有価証券報告書-第15期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)

【提出】
2018/06/29 10:40
【資料】
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【項目】
64項目
(1)経営成績等の状況の概要
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
(イ) 財政状態
a)資産の部
当事業年度末における総資産は、前事業年度末に比べて169百万円減少し、2,326百万円となりました。これは、平成29年8月に設立したRIBOMIC USA Inc.の株式を取得したことにより関係会社株式が22百万円、RBM-007の開発に関連する外注費等に対する前渡金が10百万円増加した一方で、RBM-007の開発を中心とした研究開発への投資を行ったことにより現金及び預金が202百万円減少したこと等によるものです。なお、当事業年度末において保有している有価証券は、保有する資金を、研究開発への充当時期まで、適切な格付けを得た安全性の高い金融商品で運用することを目的としたものです。
b)負債の部
当事業年度末における負債は、前事業年度末に比べて42百万円増加し、99百万円となりました。これは、未払金が35百万円増加したこと等によるものです。
c)純資産の部
当事業年度末における純資産は、前事業年度末に比べて211百万円減少し、2,227百万円となりました。これは、RBM-007の開発推進を目的として発行した第12回新株予約権の一部について権利が行使されたこと等により、資本金及び資本剰余金がそれぞれ271百万円、第12回及び第13回新株予約権の発行により新株予約権が2百万円増加した一方で、当期純損失753百万円を計上したことにより、繰越利益剰余金が同額減少したこと等によるものです。
以上の結果、自己資本比率は、前事業年度末から2.1ポイント低下し、95.6%となっております。
(ロ) 経営成績
当事業年度において、共同研究収入等による事業収益は64百万円(前事業年度比31.0%減)、事業費用として研究開発費は663百万円、販売費及び一般管理費は300百万円計上し、営業損失は899百万円(前事業年度は785百万円の営業損失)となりました。
また、営業外収益として、AMEDの支援事業による助成金収入155百万円等を計上した一方で、営業外費用として、新株発行に伴う株式交付費6百万円等を計上したことにより、経常損失は751百万円(前事業年度は658百万円の経常損失)となりました。これにより当期純損失は753百万円(前事業年度は646百万円の当期純損失)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末に比較し797百万円増加し、1,179百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果使用した資金は694百万円(前事業年度は706百万円の支出)となりました。主な資金増加要因は、未払金の増加額26百万円、減価償却費25百万円によるものです。一方で主な資金減少要因は、RBM-007の開発を中心とした研究開発への投資を行ったこと等に伴う税引前当期純損失751百万円によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果得られた資金は958百万円(前事業年度は594百万円の収入)となりました。主な資金減少要因は、定期預金の預入による支出2,203百万円、米国に100%子会社であるRIBOMIC USA Inc.を設立したことに伴う関係会社株式の取得による支出22百万円によるものです。一方で、主な資金増加要因は、定期預金の払戻による収入3,203百万円によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は534百万円(前事業年度は45百万円の収入)となりました。主な資金増加要因は、RBM-007の開発推進を目的に発行した第12回新株予約権の一部について権利が行使されたこと等に伴う株式の発行による収入534百万円によるものです。
③生産・受注及び販売の実績
当社の事業は、創薬事業及びこれに付随する事業を行う単一セグメントであります。
(イ) 生産実績
該当事項はありません。
(ロ) 受注実績
該当事項はありません。
(ハ) 販売実績
当事業年度における販売実績は、次のとおりであります。
事業の名称当事業年度
(自 平成29年4月1日
至 平成30年3月31日)
販売高(千円)前年同期比(%)
創薬事業64,727△31.0
合計64,727△31.0

(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
相手先前事業年度
(自 平成28年4月1日
至 平成29年3月31日)
当事業年度
(自 平成29年4月1日
至 平成30年3月31日)
販売高
(千円)
割合
(%)
販売高
(千円)
割合
(%)
大正製薬株式会社91,66697.8--
アステラス製薬株式会社--63,07797.5

3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。前事業年度におけるアステラス製薬株式会社に対する販売実績は、当該割合が100分の10未満のため記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
①重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。
この財務諸表の作成に当たりましては、会計方針の決定とその継続的な適用、並びに資産及び負債、収益及び費用の会計上の見積りを必要としております。この見積りに関しましては、過去の実績や適切と判断する仮定に基づき合理的に算出しておりますが、実際の結果はこれらの見積もりと相違する可能性があります。
②当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当事業年度における当社の重点的な経営目標を「自社での臨床Proof of Conceptの獲得に向けた開発」、「各創薬プロジェクトの開発ステージのアップ」、「製薬企業との新規アライアンスの締結」とし、それらの実現に向けた取り組みを進めてまいりました。
それぞれの経営課題に対する当事業年度の具体的な進捗を以下に要約します。
自社での臨床Proof of Concept (臨床POC)獲得までの開発に向けた取り組み・RBM-007の開発について

(イ) RBM-007(抗FGF2アプタマー)による臨床開発の狙い
当社では、自社で創製したRBM-007(FGF2に結合し、その作用を阻害するアプタマー)を、自社での臨床開発のテーマに選び、当事業年度において、臨床試験開始に向けた準備を、精力的かつ着実に進めました。
線維芽細胞増殖因子2(Fibroblast Growth Factor 2、FGF2)は、40数年前に発見されたタンパク質です。FGF2はヒトでは22種類の類縁タンパク質からなるFGFファミリーの一員で、FGF2の生理作用として血管新生作用があることや、FGF2を過剰に生体内で発現させたマウスにおいて、体長が短縮することが報告されていました。しかしながら、FGF2がヒトと動物で高度に保存されている事実などにより、抗体を含め優れた阻害剤の創製は極めて困難でした。そうした中、当社では、独自のアプタマー創薬技術により、過年度においてFGF2を特異的に阻害するアプタマー「RBM-007」の創製に成功いたしました。
開発の対象疾患としては、上述のようなFGF2の生理作用に鑑みて加齢黄斑変性症と軟骨無形成症を選択いたしました。
加齢黄斑変性症は、加齢に伴い網膜の黄斑部に障害がおこる疾患で、無治療の状態だとやがて失明に至ります。欧米では失明原因の第一位となっています。疾患の要因の一つは異常な血管新生とされており、10年ほど前に治療薬として血管新生を阻害する医薬品(VEGF阻害剤)が開発され、臨床医からは夢のような薬と評価されました。しかし年月の経過と共に、臨床上の問題点が明らかになってきました。その一つは、約1/3の患者に対して、既存薬の有効性が乏しいことです。また、有効とみられた患者も2~3年程度経過すると薬効が低下し、再び失明のリスクにさらされます。これらの要因として、病変による網膜組織の瘢痕化(線維化)が関与していると考えられていますが、既存薬には瘢痕化を抑制する作用はありません。これに対してRBM-007は血管新生のみならず瘢痕形成を抑制する作用をもつことが、疾患モデル動物での薬理試験から明らかになっています(非臨床POC獲得※)。こうした二重作用は既存の製品にはない新規なメカニズムで、既存製品では奏功しない患者に対して新規な治療法を提供できる可能性があります。
一方、軟骨無形成症は四肢短縮による低身長を主な症状とする希少疾患で、治療薬はなく、厚生労働省から難病指定を受けています。軟骨無形成症患者においては、FGF2が骨伸長を抑制する要因の一つとして作用しています。当社が開発したRBM-007はFGF2に結合してその働きを阻害する作用を有し、疾患モデルマウスでは、体長の伸びの抑制を約50%回復する効果を確認しました。さらに、軟骨無形成症患者由来のiPS細胞(人工多能性幹細胞)は軟骨細胞への分化誘導が欠損していることが知られていますが、RBM-007存在下で、その分化誘導が回復することも確認しました(非臨床POC獲得)。現在、治療には本邦では成長ホルモンが使用されていますが、効果は十分とはいえず、骨延長術(足の骨を切断して引き離した状態で固定し、骨の形成を促す)といった非常に厳しい治療が幼い子供に施されることもあり、新薬が待ち望まれています。
なお、現在、臨床ステージにあるFGF2阻害剤の報告はありません。自社での臨床開発の実施により臨床POCが獲得されれば、新規治療法の確立に至る第一歩になるとともに、新薬候補品としてのRBM-007の価値が高まり、ライセンス収益の拡大及び将来に向けた発展に寄与するものと考えております。
※ 非臨床Proof of Concept(非臨床POC):ヒトでの臨床試験に入る前に、病態モデル動物での薬効確認試験において、投与薬剤が意図した薬効を有することが示されること。
(ロ) 開発スケジュール
a)加齢黄斑変性症
米国で臨床開発を実施するため、GLP適合非臨床安全性・毒性試験の実施、及び治験用製剤(「治験薬」)の検討及びその製造を当事業年度の重点目標として取り組んだ結果、GLP適合非臨床安全性・毒性試験を完了させることが出来、治験薬製造も平成30年5月中に完了いたしました。また平成30年1月26日(日本時間)には米国FDAとIND申請に向けたPre-INDミーティングを実施いたしました。本会議では、当社が事前に提出したPre-IND Briefing Package(IND申請資料に準ずる資料)において示した各種データや臨床試験の方針に関して、米国FDAより特段の問題点は指摘されず、さらに臨床試験に向けた有益な助言も得ることが出来ました。この結果、当社は、6月中旬にIND申請が完了し、IND申請後速やかに臨床試験を開始する予定です。
b)軟骨無形成症
平成32年3月期中における独立行政法人・医薬品医療機器総合機構(PMDA)への治験計画届出を目標として開発を進めております。国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)の補助を受け、GLP適合非臨床安全性・毒性試験の実施、治験薬の検討及びその製造を当事業年度の重点目標として取り組んだ結果、GLP適合非臨床安全性・毒性試験を完了させることが出来、治験薬製造も平成30年5月中に完了いたしました。なお従前の支援は当事業年度が最終年度でしたが、平成30年度からの3年間を対象に、新たにAMEDの希少疾病用医薬品指定前実用化支援事業に採択され、本支援の下、治験開始に向けた準備をさらに着実に進めてまいります。
RBM-007による軟骨無形成症に対する疾患モデル動物での有効性を前事業年度において既に実証しておりますが、チェコ共和国 Masaryk 大学において詳細な検討を加えております。また、ヒトでの効果の裏付けとなるデータを取得する目的で実施してきた、軟骨無形成症患者由来のiPS細胞を用いた実験(大阪大学医学部附属病院との共同研究)において、良好な成績を得ており、今後もさらに大阪大学医学部附属病院との共同研究を発展させる予定です。
(ハ) 推進体制
当社では、事業開発部と臨床開発部を中心に外部機関の協力も得て、治験実施に向けた研究開発の推進と、治験実施体制の構築を進めております。この一環として、平成29年5月に網膜及び硝子体の疾患に関するキー・オピニオン・リーダーであり、カリフォルニア大学サンフランシスコ校(UCSF)メディカルセンター眼科の医師であるRobert B. Bhisitkul教授と、メディカルエキスパートの委嘱に関する契約(Medical Expert Agreement)を締結いたしました。同教授より本契約に基づき加齢黄斑変性症に関する米国での臨床試験に関して、メディカルエキスパートの立場から、臨床試験計画の策定、試験実施に際しての各種調整、試験結果の評価等の業務を実施していただいております。さらに、米国での臨床開発を推進する拠点としてカリフォルニア州にRIBOMIC USA Inc.を平成29年8月に設立し、新薬開発経験が豊富なYusuf Ali氏が同社のCEOに着任いたしました。Yusuf Ali氏が主導する形で、Robert B. Bhisitkul教授を含めた治験実施医師としての経験を豊富に有する3名の眼科専門医による科学諮問委員会も設置されました。平成30年3月及び4月には米国で科学諮問委員会を開催し、RBM-007の価値を最大化するための最も効果的、迅速かつ安全な臨床計画のあり方につき、長時間にわたる活発な討議を行い、臨床試験計画が固まりました。その他、治験実施機関の選定等、臨床試験に向けた準備を着実に進めております。
また、平成29年5月には、軟骨無形成症治療薬としての臨床試験の実施に向けて、大阪大学医学部附属病院小児科の臨床医で、小児における骨系統疾患の専門医である大薗恵一教授と、医学専門家の委嘱に関する契約を締結し、各種助言等を行っていただいております。
今後においても当初の計画通りRBM-007の開発を進めるべく推進体制の整備を図ってまいります。
(ニ) 開発コスト
平成29年6月8日に発行決議を行った第12回新株予約権の行使が平成30年5月25日に完了し、600百万円を調達いたしました。本新株予約権の行使により調達した資金はRBM-007の治験計画届出準備費用に既に充当しており、残額は今後、加齢黄斑変性症を対象とした臨床開発費(第I/IIa相試験)に充当してまいります。なお、第12回新株予約権の発行後に、RBM-007の加齢黄斑変性症を対象とした第IIb相試験を実施することとしたこと、及び軟骨無形成症の臨床開発に関連し、治験計画届出に必要となるGLP適合非臨床安全性・毒性試験の実施項目が追加になるとともに、軟骨無形成症の第IIa相試験に必要な原薬製造が追加で必要となりました。
これの資金への対応として、加齢黄斑変性症を対象とした臨床開発費(第I/IIa相試験実施費用の一部、及び第IIb相試験実施費用)、軟骨無形成症を対象とした治験計画届出準備費用及び臨床開発費(第I相試験実施費用の一部及び第IIa相試験実施のための原薬製造費用の一部)に充当すること等を目的に、株式会社ウィズ・パートナーズが業務執行組合員を務めるウィズ・ヘルスケア日本2.0投資事業有限責任組合及びTHEケンコウFUTURE投資事業有限責任組合を割当予定先とする第三者割当の方法による第1回無担保転換社債型新株予約権付社債、及び第14回新株予約権を発行いたしました。本書提出日現在において、第1回無担保転換社債型新株予約権付社債で1,000百万円の調達を完了するとともに、今後の第14回新株予約権の行使により1,001 百万円の調達を予定しております。
今後の臨床開発の過程において、さらに資金が必要と見込まれる場合には、追加の資金調達、公的資金の導入、新規パートナーとの共同開発等により対応してまいります。
(ホ) その他
RBM-007は、加齢黄斑変性症や軟骨無形成症に限らず、FGF2の発現亢進による各種疾患に対して有効な治療薬となる可能性を秘めており、それらを検証すべく、その他の専門医との共同研究も進めております。
各創薬プロジェクトの開発ステージのアップに向けた取り組み

当社は共同研究と自社創薬による革新的なアプタマー医薬の開発に取り組んでおり、主要なプロジェクトの進捗状況は下記のとおりです。
(イ) 大塚製薬株式会社との共同研究
大塚製薬株式会社と平成28年12月末日まで、RBM001(抗Midkineアプタマー)に関する共同研究を実施いたしました。本共同研究での成果については、平成29年5月に大塚製薬株式会社において開発・商業化することを目的としたライセンス契約を締結し、同社に権利を導出いたしました。
(ロ) 大正製薬株式会社との共同研究
平成26年3月より開始した、同社が選択したアプタマー創薬テーマについての共同研究の実施期間が終了し、本共同研究で取得された研究成果の取り扱いについて、大正製薬株式会社での評価期間に入っております。
(ハ) アステラス製薬株式会社との共同研究
同社が選択したアプタマー創薬テーマについての共同研究を平成29年3月より開始しております。
(ニ) 継続中の自社創薬プロジェクト
その他の自社創薬プロジェクトとして、RBM003(抗キマーゼアプタマー、心不全等)、RBM006(抗ATXアプタマー、肺線維症等)、RBM005(抗HMGB1アプタマー、敗血症等)、RBM008(抗ペリオスチンアプタマー、糖尿病性網膜症等)、及びRBM002(抗TSP-1アプタマー、血小板減少症等)について、ライセンス・アウト、また開発ステージアップに向けたデータを蓄積しております。
なお、当事業年度においてとりわけ顕著な進捗があり、現在、当社として開発に注力しているのは、RBM003です。本プロジェクトはキマーゼの病態生理を専門とする大阪医科大学の高井真司教授との共同研究において各種試験を実施しております。過年度中に心不全の動物モデルである、ハムスターを用いた冠動脈結紮による心筋梗塞急性期モデルにおいて、本アプタマーによる顕著な心機能改善効果を確認しており(非臨床POC確認)、さらに心筋梗塞発生後の本アプタマーの治療効果を示すデータの取得に成功するとともに、臨床開発候補品の物質特許の出願を完了いたしました。
また、既にライセンス・アウトしているRBM004(抗NGFアプタマー)については、ライセンス・アウト先である藤本製薬株式会社において開発が進められております。
(ホ) 新規自社創薬プロジェクト
当社には、基礎・探索研究の段階にあり、現段階で開発コード番号を付与されていないものの、細胞試験で効果を示すアプタマーも複数有しており、早期に開発候補品を特定し、開発コード番号を付与すべく積極的に研究開発を進めております。それらの中で、重傷喘息やアレルギーの惹起に重要な働きが明らかになったST2受容体(比較的最近明らかになったサイトカインIL-33の受容体)に対してRNAアプタマーの創製を進めてきましたが、極めて強力な結合力と阻害力をもつアプタマーを完成することに成功しました。その結果、平成30年5月9日の当社執行役員会において、新規開発コード「RBM009」と命名し、開発を進めることを決定いたしました。重傷喘息やアレルギー性皮膚炎は、依然としてUnmet Medical Needsの疾患であり、新規薬剤の開発が望まれています。これらの疾患に対しては、注射によらず、気道吸入や皮膚塗布によって薬剤の送達が可能なRNAアプタマーの特徴が十分に発揮できるものと期待しています。
(ヘ) 新規技術開発・プロジェクト
当社は、アプタマー創薬の迅速化、効率化を進めるため、新たな技術を「RiboARTシステム」に取り入れ、技術力の向上に努めております。
この取り組みの一環として、コンピュータ科学を応用したアプタマー創製プロセスにおける新技術の開発、また従来の医薬品ではターゲットとすることが難しかった、細胞膜7回貫通型のGPCR(Gタンパク質共役受容体)タンパク質に結合するアプタマーを創製する基盤技術の確立等に、アカデミアと連携し取り組んでおります。特に後者についてはAMEDの創薬基盤推進研究事業として助成を得て進めております。
さらに、アプタマー創薬の新規技術の開発に向けて、当事業年度中に糖質科学のプロフェッショナルである生化学工業株式会社と共同研究契約を締結いたしました。本共同研究契約では、当社が知る限り世界初の取り組みとして、糖質科学を利用したアプタマー医薬品の活性、安定性や安全性を向上させる新技術の開発を行っております。
また、当社が創製したRBM101(抗体等精製用IgGアプタマー)に関し、前事業年度から開始した、抗体精製のプロフェッショナルである株式会社イーベックとの共同研究契約のもとで、既存技術を用いた精製では活性を失ってしまう抗体について、当社のRBM101を用いた精製では活性を維持できることを実証し、当事業年度において論文として発表いたしました。引き続き、更なるデータ蓄積を行っております。
製薬企業との新規アライアンスの締結に向けた取り組み

当社は、継続的かつ安定的な収益の実現のために、製薬企業との新規アライアンスに向けた活動を進めております。具体的には、国内外の製薬会社との新規共同研究(製薬会社が指定する新規ターゲットに対するアプタマーの創製)や、共同開発及びライセンス・アウトの実現に向けた活動を進めております(重点対象テーマはRBM003、RBM-007及びRBM101)。また当事業年度中には米国にRIBOMIC USA Inc.を設立し、同社によるアライアンス活動も加速しております。
(3)資本の財源及び資金の流動性
(イ) 運転資金
当社の運転資金需要のうち主なものは、当社が創製するアプタマー医薬の研究開発を推進するための研究開発費です。とりわけ、自社創薬品目であるRBM-007による米国での加齢黄斑変性症を対象とした臨床開発、及び日本での軟骨無形成症を対象とした臨床開発を実施するための資金需要が生じております。
(ロ) 財務政策
当社は、医薬品の研究開発を事業としており、製薬企業との共同研究や開発品の製薬企業へのライセンス・アウトにより収益を得ることを事業の中核としております。しかしながら、医薬品の研究開発では当初から多額の資金が必要になるため、平成27年3月期を除き、創業以来、平成30年3月期まで当期純損失を計上してまいりました。当社は、RBO-007の臨床開発を中心とした研究開発を推進し、今後の収益を確保するために、株式会社ウィズ・パートナーズが業務執行組合員を務めるウィズ・ヘルスケア日本2.0投資事業有限責任組合及びTHEケンコウFUTURE投資事業有限責任組合を割当予定先とする第三者割当の方法による第1回無担保転換社債型新株予約権付社債、及び第14回新株予約権の発行いたしました。本書提出日現在において、第1回無担保転換社債型新株予約権付社債で1,000百万円の調達を完了するとともに、今後の第14回新株予約権の行使により1,001 百万円の調達を予定しております。

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