有価証券報告書-第20期(平成26年4月1日-平成27年3月31日)

【提出】
2015/06/29 14:56
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【項目】
113項目

業績等の概要

(1)業績
当連結会計年度における世界経済は、米国経済が雇用・所得の改善により堅調な回復基調にあり、低迷していた欧州経済もユーロ安を受けて緩やかな回復を見せております。新興国においては中国経済が成長率を鈍化させつつも安定した成長を続けており、他のアジア地域も濃淡はあるものの成長を持続し、海外は総じて緩やかな回復基調にありました。
わが国経済においては、消費税率引き上げ後の足踏み状態からようやく回復基調に転じ、個人消費や企業の設備投資が持ち直しています。また、円安・株高が追い風となり、この先も緩やかに回復傾向は継続していくものと思われます。
半導体業界におきましては、パソコンやスマートフォン向けをはじめ様々な分野におけるデバイス需要の増加を背景に、メモリー関連を中心に市場が拡大しました。当社グループが主力とするアナログICの市場も順調な拡大を続けている模様です。
このような環境のなかで、当社グループは、「市場に適応した価値ある製品を創出し、豊かな社会の実現と地球環境の保全に貢献する」という経営理念のもと、電気機器の小型化・省電力化に「電源」の観点から取組み、収益力の強化と持続的な成長の実現に向けて、以下の諸施策を継続的に推進してまいりました。
・産業機器、車載機器等の市場を重点分野として位置付け、お客様への積極的なソリューション提案を通じて、新規商談の獲得に努めました。
・ビジネスユニット制の下で、各ユニット毎に機動的な製品の企画・開発を実行してまいりました。
・製品開発、製造、マーケティングにおいて戦略的アライアンスを継続し、OEM製品の拡充や新製品の開発を進めました。
・有力メーカーに比肩する高収益体質の実現に向けて、関連部門の相互協力によって高付加価値のビジネスに注力する戦略を進め、利益率の維持向上に努めました。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は、為替レートが円安ドル高へ推移した影響などにより、99億71百万円(前年同期比6.2%増)となりました。販売費及び一般管理費が前年度に比べて増加し、売上の増加もありましたが、結果として営業利益は減少し13億50百万円(前年同期比4.5%減)、経常利益は16億78百万円(前年同期比25.4%増)、当期純利益は12億47百万円(前年同期比8.1%減)となりました。
(製品別の売上高) (単位:百万円)
区 分当連結会計年度前年同期比増減額前年同期比
VD1,77511100.6%
VR4,941328107.1%
DCDC2,35660102.6%
その他897181125.3%
合 計9,971581106.2%

(注)製品の内容は次のとおりであります。
VD……………ディテクタ(Voltage Ditector)
VR……………レギュレータ(Voltage Regulator)
DCDC………DC/DCコンバータ
その他…………各種ディスクリート、マルチチップモジュール、各種センサー製品等
セグメントの業績は、次のとおりであります。
①日本
当連結会計年度は、主に車載機器、産業機器等の分野向けの売上高が増加した一方、デジタル家電、充電情報機器等の分野向けの売上高が低迷したことにより、売上高28億13百万円(前年同期比1.6%増)、セグメント利益12億7百万円(前年同期比6.7%減)となりました。
②アジア
当連結会計年度は、主にデジタル家電、車載機器、情報機器、産業機器等の分野向けの売上が増加した一方、PC機器等の分野向けの売り上げが低迷したことにより、売上高57億98百万円(前年同期比5.1%増)、セグメント利益1億21百万円(前年同期比34.9%増)となりました。
③欧州
当連結会計年度は、主にデジタル家電、産業機器等の分野向けの売上が増加したことにより、売上高7億7百万円(前年同期比18.1%増)、セグメント7百万円(前年同期比54.4%減)となりました。
④北米
当連結会計年度は、主に家電、産業機器等の分野向けの売上が増加し、為替換算の影響等により、売上高6億52百万円(前年同期比29.1%増)、セグメント利益14百万円(前年同期比153.9%増)となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、営業活動により17億36百万円増加し、投資活動により14億12百万円減少し、財務活動により2億90百万円増加した結果、前連結会計年度と比較して9億22百万円増加の64億78百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益16億78百万円、減価償却費4億4百万円、売上債権減少額60百万円に伴う資金の増加等に対し、為替差益3億7百万円、たな卸資産増加額1億38百万円に伴う資金の減少等を差し引き、17億36百万円の増加となりました(前年同期は14億37百万円の増加)。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、定期預金の増加1億10百万円、有形固定資産の取得3億91百万円の支出、無形固定資産の取得1億94百万円の支出、投資有価証券の取得7億円の支出等により、14億12百万円の減少となりました(前年同期は1億89百万円の減少)。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、株式の発行による16億10百万円に対し、短期借入金の返済10億5百万円、社債の償還による支出96百万円、配当金の支払い2億23百万円等により、2億90百万円の増加となりました(前年同期は12億37百万円の減少)。