有価証券報告書-第19期(平成26年4月1日-平成27年3月31日)

【提出】
2015/06/26 15:18
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【項目】
112項目

研究開発活動

当社グループは、経営理念及び経営指針に基づき、お客様満足の向上と、地球環境と住環境に配慮した高性能・高品質・高付加価値な住宅の供給を目指しております。その実現のため、住まい方提案力・建物デザイン力・工業化技術力に基づく品質の向上及びコスト削減を目的に研究開発活動を行っております。
事業コンセプトである「エコ&セーフティ」を主軸に置いた独自の技術力の開発に注力し、長寿命な住宅を供給することが重要な使命であり、そのためには美しい建築物にすることが必要であると考えております。長期優良住宅を普及、促進させ、100年後に日本国内の築100年の住宅が当社グループの住宅で埋め尽くされることを目標として、独自技術の研究開発に取り組んでおります。
平成25年度には工業化住宅の品質の高さとオープン構法のメリットを生かした新構法を提案しております。この新構法により、従来からの品質の高さに加え、開口部や外壁の使用自由度が高まり、お客様の多様な要望にもお応えできるシステムとなりました。
平成26年度には都市で快適に暮らす提案「地震にも、火事にも強い家」として、「life style KURASI'TE Urban(ライフスタイルクラシテ アーバン)」を発売しました。業界TOPクラスの耐震性と耐久性を有する当社の軽量鉄骨構造を活かし、これに市街地に必要な耐火性能をプラスした、耐火構造の型式適合認定を取得しました。これにより都市部での多様な住まい方提案(二世帯住宅、賃貸併用住宅、店舗併用住宅、3階建共同住宅)が可能になりました。また、平成27年4月発売に向け、「育む」をテーマに一次取得者層(初めて住宅を取得される人)や二世帯住宅向けに新商品の開発を推進しました。単世帯で家事や子育てをおこなう「夫婦で子育て」家族と、親世帯と同居で家事や子育てをおこなう「二世帯で子育て」家族を対象としています。
研究開発部門は、住宅市場の多様化したニーズ(顕在欲求)に対応するために、市場全体を細かく区分し、その中から当社の顧客層(一次取得者層、建替層等)に応じて、「エコロジー(環境)」と「セーフティ(安全・安心)」をコンセプトとする研究の対象を定め、顧客に応じた豊かな暮らし方を企画提案することでお客様のウォンツ(潜在欲求)を満たし、経営理念である「快適空間の創造」と「退屈しない人生の提案」の実現を図っております。研究開発の方針については、市場環境の変化や住生活へのニーズ・ウォンツの変化に対応すべく、適時見直しを行っております。研究体制としては商品開発部を中心とし、商品の企画・立案を行い、住宅の基本部位である柱・梁・床等の建築構造、基本性能については技術開発部が担当し、法律改正や市場変化に対応しやすい体制としています。
なお、当連結会計年度の研究開発費の総額は123,712千円であり、主として住宅事業に関する研究開発活動でありますが、マンション事業に展開可能なものについては展開しており、セグメントに分類することができません。
主要課題としては、以下のとおりであります。
1.エコロジー
(1)創エネルギー
① 太陽光発電と連動した蓄電池や太陽熱利用エコキュートに代表される、自然エネルギー利用によるエネルギー自給住宅の開発
② 地中熱を利用した空気環境研究
(2)省エネルギー
① オール電化仕様など省エネルギー型(環境配慮型含む)住宅建材、設備の導入
② 高断熱、高気密対応建材の導入による省エネルギー生活の提案
③ HEMS(ホームエネルギーマネジメントシステム)を用いた先進の省エネルギー住宅の提案
④ ゼロエネ住宅の研究(太陽熱、地熱利用の低コスト化、蓄熱放熱建材の開発、高断熱開口部の開発)
2.セーフティ
(1)安全
① 万一の自然災害にも負けない強さをもつ鉄骨軸組工法による高耐震、制震住宅の開発
② ライフサイクル変化に対応できる長寿命住宅の開発
③ 新エネルギー吸収型耐力壁の研究
(2)安心
① 24時間全館空調換気システムなどの空気質改善建材の導入
② 防犯セキュリティシステムなどを使った防犯対策住宅の提案
③ 快適な温熱、音環境の提案
④ 見守り提案:健康介護・ヘルスケアなどライフサポートの提案
⑤ エリア・コミュニティ研究(行政、病院との連携)
3.くらし提案
① ライフサイクルの変化に応じた住まい方提案
② 都市防災不燃化促進政策対応(都市型耐火住宅の研究)
③ シニア市場への対応
・高齢者居住商品(福祉施設、サービス付高齢者向住宅)
・長期優良住宅リフォーム対応
④ 健康住宅の提案
・バリアフリー、ユニバーサルデザインの研究
・アンチエイジング提案
・健康素材の研究