有価証券報告書-第48期(平成25年4月1日-平成26年3月31日)

【提出】
2014/06/26 11:00
【資料】
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【項目】
119項目

対処すべき課題

当社グループは、「私たちは、人々の『こころ』に満足と安らぎをもたらすサービスを提供する。」というグループ理念のもと、「感動のある人生を。」をスローガンとして、企業価値を高めていくために次の点に取り組んでまいります。
(1)サービス品質の向上
当社グループのすべての事業において、サービスの原点は「人」であるという観点から、人材育成を重要な課題と位置付け、プロとしてのスペシャリストを養成する人材育成システムを構築してまいります。また、専門知識を習得するため、「葬祭ディレクター」、「お墓ディレクター」、「ブライダルプロデューサー」等の各種資格取得を積極的に推進し、すべてのお客様に高品質のサービスを提供してまいります。
(2)変化するニーズへの対応
葬祭事業につきましては、昨今の住宅事情や近隣世帯とのコミュニケーションの希薄化等により葬祭会館の需要が定着し、また死亡人口の予測推移からみても葬儀件数は増加する傾向にあります。その反面、葬儀規模は縮小傾向にあり、従来の葬送儀式よりも「家族葬」や「自分らしい葬儀」を希望する等、利用者のニーズは多様化しています。このような環境の下、自宅感覚のくつろぎと葬送時の特別な空間の演出等、利用者のニーズを的確に捉えた葬祭会館づくりを目指してまいります。また、サービス面においても、利用者の「想い」に十分に応えられるよう独自性を高めた商品サービスを創造してまいります。
石材卸売事業につきましては、個性的なデザイン墓や石種、また商品の納期については更なる短縮化が求められております。これらのニーズに応えるため、オリジナルデザイン墓石の開発や仕入ルートの拡充を図り豊富な石種を確保するとともに、Web会員システム※1を活用したスピーディーな受発注、納品体制を実現してまいります。
石材小売事業につきましては、消費者の潜在的なニーズの掘り起こしやお墓に関する疑問、不安を解消するため、平成20年4月よりインタビューセールス※2による「想いのお墓づくり」を開始し、需要喚起と顧客満足度の向上に努めております。また、耐震構造墓石の提案やオリジナルデザイン墓石の開発を進め、更なる顧客満足を追求してまいります。
婚礼事業につきましては、多様な挙式スタイルを実現するため、総合式場、ゲストハウス、小さな式場の3タイプの婚礼会場を用意し設備面での充実を図っております。更に、低価格でのプランや短期間の準備で挙式可能なプラン等、利用者のニーズを的確に捉えた商品プランを開発してまいります。
互助会事業につきましては、会員の増加は、当社グループにおける将来の顧客基盤の確保に繋がることから、募集代理店を拡充し、会員募集体制を強化してまいります。また、冠婚葬祭役務サービスのほか、会報誌の発行、提携企業の優待利用、各種カルチャー教室、生活情報セミナー・イベントの開催等会員サービスの充実を図り、会員数の増加に努めてまいります。
(3)営業エリアの拡大
葬祭事業につきましては、福島県内においては、当社葬祭会館の開設余地は限られたものとなりつつあり、今後は周辺近県への進出も含めた展開を検討してまいります。
東北地方を主たる営業エリアとする石材卸売事業並びに石材小売事業につきましては、冬期間における売上高の減少等季節的な業績変動要因を低減させるため、関東地方以西への販路拡大を引続き検討してまいります。
これらの事業展開に伴い、当社グループの相乗効果を最大限に引き出すために、婚礼、生花、互助会の各事業につきましても並行した営業展開を検討してまいります。
(4)コンプライアンス体制の整備
当社グループは冠婚葬祭業と石材事業及びこれらに付帯する業務において、食品衛生法や関税法等の種々の法的規制を受けております。
これらに対し、衛生コンサルタントの導入や貿易管理マニュアル等の各種規程を制定し、厳格運用の諸施策を講じております。
また、コンプライアンス委員会を毎月開催し、意識の高揚とともに法令遵守への実効性のある取り組みに努めております。事業規模の拡大、多様化を図る中で、今後も管理部門の一層の強化によるコンプライアンス体制の整備を図ってまいります。
(5)震災後の取組み
平成23年3月11日に発生した東日本大震災及び福島第一原子力発電所の事故により、被災地における同業者は廃業に追い込まれたり、被災者として各所への避難を余儀なくされました。しかし、当該地では発生から3年以上経過し、復興に向けて着実に歩みを進めております。
当社グループは、福島県に根差した企業として、被災された方々へ当社グループの業務を通じた支援はもちろん、被災した寺院への墓地修復支援、耐震構造を採用した墓石の提案等当社グループのノウハウを提供することで復旧復興を加速させ、今後の地震による被害を最小限に抑えていくことが重要であると考えております。
(6)社会貢献活動への取組み
「私たちは、人々の『こころ』に満足と安らぎをもたらすサービスを提供する。」というグループ理念のもと、ライフサポート事業を通じた社会貢献はもとより、真に豊かな社会の実現に向け、企業市民としての責任を果たしてまいります。この方針を実現するため、「豊かな人生の演出」「豊かな社会の創造」「次世代への継承」を行動指針とし、様々な社会貢献活動へ取り組んでまいります。

※1 Web会員システム
石材卸売事業を営むカンノ・トレーディング株式会社が運営する石材小売店向けの会員制度であります。当該会員は、同社ホームページに用意した会員用サイトを活用し、同社への商品発注や会員の営業ツールとしても活用できます。
※2 インタビューセールス
営業の距離を縮めて消費者との共感関係を創るため、インタビュー形式のアンケートを活用した石のカンノ株式会社各店舗の統一した営業手法であります。