受けることが考えられます。当社グループは日本の優良債券の期末時点の固定利回りを参考に割引率を決定しております。長期期待運用収益率は年金資産が投資されているファンドの予想収益率と過去の実績収益率をもとに決定されます。
当社グループは毎期退職給付債務の計算の基礎となる前提条件を見直しており、割引率の低下等、将来市場環境が悪化した場合、退職給付に係る負債の追加計上が必要となる可能性があります。
(1) 経営成績等の状況の概要
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における国内経済は、様々な支援策が図られながらも1年を通して新型コロナウイルス感染症の影響を大きく受けた年度となりました。期末にかけては、都市部から全国各地に感染拡散がみられ、またより感染力の強い変異株による感染者が増加するなど、先行きは依然として不透明な状況にあります。
このような状況下で、中期経営計画「Innovation Plan 2020 “JUMP”」の最終年度である当連結会計年度は、営業活動において、コロナ対策、お客様に向けた安心と従業員の安全、感染防止を最優先し、細心かつ慎重に取り組んでまいりました。それにより、お客様との接点については、新たにWebを活用した情報発信や商談会を行うなど非対面営業を積極的に取り入れ、当連結会計年度末における継続取引顧客件数は、前連結会計年度末から95千件増の3,099千件、TLC会員サービスの会員数は同83千件増の979千件となりました。
当社グループの当連結会計年度における業績については、顧客件数が順調に増加したこと等により、売上高は、196,726百万円(前連結会計年度比0.4%増)、営業利益は15,226百万円(同7.0%増)、経常利益は15,312百万円(同5.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は8,815百万円(同7.0%増)となりました。売上高については4期連続の増収、各利益項目については3期連続の増益を果たし、いずれも過去最高を更新いたしました。
当社グループは収益基盤拡充のために事業エリアの拡大に取り組んでおり、当連結会計年度では、LPガス事業において6月に愛知県春日井市と三重県四日市市に営業拠点を新設いたしました。さらに、建築設備不動産事業においては、8月に電気工事業を営む中央電機工事株式会社(愛知県名古屋市)、11月にビルメンテナンス事業を営む株式会社イノウエテクニカ(静岡県沼津市)の株式を取得し、連結子会社化いたしました。今後も、新規エリアへの進出及び事業領域の拡充に取り組み、当社グループの業容拡大につなげてまいります。また、海外においては6月にベトナム社会主義共和国でLPガス販売事業を営むMIEN TRUNG GAS JOINT STOCK COMPANY、及びV-GAS PETROLEUM CORPORATIONの2社を持分法適用関連会社とし、ベトナムLPガス市場への参入を果たしました。
セグメントごとの業績は次のとおりであります。なお、当社は、当連結会計年度より、報告セグメントの名称を「ガス及び石油」から「エネルギー」、「建築及び不動産」から「建築設備不動産」、「情報及び通信サービス」から「情報通信」に変更しております。セグメント名称変更による各セグメントの業績に与える影響はありません。
(エネルギー)
LPガス事業につきましては、コロナ禍により対面営業を控えながらもテレマーケティングやWebの活用に取り組んだ結果、当連結会計年度で需要家件数は30千件増加し、681千件となりました。仕入価格に連動した販売価格の低下があったものの、巣ごもり需要等により家庭用ガス販売量についても増加し、売上高は65,638百万円(前連結会計年度比0.6%増)となりました。
都市ガス事業につきましては、需要家件数は前連結会計年度末から2千件増加し63千件となりましたが、原料費調整制度による販売価格の低下等により、売上高は11,741百万円(同9.1%減)となりました。
これらにより、当セグメントの売上高は77,380百万円(同1.0%減)となりましたが、顧客件数の増加等により営業利益は6,115百万円(同24.6%増)となりました。
(建築設備不動産)
建築設備不動産事業につきましては、コロナ禍により営業活動が遅れましたが、M&Aが寄与したことで、当セグメントの売上高は23,177百万円(同3.5%増)となりました。しかしながら、建築設備工事など受注案件が減少したことで営業利益は1,257百万円(同8.8%減)となりました。
(CATV)
CATV事業につきましては、地域密着の事業者として、地元の情報発信や番組制作に注力するとともに、大手動画配信事業者と提携しコンテンツの充実を図るなど、コロナ禍をご家庭で過ごすための楽しみを増やすよう努めてまいりました。また新規獲得については各エリアの実情に応じて慎重かつ着実に営業活動を持続させたことで、放送サービスの顧客件数は前連結会計年度末から14千件増加し875千件、通信サービスの顧客件数は前連結会計年度末から30千件増加し322千件となりました。
これらにより、当セグメントの売上高は33,745百万円(同7.5%増)、営業利益は4,719百万円(同3.9%増)となりました。
(情報通信)
コンシューマー向け事業につきましては、大手通信キャリアへの対抗やコロナ禍における通信サービスの需要の高まりを背景に、MVNOサービス「LIBMO」に新料金プラン「なっとくプラン」の提供を開始するなど、お客様のニーズに合わせた最適な提案を行うとともに、Webによる顧客獲得を推進してまいりました。その結果、コンシューマー顧客が6期ぶりに純増に転じ、前連結会計年度末から24千件増加し785千件(うちISP顧客は19千件増加し732千件、うちLIBMO顧客は5千件増加し53千件)となりましたが、ARPUが減少したことにより売上高は26,304百万円(同8.0%減)となりました。
法人向け事業につきましては、クラウドサービスの進捗に加え、テレワークの需要を取り込み、ストックビジネスの拡大につなげました。以上により、売上高は24,430百万円(同5.5%増)となりました。
これらにより、当セグメントの売上高は50,735百万円(同2.0%減)、営業利益は3,086百万円(同4.3%増)となりました。
(アクア)
アクア事業につきましては、ショッピングモール等の営業自粛の影響を受けたものの、顧客件数が前連結会計年度末から1千件増加し、162千件となりました。加えて、巣ごもり需要により1顧客当たりの販売本数が増加いたしました。
これらにより、当セグメントの売上高は7,622百万円(同2.8%増)となりましたが、物流コストの負担増加等により、営業利益は259百万円(同35.4%減)となりました。
(その他)
その他の事業のうち、介護事業につきましては、前連結会計年度期中に連結子会社となった株式会社テンダー(岐阜県下呂市)が寄与し、売上高は1,314百万円(同5.8%増)となりました。造船事業につきましては、船舶修繕の工事量が増加したことにより、売上高は1,506百万円(同1.7%増)となりました。婚礼催事事業につきましては、婚礼の延期及び宴会の自粛により、売上高は417百万円(同69.3%減)となりました。
これらにより、当セグメントの売上高は4,065百万円(同16.3%減)、営業損失は244百万円(前連結会計年度は235百万円の営業利益)となりました。
財政状態につきましては、当連結会計年度末における資産合計は178,974百万円となり、前連結会計年度末と比較して9,001百万円の増加となりました。これは主として、関連会社株式の取得等により投資その他の資産「投資有価証券」が3,860百万円、有形固定資産が3,447百万円、デリバティブ評価差額資産の増加等により流動資産「その他」が1,237百万円、それぞれ増加したこと等によるものであります。
負債合計は102,917百万円となり、前連結会計年度末と比較して1,071百万円の減少となりました。これは主として、支払手形及び買掛金が2,192百万円、長期借入金が1,833百万円、ヘッジ取引にかかる預り保証金の増加等により流動負債「その他」が2,407百万円、それぞれ増加した一方で、有利子負債の返済を進めたことにより短期借入金が7,860百万円、訴訟の解決により訴訟損失引当金が1,161百万円減少したこと等によるものであります。
純資産合計は76,056百万円となり、前連結会計年度末と比較して10,073百万円の増加となりました。これは主として、配当を実施したことにより3,678百万円減少した一方で、親会社株主に帰属する当期純利益8,815百万円を計上したこと及び繰延ヘッジ損益が2,802百万円増加したこと等によるものであります。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」といいます。)は、前連結会計年度末から1,089百万円増加し5,136百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、32,223百万円の資金の増加(前連結会計年度比+9,688百万円)となりました。これは法人税等の支払等により資金が減少した一方で、税金等調整前当期純利益、仕入債務の増加、ヘッジ取引の保証金受入及び非資金項目である減価償却費等の要因により資金が増加したことによるものであります。
また、前連結会計年度に比べて営業活動によるキャッシュ・フローが大幅に増加しておりますが、これは税金等調整前当期純利益の増加、仕入債務の増加、ヘッジ取引の保証金受入等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、17,068百万円の資金の減少(同△4,936百万円)となりました。これは有形及び無形固定資産の取得並びに関係会社株式の取得、事業譲受による支出及び連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出等によるものであります。
また、前連結会計年度に比べて投資活動によるキャッシュ・フローが大幅に減少しておりますが、これは関係会社株式の取得並びに事業譲受による支出、有形及び無形固定資産の取得による支出等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、14,064百万円の資金の減少(同△3,689百万円)となりました。これは長期借入金による資金調達等の一方で、借入金及びリース債務の返済、配当金の支払等を行ったことによるものであります。
③ 仕入、受注及び販売の実績
a.仕入実績
当連結会計年度(自 2020年4月1日 至 2021年3月31日)の仕入実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前連結会計年度比(%) |
| エネルギー | 30,939 | 90.8 |
| 建築設備不動産 | 7,111 | 102.2 |
| CATV | 24 | 47.7 |
| 情報通信 | 2,220 | 89.7 |
| アクア | 755 | 123.3 |
| その他 | 413 | 59.7 |
| 合計 | 41,464 | 92.4 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記金額には、消費税等は含まれておりません。
b.受注実績
当連結会計年度(自 2020年4月1日 至 2021年3月31日)の受注実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 受注高 (百万円) | 前連結会計 年度比(%) | 受注残高 (百万円) | 前連結会計 年度比(%) |
| エネルギー | 34 | 30.9 | 78 | 94.8 |
| 建築設備不動産 | 13,615 | 149.1 | 5,826 | 240.1 |
| CATV | - | - | - | - |
| 情報通信 | 14,865 | 105.6 | 861 | 67.4 |
| アクア | - | - | - | - |
| その他 | 1,064 | 97.2 | 133 | 112.2 |
| 合計 | 29,580 | 121.2 | 6,900 | 176.6 |
(注)1.当社グループは一部を除き受注生産を行っておりません。「エネルギー」はガス関連機器等の請負工事、「建築設備不動産」は住宅及び土木建築等の請負工事、「情報通信」はソフトウェア開発、「その他」は船舶修繕の受注高を記載しております。
2.セグメント間の取引については相殺消去しております。
3.上記金額には、消費税等は含まれておりません。
c.販売実績
当連結会計年度(自 2020年4月1日 至 2021年3月31日)の販売実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前連結会計年度比(%) |
| エネルギー | 77,380 | 99.0 |
| 建築設備不動産 | 23,177 | 103.5 |
| CATV | 33,745 | 107.5 |
| 情報通信 | 50,735 | 98.0 |
| アクア | 7,622 | 102.8 |
| その他 | 4,065 | 83.7 |
| 合計 | 196,726 | 100.4 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績等
ⅰ.財政状態
当連結会計年度の財政状態の状況につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
ⅱ.経営成績
当社グループの当連結会計年度の経営成績は以下のとおりであります。
(売上高)
売上高は、196,726百万円(前連結会計年度比0.4%増)となりました。売上高の主な内訳をセグメント別でみると、下記のとおりであります。
エネルギー事業におきましては、顧客増加や巣ごもり需要による家庭用ガス販売量の増加がありましたが、仕入価格に連動した販売価格の低下により、77,380百万円(同1.0%減)となりました。
建築設備不動産事業におきましては、M&Aが寄与し、23,177百万円(同3.5%増)となりました。
CATV事業におきましては、既存エリアの顧客増加と、M&Aによるエリア拡大が寄与したことで、33,745百万円(同7.5%増)となりました。
情報通信事業におきましては、顧客件数の増加や法人向けストックビジネスの拡大がありましたが、コンシューマー向け事業でARPUが減少したことにより、50,735百万円(同2.0%減)となりました。
アクア事業におきましては、顧客件数の増加に加え巣ごもり需要による1顧客あたりの販売本数が増加し、7,622百万円(同2.8%増)となりました。
その他の事業におきましては、介護事業でのM&A効果、造船事業での船舶修繕工事量の増加がありましたが、婚礼催事事業での婚礼の延期及び宴会の自粛により、4,065百万円(同16.3%減)となりました。
(売上原価、販売費及び一般管理費)
売上原価は、エネルギー事業のガス仕入価格の減少等により2,805百万円減少し、113,856百万円(同2.4%減)となりました。販売費及び一般管理費は、人件費、手数料等が増加したこと等により2,578百万円増加し67,643百万円(同4.0%増)となりました。以上により、営業利益は1,001百万円増加し、15,226百万円(同7.0%増)となりました。
(営業外損益)
営業外損益は86百万円の利益(同66.2%減)となりました。なお、支払利息は前連結会計年度から12百万円減少し、289百万円となりました。これらにより、経常利益は15,312百万円(同5.8%増)となりました。
(特別損益)
特別損益は、主として訴訟損失引当金繰入額が1,135百万円減少したこと等により、741百万円の損失(前連結会計年度は1,548百万円の損失)となりました。
以上により、税金等調整前当期純利益は14,570百万円(前連結会計年度比12.7%増)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、法人税等の負担(法人税等調整額を含む)、非支配株主に帰属する当期純利益を差し引き、8,815百万円(同7.0%増)となりました。1株当たり当期純利益は67円32銭(前連結会計年度は62円93銭)となりました。
ⅲ.キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
b.経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的指標等
当連結会計年度の業績は、LPガス及び都市ガスの仕入価格下落に伴うガス販売価格の低下(利益影響なし)や、コロナの影響があったものの、家庭用LPガス販売量の増加、情報通信法人向けストックビジネスの拡大、CATV及びアクア(宅配水)の顧客件数増加等による増収により、売上高が1,967億円となり、前連結会計年度比8億円(0.4%増)と4期連続の増収となり、過去最高を更新しました。
利益面についても、婚礼・宴会など一部の事業がコロナの影響を受けましたが、LPガス、CATV、アクア等の顧客件数増加に伴う月次課金件数の増加等による増益及び法人向け情報通信事業の増益などで補い、営業利益が152億円と前連結会計年度比10億円(7.0%増)と、3期連続の増益を果たし、各利益項目が過去最高を更新しました。
総資産については固定資産の増加等により前連結会計年度比90億円増の1,790億円、自己資本比率は利益剰余金の増加等により同3.6ポイント増の41.6%となりました。
顧客件数については顧客獲得及び解約防止に努めた結果、前連結会計年度比10万件増の310万件となりました。
(単位:億円)
| 項目 | 2018年3月期 実績 | 2019年3月期 実績 | 2020年3月期 実績 | 2021年3月期 実績 |
| 売上高 | 1,861 | 1,916 | 1,960 | 1,967 |
| 営業利益 | 110 | 131 | 142 | 152 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 66 | 78 | 82 | 88 |
| 総資産 | 1,660 | 1,676 | 1,700 | 1,790 |
| 自己資本比率(%) | 36.3 | 37.4 | 38.0 | 41.6 |
| 顧客件数(万件) | 288 | 290 | 300 | 310 |
当社グループは2021年度(2022年3月期)から2024年度(2025年3月期)までの4ヵ年を対象とする「TOKAIグループ中期経営計画「IP24」(Innovation Plan 2024 “Design the Future Life”)」を策定しました。指標についても、経営資源の配分や資本コストに係る情報を求める株式市場からの要望に応えるよう、営業CF*、配当性向、ROE、ROICを掲げるなど見直しを行いました。
これら指標の2021年3月期の状況及び「IP24」の4年間の目標については「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載のとおりであります。
(* 営業CF=営業利益+減価償却費-リース料支払-税金支払)
c.セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a.キャッシュ・フロー
詳細につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
なお、当社グループの財政状態及びキャッシュ・フローの指標の推移は下記のとおりであります。
| 第6期 (2017年3月期) | 第7期 (2018年3月期) | 第8期 (2019年3月期) | 第9期 (2020年3月期) | 第10期 (2021年3月期) | |
| フリー・キャッシュ・フロー (百万円) | 15,706 | 9,421 | 9,161 | 10,403 | 15,155 |
| 自己資本比率(%) | 34.5 | 36.3 | 37.4 | 38.0 | 41.6 |
| 時価ベースの自己資本比率(%) | 67.4 | 85.0 | 71.8 | 72.2 | 70.0 |
| 債務償還年数(年) | 2.0 | 2.4 | 2.3 | 2.1 | 1.3 |
| インタレスト・カバレッジ・レシオ (倍) | 48.9 | 46.6 | 58.2 | 72.3 | 108.2 |
(注)フリー・キャッシュ・フロー : 営業活動キャッシュ・フロー+投資活動キャッシュ・フロー
自己資本比率 : 自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率 : 株式時価総額/総資産
債務償還年数 : 有利子負債/営業活動キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ : 営業活動キャッシュ・フロー/利払い
※ 各指標はいずれも連結ベースの財務数値により算出しております。
※ 株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式総数(自己株式控除後)により算出しております。
※ 有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち、社債及び借入金を対象としております。
また、利払いについては連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
※ 「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 2018年2月16日)等を第8期の期首から適用しており、第7期に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を遡って適用した後の指標等となっております。
b.財務政策
ⅰ.財務戦略の基本的な考え方
当社グループは、2021年度から2024年度までの4ヵ年を対象とする「TOKAIグループ中期経営計画「IP24」(Innovation Plan 2024 “Design the Future Life”)において、キーメッセージの1つとして「経営資源の最適配分」を掲げており、事業から生み出したキャッシュ・フローを中心とした経営資源を、事業の将来成長や株主価値の向上に向けて最適配分を図る方針であります。
こうした方針を実現するため、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載のとおり経営指標の目標数値を定めて、今後創出するキャッシュ・フローを事業基盤拡大に向けた成長投資や株主還元に活用する考えです。なお、手許資金につきましては足許の資金需要に耐えられる必要最小限に留めております。
ⅱ.資金需要の主な内容
当社グループにおける主な資金需要は仕入代金や人件費といった営業上の支出のほか、事業基盤拡大に向けた成長投資(M&A及びアライアンス投資等)に係る資金や、顧客へのサービス提供のために継続的な設備投資を実施することに伴う支出であります。設備投資の例としては、エネルギー事業における供給権や供給設備等、情報通信事業におけるネットワーク設備等、CATV事業における放送設備や伝送設備等が挙げられます。
ⅲ.資金調達
当社グループにおける資金調達の方法は、内部資金に加え、設備投資資金や長期運転資金は銀行からの長期借入や社債、短期的な運転資金は銀行からの短期借入や短期社債(CP)及び売掛債権流動化によって調達しております。
各連結子会社の必要資金を当社が一括して調達した上で各社に貸し付ける体制をとり、加えてCMS(キャッシュ・マネジメント・システム)により資金の一元管理を行うことで、調達コストの削減と効率的な資金管理を行っております。また、取引銀行とは良好な関係を維持しており、加えて強固な財務体質を有していることから、当社グループの事業の維持拡大、運営に必要な運転資金、投資資金の調達に関しては問題なく実施可能と認識しております。また、取引銀行3行と貸出コミットメント契約60億円を設定しており、緊急時の流動性を確保しております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たりまして、以下の重要な会計方針が、当社グループの連結財務諸表の作成において使用される当社グループの重要な判断と見積りに大きな影響を及ぼすと考えております。
なお、新型コロナウイルス感染症が当社グループに与える影響につきましては、婚礼催事事業等で販売の減少がみられますが、主力のLPガスや都市ガス、CATV、情報通信、アクア等の事業においては巣ごもり需要等により業績は順調に推移していることから、感染症の拡大が当社グループに与える影響は軽微であるとの仮定をもとに、会計上の見積りを行っております。
a.収益の認識
当社グループの売上高は、主力のガスは計量販売についてはガスメーターの検針時に計上(ただし、最終検針時より期末までの分については推計計上)しており、器具等の商品は引渡時点、住宅等の建築工事は工事進行基準を適用しているものを除き検収引渡時点、役務サービスについては役務の提供が完了した時点で計上しております。なお、ガスについては商品の性格上季節的影響を受け易く、最終検針後の推計計上分については最終検針までの一定期間のガス使用量・平均気温の推移等を基に期末までの使用量を推定しておりますが、特に、推定気温より高めに推移した場合には実質消費量が推計消費量に比べ減少する可能性があります。
b.たな卸資産の評価
当社グループは、主として先入先出法により評価し、営業循環過程から外れた場合や正味売却価額が著しく下落した場合には、収益性の低下に伴う簿価切下げを行っております。将来の市況悪化または滞留在庫が増加した場合等には更なる評価損の計上が必要となる可能性があります。なお、主力のガスは実勢価格により評価し、最終検針時より期末までの使用量を推計し、期末時点の在庫を計上しております。
c.貸倒引当金
当社グループは、売上債権、貸付金等の貸倒損失に備えるために貸倒引当金を計上しております。顧客の財務状態が悪化し、その支払能力が低下した場合、貸倒引当金の追加計上が必要となる可能性があります。
d.投資有価証券の減損
当社グループは、期末における時価が取得原価に比べ50%以上下落した場合にはすべて減損処理を行い、30~50%程度下落した場合及び時価のない株式については、銘柄別に回復可能性を考慮して、必要と認められた額について減損処理を行っておりますが、将来の市況悪化または投資先の業績不振により更なる減損損失の計上が必要となる可能性があります。
e.固定資産の減損
減損の兆候がある資産グループの内、回収可能価額が帳簿価額を著しく下回った場合に、その差額を減損損失に計上しますが、回収可能価額は、資産グループの正味売却価額と割引後将来キャッシュ・フローとして算定される使用価値のいずれか大きい方としていることから、今後、業績の顕著な低下、不動産取引相場や賃料相場等が変動した場合等には減損損失の計上が必要となる可能性があります。
f.繰延税金資産
当社グループは、繰延税金資産について、その回収可能性を検討しております。回収可能性は、将来の課税所得及び慎重かつ実現可能性の高いタックスプランニングをもとに検討しますが、繰延税金資産の全部または一部を将来実現できないと判断した場合、繰延税金資産を計上しない、または取り崩すことが必要となる可能性があります。
g.退職給付に係る資産及び負債
当社グループは、退職給付会計に基づいた退職給付費用及び退職給付に係る資産・退職給付に係る負債を計上しております。前提条件として年金資産に係る長期期待運用収益率、割引率等を計算に用いており、これらが著しく変動した場合は大きく影響を受けることが考えられます。当社グループは日本の優良債券の期末時点の固定利回りを参考に割引率を決定しております。長期期待運用収益率は年金資産が投資されているファンドの予想収益率と過去の実績収益率をもとに決定されます。
当社グループは毎期退職給付債務の計算の基礎となる前提条件を見直しており、割引率の低下等、将来市場環境が悪化した場合、退職給付に係る負債の追加計上が必要となる可能性があります。