有価証券報告書-第36期(平成30年6月1日-令和1年5月31日)
(1) 経営成績等の状況の概要
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
ア)財政状態について
当事業年度末における総資産は4,513,560千円となり、現金及び預金の増加等によって前事業年度末に比べ255,769千円増加しました。
当事業年度末における負債合計は1,544,240千円となり、短期借入金の減少等によって前事業年度末に比べ92,975千円減少しました。
当事業年度末における純資産合計は2,969,319千円となり、当期純利益の計上によって前事業年度末に比べ348,744千円増加しました。
イ)経営成績について
当事業年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善が続き、個人消費が緩やかな回復基調で推移する一方、中国経済の減速や米国と中国の通商摩擦等の影響による先行きへの不透明さから輸出及び生産活動が弱含んでおり、まだら模様の様相を呈しております。
当社が属する不動産業界におきましては、国土交通省の調査「主要都市の高度利用地地価動向報告」(2019年6月公表)によれば、2019年第1四半期(2019年1月1日~2019年4月1日)の主要都市・高度利用地100地区の地価動向は、2018年第4四半期(2018年10月1日~2019年1月1日)に比べ、97地区が上昇し、5期連続で9割を超えました。
また、当社の主力事業である中古住宅の売買の状況については、公益社団法人西日本不動産流通機構(西日本レインズ)に登録されている物件情報の集計結果である「市況動向データ」の直近の調査(2019年6月公表)によると、中国地方では、2018年6月から2019年5月までの中古戸建住宅の成約件数は、前年同期間に比べて0.5%増となりました。九州地方では、2018年6月から2019年5月までの中古戸建住宅の成約件数は、前年同期間に比べて10.7%増となりました。
このような環境の中、当社は、2019年2月に防府店(山口県防府市)を出店する等、主力事業である不動産売買事業に注力いたしました。
この結果、当事業年度の売上高は7,128,251千円(前事業年度比7.4%増)となり、売上高の増加から営業利益は588,382千円(同0.9%増)、経常利益は589,101千円(同1.3%増)、当期純利益は412,495千円(同4.9%増)となりました。
なお、事業別の業績は、次のとおりであります。
(a)不動産売買事業
自社不動産売買事業については、テレビコマーシャルを営業エリアで積極的に放映したほか、仕入情報の新たなルートを構築する等して、中古住宅の仕入れを強化しました。販売においては、一部の地域でファッション性のある内装を施す等、リフォーム工事を多様化する一方、ウェブサイトにおける不動産情報の更新頻度を高める等、集客力の向上を図りました。これらにより、前事業年度に出店した新規店舗の寄与もあって、自社不動産の販売件数は426件(前事業年度比37件増)となり、売上高も前事業年度を上回りました。
不動産売買仲介事業については、各拠点で同業者等との関係をより強化して不動産の売買情報の収集に注力したこと等により、仲介件数が前事業年度を上回ったうえ、収益物件の売買仲介を手掛けたこと等により、平均単価も上昇したことから、仲介手数料は前事業年度を上回りました。
これらの結果、不動産売買事業の売上高は、6,864,169千円(前事業年度比8.1%増)となりました。また、営業利益は、売上高の増加により、879,059千円(同2.5%増)となりました。
(b)不動産賃貸事業
不動産賃貸仲介事業については、賃貸仲介件数の減少により賃貸仲介手数料が前事業年度を下回り、売上高は前事業年度を下回りました。
不動産管理受託事業については、不動産の管理料が前事業年度を上回ったことから、売上高は前事業年度を上回りました。
自社不動産賃貸事業については、売上高は前事業年度を上回りました。
これらの結果、不動産賃貸事業の売上高は、144,322千円(前事業年度比1.3%増)となりました。また、営業利益は、売上高の増加により、28,132千円(同16.4%増)となりました。
(c)不動産関連事業
保険代理店事業については、不動産売買事業における自社不動産売買事業の販売件数の増加及び売買仲介件数の増加に加え、家財付保の取り組みを強化して1件当たりの単価が上昇したことから、売上高は前事業年度を上回りました。
リフォーム事業については、同事業との関連性が強い自社不動産売買事業に統合し、業務の効率化を図りました。
これらの結果、不動産関連事業の売上高は、44,152千円(前事業年度比27.6%減)となりました。また、営業利益は、売上高の減少により、27,861千円(同12.0%減)となりました。
(d)その他事業
介護福祉事業については、介護用品レンタルの顧客層の拡大に注力しましたが、介護用品の売上高が前事業年度を下回ったことに加え、請負工事高も前事業年度を下回ったことから、売上高は前事業年度を下回りました。
これらの結果、その他事業の売上高は、75,606千円(前事業年度比13.8%減)となりました。また、売上高の減少により、8,364千円の営業損失(前事業年度は営業損失4,512千円)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当事業年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、たな卸資産が減少し、税引前当期純利益589,101千円(前事業年度比1.3%増)を計上したことに加え、長期借入金の増加等により、前事業年度末に比べ546,552千円増加し、当事業年度末には883,926千円となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況及び増減の要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により獲得した資金は762,462千円(前事業年度は133,189千円の使用)となりました。これは主に、法人税等の支払額210,428千円があったものの、税引前当期純利益589,101千円を計上したことに加え、たな卸資産の減少額359,343千円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により使用した資金は82,003千円(前事業年度は77,665千円の使用)となりました。これは主に、無形固定資産の取得による支出50,115千円に加え、有形固定資産の取得による支出28,598千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により使用した資金は133,906千円(前事業年度は219,595千円の獲得)となりました。これは主に、長期借入金による増加440,154千円があったものの、短期借入金の減少額510,000千円に加え、配当金の支払額62,376千円によるものであります。
③生産、受注及び販売の状況
ア) 生産実績
当社が営む不動産売買事業、不動産賃貸事業、不動産関連事業及びその他事業では生産実績を定義することが困難であるため、「生産実績」は記載しておりません。
イ) 仕入実績
当事業年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.仕入が発生する不動産売買事業の自社不動産売買事業、不動産賃貸事業の不動産管理受託事業、その他事業の介護福祉事業について、仕入高を記載しております。
3.不動産売買事業の仕入高は、中古住宅等の仕入れが主な項目となります。当事業年度は中古住宅等の仕入れに注力したものの、新規参入等による競合の激化から減少いたしました。
4.不動産賃貸事業の仕入高は、管理物件の修繕に伴う物品の仕入れが主な項目となります。当事業年度は仕入れがありませんでした。
5.その他事業の仕入高は、介護福祉事業の物品販売の仕入れが主な項目となります。当事業年度は物品販売の減少により減少しました。
ウ) 受注実績
不動産売買事業のリフォーム事業、不動産賃貸事業の不動産管理受託事業及びその他事業の介護福祉事業において受注販売を行っておりますが、いずれも受注から売上高計上まで期間が短期であるため、「受注実績」は記載しておりません。
エ) 販売実績
当事業年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.主たる販売先は不特定多数の一般消費者であり、相手先別販売実績の総販売実績に対する割合が100分の10以上の販売先はありません。
3.不動産売買事業の販売高は、中古住宅等の販売が主な項目となります。
4.不動産賃貸事業の販売高は、不動産賃貸仲介手数料、不動産賃貸物件の管理料、賃貸物件の賃貸収入等が主な項目となります。
5.不動産関連事業の販売高は、不動産の火災保険料の代理店手数料が主な項目となります。当事業年度は、リフォーム事業を不動産売買事業に統合したため、販売高は大幅に減少しました。
6.その他事業の販売高は、介護福祉事業の物品販売が主な項目となります。当事業年度は物品販売の減少により減少しました。
オ)不動産売買事業の地域別販売実績
当事業年度における不動産売買事業の地域別の販売実績を自社不動産売買事業と不動産売買仲介事業に分けて示すと、次のとおりであります。
(注) 1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.自社不動産売買事業の販売高は、中古住宅等の販売が主な項目となります。
3.不動産売買仲介事業の販売高は、不動産売買仲介手数料が主な項目となります。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成に当たりまして、経営者の判断に基づく会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りが必要となります。これらの見積りについては、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積りによる不確実性のため、これらの見積りとは異なる場合があります。
詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項 重要な会計方針」に記載しております。
② 財政状態に関する分析
ア)資産
当事業年度末における総資産は4,513,560千円となり、前事業年度末に比べ255,769千円増加しました。流動資産は3,859,384千円となり、前事業年度末に比べ204,510千円増加しました。これは主として、自社不動産の販売件数が増加したこと等により、販売用不動産が624,470千円減少し、現金及び預金が546,411千円増加したことに加え、仕掛販売用不動産等の増加額267,151千円によるものであります。固定資産は654,176千円となり、前事業年度末に比べ51,258千円増加しました。これは主として、ソフトウエアの増加額46,246千円によるものであります。
イ)負債
流動負債は780,288千円となり、前事業年度末に比べ450,746千円減少しました。これは主として、短期借入金の減少額510,000千円によるものであります。固定負債は763,952千円となり、前事業年度末に比べ357,771千円増加しました。これは主として、長期借入金の増加額357,517千円によるものであります。
ウ)純資産
純資産は2,969,319千円となり、前事業年度末に比べ348,744千円増加しました。これは主として、当期純利益の計上額412,495千円によるものであります。
以上の結果、自己資本比率は、前事業年度末の61.5%から65.8%となりました。
③ 経営成績に関する分析
ア)売上高及び営業利益
売上高は、自社不動産売買事業における販売件数が426件と前事業年度の389件を上回ったことから、7,128,251千円(前事業年度比7.4%増)となりました。増加の要因としては、販売用不動産等の情報の更新頻度を高める等、インターネットを活用して集客力を向上させたこと、2018年2月に出店した苅田店(福岡県京都郡苅田町)が売上高に寄与したことが挙げられます。また、不動産売買仲介事業において、収益物件を手掛けたこと等により不動産売買仲介手数料が前事業年度に比べて大幅に増加したことも寄与しました。
売上総利益は、自社不動産売買事業における仕入価格の上昇等によって原価率が上昇したことから、売上原価が5,035,814千円(同9.6%増)と圧迫し、2,092,436千円(同2.4%増)となりました。販売費及び一般管理費は給与の増加等により、人件費が増加したことから、1,504,054千円(同2.9%増)となりました。
以上の結果、営業利益は588,382千円(同0.9%増)となりました。
イ)営業外損益及び経常利益
営業外損益(純額)は、719千円の利益(前事業年度は1,760千円の損失)となりました。これは、金融機関からの借り入れに伴う支払利息3,644千円を計上したものの、自社不動産売買事業における顧客側の契約破棄による違約金3,296千円等を計上したためであります。
以上の結果、経常利益は589,101千円(前事業年度比1.3%増)となりました。
ウ)特別損益及び税引前当期純利益
特別利益及び特別損失は、計上しておりません。
以上の結果、税引前当期純利益は589,101千円(前事業年度比1.3%増)となりました。
エ)法人税等(法人税等調整額を含む)
法人税等は、法人税、住民税及び事業税が182,103千円と前事業年度に比べ12,930千円減少しましたが、法人税等調整額が△5,497千円と前事業年度に比べ1,273千円増加したことから、176,605千円(前事業年度比6.2%減)となりました。
オ)当期純利益
以上の結果、当期純利益は412,495千円(前事業年度比4.9%増)となりました。これにより1株当たり当期純利益金額は152.10円(同4.9%増)となりました。
④経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な達成・進捗状況
当社は2017年9月に第1次中期経営計画を策定し、2020年5月期を最終年度として売上高・利益計画及び指標目標値を設定いたしました。
その後、人材不足が著しいことから、営業人員100名体制の実現が困難であるとの見通しに加え、新規参入等により競合が激しくなってきたことから仕入価格が上昇して、原価率の上昇につながったことを受けて、2019年7月12日に目標値のうち、売上高、経常利益、税引後当期純利益、自社不動産販売件数及び営業人員を修正いたしました。
その内容は次のとおりであります。なお、自己資本比率、ROE及びDOEは修正しておりません。
修正後の目標値に対しての進捗状況は以下のとおりであります。
売上高・利益計画について、当事業年度の進捗状況はおおむね9割程度の進捗でありました。当社は、最終年度の達成に向けて不動産売買事業を軸にして、引き続き営業人員の強化及び出店エリアの拡大を進めてまいります。
また、指標目標値について、当事業年度は自己資本比率及びDOEについては達成いたしましたが、ROEについてはわずかに及びませんでした。これは営業人員の増強が想定を下回り、売上高を効率よく拡大させることができずに総資本回転率が低下したことに加え、原価率の上昇等により売上高当期純利益率も低下したことが要因であります。今後は、これらの指標目標値を達成できるよう売上総利益の確保とともに滞留在庫の抑制、販売期間の短縮等を進めてまいります。
(3) キャッシュ・フローの状況の分析
現金及び現金同等物は、前事業年度末に比べて546,552千円増加(前事業年度比162.0%増)し、883,926千円となりました。
当事業年度のキャッシュ・フローの状況及び増減要因につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。当社は中古住宅等の仕入れに注力したものの、競合他社の増加により仕入件数が想定を下回った結果、営業キャッシュ・フローがプラスとなりました。一方で、短期借入金の減少等により財務活動によるキャッシュ・フローがマイナスとなりました。今後は、中古住宅等の積極的な仕入れにより、営業キャッシュ・フローがマイナスとなる可能性がありますので、当社所有の中古住宅等の売買回転率の向上及び不動産売買仲介手数料の拡大を図ってまいります。
(4) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
① 資金需要
当社は、不動産売買事業の店舗の出店に伴う費用の支出、あるいは中古住宅等の仕入れ等の資金需要に加え、収益性及び将来の転売等を視野に入れて収益物件を取得する必要があると認識しております。これらの資金の必要額は個別には大きくないものの、まとまると流動性の面で無視できないと考えます。
② 財源
上記の資金需要に対する財源としては、利益剰余金に加え、長期・短期の借入金を活用してまいります。当社は、資金需要に応じて機動的な借り入れができるよう、金融情勢に注意を払いつつ、金融機関と良好な関係を継続してまいります。
(5) 経営成績に重要な影響を与える要因について
① 事業環境について
当社の業績に影響を与える要因として景気、金利、地価、税制及び政策が挙げられますが、政府は空き家問題という観点からも良質な中古住宅の活用を図るべく、中古住宅の流通市場の整備及びリフォーム市場の活性化を促進するため、宅地建物取引業法の改正等を行っております。
当社は主に築年数20~40年の中古住宅を取り扱っており、これらの中古住宅をリフレッシュ・リフォームして、年収300万円前後の一次取得者にリーズナブルな価格で提供しております。これにより、中古住宅が空き家となるリスクを回避して政府の施策を支援するとともに、建て替え等による廃材の増加を抑えて、環境に優しく、また一次取得者の方にリーズナブルな価格で住宅を提供して、人に優しい事業を展開しております。
また、物価上昇等によって金利が上昇した場合、ローン金利の負担増加により買主の買い控えが懸念されますが、現状においては、物価上昇率が低水準であることに加え、景気回復が緩やかであることから、いまだ金融緩和策が継続されております。
一方で、アパート建設に対する過剰融資が懸念されていることから、金融政策が変化する可能性があることに加え、不測の事態により金利が上昇すれば、当社の資金調達に影響を与える可能性があります。当社は、中古住宅の仕入れの多くを借入金によって賄っているため、貸し渋りや金利の負担増加による業績への影響を考慮し、資金調達方法の多様化を検討しております。また、中古住宅の仕入候補を選別する能力を一層高めるとともに販売用不動産の長期滞留を回避する必要があると考えております。
② 法令等について
当社の主たる事業の前提となる宅地建物取引業免許の有効期間は、2018年11月9日から5年間であり、以降も継続できるものと考えております。
なお、宅地建物取引業法は2016年度の改正により、建物状況調査(インスペクション)に関する説明について重要事項説明書に記載することが義務化されることになりましたので、今後の施策への影響が考慮されます。また、不動産業界に影響を与える規制は多岐にわたります。たとえば、2020年4月には改正民法の施行により、瑕疵担保責任が契約不適合責任に変わります。その変更により、当社の業績が影響を受ける可能性について検討する必要があります。当社は、法令等の改正による規制強化の動向に注視してまいります。
③ その他
当社は、人材の重要性に鑑み、新規学卒者及び中途入社者の採用の強化及び研修の充実を推進しておりますが、住宅販売の際に必要な資格等の問題もあり、十分な陣容に至っておりません。今後は人材の確保と従業員の離職防止を実現すべく、給与及び勤務時間等の雇用条件の改善及び福利厚生の充実を実施してまいります。また、住宅販売の資格取得、あるいは階層別の研修を拡充することにより、営業手法だけでなく、コンプライアンスの意識向上や部下の指導に関するスキルアップも図ってまいります。あわせて営業員向けのマニュアルを整備して、営業力の強化を図ります。
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
ア)財政状態について
当事業年度末における総資産は4,513,560千円となり、現金及び預金の増加等によって前事業年度末に比べ255,769千円増加しました。
当事業年度末における負債合計は1,544,240千円となり、短期借入金の減少等によって前事業年度末に比べ92,975千円減少しました。
当事業年度末における純資産合計は2,969,319千円となり、当期純利益の計上によって前事業年度末に比べ348,744千円増加しました。
イ)経営成績について
当事業年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善が続き、個人消費が緩やかな回復基調で推移する一方、中国経済の減速や米国と中国の通商摩擦等の影響による先行きへの不透明さから輸出及び生産活動が弱含んでおり、まだら模様の様相を呈しております。
当社が属する不動産業界におきましては、国土交通省の調査「主要都市の高度利用地地価動向報告」(2019年6月公表)によれば、2019年第1四半期(2019年1月1日~2019年4月1日)の主要都市・高度利用地100地区の地価動向は、2018年第4四半期(2018年10月1日~2019年1月1日)に比べ、97地区が上昇し、5期連続で9割を超えました。
また、当社の主力事業である中古住宅の売買の状況については、公益社団法人西日本不動産流通機構(西日本レインズ)に登録されている物件情報の集計結果である「市況動向データ」の直近の調査(2019年6月公表)によると、中国地方では、2018年6月から2019年5月までの中古戸建住宅の成約件数は、前年同期間に比べて0.5%増となりました。九州地方では、2018年6月から2019年5月までの中古戸建住宅の成約件数は、前年同期間に比べて10.7%増となりました。
このような環境の中、当社は、2019年2月に防府店(山口県防府市)を出店する等、主力事業である不動産売買事業に注力いたしました。
この結果、当事業年度の売上高は7,128,251千円(前事業年度比7.4%増)となり、売上高の増加から営業利益は588,382千円(同0.9%増)、経常利益は589,101千円(同1.3%増)、当期純利益は412,495千円(同4.9%増)となりました。
なお、事業別の業績は、次のとおりであります。
(a)不動産売買事業
自社不動産売買事業については、テレビコマーシャルを営業エリアで積極的に放映したほか、仕入情報の新たなルートを構築する等して、中古住宅の仕入れを強化しました。販売においては、一部の地域でファッション性のある内装を施す等、リフォーム工事を多様化する一方、ウェブサイトにおける不動産情報の更新頻度を高める等、集客力の向上を図りました。これらにより、前事業年度に出店した新規店舗の寄与もあって、自社不動産の販売件数は426件(前事業年度比37件増)となり、売上高も前事業年度を上回りました。
不動産売買仲介事業については、各拠点で同業者等との関係をより強化して不動産の売買情報の収集に注力したこと等により、仲介件数が前事業年度を上回ったうえ、収益物件の売買仲介を手掛けたこと等により、平均単価も上昇したことから、仲介手数料は前事業年度を上回りました。
これらの結果、不動産売買事業の売上高は、6,864,169千円(前事業年度比8.1%増)となりました。また、営業利益は、売上高の増加により、879,059千円(同2.5%増)となりました。
(b)不動産賃貸事業
不動産賃貸仲介事業については、賃貸仲介件数の減少により賃貸仲介手数料が前事業年度を下回り、売上高は前事業年度を下回りました。
不動産管理受託事業については、不動産の管理料が前事業年度を上回ったことから、売上高は前事業年度を上回りました。
自社不動産賃貸事業については、売上高は前事業年度を上回りました。
これらの結果、不動産賃貸事業の売上高は、144,322千円(前事業年度比1.3%増)となりました。また、営業利益は、売上高の増加により、28,132千円(同16.4%増)となりました。
(c)不動産関連事業
保険代理店事業については、不動産売買事業における自社不動産売買事業の販売件数の増加及び売買仲介件数の増加に加え、家財付保の取り組みを強化して1件当たりの単価が上昇したことから、売上高は前事業年度を上回りました。
リフォーム事業については、同事業との関連性が強い自社不動産売買事業に統合し、業務の効率化を図りました。
これらの結果、不動産関連事業の売上高は、44,152千円(前事業年度比27.6%減)となりました。また、営業利益は、売上高の減少により、27,861千円(同12.0%減)となりました。
(d)その他事業
介護福祉事業については、介護用品レンタルの顧客層の拡大に注力しましたが、介護用品の売上高が前事業年度を下回ったことに加え、請負工事高も前事業年度を下回ったことから、売上高は前事業年度を下回りました。
これらの結果、その他事業の売上高は、75,606千円(前事業年度比13.8%減)となりました。また、売上高の減少により、8,364千円の営業損失(前事業年度は営業損失4,512千円)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当事業年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、たな卸資産が減少し、税引前当期純利益589,101千円(前事業年度比1.3%増)を計上したことに加え、長期借入金の増加等により、前事業年度末に比べ546,552千円増加し、当事業年度末には883,926千円となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況及び増減の要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により獲得した資金は762,462千円(前事業年度は133,189千円の使用)となりました。これは主に、法人税等の支払額210,428千円があったものの、税引前当期純利益589,101千円を計上したことに加え、たな卸資産の減少額359,343千円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により使用した資金は82,003千円(前事業年度は77,665千円の使用)となりました。これは主に、無形固定資産の取得による支出50,115千円に加え、有形固定資産の取得による支出28,598千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により使用した資金は133,906千円(前事業年度は219,595千円の獲得)となりました。これは主に、長期借入金による増加440,154千円があったものの、短期借入金の減少額510,000千円に加え、配当金の支払額62,376千円によるものであります。
③生産、受注及び販売の状況
ア) 生産実績
当社が営む不動産売買事業、不動産賃貸事業、不動産関連事業及びその他事業では生産実績を定義することが困難であるため、「生産実績」は記載しておりません。
イ) 仕入実績
当事業年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当事業年度 (自 2018年6月1日 至 2019年5月31日) | |
| 仕入高(千円) | 前事業年度比(%) | |
| 不動産売買事業 | 3,283,682 | △4.4 |
| 不動産賃貸事業 | - | - |
| 不動産関連事業 | - | - |
| その他事業 | 42,094 | △15.5 |
| 合計 | 3,325,777 | △4.6 |
(注) 1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.仕入が発生する不動産売買事業の自社不動産売買事業、不動産賃貸事業の不動産管理受託事業、その他事業の介護福祉事業について、仕入高を記載しております。
3.不動産売買事業の仕入高は、中古住宅等の仕入れが主な項目となります。当事業年度は中古住宅等の仕入れに注力したものの、新規参入等による競合の激化から減少いたしました。
4.不動産賃貸事業の仕入高は、管理物件の修繕に伴う物品の仕入れが主な項目となります。当事業年度は仕入れがありませんでした。
5.その他事業の仕入高は、介護福祉事業の物品販売の仕入れが主な項目となります。当事業年度は物品販売の減少により減少しました。
ウ) 受注実績
不動産売買事業のリフォーム事業、不動産賃貸事業の不動産管理受託事業及びその他事業の介護福祉事業において受注販売を行っておりますが、いずれも受注から売上高計上まで期間が短期であるため、「受注実績」は記載しておりません。
エ) 販売実績
当事業年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当事業年度 (自 2018年6月1日 至 2019年5月31日) | |
| 売上高(千円) | 前事業年度比(%) | |
| 不動産売買事業 | 6,864,169 | 8.1 |
| 不動産賃貸事業 | 144,322 | 1.3 |
| 不動産関連事業 | 44,152 | △27.6 |
| その他事業 | 75,606 | △13.8 |
| 合計 | 7,128,251 | 7.4 |
(注) 1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.主たる販売先は不特定多数の一般消費者であり、相手先別販売実績の総販売実績に対する割合が100分の10以上の販売先はありません。
3.不動産売買事業の販売高は、中古住宅等の販売が主な項目となります。
4.不動産賃貸事業の販売高は、不動産賃貸仲介手数料、不動産賃貸物件の管理料、賃貸物件の賃貸収入等が主な項目となります。
5.不動産関連事業の販売高は、不動産の火災保険料の代理店手数料が主な項目となります。当事業年度は、リフォーム事業を不動産売買事業に統合したため、販売高は大幅に減少しました。
6.その他事業の販売高は、介護福祉事業の物品販売が主な項目となります。当事業年度は物品販売の減少により減少しました。
オ)不動産売買事業の地域別販売実績
当事業年度における不動産売買事業の地域別の販売実績を自社不動産売買事業と不動産売買仲介事業に分けて示すと、次のとおりであります。
| 当事業年度 (自 2018年6月1日 至 2019年5月31日) | |||||
| 売上高 (千円) | 構成比 (%) | 前事業年度比(%) | |||
| 山口県 | 自社不動産売買事業 | 1,886,312 | 27.5 | 6.9 | |
| 中 | 不動産売買仲介事業 | 187,800 | 2.7 | 15.8 | |
| 7店舗計 | 2,074,113 | 30.2 | 7.7 | ||
| 国 | その他 | 自社不動産売買事業 | 242,563 | 3.5 | 95.5 |
| 不動産売買仲介事業 | 8,915 | 0.1 | △32.5 | ||
| 地 | 1店舗計 | 251,478 | 3.7 | 83.2 | |
| 合計 | 自社不動産売買事業 | 2,128,876 | 31.0 | 12.8 | |
| 方 | 不動産売買仲介事業 | 196,716 | 2.9 | 12.2 | |
| 8店舗計 | 2,325,592 | 33.9 | 12.7 | ||
| 福岡県 | 自社不動産売買事業 | 3,723,819 | 54.3 | 12.3 | |
| 九 | 不動産売買仲介事業 | 174,713 | 2.5 | 41.8 | |
| 10店舗計 | 3,898,533 | 56.8 | 13.4 | ||
| 州 | その他 | 自社不動産売買事業 | 617,330 | 9.0 | △26.1 |
| 不動産売買仲介事業 | 22,712 | 0.3 | 98.4 | ||
| 地 | 2店舗計 | 640,043 | 9.3 | △24.4 | |
| 合計 | 自社不動産売買事業 | 4,341,150 | 63.2 | 4.6 | |
| 方 | 不動産売買仲介事業 | 197,425 | 2.9 | 46.6 | |
| 12店舗計 | 4,538,576 | 66.1 | 5.9 | ||
| 全店 | 自社不動産売買事業 | 6,470,027 | 94.3 | 7.1 | |
| 不動産売買仲介事業 | 394,142 | 5.7 | 27.1 | ||
| 全20店舗計 | 6,864,169 | 100.0 | 8.1 | ||
(注) 1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.自社不動産売買事業の販売高は、中古住宅等の販売が主な項目となります。
3.不動産売買仲介事業の販売高は、不動産売買仲介手数料が主な項目となります。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成に当たりまして、経営者の判断に基づく会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りが必要となります。これらの見積りについては、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積りによる不確実性のため、これらの見積りとは異なる場合があります。
詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項 重要な会計方針」に記載しております。
② 財政状態に関する分析
ア)資産
当事業年度末における総資産は4,513,560千円となり、前事業年度末に比べ255,769千円増加しました。流動資産は3,859,384千円となり、前事業年度末に比べ204,510千円増加しました。これは主として、自社不動産の販売件数が増加したこと等により、販売用不動産が624,470千円減少し、現金及び預金が546,411千円増加したことに加え、仕掛販売用不動産等の増加額267,151千円によるものであります。固定資産は654,176千円となり、前事業年度末に比べ51,258千円増加しました。これは主として、ソフトウエアの増加額46,246千円によるものであります。
イ)負債
流動負債は780,288千円となり、前事業年度末に比べ450,746千円減少しました。これは主として、短期借入金の減少額510,000千円によるものであります。固定負債は763,952千円となり、前事業年度末に比べ357,771千円増加しました。これは主として、長期借入金の増加額357,517千円によるものであります。
ウ)純資産
純資産は2,969,319千円となり、前事業年度末に比べ348,744千円増加しました。これは主として、当期純利益の計上額412,495千円によるものであります。
以上の結果、自己資本比率は、前事業年度末の61.5%から65.8%となりました。
③ 経営成績に関する分析
ア)売上高及び営業利益
売上高は、自社不動産売買事業における販売件数が426件と前事業年度の389件を上回ったことから、7,128,251千円(前事業年度比7.4%増)となりました。増加の要因としては、販売用不動産等の情報の更新頻度を高める等、インターネットを活用して集客力を向上させたこと、2018年2月に出店した苅田店(福岡県京都郡苅田町)が売上高に寄与したことが挙げられます。また、不動産売買仲介事業において、収益物件を手掛けたこと等により不動産売買仲介手数料が前事業年度に比べて大幅に増加したことも寄与しました。
売上総利益は、自社不動産売買事業における仕入価格の上昇等によって原価率が上昇したことから、売上原価が5,035,814千円(同9.6%増)と圧迫し、2,092,436千円(同2.4%増)となりました。販売費及び一般管理費は給与の増加等により、人件費が増加したことから、1,504,054千円(同2.9%増)となりました。
以上の結果、営業利益は588,382千円(同0.9%増)となりました。
イ)営業外損益及び経常利益
営業外損益(純額)は、719千円の利益(前事業年度は1,760千円の損失)となりました。これは、金融機関からの借り入れに伴う支払利息3,644千円を計上したものの、自社不動産売買事業における顧客側の契約破棄による違約金3,296千円等を計上したためであります。
以上の結果、経常利益は589,101千円(前事業年度比1.3%増)となりました。
ウ)特別損益及び税引前当期純利益
特別利益及び特別損失は、計上しておりません。
以上の結果、税引前当期純利益は589,101千円(前事業年度比1.3%増)となりました。
エ)法人税等(法人税等調整額を含む)
法人税等は、法人税、住民税及び事業税が182,103千円と前事業年度に比べ12,930千円減少しましたが、法人税等調整額が△5,497千円と前事業年度に比べ1,273千円増加したことから、176,605千円(前事業年度比6.2%減)となりました。
オ)当期純利益
以上の結果、当期純利益は412,495千円(前事業年度比4.9%増)となりました。これにより1株当たり当期純利益金額は152.10円(同4.9%増)となりました。
④経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な達成・進捗状況
当社は2017年9月に第1次中期経営計画を策定し、2020年5月期を最終年度として売上高・利益計画及び指標目標値を設定いたしました。
その後、人材不足が著しいことから、営業人員100名体制の実現が困難であるとの見通しに加え、新規参入等により競合が激しくなってきたことから仕入価格が上昇して、原価率の上昇につながったことを受けて、2019年7月12日に目標値のうち、売上高、経常利益、税引後当期純利益、自社不動産販売件数及び営業人員を修正いたしました。
その内容は次のとおりであります。なお、自己資本比率、ROE及びDOEは修正しておりません。
| 売上高・利益計画 | 2020年5月期 当初目標値 | 2020年5月期 修正後目標値 |
| 売上高(千円) | 7,800,000 | 7,520,000 |
| 経常利益(千円) | 740,000 | 660,000 |
| 税引後当期純利益(千円) | 500,000 | 450,000 |
| 自社不動産販売件数(件) | 500 | 455 |
| 営業人員 | 100 | 85 |
修正後の目標値に対しての進捗状況は以下のとおりであります。
| 売上高・利益計画 | 2020年5月期目標値 (a) | 当事業年度実績 (b) | 進捗状況 (b)÷(a) |
| 売上高(千円) | 7,520,000 | 7,128,251 | 94.8% |
| 経常利益(千円) | 660,000 | 589,101 | 89.3% |
| 税引後当期純利益(千円) | 450,000 | 412,495 | 91.7% |
| 自社不動産販売件数(件) | 455 | 426 | 93.6% |
| 営業人員(名) | 85 | 82 | 96.5% |
| 指標目標値 | |||
| 自己資本比率 | 60%以上 | 65.8% | - |
| ROE(株主資本利益率) | 15%以上 | 14.8% | - |
| DOE(株主資本配当率) | 2.5%を維持、 3.0%以上を目標 | 2.9% | - |
売上高・利益計画について、当事業年度の進捗状況はおおむね9割程度の進捗でありました。当社は、最終年度の達成に向けて不動産売買事業を軸にして、引き続き営業人員の強化及び出店エリアの拡大を進めてまいります。
また、指標目標値について、当事業年度は自己資本比率及びDOEについては達成いたしましたが、ROEについてはわずかに及びませんでした。これは営業人員の増強が想定を下回り、売上高を効率よく拡大させることができずに総資本回転率が低下したことに加え、原価率の上昇等により売上高当期純利益率も低下したことが要因であります。今後は、これらの指標目標値を達成できるよう売上総利益の確保とともに滞留在庫の抑制、販売期間の短縮等を進めてまいります。
(3) キャッシュ・フローの状況の分析
現金及び現金同等物は、前事業年度末に比べて546,552千円増加(前事業年度比162.0%増)し、883,926千円となりました。
当事業年度のキャッシュ・フローの状況及び増減要因につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。当社は中古住宅等の仕入れに注力したものの、競合他社の増加により仕入件数が想定を下回った結果、営業キャッシュ・フローがプラスとなりました。一方で、短期借入金の減少等により財務活動によるキャッシュ・フローがマイナスとなりました。今後は、中古住宅等の積極的な仕入れにより、営業キャッシュ・フローがマイナスとなる可能性がありますので、当社所有の中古住宅等の売買回転率の向上及び不動産売買仲介手数料の拡大を図ってまいります。
(4) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
① 資金需要
当社は、不動産売買事業の店舗の出店に伴う費用の支出、あるいは中古住宅等の仕入れ等の資金需要に加え、収益性及び将来の転売等を視野に入れて収益物件を取得する必要があると認識しております。これらの資金の必要額は個別には大きくないものの、まとまると流動性の面で無視できないと考えます。
② 財源
上記の資金需要に対する財源としては、利益剰余金に加え、長期・短期の借入金を活用してまいります。当社は、資金需要に応じて機動的な借り入れができるよう、金融情勢に注意を払いつつ、金融機関と良好な関係を継続してまいります。
(5) 経営成績に重要な影響を与える要因について
① 事業環境について
当社の業績に影響を与える要因として景気、金利、地価、税制及び政策が挙げられますが、政府は空き家問題という観点からも良質な中古住宅の活用を図るべく、中古住宅の流通市場の整備及びリフォーム市場の活性化を促進するため、宅地建物取引業法の改正等を行っております。
当社は主に築年数20~40年の中古住宅を取り扱っており、これらの中古住宅をリフレッシュ・リフォームして、年収300万円前後の一次取得者にリーズナブルな価格で提供しております。これにより、中古住宅が空き家となるリスクを回避して政府の施策を支援するとともに、建て替え等による廃材の増加を抑えて、環境に優しく、また一次取得者の方にリーズナブルな価格で住宅を提供して、人に優しい事業を展開しております。
また、物価上昇等によって金利が上昇した場合、ローン金利の負担増加により買主の買い控えが懸念されますが、現状においては、物価上昇率が低水準であることに加え、景気回復が緩やかであることから、いまだ金融緩和策が継続されております。
一方で、アパート建設に対する過剰融資が懸念されていることから、金融政策が変化する可能性があることに加え、不測の事態により金利が上昇すれば、当社の資金調達に影響を与える可能性があります。当社は、中古住宅の仕入れの多くを借入金によって賄っているため、貸し渋りや金利の負担増加による業績への影響を考慮し、資金調達方法の多様化を検討しております。また、中古住宅の仕入候補を選別する能力を一層高めるとともに販売用不動産の長期滞留を回避する必要があると考えております。
② 法令等について
当社の主たる事業の前提となる宅地建物取引業免許の有効期間は、2018年11月9日から5年間であり、以降も継続できるものと考えております。
なお、宅地建物取引業法は2016年度の改正により、建物状況調査(インスペクション)に関する説明について重要事項説明書に記載することが義務化されることになりましたので、今後の施策への影響が考慮されます。また、不動産業界に影響を与える規制は多岐にわたります。たとえば、2020年4月には改正民法の施行により、瑕疵担保責任が契約不適合責任に変わります。その変更により、当社の業績が影響を受ける可能性について検討する必要があります。当社は、法令等の改正による規制強化の動向に注視してまいります。
③ その他
当社は、人材の重要性に鑑み、新規学卒者及び中途入社者の採用の強化及び研修の充実を推進しておりますが、住宅販売の際に必要な資格等の問題もあり、十分な陣容に至っておりません。今後は人材の確保と従業員の離職防止を実現すべく、給与及び勤務時間等の雇用条件の改善及び福利厚生の充実を実施してまいります。また、住宅販売の資格取得、あるいは階層別の研修を拡充することにより、営業手法だけでなく、コンプライアンスの意識向上や部下の指導に関するスキルアップも図ってまいります。あわせて営業員向けのマニュアルを整備して、営業力の強化を図ります。