有価証券報告書-第17期(令和2年1月1日-令和2年12月31日)
(1)経営成績等の状況の概要
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当事業年度における売上高は主として創薬支援事業における研究受託取引の拡大により、480,853千円(前期比33,276千円増加)となりました。研究開発費につきましては主に自社で開発中のCBA-1205におけるCMC費用が前年対比で大きく減少したことにより1,156,582千円(前期比142,486千円減少)となり、営業損失は1,283,622千円(前事業年度は1,401,939千円の営業損失)となりました。また、経常損失は1,291,606千円(前事業年度は1,410,314千円の経常損失)、当期純損失は1,293,798千円(前事業年度は1,403,821千円の当期純損失)となりました。当事業年度における当社の事業活動の状況といたしましては、概況は次のとおりです。
当社は、医療のアンメットニーズの高い領域における抗体医薬品を創出する創薬事業と、製薬企業等に抗体創薬にかかわる技術サービスを提供する創薬支援事業の二つの事業を展開しております。
創薬事業においては、自社開発中のファースト・イン・クラス抗体CBA-1205は2020年3月に日本国内で治験届を提出し、2020年7月より患者さんへの治験薬の投与が開始され、現在、安全性の確認を主目的とした第Ⅰ相試験が順調に進捗しております。多重特異性抗体であるCBA-1535は治験薬製造に向けて予定通りにCMC開発を進めております。探索段階にある創薬プロジェクトでは、リード抗体の創出、および知財化に向けた研究開発に継続して取り組んでおります。また、新たな創薬プロジェクト発足にむけた創薬企業やアカデミアとの共同研究に加え、Tribody技術を生かしたテーマを始動させるなど、今後の開発パイプラインの質・量の拡充に向けた取り組みを進めております。
・開発パイプライン
2017年9月にスイスのADC Therapeutics社にADC用途に限定して導出したADCT-701については、現在、ADCT社で臨床試験に向けた準備を進めております。なお、2020年8月には、当社がADCT社に許諾する権利の範囲を変更する契約を締結しております。この変更契約においては、ADCT社の権利範囲を原契約よりも限定するとともに経済条件の見直しを行っております。本変更契約により、ADCT社が開発に成功し承認を取得した場合に当社が受領できる対価の総額は従前よりも減少するものの、当社または導出先におけるCBA-1205のADC開発が可能となり、導出時の価値の向上を図ることが出来るため、当社の企業価値を高める上で有用なものと考えております。
CBA-1205については、期初に治験実施に必要なGLP(*)下での毒性試験(*)等の前臨床開発を終了し、2020年3月に日本国内で治験届を提出いたしました。2020年7月には国立研究開発法人国立がん研究センター中央病院および東病院の2施設と第Ⅰ相試験実施に関する契約を締結し、第Ⅰ相試験における患者さんへの投与が開始されております。なお本試験の前半では固形がん患者さんを対象に安全性、忍容性および体内動態を確認し、後半パートでは肝細胞がんの患者さんを対象に安全性と探索的な有効性を調べることを目的としております。
CBA-1535については、現在、治験薬製造の準備を進めており、2021年末以降の治験申請を目標として取り組んでおります。
LIV-2008については、複数の海外製薬企業において導入評価試験等が実施されております。2021年1月14日付のお知らせのとおり、当社はHenlius社との間でLIV-2008及びLIV-2008bのライセンス契約を締結いたしました。これにより、当社はHenlius社に中華人民共和国、台湾、香港およびマカオにおけるLIV-2008及びLIV-2008bの開発、製造および販売権をサブライセンス権付で許諾し、また、上記以外の全世界における権利においてはオプション権を付与しております。なお、本契約締結により受領する契約一時金(1百万ドル)については、2021年12月期第1四半期において売上として計上いたしますが、その金額および2021年12月期の業績への影響は精査中です。
BMAAについては、2018年3月にカナダのSemaThera社と共同開発ライセンス及び独占的オプション契約を締結し、評価3年目に入っています。当該オプション期間に対応するオプション料については当事業年度に対応する金額を売上高に計上しております。
・創薬プロジェクト
その他、探索段階にある6つの創薬プロジェクトが進行していますが、さらなるパイプライン拡充に向けた研究開発にも取り組んでおります。創薬プロジェクトのうち、前期末に新規特許出願を行ったがんの標的分子(非開示)をターゲットとするプロジェクトにおいては当期にPCT出願を完了しており、ADC用途を中心とした外部企業への導出または協業の機会を求めてまいります。
以上の結果、創薬事業における当事業年度の業績は、売上高3,207千円(前期比26,705千円減少)、研究開発費1,156,582千円(前期比142,486千円減少)、セグメント損失は1,154,004千円(前事業年度は1,270,358千円のセグメント損失)となりました。
創薬支援事業は、当社の安定的な収益確保に資する事業であり、当社の独自の抗体作製手法であるADLib®システムやB cell cloning法等の抗体技術プラットフォームを活かした抗体作製業務のほか、タンパク質調製業務、ADLib®システムを用いた抗体の親和性向上業務を受託し、製薬企業等の研究支援を展開しております。
当事業年度においては、新型コロナウィルス感染症の感染拡大にともなう緊急事態宣言の発出等により、当社や一部顧客において一時的な稼働低減等があったものの、その後の取引は堅調に推移し、影響は限定的なものとなりました。既存顧客との安定的な取引に加え、ヒトADLib®システムを活用した新規抗体作製に伴う売上を計上しております。また、新型コロナウィルスに対する抗体作製案件を受託し、当事業年度における完了案件に対する売上高を計上しております。さらに、当事業年度に発表したヒトADLib®システムの成果論文を契機として新規顧客への技術紹介や今後の取引開拓にむけた協議が増加しております。
なお、本事業の取引については当社のサービスが一定の評価を得て現在拡大基調にあるため、当事業年度においては、当社業務キャパシティ向上のための技術研究所の改修及び機器の増設を実施しており、今後も継続的に取引規模の拡大を目指してまいります。
創薬支援事業における当事業年度の業績は、国内製薬企業を中心として取引が拡大した結果、売上高477,645千円(前期比59,982千円増加)となり、セグメント利益は242,692千円(前期比13,244千円減少)、セグメント利益率は50.8%(目標50%)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」)の残高は2,686,318千円となり、前事業年度末と比べ580,342千円増加いたしました。各キャッシュ・フローの状況とその主な要因は以下のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果使用した資金は1,360,143千円となりました。主な内訳は、税引前当期純損失の計上や、前渡金の増加です。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は3,519千円となりました。これは敷金及び保証金の差入による支出によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果取得した資金は1,944,005千円となりました。これは主に新株予約権の行使による株式の発行によるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社は研究開発を主体としており、生産実績を定義することが困難であるため、生産実績の記載はしておりません。
b.受注実績
当社は研究開発を主体としており、受注実績を定義することが困難であるため、受注実績の記載はしておりません。
c.販売実績
当事業年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
a.経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容
当社の事業は創薬事業と創薬支援事業により構成されており、当事業年度の当社業績は、480,853千円と前事業年度と比較し33,276千円の増収となりました。これは主に、創薬支援事業の取引拡大によるもので、同事業の売上高は477,645千円と前期比114.4%となりました。当社の強みである高い業務品質と柔軟な対応力を発揮するため、国内の大手抗体医薬企業との取引を重点的に深化させた結果であり、今後も拡大基調となることを見込んでおります。
コスト面においては、販売費及び一般管理費は1,528,892千円と前期比157,694千円の減少となり、特にCBA-1205のCMC開発等の研究開発費の減少が主な要因となっております。
創薬事業は当社の成長をけん引する事業であり、アンメットニーズに光を当てるための医薬品の研究開発を推進しております。通常、医薬品の研究開発においては、研究資金の先行投資と成功時には大きなリターン、サイエンスの不確実性による開発遅延・中止リスク等と向き合うことになるため、継続的な成長のためには複数の開発パイプラインを確保するなどの手立てを打つことが重要であります。当事業年度においては、CBA-1205の第Ⅰ相臨床試験の開始、CBA-1535ではCMC開発と2本の開発候補品の取り組みが進んでおります。現時点で、当社が同事業において同時期に扱える臨床開発品目数は2本から3本と想定しており、予定通り臨床開発に向けた取り組みに至っております。これらの初期臨床開発実施後の導出を目指すことで、前臨床段階の導出と比較し、より大きな経済条件の獲得できることを目指しております。
探索段階にある創薬プロジェクトにおいては、2021年1月にはHenlius社とLIV-2008/2008bの導出契約の締結により当社の創薬パイプラインの事業化に至り、今後の当社の収益化の選択肢が拡大いたしました。さらに、がん治療用抗体であるPCDCのPCT出願が完了し、新たに導出活動を始めております。本抗体はLIV-2008/2008bに続く新規の導出契約の締結を目指して今後の導出活動を進めてまいります。また、PCDCに続く新規の創薬パイプライン創出に向けて、現在、創薬研究にも注力しております。以上の結果、当事業年度における創薬事業の売上高は3,207千円、セグメント損失は1,154,004千円となりました。
創薬支援事業は、当社の安定的な収益確保に資する事業であり、当社の抗体の技術プラットフォームを活かして日本の製薬企業やアカデミアの研究支援を実施しております。タンパク質調製業務や抗体作製など個々の業務を担う競合他社が多数ありますが、製薬企業を中心とした当社顧客に対して、高い品質や柔軟な対応を行うサテライトラボとして高付加価値型サービスを提供することを目指し、他の競合企業との差別化を図っております。なお、高付加価値型ビジネスを遂行する上での目標として、セグメント利益率を50%以上維持することとしております。当事業年度においては、日本国内の抗体医薬大手企業との取引の深耕化に重点を置いた結果、創薬支援事業の売上高は当初の業績予想額480,000千円に対し477,645千円と、達成率99.5%となりました。また、セグメント利益率は50.8%、セグメント利益は242,692千円(前年比13,244千円減)を確保しております。
両事業において、当社の強みである抗体作製にかかるコア技術をフル活用することにより、新たなビジネスの成果が芽生え、成果も創出できる状況になってまいりました。短期的には初期臨床開発にかかる研究開発コストが増大することになりますが、創薬支援事業の拡大により当社が捻出できる研究開発資金を増大させるような取り組みを継続してまいります。
なお、経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりとなっております。
b.資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社は研究開発型ベンチャー企業であり、研究開発のための先行投資が必要となっております。資本の財源となる収益については、これまで主として提携先製薬企業等から委受託業務による収益を獲得しており、加えて、保有する創薬パイプラインの導出により契約一時金、マイルストーン収入等を計上しております。将来において、当社が保有する創薬パイプラインが新たに導出に至った場合には、契約一時金、マイルストーン収入の増加が見込まれ、また、医薬品が上市された場合には販売ロイヤルティを受領することとなります。導出に至るまでの先行投資期間においては研究開発費の支出等から営業活動によるキャッシュ・フローはマイナスを計上する計画であり、当事業年度においては、CBA-1205の臨床開発やCBA-1535のCMC開発の進展などによる前渡金等の支払が発生したことにより、営業活動によるキャッシュ・フローは1,360,143千円の支出となりました。
なお、上記先行投資期間における営業活動によるキャッシュ・フローのマイナスについて、現在既に収益を得ている創薬支援事業における1社ごとの取引量や新たに取引先を拡大することで営業キャッシュ・フローの改善に努めております。また、財務活動によるキャッシュ・フローについては、助成金の獲得や必要に応じた資金調達等により補填を行っております。資金調達においては、新株予約権の発行によるエクイティファイナンスに加え、有利子負債の調達も含めて実施しており、調達上の安定性の確保の観点や財務レバレッジにも留意しております。
資金の流動性につきましては、当事業年度の営業活動によるキャッシュ・フローが1,360,143千円の支出、財務活動によるキャッシュ・フローが1,944,005千円の収入となり、現金及び現金同等物の期末残高は2,686,318千円となりました。
<用語解説>(50音、アルファベット順)
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当事業年度における売上高は主として創薬支援事業における研究受託取引の拡大により、480,853千円(前期比33,276千円増加)となりました。研究開発費につきましては主に自社で開発中のCBA-1205におけるCMC費用が前年対比で大きく減少したことにより1,156,582千円(前期比142,486千円減少)となり、営業損失は1,283,622千円(前事業年度は1,401,939千円の営業損失)となりました。また、経常損失は1,291,606千円(前事業年度は1,410,314千円の経常損失)、当期純損失は1,293,798千円(前事業年度は1,403,821千円の当期純損失)となりました。当事業年度における当社の事業活動の状況といたしましては、概況は次のとおりです。
当社は、医療のアンメットニーズの高い領域における抗体医薬品を創出する創薬事業と、製薬企業等に抗体創薬にかかわる技術サービスを提供する創薬支援事業の二つの事業を展開しております。
創薬事業においては、自社開発中のファースト・イン・クラス抗体CBA-1205は2020年3月に日本国内で治験届を提出し、2020年7月より患者さんへの治験薬の投与が開始され、現在、安全性の確認を主目的とした第Ⅰ相試験が順調に進捗しております。多重特異性抗体であるCBA-1535は治験薬製造に向けて予定通りにCMC開発を進めております。探索段階にある創薬プロジェクトでは、リード抗体の創出、および知財化に向けた研究開発に継続して取り組んでおります。また、新たな創薬プロジェクト発足にむけた創薬企業やアカデミアとの共同研究に加え、Tribody技術を生かしたテーマを始動させるなど、今後の開発パイプラインの質・量の拡充に向けた取り組みを進めております。
・開発パイプライン
2017年9月にスイスのADC Therapeutics社にADC用途に限定して導出したADCT-701については、現在、ADCT社で臨床試験に向けた準備を進めております。なお、2020年8月には、当社がADCT社に許諾する権利の範囲を変更する契約を締結しております。この変更契約においては、ADCT社の権利範囲を原契約よりも限定するとともに経済条件の見直しを行っております。本変更契約により、ADCT社が開発に成功し承認を取得した場合に当社が受領できる対価の総額は従前よりも減少するものの、当社または導出先におけるCBA-1205のADC開発が可能となり、導出時の価値の向上を図ることが出来るため、当社の企業価値を高める上で有用なものと考えております。
CBA-1205については、期初に治験実施に必要なGLP(*)下での毒性試験(*)等の前臨床開発を終了し、2020年3月に日本国内で治験届を提出いたしました。2020年7月には国立研究開発法人国立がん研究センター中央病院および東病院の2施設と第Ⅰ相試験実施に関する契約を締結し、第Ⅰ相試験における患者さんへの投与が開始されております。なお本試験の前半では固形がん患者さんを対象に安全性、忍容性および体内動態を確認し、後半パートでは肝細胞がんの患者さんを対象に安全性と探索的な有効性を調べることを目的としております。
CBA-1535については、現在、治験薬製造の準備を進めており、2021年末以降の治験申請を目標として取り組んでおります。
LIV-2008については、複数の海外製薬企業において導入評価試験等が実施されております。2021年1月14日付のお知らせのとおり、当社はHenlius社との間でLIV-2008及びLIV-2008bのライセンス契約を締結いたしました。これにより、当社はHenlius社に中華人民共和国、台湾、香港およびマカオにおけるLIV-2008及びLIV-2008bの開発、製造および販売権をサブライセンス権付で許諾し、また、上記以外の全世界における権利においてはオプション権を付与しております。なお、本契約締結により受領する契約一時金(1百万ドル)については、2021年12月期第1四半期において売上として計上いたしますが、その金額および2021年12月期の業績への影響は精査中です。
BMAAについては、2018年3月にカナダのSemaThera社と共同開発ライセンス及び独占的オプション契約を締結し、評価3年目に入っています。当該オプション期間に対応するオプション料については当事業年度に対応する金額を売上高に計上しております。
・創薬プロジェクト
その他、探索段階にある6つの創薬プロジェクトが進行していますが、さらなるパイプライン拡充に向けた研究開発にも取り組んでおります。創薬プロジェクトのうち、前期末に新規特許出願を行ったがんの標的分子(非開示)をターゲットとするプロジェクトにおいては当期にPCT出願を完了しており、ADC用途を中心とした外部企業への導出または協業の機会を求めてまいります。
以上の結果、創薬事業における当事業年度の業績は、売上高3,207千円(前期比26,705千円減少)、研究開発費1,156,582千円(前期比142,486千円減少)、セグメント損失は1,154,004千円(前事業年度は1,270,358千円のセグメント損失)となりました。
創薬支援事業は、当社の安定的な収益確保に資する事業であり、当社の独自の抗体作製手法であるADLib®システムやB cell cloning法等の抗体技術プラットフォームを活かした抗体作製業務のほか、タンパク質調製業務、ADLib®システムを用いた抗体の親和性向上業務を受託し、製薬企業等の研究支援を展開しております。
当事業年度においては、新型コロナウィルス感染症の感染拡大にともなう緊急事態宣言の発出等により、当社や一部顧客において一時的な稼働低減等があったものの、その後の取引は堅調に推移し、影響は限定的なものとなりました。既存顧客との安定的な取引に加え、ヒトADLib®システムを活用した新規抗体作製に伴う売上を計上しております。また、新型コロナウィルスに対する抗体作製案件を受託し、当事業年度における完了案件に対する売上高を計上しております。さらに、当事業年度に発表したヒトADLib®システムの成果論文を契機として新規顧客への技術紹介や今後の取引開拓にむけた協議が増加しております。
なお、本事業の取引については当社のサービスが一定の評価を得て現在拡大基調にあるため、当事業年度においては、当社業務キャパシティ向上のための技術研究所の改修及び機器の増設を実施しており、今後も継続的に取引規模の拡大を目指してまいります。
創薬支援事業における当事業年度の業績は、国内製薬企業を中心として取引が拡大した結果、売上高477,645千円(前期比59,982千円増加)となり、セグメント利益は242,692千円(前期比13,244千円減少)、セグメント利益率は50.8%(目標50%)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」)の残高は2,686,318千円となり、前事業年度末と比べ580,342千円増加いたしました。各キャッシュ・フローの状況とその主な要因は以下のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果使用した資金は1,360,143千円となりました。主な内訳は、税引前当期純損失の計上や、前渡金の増加です。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は3,519千円となりました。これは敷金及び保証金の差入による支出によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果取得した資金は1,944,005千円となりました。これは主に新株予約権の行使による株式の発行によるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社は研究開発を主体としており、生産実績を定義することが困難であるため、生産実績の記載はしておりません。
b.受注実績
当社は研究開発を主体としており、受注実績を定義することが困難であるため、受注実績の記載はしておりません。
c.販売実績
当事業年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当事業年度 (自 2020年1月1日 至 2020年12月31日) | |
| 販売高(千円) | 前年同期比(%) | |
| 創薬事業 | 3,207 | 10.7 |
| 創薬支援事業 | 477,645 | 114.4 |
| 合計 | 480,853 | 107.4 |
(注)1.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
| 相手先 | 前事業年度 (自 2019年1月1日 至 2019年12月31日) | 当事業年度 (自 2020年1月1日 至 2020年12月31日) | ||
| 販売高 (千円) | 割合(%) | 販売高 (千円) | 割合(%) | |
| 小野薬品 | 169,432 | 37.8 | 214,214 | 44.55 |
| 中外製薬グループ | 183,328 | 40.9 | 156,030 | 32.45 |
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
a.経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容
当社の事業は創薬事業と創薬支援事業により構成されており、当事業年度の当社業績は、480,853千円と前事業年度と比較し33,276千円の増収となりました。これは主に、創薬支援事業の取引拡大によるもので、同事業の売上高は477,645千円と前期比114.4%となりました。当社の強みである高い業務品質と柔軟な対応力を発揮するため、国内の大手抗体医薬企業との取引を重点的に深化させた結果であり、今後も拡大基調となることを見込んでおります。
コスト面においては、販売費及び一般管理費は1,528,892千円と前期比157,694千円の減少となり、特にCBA-1205のCMC開発等の研究開発費の減少が主な要因となっております。
創薬事業は当社の成長をけん引する事業であり、アンメットニーズに光を当てるための医薬品の研究開発を推進しております。通常、医薬品の研究開発においては、研究資金の先行投資と成功時には大きなリターン、サイエンスの不確実性による開発遅延・中止リスク等と向き合うことになるため、継続的な成長のためには複数の開発パイプラインを確保するなどの手立てを打つことが重要であります。当事業年度においては、CBA-1205の第Ⅰ相臨床試験の開始、CBA-1535ではCMC開発と2本の開発候補品の取り組みが進んでおります。現時点で、当社が同事業において同時期に扱える臨床開発品目数は2本から3本と想定しており、予定通り臨床開発に向けた取り組みに至っております。これらの初期臨床開発実施後の導出を目指すことで、前臨床段階の導出と比較し、より大きな経済条件の獲得できることを目指しております。
探索段階にある創薬プロジェクトにおいては、2021年1月にはHenlius社とLIV-2008/2008bの導出契約の締結により当社の創薬パイプラインの事業化に至り、今後の当社の収益化の選択肢が拡大いたしました。さらに、がん治療用抗体であるPCDCのPCT出願が完了し、新たに導出活動を始めております。本抗体はLIV-2008/2008bに続く新規の導出契約の締結を目指して今後の導出活動を進めてまいります。また、PCDCに続く新規の創薬パイプライン創出に向けて、現在、創薬研究にも注力しております。以上の結果、当事業年度における創薬事業の売上高は3,207千円、セグメント損失は1,154,004千円となりました。
創薬支援事業は、当社の安定的な収益確保に資する事業であり、当社の抗体の技術プラットフォームを活かして日本の製薬企業やアカデミアの研究支援を実施しております。タンパク質調製業務や抗体作製など個々の業務を担う競合他社が多数ありますが、製薬企業を中心とした当社顧客に対して、高い品質や柔軟な対応を行うサテライトラボとして高付加価値型サービスを提供することを目指し、他の競合企業との差別化を図っております。なお、高付加価値型ビジネスを遂行する上での目標として、セグメント利益率を50%以上維持することとしております。当事業年度においては、日本国内の抗体医薬大手企業との取引の深耕化に重点を置いた結果、創薬支援事業の売上高は当初の業績予想額480,000千円に対し477,645千円と、達成率99.5%となりました。また、セグメント利益率は50.8%、セグメント利益は242,692千円(前年比13,244千円減)を確保しております。
両事業において、当社の強みである抗体作製にかかるコア技術をフル活用することにより、新たなビジネスの成果が芽生え、成果も創出できる状況になってまいりました。短期的には初期臨床開発にかかる研究開発コストが増大することになりますが、創薬支援事業の拡大により当社が捻出できる研究開発資金を増大させるような取り組みを継続してまいります。
なお、経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりとなっております。
b.資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社は研究開発型ベンチャー企業であり、研究開発のための先行投資が必要となっております。資本の財源となる収益については、これまで主として提携先製薬企業等から委受託業務による収益を獲得しており、加えて、保有する創薬パイプラインの導出により契約一時金、マイルストーン収入等を計上しております。将来において、当社が保有する創薬パイプラインが新たに導出に至った場合には、契約一時金、マイルストーン収入の増加が見込まれ、また、医薬品が上市された場合には販売ロイヤルティを受領することとなります。導出に至るまでの先行投資期間においては研究開発費の支出等から営業活動によるキャッシュ・フローはマイナスを計上する計画であり、当事業年度においては、CBA-1205の臨床開発やCBA-1535のCMC開発の進展などによる前渡金等の支払が発生したことにより、営業活動によるキャッシュ・フローは1,360,143千円の支出となりました。
なお、上記先行投資期間における営業活動によるキャッシュ・フローのマイナスについて、現在既に収益を得ている創薬支援事業における1社ごとの取引量や新たに取引先を拡大することで営業キャッシュ・フローの改善に努めております。また、財務活動によるキャッシュ・フローについては、助成金の獲得や必要に応じた資金調達等により補填を行っております。資金調達においては、新株予約権の発行によるエクイティファイナンスに加え、有利子負債の調達も含めて実施しており、調達上の安定性の確保の観点や財務レバレッジにも留意しております。
資金の流動性につきましては、当事業年度の営業活動によるキャッシュ・フローが1,360,143千円の支出、財務活動によるキャッシュ・フローが1,944,005千円の収入となり、現金及び現金同等物の期末残高は2,686,318千円となりました。
<用語解説>(50音、アルファベット順)
| 用語 | 意味・内容 |
| アンメットニーズ | 現状の医療では満たされていない(未充足)ニーズのことです。具体的には、有効な治療法や薬剤がない場合、薬剤があっても使い勝手が悪い、または副作用が強い、一時的に症状を抑えても再発する、時間とともに悪化するような場合、あるいは治療費が非常に高額になるような場合等にアンメットニーズが存在するといいます。 |
| 幹細胞 | 幹細胞は未分化な細胞で、色々な細胞に分化できる能力と、いつまでも同じ状態で増殖を維持できる能力を持つ特殊な細胞です。 |
| シーズ | 事業化・製品化の可能性はあるものの、まだ“種または芽(シーズ)”の状態であり、現時点では大きな売上や価値を生み出さないものの、将来の可能性を秘めたモノ、技術やノウハウのことを指します。企業やアカデミアが見出したものの活用していないような技術や特許等も含まれ、当社の場合、研究初期段階のターゲット抗原やその候補、抗体等が有力な候補となります。 |
| 上市 | 承認された新薬の市場販売が開始されることをいいます。 |
| 前駆細胞 | 幹細胞から特定の体細胞や生殖細胞に分化する途中の段階にある細胞のことで、幹細胞よりも分化できる能力が限られています。 |
| 前臨床試験 | 医薬品の研究開発において、ヒトを対象とする臨床試験の前に行う試験のことです。動物を用いて、医薬品候補化合物等の有効性や安全性を評価します。非臨床試験ともいいます。 |
| 相同組換え | 相同組換え(相同的組換え)は、遺伝子配列がよく似た部位(相同部位)の間で起こる遺伝子の組換えメカニズムのことをいいます。ニワトリDT40細胞における抗体遺伝子における相同組換えは、抗体遺伝子の多様性を作り出すための仕組みとして機能しています。 |
| 探索研究 | 創薬研究の最初の段階として、医薬品の元となる生理活性を持つ物質を探索する研究段階があります。この研究を一般的に探索研究と呼びます。抗体医薬品の研究開発では、ターゲットである抗原について調べたり、様々な方法で抗体を作製したり、リード抗体を選別するための方法を確立したり、抗体の効果を試験管内の実験や予備的な動物実験により確かめたりする初期段階を探索研究と呼んでいます。 |
| 導出(ライセンスアウト) | 特許権やノウハウ等を他者に売却したり、実施許諾することをいいます。 |
| 導入(ライセンスイン) | 他者が持つ特許権やノウハウ等を買い取ったり実施許諾を受けたりすることをいいます。 |
| 動物免疫 | 動物に抗体を作らせる方法のことです。抗原タンパク質や抗原タンパク質を発現する細胞などを注射すると、その動物の免疫反応により体内に抗原に対する抗体が作り出されます。 |
| 特異的抗体 | ある特定の抗原に結合する抗体です。 |
| 毒性試験 | 前臨床試験として、医薬候補品をマウス・サルなどの動物に投与して毒性を評価します。「医薬品の安全性に関する非臨床試験の実施基準」に基づき試験が実施され、GLP-Tox(good laboratory practice toxicities)試験ともいいます。 |
| トリコスタチンA(TSA) | ニワトリDT40細胞にクロマチン弛緩を誘導するために利用する薬剤で、ヒストン脱アセチル化酵素という種類の酵素の働きを阻害する作用があります。ADLib®システムにおいて、ニワトリDT40細胞の抗体遺伝子組換えを活性化することによって、抗体タンパク質の多様性を増大させる役割を担う薬剤です。 |
| バイスペシフィック抗体 | 通常、抗体は抗原を認識する部位を2つ持っており、それらは同じ抗原を認識します。それに対し、2つの抗原認識部位がそれぞれ別のターゲット(抗原)を認識するものをバイスペシフィック抗体といいます。 |
| 用語 | 意味・内容 |
| パイプライン | 新薬として開発している医薬品候補化合物等のことを「パイプライン」といいます。創薬研究から臨床開発を経て関係当局の承認を受けるまでの活動を「創薬」と呼び、「創薬パイプライン」とは創薬のいずれかの段階にあるパイプラインのことをいいます。また、創薬パイプラインのうち開発段階に入ったパイプラインのことを、特に「開発パイプライン」ということがあります。 |
| ハイブリドーマ法 | 抗原を免疫した動物から抗体を作り出すB細胞を取り出し、増殖し続ける能力を持った特殊な細胞(ミエローマ細胞)と融合させて、抗体を作り続ける細胞(ハイブリドーマ)を作製する方法です。 |
| ヒト化抗体 | 遺伝子工学の技術により、マウス等の抗体分子の抗原結合部位をヒトの抗体分子に移植した抗体。マウス等由来のアミノ酸配列は全体の5%ほどで、残り95%はヒト由来のアミノ酸配列となるため、ヒトに投与した場合に異物として認識される可能性が軽減されます。 |
| ファースト・イン・クラス | 一般的には、その作用機序の医薬品の中で市場に最初に登場した医薬品を指します。類似薬がないことから高い薬価と高い売上が期待できます。抗体の場合は、あるタンパク質(抗原)をターゲットとする初めての抗体医薬をファースト・イン・クラス抗体と呼びます。当社ではそうした抗原をターゲットとすることで、これまでにない医薬品候補抗体の開発を目指し、治療充足度が十分でない疾患の治療に貢献します。 |
| マイルストーン | 導出後の臨床試験等の進捗に伴い、その節目(マイルストーン)ごとに受領する収入のことをいいます。 |
| 免疫寛容 | 特定の抗原(例えば、自身の体の構成成分やそれに似ているもの)に対して免疫反応が起こらない状態をいいます。 |
| 免疫チェックポイント阻害剤 | いわゆる免疫療法の一種です。最近話題になっているこの治療薬は、これまでの免疫療法では免疫細胞の攻撃力を高める、アクセルを踏む働きが中心であったのに対し、例えばがん細胞によって免疫細胞にかけられたブレーキを外す働きをもっています。従来の治療法では効果が十分見られなかった患者様にも治療効果をあげることに成功しています。 |
| 免疫反応 | 生体に侵入してきた異物を排除する生体反応のことをいいます。 |
| モノクローナル抗体 | 単一の抗体産生細胞から得られた抗体のことをいいます。モノクローナル抗体は1つの抗原にのみ結合し、また結合する場所が決まっているため、均一で再現性の高い抗体になります。そのため、抗体医薬品の多くは、モノクローナル抗体が使われています。当社では、ADLib®システム、ハイブリドーマ法、B cell cloning法によりモノクローナル抗体を取得することができます。 |
| ライブラリ | ADLib®システムでは、多種多様な抗体を産生する細胞集団のことをライブラリと呼びます。ライブラリに含まれる細胞が産生する抗体の種類が多いほど、目的に合った抗体を取得できる確率が高くなります。当社では、トリライブラリ、マウスキメラライブラリ、ヒトライブラリを所有しており、顧客ニーズに合わせてライブラリを選択し、抗体作製を行っています。 |
| リード抗体 | ADLib®システム、ハイブリドーマ法、B cell cloning法などの様々な手法で作成した抗体の中から、親和性、特異性、生物活性、安定性などのスクリーニングによって見出された医薬品になる可能性を有する抗体群をリード候補抗体と呼び、これらのリード候補抗体群のうち、医薬品としてその後の最適化などのステップに進めるための抗体をリード抗体と呼びます。 |
| 用語 | 意味・内容 |
| 臨床試験 | 臨床試験には、次の3段階があります。 第Ⅰ相試験(フェーズⅠ):少数の治験参加者を対象に、治験薬の安全性と治験薬が体内に入ってどのような動きをするのかを確認する試験 第Ⅱ相試験(フェーズⅡ):第Ⅰ相試験で安全性が確認された用量の範囲で、比較的少数の患者さんを対象に、治験薬の有効性(効果)、安全性、用法(投与の仕方:投与回数、投与期間、投与間隔など)・用量(最も効果的な投与量)を確認する試験 第Ⅲ相試験(フェーズⅢ):第Ⅱ相試験で確認された用法・用量で、多数の患者さんに治験薬を対象に、有効性と安全性を検証する試験 初期臨床試験は主に第Ⅰ相試験および初期の第Ⅱ相試験のことを指し、治験薬の安全性を主に、有効性の兆しを観察します。 |
| ロイヤルティ | 製品が販売(上市)された後に、その販売額の一定比率を受領する収入のことをいいます。 |
| ADC | 抗体薬物複合体(Antibody drug conjugate)のことを指します。例えば、悪性腫瘍の細胞表面だけに存在するタンパク質(抗原)に特異的に結合する抗体に毒性の高い薬剤を結合させると、そのADCは悪性腫瘍だけを死滅させることができます。このため、比較的副作用が少なく効き目の強い薬剤となる可能性があります。 |
| ADCC活性 | 抗体依存性細胞傷害活性(Antibody Dependent Cellular Cytotoxicity)のことです。抗体薬には、がん細胞の表面に発現する標的抗原(標的分子)に結合し抗腫瘍効果を示す直接的な作用のほかに、患者さん自身の免疫細胞(マクロファージやNK細胞等)を介して抗腫瘍効果を発揮する作用があります。そのため、標的抗原の発現量だけでなく、患者さん自身の免疫状態、特に抗体薬が生体内の免疫細胞をがん周囲に呼び寄せ、集まった免疫細胞を活性化することで大きな治療効果を期待できることがあります。このような作用をADCC活性といいます。 |
| ADLib®(アドリブ)システム | ライブラリから特定の抗原を固定した磁気ビーズを用いて目的の抗原に結合する抗体産生細胞を取り出す仕組みです。ADLib®システムで用いるライブラリは、ニワトリのBリンパ細胞由来のDT40細胞の持つ抗体遺伝子の自律的な相同組換えを活性化することによって、抗体タンパク質の多様性が増大しております。既存の方法に比べ、迅速性に優れていることおよび従来困難であった抗体取得が可能になる場合があること等の点に特徴があると考えております。 |
| B細胞 | リンパ球の1種で骨髄由来の細胞です。抗原の侵入に応答して増殖し、抗体(免疫グロブリン)を生産する細胞へと分化して抗体を産生します。 |
| B cell cloning法 | 目的の抗原への結合性抗体を産生する単一のBリンパ細胞を選択し、抗体遺伝子をクローニングする手法のことです。ハイブリドーマ法と異なり、増殖し続ける能力を持った特殊な細胞(ミエローマ細胞)と融合させる工程を省くことができます。 |
| BMAA(抗セマフォリン3A抗体) | セマフォリン3Aは神経の先端の伸長を制御する因子として発見されました。これまでの研究により、セマフォリン3Aを阻害することにより神経再生が起こること、また炎症・免疫反応やがん、骨の形成、アルツハイマー病、糖尿病合併症等とも関連していることが報告されております。抗セマフォリン3A抗体は、この因子の働きを抑えることによりアンメットニーズの高い各種疾患の治療薬開発に結びつくことが期待される抗体です。本抗体は、当社独自の抗体作製技術であるADLib®システムで取得されました。 |
| CMC | Chemistry, Manufacturing and Controlの略で、医薬品の原薬・製剤の化学・製造およびその品質管理を指します。 |
| 用語 | 意味・内容 |
| GLP | Good Laboratory Practiceの略称で、医薬品の安全性に関する前臨床試験の実施の基準を指します。安全性評価試験の信頼性を確保するため、試験施設が備えるべき設備、機器、組織、試験の手順等について基準を定めたものです。 |
| CMO | Contract Manufacturing Organizationの略称で、製薬会社から医薬品(治験薬・市販薬を含 む)の製造を受託する企業を指します。医薬品を製造するためには、GMP(医薬品等の製造管理 および品質管理に関する基準)をクリアする必要があり、CMOはGMPに対応できる技術力と、開発ライン・製造ラインの設備を備えています。 |
| CRO | 製薬企業が行う臨床試験を支援する組織(Contract Research Organization)のことです。質の高い臨床試験が実施できるように試験計画などのコンサルティングなどを行い、臨床試験のスピード化、質の向上、人件費の最小化などの役割を担っています。 |
| DT40細胞 | ニワトリのファブリキウス嚢(鳥類に特有な一次免疫器官)から取り出され、がん遺伝子の導入により不死化されたB細胞の1つです。このDT40細胞株では抗体遺伝子の相同組換えが高頻度で起きることが知られており、当社ではさらに薬剤により抗体遺伝子組換えを人為的に誘導して、多様な抗体を産生する細胞集団(ライブラリ)を作り出しています。これがADLib®システムの技術の基になっています。 |
| Tribody | 英国のBiotecnol社が開発した多重特異性抗体を作製する技術であるTrisoma®で作製された抗体の総称です。バイスペシフィック抗体と同様に複数の標的(抗原)に結合することができますが、Tribodyは抗原結合部位が3ヶ所あるので最大3種類の抗原に結合することができます。さらに、通常のバイスペシフィック抗体よりも分子量が大きいので腎代謝を受けにくい特徴があります。 |