訂正有価証券報告書-第7期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)

【提出】
2019/12/26 16:40
【資料】
PDFをみる
【項目】
132項目
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、堅調な企業業績が所得環境の改善を促し、個人消費に緩やかな持ち直しの動きが見られるなど、総じて回復基調で推移しました。一方、相次ぐ自然災害の発生による影響や人手不足に起因するコスト上昇などが業績面の足枷要因となる状況も見られました。世界経済においては、米国を中心とした保護主義的通商政策の台頭、英国のEU離脱問題などが現出し、先行きは依然として不透明な状況が続きました。このような環境の中、当社グループは各部門におきまして営業力強化による取引顧客の拡大を図るとともに、業務改革による経費の削減、および経営全般の業務効率・生産性向上に取り組みました。
その結果、営業収益が110,234,091千円(前年同期比101.5%)、経常利益が2,812,835千円(前年同期比174.1%)、親会社株主に帰属する当期純利益が1,794,641千円(前年同期比327.3%)となりました。
セグメントの業績を示すと、次のとおりであります。
(物流関連事業)
物流関連事業の主力事業である当期の貨物自動車運送事業は、景気の拡大基調に下支えされ設備投資等が底堅く推移しましたものの、国内貨物総輸送量は全体として減少に転じるなど景気の先行き不透明感が深まる状況となりました。 そのような環境下において、雇用競争力の確保および従業員の処遇改善を図るべく、顧客よりご理解を得ながら取引条件改善および適正重量の収受等の営業活動に鋭意取り組みました結果、特積み事業は輸送量および売上げ共に前期を上回りました。 一方、収支に直結する燃料費は、前期から微増傾向にあった軽油価格が期初急激に上昇し、通年でも予測を大きく上回りました。また、深刻化するドライバー不足に起因する外注費等の諸経費増加に対する削減努力も思うように進まず、遺憾ながら収支を圧迫しました。
ロジスティクス事業におきましては、大口顧客の取引条件改善等の効果により売上げは前期を上回り、収支の改善も図られました。
その結果、物流関連事業の業績は、営業収益80,532,472千円(前年同期比105.2%)、営業利益は2,448,813千円(前年同期比194.2%)となりました。
(自動車販売事業)
自動車販売事業の主力であるトラック・バス分野について、各部門の実績を前年と比較してみますと、車輌販売部門は、売上高は増加したものの、利益率の悪化により、売上利益は減少となりました。また、保有台数の減少が影響し部品部門では減益となりましたが、整備部門におきましては入庫台数の増加および単価改善により大幅な増益となりました。
一方営業経費は、社会保険料の増額など法定福利費の上昇、バスリコールに伴う関連費用が発生し増加となりました。
その結果、自動車販売事業の業績は、営業収益29,491,770千円(前年同期比93.0%)、営業利益は181,421千円(前年同期比152.4%)となりました。
(不動産事業)
不動産事業による、営業収益は623,808千円(前年同期比82.0%)、営業利益は227,726千円(前年同期比101.4%)となりました。
(その他の事業)
情報関連事業および燃料関連事業等による、その他の事業全体の営業収益は3,130,094千円(前年同期比116.8%)、営業利益は229,225千円(前年同期比508.4%)となりました。
当連結会計年度末における資産合計は115,773,015千円であり、前連結会計年度末に比べて8,408,240千円増加いたしました。負債合計は81,545,198千円であり、前連結会計年度末に比べて6,703,412千円増加、純資産は34,227,817千円であり、前連結会計年度末に比べて、1,704,828千円増加いたしました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末の現金および現金同等物は7,751,893千円であり、前連結会計年度末と比べて570,867千円(6.9%)減少いたしました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益、減価償却費および減損損失等により3,192,833千円(前年同期比50.6%)の増加となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出等により8,632,436千円(前年同期比637.0%)の減少となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入れによる収入等により4,869,251千円(対前年同期9,312,375千円の増加)の増加となりました。
③ 生産、受注及び販売の実績
当社グループは、その主要な事業である物流関連事業をはじめ、受注生産の形態をとらないものが多く、セグメントごとに生産規模および受注規模を金額あるいは数量で示すことはしておりません。
なお、販売の状況につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要」におけるセグメントの業績に関連付けて示しております。
a. 売上実績
当連結会計年度における売上実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称金額(千円)前年同期比(%)
物流関連事業80,511,370105.2
自動車販売事業27,781,35191.6
不動産事業141,97343.6
その他の事業1,799,395127.1
合計110,234,091101.5

(注) 1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.セグメント間の取引については相殺消去しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針および見積り
当社グループ(当社、連結子会社および持分法適用会社)の連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成にあたって、会計処理の統一は勿論、主要事業である物流関連事業は、労働集約産業であるための多額の退職給付に係る負債は会計基準に基づき適切に計上しております。なお、子会社太平興業㈱および子会社第一貨物㈱は2001年3月に土地の再評価を行っております。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a. 財政状態の分析
当連結会計年度末における資産合計は115,773,015千円であり、前連結会計年度末に比べて8,408,240千円増加いたしました。内訳は流動資産の増加が1,719,201千円、固定資産の増加が6,689,039千円であります。
流動資産の増加は、電子記録債権が141,038千円、たな卸資産が2,309,346千円、それぞれ増加した一方で、現金及び預金が582,365千円、受取手形及び売掛金が519,009千円、それぞれ減少したこと等によるものであります。固定資産の増加は、建物及び構築物(純額)が1,310,744千円、土地が3,262,079千円、車両運搬具(純額)が2,663,219千円、それぞれ増加したこと等によるものであります。
当連結会計年度末における負債合計は81,545,198千円であり、前連結会計年度末に比べて6,703,412千円増加いたしました。内訳は流動負債の増加が1,516,660千円、固定負債の増加が5,186,751千円であります。
流動負債の増加は、支払手形及び買掛金が789,024千円、電子記録債務が618,593千円、短期借入金が509,000千円、それぞれ増加した一方で、1年内返済予定の長期借入金が731,680千円減少したこと等によるものであります。固定負債の増加は、長期借入金が3,105,024千円、その他(長期預り金等)が2,828,285千円増加した一方で、リース債務が280,364千円、退職給付に係る負債が308,369千円、それぞれ減少したこと等によるものであります。
当連結会計年度末における純資産は34,227,817千円であり、前連結会計年度末に比べて、1,704,828千円増加いたしました。これは、親会社株主に帰属する当期純利益1,794,641千円、剰余金の配当金136,063千円によるものであります。なお、自己資本比率は、29.5%であり、前連結会計年度に比べて0.7ポイント減少しました。
b. 経営成績の分析
「(1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」を参照願います。
(a) 営業収益
当連結会計年度の営業収益は、110,234,091千円となりました。
(b) 営業利益
当連結会計年度の営業利益は、2,803,193千円となりました。
(c) 営業外損益
当連結会計年度の営業外損益は、9,642千円の利益 (純額) となりました。主なものは受取賃貸料121,679千円であります。
以上の結果、経常利益は2,812,835千円となりました。
(d) 特別損益
当連結会計年度の特別損益は、143,741千円の利益 (純額) となりました。主なものは有形固定資産売却益280,416千円であります。
以上により、税金等調整前当期純利益は2,956,576千円、親会社株主に帰属する当期純利益は1,794,641千円となり、1株当たり当期純利益金額は131.91円となりました。
c. 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」を参照願います。
当社グループは間接金融を主体としており、取引金融機関との連絡を密に行い、財務状態は良好であります。設備投資については、自己資金及び金融機関からの借り入れ等による資金調達で対応して行くこととしており、突発的な資金需要に対しては、迅速かつ確実に資金を調達できるよう、コミットメントライン契約及び当座借越契約を締結し、流動性リスクに備えております。
d. 経営成績に重要な影響を与える要因について
(物流関連事業)
今後、デフレ脱却に向けた金融緩和を柱とした経済政策の導入に関連した為替の円安進行に伴う燃料費高騰が大きなコスト上昇要因となり、事業環境に厳しさが増すものと予想されます。
(自動車販売事業)
主要顧客である運送事業者における燃料費負担増と運転手確保難もあり、車両販売動向に与える影響と同業他社との競争激化および在籍台数漸減によるアフターマーケット縮小が要因となり、事業環境に厳しさがますものと予想されます。
e. 中長期的な経営戦略について
(物流関連事業)
上記の状況を踏まえ、原価低減と運賃の回復に注力する一方、貨物追跡情報を活用した業務イノベーションやロジスティクス事業の拡大を含めた諸施策により事業拡大を図って参ります。
(自動車販売事業)
上記の状況を踏まえ、新車需要が縮小基調の中、強みである「一車管理システム」をもとに5業(新車・保険・部品・サービス・中古車)販売を強化することにより車輌生涯利益の最大化を図り、業績の向上を目指すとともに内部管理体制の充実と業務の効率化に努めて参ります。