有価証券報告書-第15期(2023/07/01-2024/06/30)
(経営成績等の状況の概要)
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という)の状況の概要は次のとおりであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
当社グループの事業領域においては、中国不動産の低迷の長期化、不安定な世界情勢、世界的なインフレ長期化に伴う景気後退の懸念等により、先行きは不透明な状況が続いております。
このような状況において、鉄スクラップ平均価格(東京製鐵田原海上特級価格)は、当期首から高位安定で推移し、当連結会計年度の鉄スクラップ平均価格は50,916円と、前期の49,082円を上回りました。
またリチウムイオン電池の主原料においては、コバルト、ニッケル、及びリチウム等のレアメタルの平均価格は前期を下回りましたが、銅の平均価格は前期を上回って推移しました。
このような環境下で、当連結会計年度においては、「サーキュラーエコノミー(CE)をリードする」という戦略コンセプトのもと、「モノづくりを支えるCE」、「地域を支えるCE」という2つの戦略に分類し、CEの具体的事例を他社に先駆けて数多く実現していくべく、事業を推進してまいりました。人的資本、設備等への積極的な投資、安全管理等の推進に加え、不採算事業からの撤退と新規事業の拡大によるポートフォリオの組み換えも進めてまいります。
一方で輸出販売取引における税務当局との見解相違、及び火災の影響等により、特別損失1,012百万円を計上しました。
以上の結果、当連結会計年度の業績は、売上高は52,214百万円(前期比6.1%増)、営業利益は1,409百万円(前期比8.6%減)、経常利益は1,782百万円(前期比6.3%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は537百万円(前期比56.5%減)となりました。
セグメント別の業績は以下のとおりであり、売上高についてはセグメント間の内部売上高又は振替高を含めた売上高で表示しております。
セグメント別業績の概要
≪売上高≫ (単位:百万円)
| 第14期 (前連結会計年度) | 第15期 (当連結会計年度) | 増減比(%) | |
| 資源循環事業 | 18,852 | 21,254 | 12.7 |
| グローバルトレーディング事業 | 34,485 | 34,955 | 1.4 |
| リチウムイオン電池リサイクル事業 | 1,635 | 1,570 | △4.0 |
| その他 | 463 | 491 | 6.2 |
| 調整額 | △6,247 | △6,058 | ― |
| 合 計 | 49,189 | 52,214 | 6.1 |
≪セグメント利益≫ (単位:百万円)
| 第14期 (前連結会計年度) | 第15期 (当連結会計年度) | 増減比(%) | |
| 資源循環事業 | 1,565 | 1,621 | 3.6 |
| グローバルトレーディング事業 | 220 | 411 | 86.5 |
| リチウムイオン電池リサイクル事業 | 575 | 218 | △62.0 |
| その他 | 99 | 108 | 8.5 |
| 調整額 | △558 | △576 | ― |
| 合 計 | 1,901 | 1,782 | △6.3 |
(注)セグメント利益は連結損益計算書の経常利益と調整を行っております。
①資源循環事業
高度選別工場の稼働に伴う新規設備投資によるコスト増、及び待遇改善による人件費の増加が利益を圧迫しました。一方で日東化工株式会社のグループ化、焼却灰の回収量増加に伴う金銀滓回収量の増加、および好調な片付け・解体工事が利益に貢献しました。
以上の結果、資源循環事業の売上高は21,254百万円(前期比12.7%増)、セグメント利益は1,621百万円(前期比3.6%増)となりました。
②グローバルトレーディング事業
リサイクル資源の流通においては、国内販売の強化、機動的な営業活動により出荷量は増加し、為替等の影響もあり増収増益となりました。しかしながら製鋼原料における輸出環境は依然として厳しい状況が続くものと想定され、引き続き商材開発、拠点展開、機能強化を推進し、ビジネスモデルを転換すべく取り組んでまいります。
物流代行サービスにおいては内陸国向けの好調な出荷に加え、大量仕入れによるコスト減、及び通関業の内製化によるコストダウン等が利益を増加させました。
以上の結果、グローバルトレーディング事業の売上高は34,955百万円(前期比1.4%増)、セグメント利益は411百万円(前期比86.5%増)となりました。
③リチウムイオン電池リサイクル事業
電池材料の需要が軟調に推移する中で積極的な営業により取扱量を増加させました。一方で電池材料であるレアメタルの需給が緩和したことで相場は低迷しました。
以上の結果、リチウムイオン電池リサイクル事業の売上高は1,570百万円(前期比4.0%減)、セグメント利益は218百万円(前期比62.0%減)となりました。
④その他
TNFD対応支援、サーキュラーエコノミー関連コンサルティングが増加した事に加えカーボンニュートラル関連コンサルティングも順調に増加し収益に貢献しました。GHG算定システム及びサーキュラーエコノミートレーサビリティーシステムの開発も進展しております。
障がい福祉サービス事業は、障害者総合支援法の報酬改定により就労継続支援B型の報酬基準の見直しがありました。また新規利用者及び延べ利用人数が増加しました。
以上の結果、その他事業の売上高は491百万円(前期比6.2%増)、セグメント利益は108百万円(前期比8.5%増)となりました。
財政状態の状況は次のとおりであります。
当連結会計年度末の資産合計は33,786百万円(前連結会計年度末比99百万円の増加、前連結会計年度末比0.3%増)となりました。流動資産は18,366百万円(前連結会計年度末比721百万円の減少、前連結会計年度末比3.8%減)となりました。これは、商品及び製品が1,130百万円が増加したものの、その他流動資産が1,311百万円、現金及び預金が475百万円、受取手形が198百万円減少したこと等によります。固定資産は15,419百万円(前連結会計年度末比821百万円の増加、前連結会計年度末比5.6%増)となりました。これは、建物及び構築物が210百万円減少したものの、機械装置及び運搬具が474百万円、投資有価証券が327百万円増加したこと等によります。
当連結会計年度末の負債合計は16,747百万円(前連結会計年度末比113百万円の減少、前連結会計年度末比0.7%減)となりました。流動負債は11,090百万円(前連結会計年度末比674百万円の増加、前連結会計年度末比6.5%増)となりました。これは、短期借入金が660百万円減少したものの、支払手形及び買掛金が679百万円、その他流動負債が504百万円、未払法人税等が108百万円増加したこと等によります。固定負債は5,657百万円(前連結会計年度末比788百万円の減少、前連結会計年度末比12.2%減)となりました。これは、長期借入金が727百万円減少したこと等によります。
当連結会計年度末の純資産合計は17,038百万円(前連結会計年度末比213百万円の増加、前連結会計年度末比1.3%増)となりました。これは、非支配株主持分が112百万円減少したものの、自己株式の処分により131百万円、利益剰余金が121百万円増加したこと等によります。
(2) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ474百万円減少し、6,771百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、棚卸資産の増減額1,157百万円、持分法による投資利益469百万円等の支出があったものの、減価償却費1,267百万円、税金等調整前当期純利益816百万円、仕入債務の増減額673百万円等の収入により、2,940百万円の収入(前期は2,332百万円の収入)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の売却による収入92百万円等の収入があったものの、有形固定資産の取得による支出1,578百万円等の支出により、1,560百万円の支出(前期は3,838百万円の支出)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入金の借入による収入301百万円等の収入があったものの、長期借入金の返済による支出1,005百万円、短期借入金の純減少額660百万円、配当金の支払額415百万円等の支出により、1,931百万円の支出(前期は92百万円の支出)となりました。
(3)生産、受注及び販売の状況
① 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメント名称 | 金額 (千円) | 前期比 (%) |
| 資源循環事業 | 13,209,763 | 18.0 |
| リチウムイオン電池リサイクル事業 | 662,898 | 20.9 |
| その他 | 19,865 | △5.6 |
| 調整 | △277,565 | - |
| 合計 | 13,614,961 | 18.9 |
(注) 金額は、製造原価によっております。
② 仕入実績
当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメント名称 | 金額 (千円) | 前期比 (%) |
| 資源循環事業 | 4,080,941 | 2.8 |
| グローバルトレーディング事業 | 32,352,423 | 6.1 |
| リチウムイオン電池リサイクル事業 | 572,760 | 49.5 |
| 調整 | △5,754,688 | - |
| 合計 | 31,251,436 | 7.9 |
(注) 金額は、仕入価格によっております。
③ 受注実績
当社は、主に基準在庫量及び販売の実需見込に基づいた生産方式を採用しておりますので、該当事項はありません。
④ 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメント名称 | 金額 (千円) | 前期比 (%) |
| 資源循環事業 | 21,254,763 | 12.7 |
| グローバルトレーディング事業 | 34,955,361 | 1.4 |
| リチウムイオン電池リサイクル事業 | 1,570,527 | △4.0 |
| その他 | 491,959 | 6.2 |
| 調整 | △6,058,419 | - |
| 合計 | 52,214,192 | 6.1 |
(注) 最近2連結会計年度の主な相手先の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりです。
| 相手先 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | ||
| 販売高(千円) | 割合(%) | 販売高(千円) | 割合(%) | |
| 東京製鐵株式会社 | 5,916,730 | 12.0 | 7,005,099 | 13.4 |
| SEAH BESTEEL | 5,701,621 | 11.6 | 5,260,323 | 10.1 |
(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成に当たり、必要と思われる見積りについては、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、これらは不確実性を伴うため、将来生じる実際の結果と異なる可能性があります。
当社グループの連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
(2) 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
「(経営成績等の状況の概要)(1)財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。また、当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、「3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
(3) キャッシュ・フローの状況の分析、検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの資金調達としては、運転資金に関しては、手元流動性資金を勘案の上不足が生じる場合には短期借入金による調達で賄っております。設備資金に関しては、手元資金(利益等の内部留保金)、長期借入金及び無担保社債による調達を基本としております。ただし、設備資金の不足が生じる期間が短期間である場合には、短期借入金による調達で賄っております。
長期資金の調達に際しては、金利動向並びに発行費用等の調達コストも含めて総合的に検討し、銀行借入に比較して有利な条件に限り社債発行を行うこととしております。また、株式の発行に関しては、資本政策に基づき株式価値の希薄化や配当金の負担等を考慮して実施しております。
資金の流動性については、財務部が適時に資金繰り計画を作成・更新するとともに手元流動性の維持等により流動性リスクを管理しております。なお、当社グループのキャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 (経営成績等の状況の概要) (2)キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
(4) 経営者の問題認識と今後の方針について
経営者の問題認識と今後の方針につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載しております。