有価証券報告書-第15期(平成30年1月1日-平成30年12月31日)

【提出】
2019/03/28 17:02
【資料】
PDFをみる
【項目】
80項目
(1)経営成績等の状況の概要
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
抗体医薬品は、がんや自己免疫疾患等を中心に医療の現場で処方されており、近年の全世界医療用医薬品の市場においては売上高上位10位のうちの半数を占めるまでになっております。京都大学高等研究院の本庶佑特別教授がノーベル医学生理学賞を受賞したことで話題になったオプジーボ(一般名ニボルマブ)等に代表される免疫チェックポイント阻害剤は製品化された後、その適応症が順次拡大されるとともに、他の抗体医薬品との併用療法によるがん治療の向上を目指した開発研究が多数実施されており、今後も抗体医薬品市場の一層の拡大が期待されております。
このような外部環境の中、当事業年度における当社の事業活動の状況は、創薬事業において、当社が創製した抗セマフォリン3A抗体について、カナダのSemaThera社(以下「ST社」)と共同開発ライセンスおよび独占的オプション契約を締結し、臨床開発に向けた評価を開始いたしました。CBA-1205については、自社での臨床試験開始を目指して準備を進めております。上記2抗体はいずれもファースト・イン・クラスの治療薬を目指しております。また、新規の臨床開発パイプラインとして、2018年12月に英国のBiotecnol社(以下「BT社」)とがん治療用抗体「Tb535H」と抗体改変技術の資産譲渡契約を締結いたしました。当社において初期臨床試験に向けたプロジェクトを発足し、当該抗体の臨床開発コードを「CBA-1535」に変更いたしました。
創薬支援事業においては、中外製薬株式会社(以下「中外製薬」)および同社の海外子会社であるChugai Pharmabody Research Pte. Ltd.(以下「中外製薬グループ」)との取引に加え、小野薬品工業株式会社(以下「小野薬品」)と2018年5月に締結した委受託基本契約に基づく業務遂行において、当社の研究機能を高く評価いただき、2018年10月に追加の委受託契約を締結いたしました。また、協和発酵キリン株式会社(以下「協和キリン」)やその他企業と新たに契約を締結し、継続的にタンパク質精製サービスを提供しております。2018年12月には中外製薬との委託研究取引基本契約を延長し、契約期間をこれまでの2年間から3年間(2021年12月まで)に延長いたしました。以上のように新規顧客の開拓と既存顧客との連携強化によって創薬支援事業の基盤の強化を図り、今後の売上の拡大を目指して営業活動を継続しております。
この結果、当事業年度における売上高は212,851千円(前期比47,044千円減少)、営業損失は1,539,121千円(前事業年度は887,868千円の営業損失)、経常損失は1,533,952千円(前事業年度は883,627千円の経常損失)、当期純損失は1,533,502千円(前事業年度は882,570千円の当期純損失)となりました。
研究開発費について、当社は、従前の経営方針においては全ての保有資産が一体となってキャッシュ・フローを生成していたことから、前事業年度において研究開発費を各報告セグメントへ配分しておりませんでした。しかしながら、当事業年度より、新たな経営方針に基づき、各報告セグメントの業績をより適切に把握するため、従来、各報告セグメントに対応させていなかった全社費用の一部を、合理的な測定方法に基づき各報告セグメントに対応させております。
各セグメントの経営成績は次のとおりです。
a. 創薬事業
ADCT-701(LIV-1205ADC)については、導出先であるスイスのADC Therapeutics社にて2019年後半の治験計画届(*)の提出とその後の臨床試験開始に向けた準備が順調に進捗しております。
BMAA(ヒト化抗セマフォリン3A抗体)については、2018年3月にST社と糖尿病黄斑浮腫および非眼科領域を含む糖尿病合併症等に対する治療薬及び診断薬の開発に関する共同開発ライセンス及び独占的オプション契約を締結し、オプション期間に対応するオプション料を受領しております。現在、本抗体はST社での評価が行われております。
自社で開発中のCBA-1205については、ADCC活性を高めた抗体産生細胞株(マスターセルバンク)の構築および原薬製造のためのプロセス開発が完了し、委託先にて臨床試験用の原薬および治験薬の製造準備を進めております。また、社内に臨床開発の実施を担う臨床開発部を発足させ、臨床開発計画の検討およびCRO(*)の選定を実施いたしました。
新規パイプラインの拡充としては、英国のBT社が独自の多重特異性抗体Tribody技術を用いて創製した新規のがん治療用抗体CBA-1535をBT社から買い取ったことで、当社の開発パイプラインが強化されました。CBA-1535については今後の初期臨床開発にむけた準備を進めてまいります。
将来のパイプライン拡充に向けては、新規の創薬シーズに関わる探索研究に積極的に取り組み、当社のネットワークを駆使して外部機関へのコンタクトおよび情報収集を継続しております。また、前事業年度に引き続き当事業年度も、難治性がん、希少疾患ならびに指定難病における治療標的の確立に有用な研究テーマの公募・助成を行っており、その結果、国内の研究機関との創薬研究や当社の抗体作製技術や関連技術を用いた共同研究の新規契約につながっております。また、創薬プロジェクトの取り組みにつきましては、アンメットニーズの高さ、シーズの新規性・独創性、抗体作製の進捗等を勘案して優先的に資源配分の比率を高めるため、5プロジェクト(がん領域・感染症領域・中枢神経領域)を選定するなど、早期の成果創出に向けた取り組みを積極的に行っております。
以上の結果、当該事業における当事業年度の業績は、売上高2,280千円(前期比57,281千円減少)、研究開発費1,230,337千円(前期比637,952千円増加)、セグメント損失1,234,364千円(前事業年度は535,378千円のセグメント損失)となりました。
b. 創薬支援事業
創薬支援事業においては、中外製薬グループとの委託研究に関する契約に基づく取引が事業の中心となりました。また、新規顧客の小野薬品および協和キリン等との取引にかかる売上を計上いたしました。さらに、小野薬品とは、この業務を通じて当社の研究機能を評価いただいた結果、小野薬品のニーズに応える研究リソースを当社内に確保することで同社の創薬支援を行うことを目的とした追加の委受託契約を締結し、当該業務遂行にかかる売上を計上いたしました。本事業については今後も継続的な取引とその規模拡大にむけて取り組みを進めております。
また、国内外の大学、研究機関および企業に向けて、自社抗体作製技術であるADLib®システムやB cell cloning法等の各種抗体作製手法を用いた抗体作製サービスも提供いたしました。
以上の結果、当該事業における当事業年度の業績は、売上高210,571千円(前期比10,236千円増加)、セグメント利益115,304千円(前期比2,103千円減少)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」)の残高は2,328,513千円となり、前事業年度末と比較して1,698,953千円減少いたしました。各キャッシュ・フローの状況とその主な要因は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において営業活動により使用した資金は1,688,713千円となりました。主な内訳は、税引前当期純損失の計上です。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において投資活動による資金の増減はありません。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において財務活動により使用した資金は10,239千円となりました。この内訳は、自己新株予約権の取得による支出と長期借入金の返済による支出です。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社は研究開発を主体としており、生産実績を定義することが困難であるため、生産実績の記載はしておりません。
b.受注実績
当社は研究開発を主体としており、受注実績を定義することが困難であるため、受注実績の記載はしておりません。
c.販売実績
当事業年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当事業年度
(自 2018年1月1日
至 2018年12月31日)
販売高(千円)前年同期比(%)
創薬事業2,2803.8
創薬支援事業210,571105.1
合計212,85181.9

(注)1.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
相手先前事業年度
(自 2017年1月1日
至 2017年12月31日)
当事業年度
(自 2018年1月1日
至 2018年12月31日)
販売高
(千円)
割合(%)販売高
(千円)
割合(%)
中外製薬グループ175,19467.4137,48064.5
ADC Therapeutics社59,46822.9--

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
①重要な会計方針および見積り
当社の財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。その作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債および収益・費用の報告金額および開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者はこれらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積りによる不確実性のためこれらの見積りと異なる場合があります。
②当事業年度の経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容
a.財政状態の分析
(流動資産)
当事業年度末における流動資産の残高は2,609,952千円となり、前事業年度末と比較して1,586,729千円減少いたしました。これは主に、販売費及び一般管理費や原薬製造費の支払による現金及び預金の減少によるものです。
(固定資産)
当事業年度末における固定資産の残高は221,241千円となり、前事業年度末と比較して1,542千円減少いたしました。これは主に、減価償却費の計上による有形固定資産の減少と長期前払費用の増加によるものです。
(負債)
当事業年度末における負債の残高は154,474千円となり、前事業年度末と比較して47,416千円減少いたしました。これは主に、未払金の減少によるものです。
(純資産)
当事業年度末における純資産の残高は2,676,719千円となり、前事業年度末と比較して1,540,855千円減少いたしました。これは主に、当期純損失計上による利益剰余金の減少によるものです。
b.経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容
当社の事業は創薬事業と創薬支援事業により構成されており、当事業年度の当社業績は、47,044千円の減収となりました。これは主に前事業年度の2017年12月期に創薬事業でCBA-1205の導出一時金を計上していた影響によるものです。その一方、創薬支援事業については、210,571千円と前期比105.1%となりました。新規に製薬企業との取引の増加しており、今後も拡大基調となることを見込んでおります。
コスト面においては、販管費及び一般管理費は1,650,398千円と前期比588,116千円の増加となり、特にCBA-1205のCMC開発やBT社からの資産譲渡による研究開発費の増加が主な要因となっております。
創薬事業は当社の成長をけん引する事業であり、アンメットニーズに光を当てるための医薬品の研究開発を推進しております。通常、医薬品の研究開発においては、研究資金の先行投資と成功時には大きなリターン、サイエンスの不確実性による開発遅延・中止リスク等と向き合うことになるため、継続的な成長のためには複数の開発パイプラインを確保するなどの手立てを打つことが重要であります。当事業年度においては、CBA-1205のCMC開発の進捗、がん治療用抗体CBA-1535獲得、探索段階にある創薬プロジェクトの絞り込みとステージアップ、新規の創薬プロジェクト発足にむけた共同研究の開始など、開発パイプラインの拡充にむけた取り組みが着実に進展しております。CBA-1205・CBA-1535については初期臨床開発実施後の導出を目指すことで、前臨床段階の導出と比較し、より大きな経済条件の獲得できることを目指しております。以上の結果、当事業年度における創薬事業売上高は2,280千円、営業損失は1,234,364千円となりました。
創薬支援事業は、当社の安定的な収益確保に資する事業であり、当社の抗体の技術プラットフォームを活かして日本の製薬企業やアカデミアの研究支援を実施しております。タンパク質調製業務や抗体作製など個々の業務を担う競合他社が多数ありますが、高い品質でのサービス提供を目指すことで中外製薬に加えて、新たに小野薬品や協和キリンといった抗体の研究開発を実施する製薬企業様からの評価を頂き、今後の取引量の増加が見込まれております。以上の結果、当事業年度における創薬支援事業の売上高は210,571千円、営業利益は115,304千円となりました。
両事業において、当社の強みである抗体作製にかかるコア技術をフル活用することにより、新たなビジネスの成果が芽生えつつある状況になってまいりました。短期的には初期臨床開発にかかる研究開発コストが増大することになりますが、創薬支援事業の拡大によりその影響が小さくできるような対応を実施してまいります。
なお、経営成績に重要な影響を与える要因について「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりとなっております。
c.資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社は研究開発型ベンチャー企業であり、医療のアンメットニーズに対する創薬活動を推進しております。収益については、これまで主として提携先製薬企業等から委受託業務による収益を獲得しており、加えて、保有する創薬パイプラインの導出により契約一時金、マイルストーン収入等を計上しております。将来において、当社が保有する創薬パイプラインが新たに導出に至った場合には、契約一時金、マイルストーン収入の増加が見込まれ、また、医薬品が上市された場合には販売ロイヤルティを受領することとなります。導出に至るまでの先行投資期間においては研究開発費の支出等から営業活動によるキャッシュ・フローはマイナスを計上する計画であり、当事業年度においては、CBA-1205のCMC開発の進展、BT社から資産譲受が主たる要因となり前事業年度よりも研究開発費が増加637,952千円増加、営業活動によるキャッシュ・フローは1,688,713千円の支出となりました。
なお、上記先行投資期間における営業活動によるキャッシュ・フローのマイナスについて、現在既に収益を得ている創薬支援事業における1社ごとの取引量や新たに取引先を拡大することで営業キャッシュ・フローの改善に努めおります。また、財務活動によるキャッシュ・フローについては、助成金の獲得や必要に応じた資金調達等により補填を行っております。
資金の流動性につきましては、当事業年度の営業活動によるキャッシュ・フローが1,688,713千円の支出、財務活動によるキャッシュ・フローが10,239千円の支出となり、現金及び現金同等物の期末残高は2,328,513千円となりました。
<用語解説>(50音、アルファベット順)
用語意味・内容
アンメットニーズ現状の医療では満たされていない(未充足)ニーズのことです。具体的には、有効な治療法や薬剤がない場合、薬剤があっても使い勝手が悪い、または副作用が強い、一時的に症状を抑えても再発する、時間とともに悪化するような場合、あるいは治療費が非常に高額になるような場合等にアンメットニーズが存在するといいます。
インターナリゼーション細胞表面にあるタンパク質(抗原)の中には、抗原に特異的な抗体が結合すると、抗体とともに抗原が細胞内に輸送される内在化(インターナリゼーション)と呼ばれる現象が起こるものがあります。この性質を利用して、毒性の高い薬剤を抗体に結合させた抗体薬物複合体(ADC)をがん細胞内に運ぶことが可能になります。
幹細胞幹細胞は未分化な細胞で、色々な細胞に分化できる能力と、いつまでも同じ状態で増殖を維持できる能力を持つ特殊な細胞です。
抗セマフォリン3A抗体セマフォリン3Aは神経の先端の伸長を制御する因子として発見されました。これまでの研究により、セマフォリン3Aを阻害することにより神経再生が起こること、また炎症・免疫反応やがん、骨の形成、アルツハイマー病、糖尿病合併症等とも関連していることが報告されております。抗セマフォリン3A抗体は、この因子の働きを抑えることによりアンメットニーズの高い各種疾患の治療薬開発に結びつくことが期待される抗体です。本抗体は、当社独自の抗体作製技術であるADLib®システムで取得されました。
シーズ事業化・製品化の可能性はあるものの、まだ“種または芽(シーズ)”の状態であり、現時点では大きな売上や価値を生み出さないものの、将来の可能性を秘めたモノ、技術やノウハウのことを指します。企業やアカデミアが見出したものの活用していないような技術や特許等も含まれ、当社の場合、研究初期段階のターゲット抗原やその候補、抗体等が有力な候補となります。
上市承認された新薬の市場販売が開始されることをいいます。
前駆細胞幹細胞から特定の体細胞や生殖細胞に分化する途中の段階にある細胞のことで、幹細胞よりも分化できる能力が限られています。
前臨床試験医薬品の研究開発において、ヒトを対象とする臨床試験の前に行う試験のことです。動物を用いて、医薬品候補化合物等の有効性や安全性を評価します。非臨床試験ともいいます。
相同組換え相同組換え(相同的組換え)は、遺伝子配列がよく似た部位(相同部位)の間で起こる遺伝子の組換えメカニズムのことをいいます。ニワトリDT40細胞における抗体遺伝子における相同組換えは、抗体遺伝子の多様性を作り出すための仕組みとして機能しています。
探索研究創薬研究の最初の段階として、医薬品の元となる生理活性を持つ物質を探索する研究段階があります。この研究を一般的に探索研究と呼びます。抗体医薬品の研究開発では、ターゲットである抗原について調べたり、様々な方法で抗体を作製したり、リード抗体を選別するための方法を確立したり、抗体の効果を試験管内の実験や予備的な動物実験により確かめたりする初期段階を探索研究と呼んでいます。
治験計画届臨床開発で使われる用語で、国内で臨床試験を実施する際に当該試験の計画を記した当局へ提出する書類のことです。
導出(ライセンスアウト)特許権やノウハウ等を他者に売却したり実施許諾することをいいます。
導入(ライセンスイン)他者が持つ特許権やノウハウ等を買い取ったり実施許諾を受けたりすることをいいます。
動物免疫動物に抗体を作らせる方法のことです。抗原タンパク質や抗原タンパク質を発現する細胞などを注射すると、その動物の免疫反応により体内に抗原に対する抗体が作り出されます。

用語意味・内容
特異的抗体ある特定の抗原に結合する抗体です。
トリコスタチンA(TSA)ニワトリDT40細胞にクロマチン弛緩を誘導するために利用する薬剤で、ヒストン脱アセチル化酵素という種類の酵素の働きを阻害する働きがあります。ADLib®システムにおいて、ニワトリDT40細胞の抗体遺伝子組換えを活性化することによって、抗体タンパク質の多様性を増大させる役割を担う薬剤です。
バイスペシフィック抗体通常、抗体は抗原を認識する部位を2つ持っており、それらは同じ抗原を認識します。それに対し、2つの抗原認識部位がそれぞれ別のターゲット(抗原)を認識するものをバイスペシフィック抗体といいます。
パイプライン新薬として開発している医薬品候補化合物等のことを「パイプライン」といいます。創薬研究から臨床開発を経て関係当局の承認を受けるまでの活動を「創薬」と呼び、「創薬パイプライン」とは創薬のいずれかの段階にあるパイプラインのことをいいます。また、創薬パイプラインのうち開発段階に入ったパイプラインのことを、特に「開発パイプライン」ということがあります。
ハイブリドーマ法抗原を免疫した動物から抗体を作り出すB細胞を取り出し、増殖し続ける能力を持った特殊な細胞(ミエローマ細胞)と融合させて、抗体を作り続ける細胞(ハイブリドーマ)を作製する方法です。
ヒト化抗体遺伝子工学の技術により、マウス等の抗体分子の抗原結合部位をヒトの抗体分子に移植した抗体。マウス等由来のアミノ酸配列は全体の5%ほどで、残り95%はヒト由来のアミノ酸配列となるため、ヒトに投与した場合に異物として認識される可能性が軽減されます。
ファースト・イン・クラス一般的には、その作用機序の医薬品の中で市場に最初に登場した医薬品を指します。類似薬がないことから高い薬価と高い売上が期待できます。抗体の場合は、あるタンパク質(抗原)をターゲットとする初めての抗体医薬をファースト・イン・クラス抗体と呼びます。ファースト・イン・クラス抗体のターゲット抗原の候補は、潜在的なものも含めてアカデミアを中心とした様々な疾患研究の中に多く存在していると考えられます。当社ではそうした抗原をターゲットとすることで、これまでにない医薬品候補抗体の開発を目指し、治療充足度が十分でない疾患の治療に貢献します。
マイルストーン導出後の臨床試験等の進捗に伴い、その節目(マイルストーン)ごとに受領する収入のことをいいます。
免疫寛容特定の抗原(例えば、自身の体の構成成分やそれに似ているもの)に対して免疫反応が起こらない状態をいいます。
免疫チェックポイント阻害剤いわゆる免疫療法の一種です。最近話題になっているこの治療薬は、これまでの免疫療法では免疫細胞の攻撃力を高める、アクセルを踏む働きが中心であったのに対し、例えばがん細胞によって免疫細胞にかけられたブレーキを外す働きをもっています。従来の治療法では効果が十分見られなかった患者様にも治療効果をあげることに成功しています。
免疫反応生体に侵入してきた異物を排除する生体反応のことをいいます。
モノクローナル抗体単一の抗体産生細胞から得られた抗体のことをいいます。モノクローナル抗体は1つの抗原にのみ結合し、また結合する場所が決まっているため、均一で再現性の高い抗体になります。そのため、抗体医薬品の多くは、モノクローナル抗体が使われています。当社では、ADLib®システム、ハイブリドーマ法、B cell cloning法によりモノクローナル抗体を取得することができます。

用語意味・内容
ライブラリADLib®システムでは、多種多様な抗体を産生する細胞集団のことをライブラリと呼びます。ライブラリに含まれる細胞が産生する抗体の種類が多いほど、目的に合った抗体を取得できる確率が高くなります。当社では、トリライブラリ、マウスキメラライブラリ、ヒトライブラリを所有しており、顧客ニーズに合わせてライブラリを選択し、抗体作製を行っています。
リード抗体医薬品の候補となる抗体のことです。
臨床試験臨床試験には、次の3段階があります。
第1相試験(フェーズ1):少数の治験参加者(*)を対象に、治験薬の安全性と治験薬が体内に入ってどのような動きをするのかを確認する試験
第2相試験(フェーズ2):第1相試験で安全性が確認された用量の範囲で、比較的少数の患者さんを対象に、治験薬の有効性(効果)、安全性、用法(投与の仕方:投与回数、投与期間、投与間隔など)・用量(最も効果的な投与量)を確認する試験
第3相試験(フェーズ3):第2相試験で確認された用法・用量で、多数の患者さんに治験薬を対象に、有効性と安全性を検証する試験
初期臨床試験は主に第1相試験および初期の第2相試験のことを指し、治験薬の安全性を主に、有効性の兆しを観察します。
(*)おおまかにはがん治療薬の第1相試験の場合には治験参加者は患者さんであり、がん以外の領域の治療薬の第1相試験の場合には治験参加者は健康なボランティアの方です。
ロイヤルティ製品が販売(上市)された後に、その販売額の一定比率を受領する収入のことをいいます。
ADC抗体薬物複合体(Antibody drug conjugate)のことを指します。例えば、悪性腫瘍の細胞表面だけに存在するタンパク質(抗原)に特異的に結合する抗体に毒性の高い薬剤を結合させると、そのADCは悪性腫瘍だけを死滅させることができます。このため、比較的副作用が少なく効き目の強い薬剤となる可能性があります。
ADCC活性抗体依存性細胞傷害活性(Antibody Dependent Cellular Cytotoxicity)のことです。抗体薬には、がん細胞の表面に発現する標的抗原(標的分子)に結合し抗腫瘍効果を示す直接的な作用のほかに、患者さん自身の免疫細胞(マクロファージやNK細胞等)を介して抗腫瘍効果を発揮する作用があります。そのため、標的抗原の発現量だけでなく、患者さん自身の免疫状態、特に抗体薬が生体内の免疫細胞をがん周囲に呼び寄せ、集まった免疫細胞を活性化することで大きな治療効果を期待できることがあります。このような作用をADCC活性といいます。
ADLib®(アドリブ)システムライブラリから特定の抗原を固定した磁気ビーズを用いて目的の抗原に結合する抗体産生細胞を取り出す仕組みです。ADLib®システムで用いるライブラリは、ニワトリのBリンパ細胞由来のDT40細胞の持つ抗体遺伝子の相同組換えを活性化することによって、抗体タンパク質の多様性が増大しております。国立研究開発法人理化学研究所で開発された技術で、当社はその独占的な実施権を保有しております。既存の方法に比べ、迅速性に優れていることおよび従来困難であった抗体取得が可能になる場合があること等の点に特徴があると考えております。
B細胞リンパ球の1種で骨髄由来の細胞です。抗原の侵入に応答して増殖し、抗体(免疫グロブリン)を生産する細胞へと分化して抗体を産生します。

用語意味・内容
B cell cloning法目的の抗原への結合性抗体を産生する単一のBリンパ細胞を選択し、抗体遺伝子をクローニングする手法のことです。抗原をトリやマウスなどの実験動物に免疫した後、その動物からBリンパ細胞を含む脾臓やリンパ節を取り出して行います。ハイブリドーマ法と異なり、増殖し続ける能力を持った特殊な細胞(ミエローマ細胞)と融合させる工程を省くことができます。
CMCChemistry, Manufacturing and Controlの略で、医薬品の原薬・製剤の化学・製造およびその品質管理を指します。
CRO製薬企業が行う臨床試験を支援する組織(Contract Research Organization)のことです。質の高い臨床試験が実施できるように試験計画などのコンサルティングなどを行い、臨床試験のスピード化、質の向上、人件費の最小化などの役割を担っています。
DT40細胞ニワトリのファブリキウス嚢(鳥類に特有な一次免疫器官)から取り出され、がん遺伝子の導入により不死化されたB細胞の1つです。このDT40細胞株では抗体遺伝子の相同組換えが高頻度で起きることが知られており、当社ではさらに薬剤により抗体遺伝子組換えを人為的に誘導して、多様な抗体を産生する細胞集団(ライブラリ)を作り出しています。これがADLib®システムの技術の基になっています。
Naked抗体ADC抗体とは異なり、特別な修飾など加工をしていない(飾りつけていない)抗体をいいます。
Tribody英国のBiotecnol社が開発した多重特異性抗体を作製する技術であるTrisoma®で作製された抗体の総称です。バイスペシフィック抗体と同様に複数の標的(抗原)に結合することができますが、Tribodyは抗原結合部位が3ヶ所あるので最大3種類の抗原に結合することができます。さらに、通常のバイスペシフィック抗体よりも分子量が大きいので腎代謝を受けにくい特徴があります。

IRBANK 採用情報

フルスタックエンジニア

  • 10年以上蓄積したファイナンスデータとAIを掛け合わせて、投資の意思決定を加速させるポジションです。
  • UI からデータベースまで一貫して関われるポジションです。

プロダクトMLエンジニア

  • MLとLLMを掛け合わせ、分析から予測までをスピーディかつ正確な投資体験に落とし込むポジションです。

AI Agent エンジニア

  • 開示資料・決算・企業データを横断し、投資家の意思決定を支援するAI Agent機能を設計・実装するポジションです。
  • RAG・検索・ランキングを含む情報取得/推論パイプラインの設計から運用まで一気通貫で担います。

UI/UXデザイナー

  • IRBANK初の一人目デザイナーとして、複雑な金融情報を美しく直感的に届ける体験をつくるポジションです。

Webメディアディレクター

  • 月間500万PVを超える、大規模DBサイトを運営できます。
  • これから勢いよく伸びるであろうサービスの根幹部分を支えるポジションです。

クラウドインフラ & セキュリティエンジニア

  • Google Cloud 上でマイクロサービス基盤の信頼性・可用性・セキュリティを担うポジションです。
  • 大規模金融データを安全かつ高速に処理するインフラを設計・構築できます。

学生インターン

  • 月間500万PVを超える日本最大級のIRデータプラットフォームの運営に携わり、金融・データ・プロダクトの現場を学生のうちから体験できます。

マーケティングマネージャー

  • IRBANKのブランドと文化の構築。
  • 百万人の現IRBANKユーザーとまだIRBANKを知らない数千万人に対してマーケティングをしてみたい方。