有価証券報告書-第17期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)
経営成績等の状況の概要
文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
(1)経営成績
当社の中核事業領域であるiPS細胞は、山中伸弥教授によるヒトiPS細胞の発明以降、世界中で研究が盛んに行われております。
最近では、iPS細胞を活用した病態解明や再生医療への応用など、実用的な研究開発が多く行われるようになりました。2017年には、希少難病の患者から作製したiPS細胞を活用して病態を解明し、新薬候補の治験へつなげた事例が報告され、さらに、再生医療に関しても、iPS細胞を使った加齢黄斑変性及びパーキンソン病に関する臨床研究及び治験が行われております。
当社では、前者のようにiPS細胞を病態解明や創薬研究に使用する事業を「研究支援事業」、後者の再生医療を「メディカル事業」と位置づけ、2つのセグメントに分け、推進しております。
研究支援事業では、大学/公的研究機関及び製薬企業等を顧客として、研究試薬や細胞などの研究用製品及びiPS細胞作製受託などのサービスを提供しております。研究用途であるため、医薬品のような製造販売承認は必要とされず、新しい技術を比較的短期間で事業化し収益を上げることができる特長があり、現時点では、研究支援事業の売上が80%以上を占めております。当社では、iPS細胞を中心とした幅広い「ヒト細胞ビジネスプラットフォーム」を保有しており、競争優位性の高い製品やサービスを世界中で展開し、短中期の収益の柱として推進しております。
一方、メディカル事業では、現在、脊髄小脳変性症を対象とした再生医療製品Stemchymal®(以下、ステムカイマル)及び、横断性脊髄炎及び筋萎縮性側索硬化症(ALS)等の中枢神経系疾患を対象としたiPS神経グリア細胞の研究開発を進めております。これら再生医療製品は中長期的な成長事業として、積極的な投資を行い、早期の製造販売承認の取得を目指します。
再生医療に関しては、上市までに臨床試験を行い製造販売承認を取得する必要があるため、研究支援事業より事業化に時間が必要とされますが、日本では2014年の法改正により、世界で最も再生医療の産業化に適した環境が整いつつあります。「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(通称 薬機法)」では、治験において安全性が確認され、有効性が推定された再生医療等製品に対して早期承認(条件・期限付き承認)を与えることが可能になりました。これにより、患者様に対して新たな治療機会を早期に提供すると共に、治験期間の短縮や治験費用の削減が期待できます。
また、経済産業省の報告書(「平成29年度我が国におけるデータ駆動型社会に係る基盤整備 「根本治療の実現」に向けた適切な支援のあり方の調査」)によると、再生医療産業のグローバルでの市場規模は2030年で約5~10兆円となっており、今後、巨大市場に成長することが見込まれています。
このように、再生医療を中長期的な成長事業と位置づけ、早期の製造販売承認の取得を目指します。
セグメントごとの詳細な当連結会計年度の成績に関しては、後述のセグメント別の業績にて記載いたします。
この結果、当連結会計年度の売上高は1,088百万円(前期比 17.5%増)、営業損失は781百万円(前期 1,025百万円の損失)、経常損失は627百万円(前期 935百万円の損失)、親会社株主に帰属する当期純損失は601百万円(前期 2,172百万円の損失)となりました。
なお、当連結会計年度では、再生医療製品であるiPS細胞由来神経グリア細胞(iGRP)への開発費の充当を主な目的として、EVO FUNDを割当先とした第14回新株予約権の発行を行い、8月に権利行使が完了し、1,376百万円の資金調達を行いました。
セグメント別の業績を示すと、次のとおりであります。
a.研究支援事業
研究支援事業では、大学/公的研究機関及び製薬企業等の研究所を顧客として、研究試薬や細胞などの研究用製品及びiPS細胞作製受託などの各種サービスを提供しております。最先端技術を集約した製品・サービスを上記研究機関に提供することで、最終的には画期的な新薬や治療法の開発に貢献して参ります。
現在、世界中の製薬企業では、動物愛護の観点や、ヒトと動物の種の違いによる試験結果の差といった問題点などから「動物実験からヒト細胞実験」への大きなシフトが進んでいます。今後、ヒト細胞実験が普及することで、これまで十数年かかっていた新薬開発のプロセスが大幅に短縮され、さらに、従来と比べて性能の高い新薬が開発できることが期待されています。中でもヒトiPS細胞はその中心的存在として注目を集めており、例えば、アルツハイマー病患者の血液から作製したiPS細胞を研究で使うことで、アルツハイマー病の病態解明及び新薬開発が加速されると期待されています。
当社グループでは、第3世代RNAリプログラミング技術など、ヒトiPS細胞に関する世界最先端の技術プラットフォームを保有しており、さらに、がん細胞やヒト組織を医療機関から調達する幅広いネットワークも保有しております。これら技術優位性の高い「ヒト細胞ビジネスプラットフォーム」を最大限活用することで、上記の「動物実験からヒト細胞実験」へのシフトを先取りした事業を進めております。具体的には、iPS細胞研究用の研究試薬類、患者の組織からiPSを作製する病態モデル細胞の作製、ヒト組織を用いた新薬の薬効薬理評価、ヒト生体試料のバンキングなどがあります。このように、ヒト細胞に関する最先端の製品・サービスを幅広く提供している点が当社の最大の強みになります。
当連結会計年度では新規事業として、2018年10月、遺伝子改変サービスを当社の投資先であるGenAhead Bio社と共同で開始いたしました。同社は、ゲノム編集技術の専門家チームであり、高精度かつ高効率にゲノム編集ができる独自技術「SNIPER」を保有しております。最先端のゲノム編集技術として注目されているCRISPR/Cas9の精度及び効率を飛躍的に向上するための付加技術であり、従来では困難であった難易度の高い遺伝子改変サービスを提供することができます。遺伝子改変細胞は創薬スクリーニングなど製薬企業で幅広いニーズがあり、今後これらのサービスを重点的に展開してまいります。
また、株式会社ファンケルと共同でヒトiPS細胞由来の感覚神経細胞の開発に成功し、2018年10月より、新規の受託製造サービスとして開始いたしました。
さらに、2018年4月にBioserve Biotechnologies India Pvt. Ltd.を買収したことで、次世代シーケンシング受託ビジネスを、新規事業領域として追加いたしました。次世代シーケンシングは、遺伝子解析を大量かつ高速に行う新規技術であり、今後、疾患iPS疾患細胞の遺伝子解析などへの応用を進めてまいります。
このように、当連結会計年度は、地域的にも技術的にも積極的に事業を拡大いたしました。地域的には、従来の日本、米国、欧州に加えて、インドを含む4拠点とし、技術的にも、iPS細胞技術、ヒト細胞の調達能力、創薬スクリーニング技術に加え、新たに、遺伝子改変技術、次世代シーケンシング技術を加えました。今後とも、当社グループでは研究支援事業を短中期事業の柱として積極的に推進してまいります。
この結果、売上高は934百万円(前期比7.1%増)、セグメント利益は85百万円(前期173百万円の損失)となりました。
b.メディカル事業
再生医療分野においては、ヒト体性幹細胞やヒトiPS細胞の臨床応用を目指した研究が世界中で盛んに行われており、将来、再生医療製品がグローバルで巨大産業に成長することが見込まれています。
特にiPS細胞は、体の様々な細胞に分化させる事が可能であることから、有効な治療法のない難病に対する臨床応用に大きな期待が寄せられています。iPS細胞を医療に応用する場合の最大の技術課題は安全性の確保ですが、当社では、遺伝子変異リスクを最小化し、外来遺伝子やウイルス残存リスクのない、高品質で臨床応用に適したiPS細胞を作製する「RNAリプログラミング技術」を開発・保有しております。特に、遺伝子変異につながる染色体異常の発生する頻度は、他のiPS細胞作製法と比べて顕著に低いことが論文でも報告されており、現在最も臨床に適した最新のiPS細胞作製技術だと言えます。
当社グループでは、遺伝子変異リスクを最小化し、外来遺伝子やウイルス残存リスクのない、高品質で臨床応用に適したiPS細胞を作製する「第3世代RNAリプログラミング技術」を開発・保有しております。特に、遺伝子変異につながる染色体異常の発生する頻度は、他のiPS細胞作製法と比べて顕著に低いことが論文でも報告されており、現在最も臨床に適した最新のiPS細胞作製技術だと言えます。
メディカル事業では下記の再生医療製品の開発を進めております。
(a)体性幹細胞製品 Stemchymal®
ヒト細胞加工製品 Stemchymal®(以下、ステムカイマル)は台湾のSteminent Biotherapeutics Inc.(以下、ステミネント社)が開発した再生医療製品であり、当社は脊髄小脳変性症を対象とした日本における独占的商業ライセンス契約を締結しております。
2018年7月に、独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)に提出した、脊髄小脳変性症を対象とした日本における治験計画届について、所定の審査が終了いたしました。これにより、当社は今後日本においてステムカイマルの第II相臨床試験の実施が可能となり、治験を実施する国内の医療機関と所定の契約締結に向けた準備を進めるとともに、日本の制度を活用した早期の承認取得を目指してまいります。また、2018年12月に厚生労働省による大臣承認を経て、希少疾病用再生医療等製品として指定されました。これにより、今後、開発に係る経費の助成金(最大50%)、優遇税制措置、及び優先審査等の支援措置を受けることができます。
一方、ステミネント社は、台湾において当該疾患を対象としたステムカイマルの第II相臨床試験を進めております。また、2018年7月に米国においてもステムカイマルの治験申請(IND)が米国食品医薬品局(FDA)より承認されており、米国でも今後治験が進められます。
脊髄小脳変性症は、小脳や脳幹、脊髄の神経細胞が変性してしまう事により、徐々に歩行障害や嚥下障害などの運動失調が現れ、日常の生活が不自由となってしまう原因不明の希少疾患です。ステムカイマルによる同疾患による症状の進行抑制効果が期待されています。
当社では、病気と闘っている患者様へ少しでも早く新しい治療法が届けられるよう、本プロジェクトを積極的に推進してまいります。
(b)iPS神経グリア細胞製品
iPS細胞から神経グリア細胞を作製し、中枢神経系疾患に対するiPS細胞再生医療製品として開発を行っております。本プロジェクトを加速させるため、2018年4月に、米国Q Therapeutics Inc.(キューセラピューティクス、以下、Qセラ社)との間で合弁会社「株式会社MAGiQセラピューティクス」を設立いたしました。Qセラ社は中枢神経系の再生医療に特化したベンチャー企業であり、Qセラの創業者である、Mahendra Rao博士はアメリカ国立衛生研究所(NIH)再生医療センターの初代ディレクターも務めた、神経幹細胞の世界的に著名な研究者です。合弁会社では、当社のiPS細胞技術とQセラ社の中枢神経系の技術を組み合わせることで、iPS細胞由来神経グリア細胞の開発を加速してまいります。
さらに、本プロジェクトの研究開発を加速させるため、2018年12月、湘南ヘルスイノベーションパークに入居し、湘南研究所を開設いたしました。
また、メディカル事業では、これらの再生医療に加え、臓器移植に関連した臨床検査の受託サービスも行っております。当社の主力検査項目である臓器移植後の抗HLA抗体検査が2018年4月1日より保険収載となりました。当社の登録衛生検査所は、日本組織適合性学会により「認定組織適合性検査登録施設」へ認定されており、医療機関が当該臨床検査の外部委託を検討する際の、重要な要素をクリアしております。これにより、当連結会計年度は、検査依頼数、売上とも大幅に増加いたしました。
この結果、売上高は154百万円(前期比187.7%増)、セグメント損失は23百万円(前期7百万円の損失)となりました。
なお、管理部門にかかる費用など各事業セグメントに配分していない全社費用が689百万円あります。
(2)キャッシュ・フロー
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は前連結会計年度末に比べて1,467百万円減少し、4,112百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において営業活動の結果使用した資金は554百万円(前期は636百万円の使用)となりました。これは主に、税金等調整前当期純損失627百万円が発生した一方、減価償却費40百万円、株式報酬費用37百万円等の発生によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において投資活動の結果使用した資金は2,308百万円(前期は228百万円の使用)となりました。これは主に、有価証券及び投資有価証券の取得による支出2,067百万円が発生したことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において財務活動の結果獲得した資金は1,381百万円(前期は1,028百万円の獲得)となりました。これは主に新株予約権の行使による株式の発行による収入1,376百万円によるものであります。
生産、受注及び販売の実績
(1) 生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.金額は製造原価によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.メディカル事業に生産実績はありません。
(2) 受注実績
当社は、主として需要予測に基づく見込生産を行っているため、該当事項はありません。
(3) 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの分析は、以下のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
(1) 財政状態の分析
(資産の部)
当連結会計年度末における流動資産は前連結会計年度末に比べて222百万円増加し、6,202百万円となりました。主な内訳は、現金及び預金の増加539百万円、有価証券の減少399百万円であります。固定資産は前連結会計年度末に比べて669百万円増加し、1,287百万円となりました。主な内訳は、のれんの増加107百万円、投資有価証券の増加394百万円であります。
セグメント別に示すと、研究支援事業におけるセグメント資産は前連結会計年度末に比べて20百万円増加し、610百万円となりました。また、メディカル事業におけるセグメント資産は前連結会計年度末に比べて16百万円増加し、159百万円となりました。なお、各報告セグメントに配分していない全社資産については、前連結会計年度末に比べて854百万円増加し、6,719百万円となりました。
(負債の部)
当連結会計年度末における流動負債は前連結会計年度末に比べて69百万円増加し、330百万円となりました。主な内訳は、買掛金の増加22百万円であります。固定負債は前連結会計年度末に比べて著増減なく、88百万円となりました。
(純資産の部)
当連結会計年度末における純資産は前連結会計年度末に比べて822百万円増加し、7,071百万円となりました。主な内訳は、資本金の増加708百万円、資本剰余金の増加708百万円、利益剰余金の減少601百万円であります。
(2) 経営成績の分析
「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績」をご参照ください。
(3) キャッシュ・フローの状況
「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2) キャッシュ・フロー」をご参照ください。
(4) 経営成績に重要な影響を与える要因について
研究支援事業については、研究試薬製品、細胞製品ともに、積極的な研究開発を行っており、2019年3月期における研究開発費の総額は273百万円と、販売費及び一般管理費の約21%を占めています。今後も研究開発は積極的に推進する予定であり、継続的な研究開発費の支出を見込んでいます。
(5) 資金の財源及び資金の流動性について
当社グループの資金需要のうち主なものは、研究支援事業における製品・サービスの研究開発やグローバル展開の推進及びメディカル事業における再生医療製品の導入や開発等によるものの他、製造費、販売費及び一般管理費などの営業費用であります。
当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。しかしながら、事業収益がこれらの資金需要を賄うには十分ではないことから、公的助成金、第三者割当増資による調達資金を利用しています。なお、当連結会計年度末における当社グループの当連結会計年度末の現金及び預金残高は4,112百万円、短期的な資金運用を行っている有価証券が1,600百万円あり、十分な流動性を確保しています。
(6) 経営戦略の現状と見通し
2020年3月期の業績につきましては、売上高1,434百万円(当期比31.8%増)、営業損失756百万円(当期は781百万円の損失)、経常損失687百万円(当期は627百万円の損失)、親会社株主に帰属する当期純損失687百万円(当期は601百万円の損失)を見込んでおります。
当連結会計年度において売上高は1,088百万円となり、業績予想として示しておりました1,167百万円にほぼ到達いたしました。一方、前回の中期経営計画作成時に想定していたポンドの為替レート(1英ポンド=140円)が予想より円高傾向にあり、来期の業績については、売上高1,434百万円に据え置くことといたしました。
また、費用面では、ステムカイマルの治験準備費用や、iPS細胞を活用した再生医療製品の研究開発費の計上を想定しております。
連結経常損失、連結当期純損失の予想額は、為替を一定の水準として推移することとして策定しており、為替損益を業績予想に織り込んでおりません。本業績見通しにおける外国為替レートは、1米ドル=110円、1英ポンド=140円、1印ルピー=1.65円を前提としております。
(7) 経営者の問題意識と今後の方針について
「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照ください。
また、経営者の視点による経営成績等の状況についての認識及び分析・検討内容については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績」をご参照ください。なお、当社グループにおいては、事業計画に基づく事業の成長と早期の黒字化を重要指標として売上高、各段階損益について分析を行っております。
(8) 継続企業の前提に関する事項について
iPS細胞及び再生医療製品等の研究開発及び治験費用が収益に先行して発生する等の理由から、継続的に営業損失が発生しており、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象または状況が存在しております。
しかしながら、当社グループの当連結会計年度末の現金及び預金残高は4,112百万円、短期的な資金運用を行っている有価証券が1,600百万円あり、財務基盤については安定しております。当該状況の解消を図るべく、グローバルな販売基盤を活用した販売促進を積極的に行っております。グループ経営体制の運営効率化のため、投資及びランニング費用を最小限に抑えつつ、地域特性に合わせた営業・マーケティング展開、営業面ならびに技術面での各社間の連携促進を進め、早期の黒字化を目指しております。
文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
(1)経営成績
当社の中核事業領域であるiPS細胞は、山中伸弥教授によるヒトiPS細胞の発明以降、世界中で研究が盛んに行われております。
最近では、iPS細胞を活用した病態解明や再生医療への応用など、実用的な研究開発が多く行われるようになりました。2017年には、希少難病の患者から作製したiPS細胞を活用して病態を解明し、新薬候補の治験へつなげた事例が報告され、さらに、再生医療に関しても、iPS細胞を使った加齢黄斑変性及びパーキンソン病に関する臨床研究及び治験が行われております。
当社では、前者のようにiPS細胞を病態解明や創薬研究に使用する事業を「研究支援事業」、後者の再生医療を「メディカル事業」と位置づけ、2つのセグメントに分け、推進しております。
研究支援事業では、大学/公的研究機関及び製薬企業等を顧客として、研究試薬や細胞などの研究用製品及びiPS細胞作製受託などのサービスを提供しております。研究用途であるため、医薬品のような製造販売承認は必要とされず、新しい技術を比較的短期間で事業化し収益を上げることができる特長があり、現時点では、研究支援事業の売上が80%以上を占めております。当社では、iPS細胞を中心とした幅広い「ヒト細胞ビジネスプラットフォーム」を保有しており、競争優位性の高い製品やサービスを世界中で展開し、短中期の収益の柱として推進しております。
一方、メディカル事業では、現在、脊髄小脳変性症を対象とした再生医療製品Stemchymal®(以下、ステムカイマル)及び、横断性脊髄炎及び筋萎縮性側索硬化症(ALS)等の中枢神経系疾患を対象としたiPS神経グリア細胞の研究開発を進めております。これら再生医療製品は中長期的な成長事業として、積極的な投資を行い、早期の製造販売承認の取得を目指します。
再生医療に関しては、上市までに臨床試験を行い製造販売承認を取得する必要があるため、研究支援事業より事業化に時間が必要とされますが、日本では2014年の法改正により、世界で最も再生医療の産業化に適した環境が整いつつあります。「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(通称 薬機法)」では、治験において安全性が確認され、有効性が推定された再生医療等製品に対して早期承認(条件・期限付き承認)を与えることが可能になりました。これにより、患者様に対して新たな治療機会を早期に提供すると共に、治験期間の短縮や治験費用の削減が期待できます。
また、経済産業省の報告書(「平成29年度我が国におけるデータ駆動型社会に係る基盤整備 「根本治療の実現」に向けた適切な支援のあり方の調査」)によると、再生医療産業のグローバルでの市場規模は2030年で約5~10兆円となっており、今後、巨大市場に成長することが見込まれています。
このように、再生医療を中長期的な成長事業と位置づけ、早期の製造販売承認の取得を目指します。
セグメントごとの詳細な当連結会計年度の成績に関しては、後述のセグメント別の業績にて記載いたします。
この結果、当連結会計年度の売上高は1,088百万円(前期比 17.5%増)、営業損失は781百万円(前期 1,025百万円の損失)、経常損失は627百万円(前期 935百万円の損失)、親会社株主に帰属する当期純損失は601百万円(前期 2,172百万円の損失)となりました。
なお、当連結会計年度では、再生医療製品であるiPS細胞由来神経グリア細胞(iGRP)への開発費の充当を主な目的として、EVO FUNDを割当先とした第14回新株予約権の発行を行い、8月に権利行使が完了し、1,376百万円の資金調達を行いました。
セグメント別の業績を示すと、次のとおりであります。
a.研究支援事業
研究支援事業では、大学/公的研究機関及び製薬企業等の研究所を顧客として、研究試薬や細胞などの研究用製品及びiPS細胞作製受託などの各種サービスを提供しております。最先端技術を集約した製品・サービスを上記研究機関に提供することで、最終的には画期的な新薬や治療法の開発に貢献して参ります。
現在、世界中の製薬企業では、動物愛護の観点や、ヒトと動物の種の違いによる試験結果の差といった問題点などから「動物実験からヒト細胞実験」への大きなシフトが進んでいます。今後、ヒト細胞実験が普及することで、これまで十数年かかっていた新薬開発のプロセスが大幅に短縮され、さらに、従来と比べて性能の高い新薬が開発できることが期待されています。中でもヒトiPS細胞はその中心的存在として注目を集めており、例えば、アルツハイマー病患者の血液から作製したiPS細胞を研究で使うことで、アルツハイマー病の病態解明及び新薬開発が加速されると期待されています。
当社グループでは、第3世代RNAリプログラミング技術など、ヒトiPS細胞に関する世界最先端の技術プラットフォームを保有しており、さらに、がん細胞やヒト組織を医療機関から調達する幅広いネットワークも保有しております。これら技術優位性の高い「ヒト細胞ビジネスプラットフォーム」を最大限活用することで、上記の「動物実験からヒト細胞実験」へのシフトを先取りした事業を進めております。具体的には、iPS細胞研究用の研究試薬類、患者の組織からiPSを作製する病態モデル細胞の作製、ヒト組織を用いた新薬の薬効薬理評価、ヒト生体試料のバンキングなどがあります。このように、ヒト細胞に関する最先端の製品・サービスを幅広く提供している点が当社の最大の強みになります。
当連結会計年度では新規事業として、2018年10月、遺伝子改変サービスを当社の投資先であるGenAhead Bio社と共同で開始いたしました。同社は、ゲノム編集技術の専門家チームであり、高精度かつ高効率にゲノム編集ができる独自技術「SNIPER」を保有しております。最先端のゲノム編集技術として注目されているCRISPR/Cas9の精度及び効率を飛躍的に向上するための付加技術であり、従来では困難であった難易度の高い遺伝子改変サービスを提供することができます。遺伝子改変細胞は創薬スクリーニングなど製薬企業で幅広いニーズがあり、今後これらのサービスを重点的に展開してまいります。
また、株式会社ファンケルと共同でヒトiPS細胞由来の感覚神経細胞の開発に成功し、2018年10月より、新規の受託製造サービスとして開始いたしました。
さらに、2018年4月にBioserve Biotechnologies India Pvt. Ltd.を買収したことで、次世代シーケンシング受託ビジネスを、新規事業領域として追加いたしました。次世代シーケンシングは、遺伝子解析を大量かつ高速に行う新規技術であり、今後、疾患iPS疾患細胞の遺伝子解析などへの応用を進めてまいります。
このように、当連結会計年度は、地域的にも技術的にも積極的に事業を拡大いたしました。地域的には、従来の日本、米国、欧州に加えて、インドを含む4拠点とし、技術的にも、iPS細胞技術、ヒト細胞の調達能力、創薬スクリーニング技術に加え、新たに、遺伝子改変技術、次世代シーケンシング技術を加えました。今後とも、当社グループでは研究支援事業を短中期事業の柱として積極的に推進してまいります。
この結果、売上高は934百万円(前期比7.1%増)、セグメント利益は85百万円(前期173百万円の損失)となりました。
b.メディカル事業
再生医療分野においては、ヒト体性幹細胞やヒトiPS細胞の臨床応用を目指した研究が世界中で盛んに行われており、将来、再生医療製品がグローバルで巨大産業に成長することが見込まれています。
特にiPS細胞は、体の様々な細胞に分化させる事が可能であることから、有効な治療法のない難病に対する臨床応用に大きな期待が寄せられています。iPS細胞を医療に応用する場合の最大の技術課題は安全性の確保ですが、当社では、遺伝子変異リスクを最小化し、外来遺伝子やウイルス残存リスクのない、高品質で臨床応用に適したiPS細胞を作製する「RNAリプログラミング技術」を開発・保有しております。特に、遺伝子変異につながる染色体異常の発生する頻度は、他のiPS細胞作製法と比べて顕著に低いことが論文でも報告されており、現在最も臨床に適した最新のiPS細胞作製技術だと言えます。
当社グループでは、遺伝子変異リスクを最小化し、外来遺伝子やウイルス残存リスクのない、高品質で臨床応用に適したiPS細胞を作製する「第3世代RNAリプログラミング技術」を開発・保有しております。特に、遺伝子変異につながる染色体異常の発生する頻度は、他のiPS細胞作製法と比べて顕著に低いことが論文でも報告されており、現在最も臨床に適した最新のiPS細胞作製技術だと言えます。
メディカル事業では下記の再生医療製品の開発を進めております。
(a)体性幹細胞製品 Stemchymal®
ヒト細胞加工製品 Stemchymal®(以下、ステムカイマル)は台湾のSteminent Biotherapeutics Inc.(以下、ステミネント社)が開発した再生医療製品であり、当社は脊髄小脳変性症を対象とした日本における独占的商業ライセンス契約を締結しております。
2018年7月に、独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)に提出した、脊髄小脳変性症を対象とした日本における治験計画届について、所定の審査が終了いたしました。これにより、当社は今後日本においてステムカイマルの第II相臨床試験の実施が可能となり、治験を実施する国内の医療機関と所定の契約締結に向けた準備を進めるとともに、日本の制度を活用した早期の承認取得を目指してまいります。また、2018年12月に厚生労働省による大臣承認を経て、希少疾病用再生医療等製品として指定されました。これにより、今後、開発に係る経費の助成金(最大50%)、優遇税制措置、及び優先審査等の支援措置を受けることができます。
一方、ステミネント社は、台湾において当該疾患を対象としたステムカイマルの第II相臨床試験を進めております。また、2018年7月に米国においてもステムカイマルの治験申請(IND)が米国食品医薬品局(FDA)より承認されており、米国でも今後治験が進められます。
脊髄小脳変性症は、小脳や脳幹、脊髄の神経細胞が変性してしまう事により、徐々に歩行障害や嚥下障害などの運動失調が現れ、日常の生活が不自由となってしまう原因不明の希少疾患です。ステムカイマルによる同疾患による症状の進行抑制効果が期待されています。
当社では、病気と闘っている患者様へ少しでも早く新しい治療法が届けられるよう、本プロジェクトを積極的に推進してまいります。
(b)iPS神経グリア細胞製品
iPS細胞から神経グリア細胞を作製し、中枢神経系疾患に対するiPS細胞再生医療製品として開発を行っております。本プロジェクトを加速させるため、2018年4月に、米国Q Therapeutics Inc.(キューセラピューティクス、以下、Qセラ社)との間で合弁会社「株式会社MAGiQセラピューティクス」を設立いたしました。Qセラ社は中枢神経系の再生医療に特化したベンチャー企業であり、Qセラの創業者である、Mahendra Rao博士はアメリカ国立衛生研究所(NIH)再生医療センターの初代ディレクターも務めた、神経幹細胞の世界的に著名な研究者です。合弁会社では、当社のiPS細胞技術とQセラ社の中枢神経系の技術を組み合わせることで、iPS細胞由来神経グリア細胞の開発を加速してまいります。
さらに、本プロジェクトの研究開発を加速させるため、2018年12月、湘南ヘルスイノベーションパークに入居し、湘南研究所を開設いたしました。
また、メディカル事業では、これらの再生医療に加え、臓器移植に関連した臨床検査の受託サービスも行っております。当社の主力検査項目である臓器移植後の抗HLA抗体検査が2018年4月1日より保険収載となりました。当社の登録衛生検査所は、日本組織適合性学会により「認定組織適合性検査登録施設」へ認定されており、医療機関が当該臨床検査の外部委託を検討する際の、重要な要素をクリアしております。これにより、当連結会計年度は、検査依頼数、売上とも大幅に増加いたしました。
この結果、売上高は154百万円(前期比187.7%増)、セグメント損失は23百万円(前期7百万円の損失)となりました。
なお、管理部門にかかる費用など各事業セグメントに配分していない全社費用が689百万円あります。
(2)キャッシュ・フロー
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は前連結会計年度末に比べて1,467百万円減少し、4,112百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において営業活動の結果使用した資金は554百万円(前期は636百万円の使用)となりました。これは主に、税金等調整前当期純損失627百万円が発生した一方、減価償却費40百万円、株式報酬費用37百万円等の発生によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において投資活動の結果使用した資金は2,308百万円(前期は228百万円の使用)となりました。これは主に、有価証券及び投資有価証券の取得による支出2,067百万円が発生したことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において財務活動の結果獲得した資金は1,381百万円(前期は1,028百万円の獲得)となりました。これは主に新株予約権の行使による株式の発行による収入1,376百万円によるものであります。
生産、受注及び販売の実績
(1) 生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) | |
| 金額(千円) | 前年同期比(%) | |
| 研究支援事業(千円) | 511,658 | 99.6 |
| 合計(千円) | 511,658 | 99.6 |
(注)1.金額は製造原価によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.メディカル事業に生産実績はありません。
(2) 受注実績
当社は、主として需要予測に基づく見込生産を行っているため、該当事項はありません。
(3) 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) | |
| 金額(千円) | 前年同期比(%) | |
| 研究支援事業(千円) | 934,211 | 107.1 |
| メディカル事業(千円) | 154,316 | 287.7 |
| 合計(千円) | 1,088,527 | 117.5 |
(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの分析は、以下のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
(1) 財政状態の分析
(資産の部)
当連結会計年度末における流動資産は前連結会計年度末に比べて222百万円増加し、6,202百万円となりました。主な内訳は、現金及び預金の増加539百万円、有価証券の減少399百万円であります。固定資産は前連結会計年度末に比べて669百万円増加し、1,287百万円となりました。主な内訳は、のれんの増加107百万円、投資有価証券の増加394百万円であります。
セグメント別に示すと、研究支援事業におけるセグメント資産は前連結会計年度末に比べて20百万円増加し、610百万円となりました。また、メディカル事業におけるセグメント資産は前連結会計年度末に比べて16百万円増加し、159百万円となりました。なお、各報告セグメントに配分していない全社資産については、前連結会計年度末に比べて854百万円増加し、6,719百万円となりました。
(負債の部)
当連結会計年度末における流動負債は前連結会計年度末に比べて69百万円増加し、330百万円となりました。主な内訳は、買掛金の増加22百万円であります。固定負債は前連結会計年度末に比べて著増減なく、88百万円となりました。
(純資産の部)
当連結会計年度末における純資産は前連結会計年度末に比べて822百万円増加し、7,071百万円となりました。主な内訳は、資本金の増加708百万円、資本剰余金の増加708百万円、利益剰余金の減少601百万円であります。
(2) 経営成績の分析
「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績」をご参照ください。
(3) キャッシュ・フローの状況
「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2) キャッシュ・フロー」をご参照ください。
(4) 経営成績に重要な影響を与える要因について
研究支援事業については、研究試薬製品、細胞製品ともに、積極的な研究開発を行っており、2019年3月期における研究開発費の総額は273百万円と、販売費及び一般管理費の約21%を占めています。今後も研究開発は積極的に推進する予定であり、継続的な研究開発費の支出を見込んでいます。
(5) 資金の財源及び資金の流動性について
当社グループの資金需要のうち主なものは、研究支援事業における製品・サービスの研究開発やグローバル展開の推進及びメディカル事業における再生医療製品の導入や開発等によるものの他、製造費、販売費及び一般管理費などの営業費用であります。
当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。しかしながら、事業収益がこれらの資金需要を賄うには十分ではないことから、公的助成金、第三者割当増資による調達資金を利用しています。なお、当連結会計年度末における当社グループの当連結会計年度末の現金及び預金残高は4,112百万円、短期的な資金運用を行っている有価証券が1,600百万円あり、十分な流動性を確保しています。
(6) 経営戦略の現状と見通し
2020年3月期の業績につきましては、売上高1,434百万円(当期比31.8%増)、営業損失756百万円(当期は781百万円の損失)、経常損失687百万円(当期は627百万円の損失)、親会社株主に帰属する当期純損失687百万円(当期は601百万円の損失)を見込んでおります。
当連結会計年度において売上高は1,088百万円となり、業績予想として示しておりました1,167百万円にほぼ到達いたしました。一方、前回の中期経営計画作成時に想定していたポンドの為替レート(1英ポンド=140円)が予想より円高傾向にあり、来期の業績については、売上高1,434百万円に据え置くことといたしました。
また、費用面では、ステムカイマルの治験準備費用や、iPS細胞を活用した再生医療製品の研究開発費の計上を想定しております。
連結経常損失、連結当期純損失の予想額は、為替を一定の水準として推移することとして策定しており、為替損益を業績予想に織り込んでおりません。本業績見通しにおける外国為替レートは、1米ドル=110円、1英ポンド=140円、1印ルピー=1.65円を前提としております。
(7) 経営者の問題意識と今後の方針について
「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照ください。
また、経営者の視点による経営成績等の状況についての認識及び分析・検討内容については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績」をご参照ください。なお、当社グループにおいては、事業計画に基づく事業の成長と早期の黒字化を重要指標として売上高、各段階損益について分析を行っております。
(8) 継続企業の前提に関する事項について
iPS細胞及び再生医療製品等の研究開発及び治験費用が収益に先行して発生する等の理由から、継続的に営業損失が発生しており、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象または状況が存在しております。
しかしながら、当社グループの当連結会計年度末の現金及び預金残高は4,112百万円、短期的な資金運用を行っている有価証券が1,600百万円あり、財務基盤については安定しております。当該状況の解消を図るべく、グローバルな販売基盤を活用した販売促進を積極的に行っております。グループ経営体制の運営効率化のため、投資及びランニング費用を最小限に抑えつつ、地域特性に合わせた営業・マーケティング展開、営業面ならびに技術面での各社間の連携促進を進め、早期の黒字化を目指しております。