有価証券報告書-第19期(平成26年4月1日-平成27年3月31日)

【提出】
2015/06/26 15:18
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【項目】
112項目

業績等の概要

(1)業績
当連結会計年度における我が国経済は、政府・日銀による経済対策や金融政策の効果から企業収益や雇用の改善など景気回復の兆しがみられました。しかし個人消費は消費増税後の反動や円安に伴う物価上昇などから消費マインドが低迷し、先行き不透明な状況が続きました。
住宅・不動産業界においては消費増税後の需要反動減に加え、金利に先高感がみられないことから、戸建住宅を中心に受注環境は厳しい状況で推移しましたが、平成27年1月の相続税改正に伴い資産活用の関心が高まり、賃貸住宅や介護福祉施設に堅調な需要がみられました。
当社はこのような中、平成26年4月9日に東京証券取引所市場第一部指定を果たし、エクセレントカンパニーとしてふさわしい企業価値の向上と経営基盤の強化に努めてまいりました。コーポレートスローガン「For the best life」の下、住まいと暮らしのあらゆるニーズにお応えできるハード、ソフト、サービスを整備し、「Best Life コンシェルジュ」として“オンリーワン”の暮らしをご提案する営業活動を展開しております。
当連結会計年度におきましては、「Best Life コンシェルジュ」による住まいと暮らしのワンストップサービスを活かした創造的なビジネスモデルの構築に取り組み、異業種とのアライアンスを積極的に進めてまいりました。平成26年4月には日立コンシューマ・マーケティング株式会社(株式会社日立製作所100%子会社)、SUUMOカウンター(株式会社リクルート住まいカンパニーが運営)、平成26年7月には、かんでんEハウス株式会社(関西電力株式会社100%子会社)とそれぞれ提携を行うことで新たな販売ルートを開拓し、平成26年5月には中部電力との共同出資により「e-暮らし株式会社(本社:名古屋市千種区)」を設立し、暮らし全般に関わるサービスを提供してまいりました。
また、国が推進する「スマートウェルネス住宅・シティ」構想に沿った多世代共生型タウンの街づくりを、「サンフォーリーフタウン」ブランドとし、当社グループ力を活かし大規模・複合開発の街づくりに積極的に取り組みました。第1弾プロジェクト「サンフォーリーフタウン宝塚(兵庫県宝塚市・マンション188戸、戸建57戸、商業施設、託児所)」、続いてプロポーザル方式による事業者選定にて取得した大阪市水道局施設跡地にて、ファミリー世帯とシニア世帯が共存する、日本初の多世代共存型マンション「サンフォーリーフタウン桜ノ宮(大阪市都島区・ファミリー向け183戸、シニア向け104戸、託児所・リハビリステーション)」を平成27年3月よりそれぞれ販売を開始いたしました。
さらにシルバーフレンドリーの分野では、当社100%子会社サンアドバンス株式会社が運営するリハビリ・ステーション(大阪府豊中市)を利用者の拡大とともに増床し、日々の暮らしの能力回復に重点を置いた「暮らしリハビリ・ステーション」として平成26年7月にリニューアルオープン、さらに子育て支援分野では当社100%子会社サンヨーホームズコミュニティ株式会社が運営する「サンフレンズ保育園」の1号店を、平成26年4月に当社が供給するマンション内(サンマークス大日ステーションレジデンス)にオープンするなど、将来を見据えた事業展開への布石も着実に打ってまいりました。
また建築技能者の不足・高齢化への対策として平成26年4月(プレ開校同年1月)に開校した、施工技能者養成塾「サンヨーホームズ・カーペンタースクール」は第1期生を平成27年に送り出し、長期的に品質を維持する取り組みも進めております。
この結果、当連結会計年度の業績は、売上高52,804百万円(前年同期比8.9%減)、営業利益1,500百万円(前年同期比44.5%減)、経常利益1,410百万円(前年同期比43.1%減)、当期純利益729百万円(前年同期比47.5%減)となりました。
(セグメント別の概況)
事業の種類別セグメントの業績は次のとおりであります。
①住宅事業
住宅事業全体のシナジー効果創出のため、当連結会計年度を通じて「Best Life コンシェルジュキャンペーン」を開催し、新築からリフォーム・賃貸福祉まで幅広い見込み顧客の獲得を図りました。
戸建住宅におきましては、国や地方自治体による都市の防災強化が進められる中、防火地域に対応した耐火住宅「life style KURASI'TE Urban (ライフスタイルクラシテ アーバン)」を平成26年4月に発売し、平成27年1月には日立グループのリソースを活用した新型HEMS(Home Energy Management System)「スマe HEMS」を採用した新商品を発売いたしました。当社のグループ力とスマートハウス技術を結集したサスティナブルコミュニティ開発「スマeタウン」プロジェクトとして開発した、東京都足立区初のタウンハウス「スマeタウン竹ノ塚~芽ぐみの杜~」では、全40戸に「スマe HEMS」を標準搭載し、順次建設と販売を進めております。
当社グループ力を活かした「サンフォーリーフタウン」プロジェクトにおいては、前述の「サンフォーリーフタウン宝塚」において戸建、商業施設の販売を行いました。
また平成27年1月の相続税改正に関心が高まる中、戸建住宅購入層に対しては「節税・省コスト・理想の暮らし」を実現する独自の2世帯住宅提案を、土地オーナーに対しては効果的な資産活用提案を行うことにより、需要喚起を図ってまいりました。
住宅リフォームにおきましては、非耐震住宅の対策が国の政策として掲げられる中、建物診断から耐震化リフォーム、アフターサービスまでワンストップで提供する「住まいのドック」を独自のサービスとして提案し、リフォームの受注促進を図りました。
この結果、当連結会計年度の住宅事業の業績は、売上高26,761百万円(前年同期比8.1%増)、営業利益662百万円(前年同期比34.4%増)となりました。
②マンション事業
マンション事業におきましては、平成26年10月に中部地方で初となる「オール電化高圧一括受電サービス」と「MEMS」(Mansion Energy Management System)を組み合わせた「サンメゾン共和ヒルズアベニュー」(愛知県大府市・129戸)の販売を開始いたしました。また平成26年12月には熊本県で当社初となる「サンメゾン水前寺公園ゲート(熊本県熊本市・30戸)」、京都市内の希少性の高いエリアで「サンメゾン京都二条月光町ゲート(京都府京都市・49戸)」をそれぞれ販売開始し、平成27年3月には北関東エリアにおいても「サンメゾン浦和高砂エルド(埼玉県さいたま市・41戸)」の販売を開始しました。
さらに「サンフォーリーフタウン」として、前述の「サンフォーリーフタウン宝塚」、続いて「サンフォーリーフタウン桜ノ宮」の販売を開始しました。
また新築分譲だけでなく、リノベーションマンションの分譲にも取り組み、企業社宅から分譲マンションへとリノベーションを行った「サンリーノ逆瀬川野上(兵庫県宝塚市・89戸)」を平成26年10月より販売を開始し、続いては賃貸マンションから分譲マンションへリノベーションを行う「サンリーノ市谷砂土原町(東京都新宿区・7戸)」などの事業を展開しております。
この結果、当連結会計年度のマンション事業は、売上高25,627百万円(前年同期比22.3%減)、営業利益1,821百万円(前年同期比42.9%減)となりました。
③その他
生活支援サービス等が中心となっている、その他の当連結会計年度の売上高は415百万円(前年同期比121.4%増)、営業損失44百万円(前年同期は営業利益22百万円)となりました。
(2)キャッシュ・フロー
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、営業活動によるキャッシュ・フローは4,775百万円の減少、投資活動によるキャッシュ・フローは579百万円の増加、財務活動によるキャッシュ・フローは580百万円の増加となり、前連結会計年度末に比べ3,615百万円減少し、当連結会計年度末には4,699百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは4,775百万円の減少(前年同期は4,489百万円の増加)となりました。その主な内訳は税金等調整前当期純利益1,328百万円、売上債権の減少2,000百万円による一方、たな卸資産の増加1,581百万円、仕入債務の減少4,999百万円などであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローは579百万円の増加(前年同期は160百万円の増加)となりました。その主な内訳は、定期預金850百万円の純減少による収入、有形固定資産の取得による支出171百万円などであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の財務活動によるキャッシュ・フローは580百万円の増加(前年同期は3,780百万円の減少)となりました。その主な内訳は、長短期借入金850百万円の借入(純額)、社債80百万円の償還、配当金の支払188百万円などであります。