有価証券報告書-第11期(令和1年7月1日-令和2年6月30日)
(経営成績等の状況の概要)
(1) 業績
当連結会計年度における世界経済は、米国では個人消費を中心に堅調に推移したものの、中国においては米中貿易摩擦の長期化を背景に景気が減速し、全体的には低迷傾向にありました。2020年に入ってからは新型コロナウイルスの感染拡大が各国経済に大きな影響を与え、世界の人・物の動きや経済活動が強く制限された結果、各国経済は前例のない低迷に陥っております。
日本経済においても雇用・所得環境の改善による緩やかな回復傾向で推移しておりましたが、新型コロナウイルス感染拡大の影響により需給両面で経済が停滞しております。
当グループの事業領域においては、貿易摩擦等による外需の減少に加え、新型コロナウイルス感染拡大による景気減速により鉄鋼需要は減少し、鋼材価格は弱含みに推移しました。当連結会計年度における鉄スクラップ相場(東京製鐵田原海上特級価格)の平均価格は22,943円と、前年同期の平均価格33,219円を下回って推移しました。3月以降の急激な需要の減少により5月には一時18,500円の期中安値となりましたが、自動車産業をはじめとした製造業の減産から鉄スクラップの市場流通量が減少したことで国内外の需給が逼迫し、当連結会計年度末時点では24,500円まで上昇しております。また、非鉄金属価格についても主要取扱品目である銅、アルミ価格においては、前年を下回って推移しました。
このような厳しい経営環境の中で、当グループが2018年に5ヶ年の長期戦略として定めた「サステナビリティ戦略」の「持続可能社会実現の一翼を担う」のミッションステートメントのもと、当連結会計年度においては、「既存事業の深耕」、「新たな柱の構築」、「基盤の強化」を進めてまいりました。
また、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、お客様及び社員とその家族の安全、健康を第一に考え、当グループでは「新型コロナウイルス対策委員会」を設置し、政府等のガイドラインに則した感染防止対策のもと、事業を展開してまいりました。
以上の結果、当連結会計年度の業績は、売上高は33,879百万円(前年同期比6.8%減)、営業利益は790百万円(前年同期比5.9%減)、経常利益は934百万円(前年同期比18.1%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は602百万円(前年同期比23.5%減)となりました。
セグメント別の業績は以下のとおりであり、売上高についてはセグメント間の内部売上高又は振替高を含めた売上高で表示しております。
セグメント別業績の概要
≪売上高≫ (単位:百万円)
| 第10期 (前連結会計年度) | 第11期 (当連結会計年度) | 増減比 | |
| 資源循環事業 | 12,712 | 10,786 | △15.2% |
| グローバル資源循環事業 | 21,870 | 20,108 | △8.1% |
| 中古自動車関連事業 | 6,195 | 5,683 | △8.3% |
| その他 | 382 | 295 | △22.9% |
| 調整額 | △4,824 | △2,994 | ― |
| 合 計 | 36,336 | 33,879 | △6.8% |
≪セグメント利益≫ (単位:百万円)
| 第10期 (前連結会計年度) | 第11期 (当連結会計年度) | 増減比 | |
| 資源循環事業 | 833 | 420 | △49.6% |
| グローバル資源循環事業 | 448 | 600 | 33.8% |
| 中古自動車関連事業 | 18 | 38 | 104.1% |
| その他 | 38 | 30 | △19.9% |
| 調整額 | △197 | △155 | ― |
| 合 計 | 1,141 | 934 | △18.1% |
(注)セグメント利益は連結損益計算書の経常利益と調整を行っております。
①資源循環事業
鉄・非鉄金属スクラップ価格が下げ相場で弱含みに推移し、また、廃棄物の国内還流の影響による、最終処分場等の廃棄物の処理料金値上げや、受入の制限が発生する厳しい環境の中、中間処理後の最終処分場等の処理料金値上げに対する原料受入価格の是正により収益を確保しておりましたが、3月から新型コロナウイルス感染拡大の影響が表れ始め、景気減速による製造業の落ち込み、活動自粛による建設・解体工事の延期等により金属スクラップ・廃棄物発生量が減少したことで、取扱量は減少し収益は減少しました。収益の減少に対し、新規事業の一部であるマテリアルプラスチックの取り組みを見直すことも含めた固定費の削減に取り組みましたが、費用を圧縮しきるまでに至らず収益を圧迫しました。加えて、将来に向けた人員の確保や賞与の増加等、新規事業のリチウムイオン二次電池等リサイクル関連による固定費の増加等、基盤強化に対する成長投資を積極的に行ったことから費用が先行し収益は減少しました。引き続き資源取扱量の増加と、固定費削減、新規事業の立ち上げに努めてまいります。
以上の結果、資源循環事業の売上高は10,786百万円(前年同期比15.2%減)、セグメント利益は420百万円(前年同期比49.6%減)となりました。
②グローバル資源循環事業
海外事業拡大を目指し、新たな組織体制の構築準備、人員補充、欧州駐在事務所の設営を実施しました。鉄・非鉄スクラップビジネスにおいてはベトナム向けビジネスが前年を大きく上回って推移し、加えて、国内集荷ヤードの拡張により取扱量は増加し利益増となりました。また、前連結会計年度末に在庫となっていた日本国政府専用航空機の2機目の販売もあり、収益に貢献しました。新規事業のバイオマス燃料ビジネスでは、マレーシアより日本向けにPKSの初出荷を達成し、引き続き市場拡大に対応すべく体制強化に努めてまいります。
以上の結果、グローバル資源循環事業の売上高は20,108百万円(前年同期比8.1%減)、セグメント利益は600百万円(前年同期比33.8%増)となりました。
③中古自動車関連事業
主要輸出先の1つである南米での中古自動車需要は弱含みで推移しましたが、東南アジア向け中古トラック部品の販売が増加したこと、前年同期は低調であった物流代行サービスの取扱量がドバイ向けを中心に回復したこと、加えて、輸出車両積込みヤード縮小等による固定費削減効果により、収益に貢献しました。しかしながら、3月以降は新型コロナウイルスの感染拡大による影響で、中古車・中古エンジン等の市況は低迷し、また、海外現地法人においては、ロックダウン等の影響を受け営業を縮小・停止したことで収益が急激に減少しました。
以上の結果、中古自動車関連事業の売上高は5,683百万円(前年同期比8.3%減)、セグメント利益は38百万円(前年同期比104.1%増)となりました。
④その他
環境経営コンサルティング事業は、CDP回答及び評価向上支援等案件の継続受注に加え、新たにTCFD(気候変動関連財務情報開示タスクフォース)対応支援等のサービスを開始するなど順調に推移し、体制強化により人件費が増加したものの増益となりました。
障がい福祉サービス事業は、既存事業所の認知度の向上による延べ利用者数の増加により収益は前年を上回って推移したことで、新たに静岡県富士宮市に開設した就労継続支援B型事業所の人件費等の先行投資がある中、通期黒字化を達成しました。
その他、前連結会計年度には、2018年12月28日付で全株式を譲渡した太陽光発電所開発事業の株式会社E3を連結に含めて表示しております。
以上の結果、その他事業の売上高は295百万円(前年同期比22.9%減)、セグメント利益は30百万円(前年同期比19.9%減)となりました。
(2) 財政状態の分析
当連結会計年度末の資産合計は25,913百万円(前連結会計年度末比6,153百万円の増加、前連結会計年度末比31.1%増)となりました。流動資産は16,529百万円(前連結会計年度末比5,377百万円の増加、前連結会計年度末比48.2%増)となりました。これは、商品及び製品が1,340百万円、受取手形及び売掛金が449百万円減少したものの、現金及び預金が7,528百万円増加したこと等によるものであります。固定資産は9,383百万円(前連結会計年度末比776百万円の増加、前連結会計年度末比9.0%増)となりました。これは、建設仮勘定が268百万円減少したものの、機械装置及び運搬具が649百万円、建物及び構築物が199百万円及び投資有価証券が166百万円増加したこと等によるものであります。
当連結会計年度末の負債合計は13,900百万円(前連結会計年度末比5,702百万円の増加、前連結会計年度末比69.6%増)となりました。流動負債は7,499百万円(前連結会計年度末比2,327百万円の増加、前連結会計年度末比45.0%増)となりました。これは、その他流動負債が665百万円減少したものの、短期借入金が1,660百万円、1年以内返済予定の長期借入金が1,155百万円増加したこと等によるものであります。固定負債は6,401百万円(前連結会計年度末比3,375百万円の増加、前連結会計年度末比111.6%増)となりました。これは、長期借入金が3,353百万円増加したこと等によるものであります。
当連結会計年度末の純資産合計は12,012百万円(前連結会計年度末比450百万円の増加、前連結会計年度末比3.9%増)となりました。これは、自己株式が55百万円減少したことに加え、利益剰余金が367百万円増加したこと等によるものであります。
(3) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ7,528百万円増加し、10,242百万円(前連結会計年度末比277.4%増)となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、法人税等の支払額411百万円等の支出があったものの、たな卸資産の増減額1,350百万円、税金等調整前当期純利益918百万円及び売上債権の増減額449百万円等の収入により、2,632百万円の収入(前年同期は87百万円の支出)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、国庫補助金の受取額237百万円等の収入があったものの、有形固定資産の取得による支出1,249百万円等の支出により、1,001百万円の支出(前年同期は601百万円の支出)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入金の返済による支出485百万円、配当金の支払額234百万円等の支出があったものの、長期借入金の借入による収入4,995百万円、短期借入金の純増加額1,660百万円等の収入により、5,897百万円の収入(前年同期は1,440百万円の支出)となりました。
(生産、受注及び販売の状況)
(1) 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメント名称 | 金額 (千円) | 前期比 (%) |
| 資源循環事業 | 6,365,378 | △17.8 |
(注) 1.金額は、製造原価によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 仕入実績
当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメント名称 | 金額 (千円) | 前期比 (%) |
| 資源循環事業 | 4,663,140 | △29.4 |
| グローバル資源循環事業 | 12,682,794 | △19.1 |
| 中古自動車関連事業 | 4,655,120 | △10.8 |
| その他 | 745 | △83.1 |
| 合計 | 19,052,807 | △16.2 |
(注) 1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.金額は、仕入価格によっております。
3. 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
4. その他が著しく減少しました理由は、株式会社E3がマネジメント・バイアウトした影響であります。
(3) 受注実績
当社は、主に基準在庫量及び販売の実需見込に基づいた生産方式を採用しておりますので、該当事項はありません。
(4) 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメント名称 | 金額 (千円) | 前期比 (%) |
| 資源循環事業 | 10,786,139 | △15.2 |
| グローバル資源循環事業 | 20,108,576 | △8.1 |
| 中古自動車関連事業 | 5,683,525 | △8.3 |
| その他 | 295,314 | △22.9 |
| 調整 | △2,994,220 | - |
| 合計 | 33,879,334 | △6.8 |
(注) 1.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
| 相手先 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | ||
| 販売高(千円) | 割合(%) | 販売高(千円) | 割合(%) | |
| HYUNDAI STEEL COMPANY (韓国) | 5,950,807 | 16.4 | 3,071,935 | 9.1 |
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。
(1) 重要な会計方針及び見積り
当グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されております。当社は、連結財務諸表の作成に際し、決算日における資産・負債の決算数値及び偶発債務の開示並びに会計期間における収益・費用の決算数値に影響を与える見積り項目について、過去の実績や状況に応じ合理的と考えられる様々な要因に基づいた見積りと判断を行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。この連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項につきましては、「第5 経理の状況」に記載しておりますが、特に次の重要な会計方針が連結財務諸表における重要な見積りの判断に大きな影響を及ぼすと考えております。
(固定資産の減損損失)
当グループは、固定資産の減損に係る会計基準を適用しております。将来、業績の大幅な悪化や経営環境等の変化により、新たな減損損失の計上が必要となる可能性があります。
(繰延税金資産)
当グループの繰延税金資産については、将来の課税所得を合理的に見積り、回収可能性を判断し計上しております。市場環境の変化等により課税所得の見積り額が変動した場合や、税制改正により実効税率が変更された場合には、繰延税金資産計上額に重要な影響を及ぼす可能性があります。
なお、新型コロナウイルス感染症の影響については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 追加情報」にて記載しております。
(2) 経営成績に重要な影響を与える要因について
当グループの経営成績に重要な影響を与える要因といたしましては、当社の原材料及び製・商品の価格が、日々の鉄スクラップ相場及び非鉄金属相場の影響を強く受けるため、これらの市場の相場変動により大きな影響を受ける可能性があります。
(3) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当グループの資金調達としては、運転資金に関しては、手元流動性資金を勘案の上不足が生じる場合には短期借入金による調達で賄っております。設備資金に関しては、手元資金(利益等の内部留保金)、長期借入金及び無担保社債による調達を基本としております。ただし、設備資金の不足が生じる期間が短期間である場合には、短期借入金による調達で賄っております。
長期資金の調達に際しては、金利動向並びに発行費用等の調達コストも含めて総合的に検討し、銀行借入に比較して有利な条件に限り社債発行を行うこととしております。また、株式の発行に関しては、資本政策に基づき株式価値の希薄化や配当金の負担等を考慮して実施しております。
資金の流動性については、財務部が適時に資金繰り計画を作成・更新するとともに手元流動性の維持等により流動性リスクを管理しております。なお、当グループのキャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 (経営成績等の状況の概要) (3)キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
(4) 経営者の問題認識と今後の方針について
経営者の問題認識と今後の方針につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載しております。