四半期報告書-第16期第1四半期(平成31年1月1日-平成31年3月31日)
本書において使用される専門用語につきましては、(*)印を付けて「第2 事業の状況 2 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」の末尾に用語解説を設け説明しております。
また、文中の将来に関する事項は、当第1四半期会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)経営成績の状況
当社の当第1四半期累計期間における売上高につきましては、主として創薬支援事業において、中外製薬グループとの取引に加え、小野薬品工業株式会社(以下、小野薬品)との取引が増加したことにより、63,782千円(前年同期比18,427千円増加)となりました。営業損失につきましては、自社で開発中のCBA-1205における臨床試験(*)開始に向けた準備費用を中心に研究開発費が増加したことにより、426,347千円(前年同期は302,748千円の営業損失)となりました。また、経常損失は432,460千円(前年同期は300,612千円の経常損失)、四半期純損失は430,731千円(前年同期は301,217千円の四半期純損失)となりました。当第1四半期累計期間における当社の事業活動の状況といたしましては、概況は次のとおりです。
当社は、医療のアンメットニーズ(*)の高い領域における抗体医薬品を創出する創薬事業と、製薬企業等に抗体創薬にかかわる技術サービスを提供する創薬支援事業を展開しております。
創薬事業においては、前臨床段階にあるCBA-1205のCMC(*)開発およびCBA-1535の技術移管が概ね予定どおりの進捗となったほか、探索段階にある創薬プロジェクトのデータパッケージ構築にむけた研究活動と新規の創薬プロジェクト発足にむけたアカデミアとの共同研究を新たに開始するなど、今後の開発パイプライン(*)の質・量の拡充に向けた取り組みを進めてまいりました。
2017年9月にスイスのADC Therapeutics社にADC(*)用途に限定して導出(*)したADCT-701については、前臨床試験(*)の最終ステージにあり、2019年後半の治験申請(*)を想定しております。
当社で自社開発中のファースト・イン・クラス抗体(*)であるCBA-1205については、ADCC活性を高めた抗体産生細胞株のmaster cell bank (*)の製造が完了し、臨床試験に向けたCMC開発は順調に進捗しております。引き続き、2020年以降の臨床試験開始を目指します。
多重特異性抗体であるCBA-1535については、原薬や治験薬製造を委託するCMO(*)および臨床試験に向けたCRO(*)の選定作業に着手しており、2021年後半以降の治験申請を見込んでおります。
当社が創製したBMAA(抗セマフォリン3A抗体)(*)については、2018年3月にカナダのSemaThera社と共同開発ライセンス及び独占的オプション契約を締結しておりますが、評価2年目に入ったことにより、当該オプション期間に対応するオプション料については、当第1四半期累計期間に応じた金額を売上高に計上しております。
その他、探索段階にある複数の創薬プロジェクトが進行しておりますが、今後のステージアップと導出に必要なデータパッケージの構築に向け、研究開発に取り組んでまいります。
以上の結果、創薬事業における当第1四半期累計期間の業績は、売上高451千円(前年同四半期比362千円増加)、研究開発費363,033千円(前年同四半期比157,978千円増加)、セグメント損失は362,436千円(前年同四半期は206,786千円のセグメント損失)となりました。
創薬支援事業は、当社の安定的な収益確保に資する事業であり、当社の独自の抗体作製手法であるADLib®システム(*)のほか、B cell cloning(*)やハイブリドーマ法(*)といった抗体技術プラットフォームを活かした抗体作製業務のほか、タンパク質調製業務を受託し、日本の製薬企業やアカデミアの研究支援を実施しております。主な取引先として、主要顧客である中外製薬グループの取引に加え、小野薬品との取引も順調に拡大したことが売上高増加の主な要因となったほか、アカデミアやバイオベンチャーからの抗体作製にかかる受託案件の取引からも収益を得ることができました。引き続き高い品質のサービス提供を目指し、継続的な新規案件の受託拡大に向けた取り組みを進めてまいります。
以上の結果、創薬支援事業における当第1四半期累計期間の業績は、売上高63,330千円(前年同四半期比18,065千円増加)、セグメント利益は36,637千円(前年同四半期比4,121千円増加)となりました。
(2)財政状態の分析
(資産)
当第1四半期会計期間末における総資産は、現金及び預金の増加などにより、前事業年度末に比べ435,425千円増加の3,266,619千円となりました。
(負債)
当第1四半期会計期間末における負債の残高は218,553千円となり、前事業年度末と比較して64,079千円増加いたしました。これは主に、委託研究費等にかかる未払金の増加などによるものです。
(純資産)
当第1四半期会計期間末における純資産の残高は3,048,065千円となり、前事業年度末と比較して371,346千円増加いたしました。これは主に、四半期純損失の計上による利益剰余金の減少があったものの、新株予約権の行使により資本金及び資本剰余金が増加したことによるものであります。
(3)経営方針・経営戦略等
当第1四半期累計期間において、当社の経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(4)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第1四半期累計期間において、新たに発生した事業上及び財務上の対処すべき課題はありません。
<用語解説>(50音、アルファベット順)
また、文中の将来に関する事項は、当第1四半期会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)経営成績の状況
当社の当第1四半期累計期間における売上高につきましては、主として創薬支援事業において、中外製薬グループとの取引に加え、小野薬品工業株式会社(以下、小野薬品)との取引が増加したことにより、63,782千円(前年同期比18,427千円増加)となりました。営業損失につきましては、自社で開発中のCBA-1205における臨床試験(*)開始に向けた準備費用を中心に研究開発費が増加したことにより、426,347千円(前年同期は302,748千円の営業損失)となりました。また、経常損失は432,460千円(前年同期は300,612千円の経常損失)、四半期純損失は430,731千円(前年同期は301,217千円の四半期純損失)となりました。当第1四半期累計期間における当社の事業活動の状況といたしましては、概況は次のとおりです。
当社は、医療のアンメットニーズ(*)の高い領域における抗体医薬品を創出する創薬事業と、製薬企業等に抗体創薬にかかわる技術サービスを提供する創薬支援事業を展開しております。
創薬事業においては、前臨床段階にあるCBA-1205のCMC(*)開発およびCBA-1535の技術移管が概ね予定どおりの進捗となったほか、探索段階にある創薬プロジェクトのデータパッケージ構築にむけた研究活動と新規の創薬プロジェクト発足にむけたアカデミアとの共同研究を新たに開始するなど、今後の開発パイプライン(*)の質・量の拡充に向けた取り組みを進めてまいりました。
2017年9月にスイスのADC Therapeutics社にADC(*)用途に限定して導出(*)したADCT-701については、前臨床試験(*)の最終ステージにあり、2019年後半の治験申請(*)を想定しております。
当社で自社開発中のファースト・イン・クラス抗体(*)であるCBA-1205については、ADCC活性を高めた抗体産生細胞株のmaster cell bank (*)の製造が完了し、臨床試験に向けたCMC開発は順調に進捗しております。引き続き、2020年以降の臨床試験開始を目指します。
多重特異性抗体であるCBA-1535については、原薬や治験薬製造を委託するCMO(*)および臨床試験に向けたCRO(*)の選定作業に着手しており、2021年後半以降の治験申請を見込んでおります。
当社が創製したBMAA(抗セマフォリン3A抗体)(*)については、2018年3月にカナダのSemaThera社と共同開発ライセンス及び独占的オプション契約を締結しておりますが、評価2年目に入ったことにより、当該オプション期間に対応するオプション料については、当第1四半期累計期間に応じた金額を売上高に計上しております。
その他、探索段階にある複数の創薬プロジェクトが進行しておりますが、今後のステージアップと導出に必要なデータパッケージの構築に向け、研究開発に取り組んでまいります。
以上の結果、創薬事業における当第1四半期累計期間の業績は、売上高451千円(前年同四半期比362千円増加)、研究開発費363,033千円(前年同四半期比157,978千円増加)、セグメント損失は362,436千円(前年同四半期は206,786千円のセグメント損失)となりました。
創薬支援事業は、当社の安定的な収益確保に資する事業であり、当社の独自の抗体作製手法であるADLib®システム(*)のほか、B cell cloning(*)やハイブリドーマ法(*)といった抗体技術プラットフォームを活かした抗体作製業務のほか、タンパク質調製業務を受託し、日本の製薬企業やアカデミアの研究支援を実施しております。主な取引先として、主要顧客である中外製薬グループの取引に加え、小野薬品との取引も順調に拡大したことが売上高増加の主な要因となったほか、アカデミアやバイオベンチャーからの抗体作製にかかる受託案件の取引からも収益を得ることができました。引き続き高い品質のサービス提供を目指し、継続的な新規案件の受託拡大に向けた取り組みを進めてまいります。
以上の結果、創薬支援事業における当第1四半期累計期間の業績は、売上高63,330千円(前年同四半期比18,065千円増加)、セグメント利益は36,637千円(前年同四半期比4,121千円増加)となりました。
(2)財政状態の分析
(資産)
当第1四半期会計期間末における総資産は、現金及び預金の増加などにより、前事業年度末に比べ435,425千円増加の3,266,619千円となりました。
(負債)
当第1四半期会計期間末における負債の残高は218,553千円となり、前事業年度末と比較して64,079千円増加いたしました。これは主に、委託研究費等にかかる未払金の増加などによるものです。
(純資産)
当第1四半期会計期間末における純資産の残高は3,048,065千円となり、前事業年度末と比較して371,346千円増加いたしました。これは主に、四半期純損失の計上による利益剰余金の減少があったものの、新株予約権の行使により資本金及び資本剰余金が増加したことによるものであります。
(3)経営方針・経営戦略等
当第1四半期累計期間において、当社の経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(4)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第1四半期累計期間において、新たに発生した事業上及び財務上の対処すべき課題はありません。
<用語解説>(50音、アルファベット順)
| 用語 | 意味・内容 |
| アンメットニーズ | 現状の医療では満たされていない(未充足)ニーズのことです。具体的には、有効な治療法や薬剤がない場合、薬剤があっても使い勝手が悪いまたは副作用が強い、一時的に症状を抑えても再発する、時間とともに悪化するような場合、あるいは治療費が非常に高額になるような場合等にアンメットニーズが存在すると言います。 |
| 前臨床試験 | 医薬品の研究開発において、ヒトを対象とする臨床試験の前に行う試験のことです。動物を用いて、医薬品候補化合物等の有効性や安全性を評価します。非臨床試験ともいいます。 |
| 導出(ライセンスアウト) | 特許権やノウハウ等を他者に売却したり実施許諾することをいいます。 |
| パイプライン | 新薬として開発している医薬品候補化合物等のことを「パイプライン」といいます。創薬研究から臨床開発を経て関係当局の承認を受けるまでの活動を「創薬」と呼び、「創薬パイプライン」とは創薬のいずれかの段階にあるパイプラインのことをいいます。また、創薬パイプラインのうち開発段階に入ったパイプラインのことを、特に「開発パイプライン」ということがあります。 |
| ハイブリドーマ法 | 抗原を免疫した動物から抗体を作り出すB細胞を取り出し、増殖し続ける能力を持った特殊な細胞(ミエローマ細胞)と融合させて、抗体を作り続ける細胞(ハイブリドーマ)を作製する方法です。 |
| ファースト・イン・クラス | 一般的には、その作用機序の医薬品の中で市場に最初に登場した医薬品を指します。類似薬がないことから高い薬価と高い売上が期待できます。抗体の場合は、あるタンパク質(抗原)をターゲットとする初めての抗体医薬をファースト・イン・クラス抗体と呼びます。ファースト・イン・クラス抗体のターゲット抗原の候補は、潜在的なものも含めてアカデミアを中心とした様々な疾患研究の中に多く存在していると考えられます。当社ではそうした抗原をターゲットとすることで、これまでにない医薬品候補抗体の開発を目指し、治療充足度が十分でない疾患の治療に貢献します。 |
| 用語 | 意味・内容 |
| 臨床試験 | 臨床試験には、次の3段階があります。 第1相試験(フェーズ1):少数の治験参加者(*)を対象に、治験薬の安全性と治験薬が体内に入ってどのような動きをするのかを確認する試験 第2相試験(フェーズ2):第1相試験で安全性が確認された用量の範囲で、比較的少数の患者さんを対象に、治験薬の有効性(効果)、安全性、用法(投与の仕方:投与回数、投与期間、投与間隔など)・用量(最も効果的な投与量)を確認する試験 第3相試験(フェーズ3):第2相試験で確認された用法・用量で、多数の患者さんに治験薬を対象に、有効性と安全性を検証する試験 初期臨床試験は主に第1相試験および初期の第2相試験のことを指し、治験薬の安全性を主に、有効性の兆しを観察します。 (*)おおまかにはがん治療薬の第1相試験の場合には治験参加者は患者さんであり、がん以外の領域の治療薬の第1相試験の場合には治験参加者は健康なボランティアの方です。 |
| ADC | 抗体薬物複合体(Antibody drug conjugate)のことを指します。例えば、悪性腫瘍の細胞表面だけに存在するタンパク質(抗原)に特異的に結合する抗体に毒性の高い薬剤を結合させると、そのADCは悪性腫瘍だけを死滅させることができます。このため、比較的副作用が少なく効き目の強い薬剤となる可能性があります。 |
| ADLib®(アドリブ)システム | ライブラリから特定の抗原を固定した磁気ビーズを用いて目的の抗原に結合する抗体産生細胞を取り出す仕組みです。ADLib®システムで用いるライブラリは、ニワトリのBリンパ細胞由来のDT40細胞の持つ抗体遺伝子の相同組換えを活性化することによって、抗体タンパク質の多様性が増大しております。国立研究開発法人理化学研究所で開発された技術で、当社はその独占的な実施権を保有しております。既存の方法に比べ、迅速性に優れていることおよび従来困難であった抗体取得が可能になる場合があること等の点に特徴があると考えております。 |
| B Cell Cloning法 | 目的の抗原への結合性抗体を産生する単一のBリンパ細胞を選択し、抗体遺伝子をクローニングする手法のことです。抗原をトリやマウスなどの実験動物に免疫した後、その動物からBリンパ細胞を含む脾臓やリンパ節を取り出して行います。ハイブリドーマ法と異なり、増殖し続ける能力を持った特殊な細胞(ミエローマ細胞)と融合させる工程を省くことができます。 |
| BMAA(抗セマフォリン3A抗体) | セマフォリン3Aは神経の先端の伸長を制御する因子として発見されました。これまでの研究により、セマフォリン3Aを阻害することにより神経再生が起こること、また炎症・免疫反応やがん、骨の形成、アルツハイマー病、糖尿病合併症等とも関連していることが報告されております。抗セマフォリン3A抗体は、この因子の働きを抑えることによりアンメットニーズの高い各種疾患の治療薬開発に結びつくことが期待される抗体です。本抗体は、当社独自の抗体作製技術であるADLib®システムで取得されました。 |
| CMC | Chemistry, Manufacturing and Controlの略で、医薬品の原薬・製剤の化学・製造およびその品質管理を指します。 |
| CMO | Contract Manufacturing Organizationの略で、医薬品を製造受託する企業を指します。 |
| CRO | Contract Research Organizationの略称。製薬会社が医薬品開発のために行う治験業務(臨床開発)を受託・代行する企業のことを指します。臨床試験の企画支援、モニタリング、データマネジメント、薬事申請、非臨床試験等、製薬会社との委受託契約に基づき、それらのサービスの一部または全てを提供します。 |
| master cell bank | 抗体などタンパク質を医薬品として製造する際に用いる安定発現細胞株。恒常的に安定して抗体などを製造することができます。 |