有価証券報告書-第9期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は以下のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国の経済は、新型コロナウイルス感染症の影響により依然として厳しい状況になりました。先行きについても新型コロナウイルス感染症が社会経済活動へ与える影響は、引き続き不透明な状況にあります。
当社グループの最大の取引先である電力業界においては、省エネルギーの進展等に伴う国内エネルギー需要の減少傾向が続く中、電力小売全面自由化により分野・地域を超えた競争が激化しており、生産性向上と徹底的なコスト削減が進められています。その一方で、日本政府がグリーン社会の実現を目指し2050年カーボンニュートラル宣言をしたことにより、再生可能エネルギーを含めた分散型エネルギー関連設備の一層の拡大や電気自動車向け急速充電器需要の本格的な立ち上がりが期待されます。
このような経営環境の中、当社では、「東光高岳グループ2020中期経営計画」の3つの基本方針「既存事業の収益性向上」、「新たな収益基盤の構築」、「経営基盤の強化」のもと、社員全員が一丸となったカイゼン活動による生産性向上、原価低減、調達改革、自治体のプロポーザル方式案件への積極的な参加、新製品の投入、デジタル化への投資による既存事業の収益性向上、エネルギーマネジメントシステムを中核とする新たな収益事業の構築、製品品質の向上等に取り組んでまいりました。
この結果、当連結会計年度の業績につきましては、売上高はプラント物件が増加したものの海外工事の減少により、91,939百万円(前年同期比1.5%減)となりました。
利益面では、機種構成の変動と原価低減により、営業利益3,382百万円(前年同期比45.7%増)、経常利益3,402百万円(前年同期比51.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益1,408百万円(前年同期比67.0%増)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
電力機器事業は、プラント物件が増加したものの海外工事の売上高減少及び機種構成の変動と原価低減により、売上高52,668百万円(前年同期比1.7%減)、セグメント利益5,937百万円(前年同期比14.8%増)となりました。
計量事業は、スマートメータ―及び変成器の売上高増加により、売上高30,361百万円(前年同期比2.4%増)、セグメント利益1,273百万円(前年同期比8.7%増)となりました。
エネルギーソリューション事業は、EMS関連の売上高減少により、売上高2,456百万円(前年同期比12.1%減)、セグメント損失318百万円(前年同期はセグメント損失293百万円)となりました。
情報・光応用検査機器事業は、メカトロニクス機器の売上高減少により、売上高4,410百万円(前年同期比13.0%減)、セグメント損失21百万円(前年同期はセグメント利益113百万円)となりました。
その他事業は、売上高2,043百万円(前年同期比%10.4減)、セグメント利益688百万円(前年同期比36.5%増)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、15,122百万円(前年同期は8,741百万円)となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
仕入債務の減少2,423百万円があったものの、売上債権の減少3,597百万円及び減価償却費2,895百万円により、7,055百万円の収入(前年同期は1,532百万円の収入)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
有形及び無形固定資産の取得による支出2,047百万円等により、1,906百万円の支出(前年同期は4,636百万円の支出)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
短期借入金の増加2,110百万円、長期借入金の借入2,000百万円、長期借入金の返済2,063百万円、配当金の支払額811百万円等により、1,229百万円の収入(前年同期は141百万円の支出)となりました。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 生産高(百万円) | 前年同期比(%) |
| 電力機器事業 | 50,690 | △9.1 |
| 計量事業 | 33,669 | +1.4 |
| エネルギーソリューション事業 | 2,563 | △10.5 |
| 情報・光応用検査機器事業 | 4,395 | △14.2 |
| 報告セグメント計 | 91,317 | △5.8 |
| その他の事業 | ― | ― |
| 合計 | 91,317 | △5.8 |
(注) 1.セグメント間取引については相殺消去しております。
2.金額は販売価格で表示しております。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b.受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 受注高(百万円) | 前年同期比(%) | 受注残高(百万円) | 前年同期比(%) |
| 電力機器事業 | 57,157 | △0.1% | 44,300 | +11.3 |
| 計量事業 | 30,591 | +3.6% | 2,239 | △27.9 |
| エネルギーソリューション事業 | 2,503 | +16.4% | 1,143 | +4.3 |
| 情報・光応用検査機器事業 | 3,497 | △23.5% | 1,705 | △34.8 |
| 報告セグメント計 | 93,751 | +0.3% | 49,389 | +5.9 |
| その他の事業 | 2,330 | △6.8% | 508 | +130.5 |
| 合計 | 96,081 | +0.1% | 49,897 | +6.5 |
(注) 1.セグメント間取引については相殺消去しております。
2.金額は販売価格で表示しております。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 販売高(百万円) | 前年同期比(%) |
| 電力機器事業 | 52,668 | △1.7 |
| 計量事業 | 30,361 | +2.4 |
| エネルギーソリューション事業 | 2,456 | △12.1 |
| 情報・光応用検査機器事業 | 4,410 | △13.0 |
| 報告セグメント計 | 89,896 | △1.3 |
| その他の事業 | 2,043 | △10.4 |
| 合計 | 91,939 | △1.5 |
(注) 1.セグメント間取引については相殺消去しております。
2.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
| 相手先 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | ||
| 金額(百万円) | 割合(%) | 金額(百万円) | 割合(%) | |
| 東京電力パワーグリッド㈱ | 40,387 | 43.3 | 43,235 | 47.0 |
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
① 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
(a) 財政状態の分析
(資産の部)
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ422百万円増加し、101,015百万円となりました。これは主に受取手形及び売掛金、電子記録債権が減少したものの、現金及び預金が増加したことによるものです。
(負債の部)
負債は、前連結会計年度末に比べ658百万円減少し、48,487百万円となりました。これは主に借入金が増加したものの、支払手形及び買掛金、退職給付に係る負債が減少したことによるものです。
(純資産の部)
純資産は、前連結会計年度末に比べ1,081百万円増加し、52,528百万円となりました。これは主に配当金の支払いによる減少があったものの、退職給付に係る調整累計額の増加及びに親会社株主に帰属する当期純利益の計上により利益剰余金が増加したことによるものです。
(b) 経営成績の分析
(売上高)
当連結会計年度における売上高は91,939百万円(前年同期比1.5%減)となり、前連結会計年度に比べて1,401百万円減少いたしました。セグメント別の売上高については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。
(売上総利益)
当連結会計年度における売上総利益は19,129百万円(前年同期比4.4%増)となりました。売上総利益率は前連結会計年度比1.2%増加し、20.8%となりました。これは主に機種構成の変動と原価低減によるものです。
(営業利益)
当連結会計年度における営業利益は、売上総利益の増加とカイゼン活動やテレワーク推進等による販売費及び一般管理費の減少により、3,382百万円(前年同期比45.7%増)となりました。
なお、営業利益率は前連結会計年度比1.2%増加し、3.7%となりました。
(経常利益)
当連結会計年度における経常利益は、前連結会計年度における為替差損の計上の反動等により、3,402百万円(前年同期比51.0%増)となりました。
なお、経常利益率は前連結会計年度比1.3%増加し、3.7%となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
親会社株主に帰属する当期純利益は、減損損失の増加及び繰延税金資産の取崩しによる税金費用の増加により、1,408百万円(前年同期比67.0%増)となりました。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
(a) キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容
「(1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載の通りであります。
(b) 資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度の資金調達につきましては、経常的な運転資金を金融機関からの借入金にて調達しておりますが、特筆すべき重要な事項はありません。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。当社グループの連結財務諸表の作成にあたっては、当連結会計年度末における資産、負債の報告金額及び収益、費用の報告金額に影響を与える見積り、判断及び仮定を使用することが必要となります。当社グループは連結財務諸表作成の基礎となる見積り、判断及び仮定を過去の経験や状況に応じ合理的と判断される入手可能な情報により継続的に検証し、意思決定を行っております。しかしながら、これらの見積り、判断及び仮定は不確実性を伴うため、実際の結果と異なる場合があります。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
(a) 固定資産の減損
当社グループは、固定資産の減損に係る回収可能性の評価にあたり、事業別あるいは会社を1つの単位として資産のグルーピングを行い、収益性が著しく低下した資産グループについて、固定資産の帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。
回収可能価額の評価においては、合理的な事業計画に基づいて将来キャッシュ・フローを慎重に見積っておりますが、経営環境や市場環境の変化により収益性が著しく低下した場合、減損損失の計上が必要となる可能性があります。
(b) 投資の減損
当社グループが保有する投資有価証券には、非上場会社の株式が含まれております。非上場会社の株式の評価においては、実質価額と取得価額を比較し、実質価額が著しく低下した場合に減損処理の要否を検討しております。経営環境や市場環境の変化により、将来において投資先の業績動向が著しく低下した場合、投資有価証券の減損処理が必要となる可能性があります。なお、重要な会計上の見積りに用いた仮定につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 重要な会計上の見積り」及び「第5 経理の状況 2 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 重要な会計上の見積り」に記載しております。
(c) 繰延税金資産
当社グループは、繰延税金資産について、将来の課税所得見込額や実行可能なタックス・プランニングを慎重に検討し計上しております。
繰延税金資産の回収可能性の判断においては、合理的な事業計画に基づいて課税所得の発生時期及び金額を見積っておりますが、経営環境や市場環境の変化により、回収可能性を著しく低下させる変化が見込まれた場合、繰延税金資産を取り崩す可能性があります。