有価証券報告書-第12期(令和2年7月1日-令和3年6月30日)
(経営成績等の状況の概要)
当連結会計年度における当グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という)の状況の概要は次のとおりであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における世界経済及び我が国経済は、新型コロナウイルス感染症の世界的な流行の影響により依然として厳しい状況にあり、今後の感染症の動向が経済に与える影響は不透明な状況が続いております。
当グループの事業領域においても、長引くコロナ禍に加え、世界的な輸送用コンテナ不足を背景とした貨物船の需給逼迫による海上運賃の高騰など不透明な状況が続いております。しかしながら、国内外の製造業における生産の持ち直しの動きから鋼材需要は堅調に推移しております。また、世界的な脱炭素の動きを背景に鉄スクラップ等のリサイクル原料を活用することへの評価が高まってきております。
これらのことから鉄スクラップ価格(東京製鐵田原海上特級価格)は前連結会計年度末24,500円から当連結会計年度末51,500円となり、当連結会計年度の平均価格は36,054円と前期の22,943円を上回って推移しました。非鉄金属価格においても、銅、アルミ及びニッケルの平均価格は、前期を上回って推移しました。
このような環境の中で、当連結会計年度においては「持続可能社会実現の一翼を担う」のミッションステートメントのもと、コロナ危機に対し「キャッシュ・イズ・キング」、「仕事のリストラ」、「存在意義の再確認」を基本方針に掲げ、基盤の強化を進めてまいりました。
リチウムイオン電池リサイクル事業では収益計画の見直しを実施し減損損失を計上しました。グローバルトレーディング事業ではコロナ禍による事業環境の変化等の影響から、中古自動車等を取り扱う連結子会社である株式会社3WMのウガンダ在外子会社の、事業譲渡等による進出形態変更の方針を決定し事業再編損を計上しました。加えて、バイオマス燃料取引における一部債権の回収可能性について慎重に判断した結果、貸倒引当金繰入額を計上しております。これら特別損失はその他項目を含めて834百万円となりました。一方、政策保有株式の売却により投資有価証券売却益を計上し、特別利益はその他項目を含めて427百万円となりました。
以上の結果、当連結会計年度の業績は、売上高は40,933百万円(前年同期比20.8%増)、営業利益は2,130百万円(前年同期比169.6%増)、経常利益は2,508百万円(前年同期比168.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,491百万円(前年同期比147.8%増)となりました。
セグメント別の業績は以下のとおりであり、売上高についてはセグメント間の内部売上高又は振替高を含めた売上高で表示しております。なお、当期より報告セグメントの区分を変更しており、前連結会計年度の金額は変更後の報告セグメントの区分に基づき作成したものを記載しております。
セグメント別業績の概要
≪売上高≫ (単位:百万円)
| 第11期 (前連結会計年度) | 第12期 (当連結会計年度) | 増減比 | |
| 資源循環事業 | 10,746 | 14,216 | 32.3% |
| グローバルトレーディング事業 | 25,792 | 31,033 | 20.3% |
| リチウムイオン電池リサイクル事業 | 97 | 356 | 264.2% |
| その他 | 295 | 354 | 20.0% |
| 調整額 | △3,052 | △5,026 | - |
| 合 計 | 33,879 | 40,933 | 20.8% |
≪セグメント利益又は損失(△)≫ (単位:百万円)
| 第11期 (前連結会計年度) | 第12期 (当連結会計年度) | 増減比 | |
| 資源循環事業 | 540 | 2,080 | 285.2% |
| グローバルトレーディング事業 | 638 | 711 | 11.4% |
| リチウムイオン電池リサイクル事業 | △127 | △80 | - |
| その他 | 30 | 84 | 173.6% |
| 調整額 | △147 | △287 | - |
| 合 計 | 934 | 2,508 | 168.3% |
(注)セグメント利益又は損失(△)は連結損益計算書の経常利益と調整を行っております。
①資源循環事業
金属スクラップ価格は上昇し、また、取扱量においては大型解体物件から排出される鉄スクラップ仕入の影響もあり、どちらも前年を上回って推移しました。加えて、前年度より取り組んでいる廃棄物処理受託価格の是正によ
り利幅は確保され、生産工程の効率化や持分法投資利益の増加等と相まって増収増益となりました。
以上の結果、資源循環事業の売上高は14,216百万円(前年同期比32.3%増)、セグメント利益は2,080百万円(前年同期比285.2%増)となりました。
②グローバルトレーディング事業
海上運賃高騰や配船難、新型コロナウイルスによる海外事業の制限が続く事業環境のなか、定期の販売スキームの活用と、物流代行サービスの価格転嫁により利幅を確保しました。加えて、国内集荷ヤードの増設や三国間貿易により取扱量を確保したことで、増収増益となりました。
以上の結果、グローバルトレーディング事業の売上高は31,033百万円(前年同期比20.3%増)、セグメント利益は711百万円(前年同期比11.4%増)となりました。
③リチウムイオン電池リサイクル事業
コバルト、ニッケル、銅価格の上昇に加え、大手電池メーカー等からの仕入や、処分業許可を活用した廃電池の処理受託等により取扱量は増加し収益性が向上しました。減損損失計上による減価償却費の減少もあり、第4四半期連結会計期間に黒字化するなど、赤字幅が縮小しました。
以上の結果、リチウムイオン電池リサイクル事業の売上高は356百万円(前年同期比264.2%増)、セグメント損失は80百万円(前期はセグメント損失127百万円)となりました。
今後も積極的に経営資源を投下し、成長戦略の柱とすべく取り組んでまいります。
④その他
環境経営コンサルティング事業は、CDP評価向上支援、カーボンニュートラル戦略立案及びTCFD(気候変
動関連財務情報開示タスクフォース)対応支援等の継続受注に、サーキュラーエコノミー等のコンサルティングが
加わり堅調に推移し、増収増益となりました。
障がい福祉サービス事業は、長野エリアの事業所の利用率が堅調に推移したことに加え、関東エリアの事業所においても同様に推移したことから増収増益となりました。
以上の結果、その他事業の売上高は354百万円(前年同期比20.0%増)、セグメント利益は84百万円(前年同期比173.6%増)となりました。
財政状態の状況は次のとおりであります。
当連結会計年度末の資産合計は26,548百万円(前連結会計年度末比635百万円の増加、前連結会計年度末比2.5%増)となりました。流動資産は17,500百万円(前連結会計年度末比970百万円の増加、前連結会計年度末比5.9%増)となりました。これは、現金及び預金が3,124百万円減少したものの、商品及び製品が2,374百万円、受取手形及び売掛金が1,887百万円増加したこと等によるものであります。固定資産は9,048百万円(前連結会計年度末比335百万円の減少、前連結会計年度末比3.6%減)となりました。これは、繰延税金資産が271百万円増加したものの、機械装置及び運搬具が482百万円、建物及び構築物が78百万円減少したこと等によるものであります。
当連結会計年度末の負債合計は13,215百万円(前連結会計年度末比685百万円の減少、前連結会計年度末比4.9%減)となりました。流動負債は9,765百万円(前連結会計年度末比2,265百万円の増加、前連結会計年度末比30.2%増)となりました。これは、1年内返済予定の長期借入金が907百万円減少したものの、短期借入金が1,270百万円、支払手形及び買掛金が1,061百万円増加したこと等によるものであります。固定負債は3,450百万円(前連結会計年度末比2,950百万円の減少、前連結会計年度末比46.1%減)となりました。これは、長期借入金が3,010百万円減少したこと等によるものであります。
当連結会計年度末の純資産合計は13,333百万円(前連結会計年度末比1,320百万円の増加、前連結会計年度末比11.0%増)となりました。これは、利益剰余金が1,344百万円増加したこと等によるものであります。
(2) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ3,125百万円減少し、7,117百万円(前連結会計年度末比30.5%減)となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益2,101百万円、仕入債務の増減額1,273百万円、減価償却費736百万円等の収入があったものの、たな卸資産の増減額2,473百万円、売上債権の増減額1,885百万円、等の支出により、252百万円の支出(前年同期は2,632百万円の収入)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、投資有価証券の売却による収入577百万円等の収入があったものの、有形固定資産の取得による支出604百万円等の支出により、15百万円の支出(前年同期は1,001百万円の支出)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、短期借入金の純増加額1,270百万円、長期借入金の借入による収入333百万円等の収入があったものの、長期借入金の返済による支出4,250百万円等の支出により、2,866百万円の支出(前年同期は5,897百万円の収入)となりました。
(3)生産、受注及び販売の状況
① 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメント名称 | 金額 (千円) | 前期比 (%) |
| 資源循環事業 | 8,302,512 | 34.2 |
| リチウムイオン電池リサイクル事業 | 310,667 | 59.7 |
| その他 | 21,776 | 39.9 |
| 調整 | △126,187 | - |
| 合計 | 8,508,769 | 33.7 |
(注) 1.金額は、製造原価によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
② 仕入実績
当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメント名称 | 金額 (千円) | 前期比 (%) |
| 資源循環事業 | 6,704,917 | 42.1 |
| グローバルトレーディング事業 | 24,440,751 | 42.0 |
| リチウムイオン電池リサイクル事業 | 181,453 | 70.9 |
| その他 | 532 | △28.6 |
| 調整 | △4,967,862 | - |
| 合計 | 26,359,792 | 39.0 |
(注) 1.金額は、仕入価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
③ 受注実績
当社は、主に基準在庫量及び販売の実需見込に基づいた生産方式を採用しておりますので、該当事項はありません。
④ 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメント名称 | 金額 (千円) | 前期比 (%) |
| 資源循環事業 | 14,216,555 | 32.3 |
| グローバルトレーディング事業 | 31,033,133 | 20.3 |
| リチウムイオン電池リサイクル事業 | 356,629 | 264.2 |
| その他 | 354,372 | 20.0 |
| 調整 | △5,026,922 | - |
| 合計 | 40,933,769 | 20.8 |
(注) 1.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、当該割合が100分の10以上の相手先がないため記載を省略しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成に当たり、必要と思われる見積りについては、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、これらは不確実性を伴うため、将来生じる実際の結果と異なる可能性があります。
当グループの連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
なお、新型コロナウイルス感染症の影響については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 追加情報」にて記載しております。
(2) 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
「(経営成績等の状況の概要)(1)財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。また、当グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、「2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
(3) キャッシュ・フローの状況の分析、検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当グループの資金調達としては、運転資金に関しては、手元流動性資金を勘案の上不足が生じる場合には短期借入金による調達で賄っております。設備資金に関しては、手元資金(利益等の内部留保金)、長期借入金及び無担保社債による調達を基本としております。ただし、設備資金の不足が生じる期間が短期間である場合には、短期借入金による調達で賄っております。
長期資金の調達に際しては、金利動向並びに発行費用等の調達コストも含めて総合的に検討し、銀行借入に比較して有利な条件に限り社債発行を行うこととしております。また、株式の発行に関しては、資本政策に基づき株式価値の希薄化や配当金の負担等を考慮して実施しております。
資金の流動性については、財務部が適時に資金繰り計画を作成・更新するとともに手元流動性の維持等により流動性リスクを管理しております。なお、当グループのキャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 (経営成績等の状況の概要) (2)キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
(4) 経営者の問題認識と今後の方針について
経営者の問題認識と今後の方針につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載しております。