有価証券報告書-第20期(平成27年4月1日-平成28年3月31日)

【提出】
2016/06/29 13:49
【資料】
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【項目】
108項目

業績等の概要

(1)業績
当連結会計年度における我が国経済は、政府・日銀による財政政策や金融緩和政策の継続により、企業の設備投資に持ち直しが見られるなど緩やかな回復基調でありましたが、中国等の新興国経済の減速や原油価格の下落等の影響により、年初以降は急速な円高・株安が進み、今後の世界経済の動向に注意を払う状況となりました。
住宅業界におきましては、住宅取得資金贈与の非課税枠拡大、「フラット35S」の金利優遇幅の拡大、省エネ住宅ポイント制度といった政府による住宅取得支援策が講じられた効果により、新設住宅着工件数は前期比4.6%増の92万戸と持ち直しました。
このような状況のなか、当社グループは「人と地球がよろこぶ住まい」をキャッチフレーズに、社会情勢や経済状況の変化に対応した“住まい”と“暮らし”に関連するお客様の“お困りごと”を解決する取り組みを推進するとともに、お客様の安全・安心と地球環境の保全に努め、社会に貢献する会社となる事を目標としております。
当連結会計年度におきましては、消費増税に伴う駆け込み需要の反動減の一巡と持続的な住宅ローン低金利政策が後押しとなったことや、日本初の多世代共生型マンション「サンフォーリーフタウン桜ノ宮(大阪市都島区・ファミリー向け183戸、シニア向け104戸、託児所・リハビリステーション)」などの大型物件に注力し、受注高は51,947百万円(前年同期比4.4%増)、受注残高は23,037百万円(前年同期比22.5%増)となりました。しかし、売上高については、第4四半期にて住宅事業の分譲物件の販売の低迷と、マンション事業の企画コンサル物件の契約が次期となったために、売上高が大幅に減少する結果となりました。
この結果、当連結会計年度の業績は、特別損失として固定資産の減損損失166百万円の計上もあり、売上高47,720百万円(前年同期比9.6%減)となり、利益面では、営業損失55百万円(前年同期は営業利益1,500百万円)、経常損失76百万円(前年同期は経常利益1,410百万円)、親会社株主に帰属する当期純損失297百万円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純利益729百万円)となりました。
(セグメント別の概況)
事業の種類別セグメントの業績は次のとおりであります。
①住宅事業
戸建住宅におきましては、地球環境に配慮した長寿命で安全・安心な長期優良住宅の開発と提案に取り組んでおり、平成27年4月に単世帯で家事や子育てを行う家族向けの「life style KURASI'TE HUG(ハグ)」、親世帯と同居し家事や子育てを行う家族向けの「life style KURASI'TE 育み」を同時発売し、また同年7月には、旧耐震基準の住宅からの建替えや住み替えを検討される方をターゲットにした「life style KURASI'TE superior(スペリオ)」を発売しました。
賃貸福祉住宅におきましては、相続税の改正により不動産の有効活用を検討される土地オーナー様向け友の会「土地活用倶楽部」の組織化、金融機関との連携強化を通し、土地オーナー様と事業者とのビジネスマッチングを推進することで、賃貸住宅及び介護・福祉施設に対する積極的な提案のもと、受注高と受注残高が増加となりました。
住宅リフォーム・既存住宅流通におきましては、今後著しい増加が見込まれる中古住宅の流通市場活性化策を見据え、住宅の建物・耐震診断から、リフォーム、アフターサービスまでを提供する「住まいのドック」、さらに、住宅流通までを提供するサービス「サン住まいリング」を推進し、既存住宅を買取り後に付加価値を高めて再販することを含めて「リニューアル流通事業」にも取り組みました。
しかしながら、当連結会計年度の住宅事業の業績は、分譲物件の販売不振と大型受注による工期の長期化により、売上高は23,088百万円(前年同期比13.7%減)、営業損失は246百万円(前年同期は営業利益662百万円)となりました。
②マンション事業
マンション事業におきましては、大型複合施設「サンフォーリーフタウン」の販売を推進し、このうち平成28年9月竣工の「サンフォーリーフタウン桜ノ宮」についてはファミリー向け分譲マンションが全戸、シニア向け分譲マンションは約80%が契約となりました。また、建築基準が厳しい京都市中心部で販売した「サンメゾン京都二条月光町ゲート(京都市中京区・49戸)」が竣工完売し、人口増加が著しい福岡市にて「サンメゾン次郎丸エルド(福岡市早良区・48戸)」と「サンメゾン九大学研都市エルド(福岡市西区・116戸)」の販売を開始しました。
このほか、企業社宅や賃貸マンションを買取り、リノベーション後に販売する事業にも取り組んでおります。リノベーション住宅推進協議会が定める適合基準「R3住宅適合」を受けた「サンリーノ逆瀬川野上(兵庫県宝塚市・89戸)」の販売、賃貸から分譲へとリノベーションを行った「サンリーノ市谷砂土原町(東京都新宿区・7戸)」の完売ほか、交通の利便性が高く優良な住宅地のリノベーション物件として、横浜市内で「グレイスネスト綱島(横浜市港北区・22戸)」と「サンリーノ青葉台(横浜市青葉区・17戸)」の販売を開始しました。
しかしながら、当連結会計年度のマンション事業の業績は、企画コンサル物件にて契約時期が次期となったために、売上高は24,244百万円(前年同期比5.4%減)、営業利益は1,110百万円(前年同期比39.0%減)となりました。
③その他
生活支援サービス等が中心となっている、その他の当連結会計年度の売上高は388百万円(前年同期比6.5%減)、営業利益8百万円(前年同期は営業損失44百万円)となりました。
(2)キャッシュ・フロー
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、営業活動によるキャッシュ・フローは9,306百万円の減少、投資活動によるキャッシュ・フローは804百万円の減少、財務活動によるキャッシュ・フローは9,903百万円の増加となり、前連結会計年度末に比べ208百万円減少し、当連結会計年度末には4,491百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは9,306百万円の減少(前年同期は4,775百万円の減少)となりました。その主な内訳は税金等調整前当期純損失222百万円、たな卸資産の増加9,493百万円、未払費用の減少262百万円による一方、仕入債務の増加402百万円、前受金の増加457百万円等であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローは804百万円の減少(前年同期は579百万円の増加)となりました。その主な内訳は、定期預金600百万円の純増加による支出、有形固定資産の取得による支出114百万円等であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の財務活動によるキャッシュ・フローは9,903百万円の増加(前年同期は580百万円の増加)となりました。その主な内訳は、長短期借入金10,093百万円の借入(純額)、配当金の支払189百万円等であります。