四半期報告書-第10期第2四半期(平成29年1月1日-平成29年6月30日)

【提出】
2017/08/14 9:37
【資料】
PDFをみる
【項目】
33項目

財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

文中の将来に関する事項は、当第2四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。
(1)業績の状況
① 経営成績の分析
映像配信サービス(ビデオ・オン・デマンド)の市場規模は、平成28年には1,696億円(前年比10.7%増)(野村総合研究所「ITナビゲーター2017年版」)と推定され、順調に市場が拡大しております。また、当サービス拡大の契機となったモバイル端末の世帯普及率は、平成27年末でスマートフォンが、72.0%(前年比7.8ポイント増)タブレット端末が33.3%(前年比7.0ポイント増)(総務省「平成27年通信利用動向調査」)となり引き続き増加しております。
また、ブロードバンド通信サービス市場は、平成28年の固定ブロードバンド(光ファイバー)回線が1兆4,178億円(野村総合研究所「ITナビゲーター2017年版」)、モバイル(携帯電話)回線は6兆1,633億円(同)の市場規模と推計され、こちらも着実に拡大しております。
その中でも、MVNOサービス市場では、当社が提供する「低価格SIM」を含む独自サービス型SIMの回線契約数は、平成29年3月末で810.0万回線(前年比150.2%)(株式会社MM総研調べ)となり、今後も個人向け需要を中心として市場は拡大し、平成31年3月末には1,570万回線に成長すると予測されています(同)。一方でモバイル回線市場全体におけるMVNOのシェアはまだ低く、今後の市場拡大の可能性は高いと考えられます。
このような環境のもと、当社では一層の事業規模の拡大を図るために、既存のサービスの拡充、新規顧客の獲得に取り組みながら、前連結会計年度において一部損失を計上した事業の収益の安定化に向けた取り組みを進めてまいりました。
また、当第2四半期連結会計期間より連結の範囲に含めたUSENグループ(株式会社USENおよびその連結子会社)では、主軸事業である音楽放送サービスのお客様を始め、ホテル・病院・ゴルフ場や中小オフィスといった様々なBtoBマーケットのお客様のニーズや課題をワンストップで解決するソリューション提供企業としての地位を確固たるものとするため、引き続き既存事業を強化するとともに、開業支援コンテンツの提案や、電力を中心としたエネルギー事業への参入等、サービスラインナップの充実にも引き続き積極的に取り組んでまいりました。
なお、当社グループは、上述のとおり株式会社USENを連結子会社としたため、当第2四半期連結累計期間より売上高等が増加しております。当該取得に関しては、みなし取得日を平成29年3月1日としており、当第2四半期連結累計期間の当社グループの業績につきましては、株式会社USENの3か月分(平成29年3月1日~平成29年5月31日)の連結業績が含まれております。
この結果、当社グループの当第2四半期連結累計期間における売上高は45,424百万円(前年同期比111.9%増)、営業利益は2,254百万円(前年同期は営業利益49百万円)、経常利益は345百万円(前年同期は経常利益26百万円)、親会社株主に帰属する四半期純損失は1,780百万円(前年同期は親会社株主に帰属する四半期純損失33百万円)となりました。
当社グループの各セグメント別の売上高及び営業利益は以下のとおりであります。
<コンテンツプラットフォーム事業>「U-NEXT」では、映像配信サービスの市場が活性化する中、引き続きユーザー体験の改良、コンテンツの拡充、マーケットの開拓を進め、順調に契約者数を伸ばしております。
コンテンツの拡充においては、韓流コンテンツの独占配信に引き続き、着実にラインナップ強化が進んでおります。至近では、日本アカデミー賞11部門受賞作品『怒り』、メガヒット映画『シン・ゴジラ』、シリーズ史上最高傑作『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』など、最新作の人気コンテンツの配信も開始しております。また、ドルビーアトモス対応サラウンドコンテンツの配信を国内VOD事業者では初めて開始するなど、音響にもこだわった質の高い映像体験を目指す取り組みも行っております。
この結果、コンテンツプラットフォーム事業における売上高は9,231百万円(前年同期比28.0%増)、営業利益は291百万円(前年同期比38.6%減)となりました。
<コミュニケーションネットワーク事業>コミュニケーションネットワーク事業におけるブロードバンドインターネット回線の販売代理店サービスでは、小規模事業者向けを中心とした新規獲得活動が引き続き堅調に推移しております。MVNOサービス 「U-mobile」においては、ヤマダ電機の協力のもと、「ヤマダニューモバイル」としての販売を開始しております。
この結果、コミュニケーションネットワーク事業における売上高は16,620百万円(前年同期比16.8%増)、営業利益は763百万円(前年同期は営業損失77百万円)となりました。
<音楽配信事業>音楽配信事業は、当社グループの事業の主軸であり、今後においても、その安定的な収益基盤を維持し、強化していく方針です。このため、業務店向け・個人向け市場において顧客との取引の維持拡大、新規顧客の獲得及びブランド力の改善に取り組んでまいりました。
特に、業務店・チェーン店向けには、店舗及び商業施設向けサービスラインナップの充実を企図し、音楽放送サービスを中心に開業支援や事業環境の構築から集客・販売促進までのトータル的なソリューション提供やサポートをご提案してまいりました。
店舗及び商業施設向けサービスの主なラインナップとしては、多機能×低価格なタブレットPOSレジである「USEN Register」、店舗アプリ作成サービス「UPLink」、業務店向けWi-Fiサービス「USEN SPOT」やチェーン店向けWi-Fiサービス「USEN SPOT Enterprise」、スマートフォンやタブレットで簡単接続&操作で話題のIPカメラ「Viewlaシリーズ」、飲食店向け予約サービス「USEN Reservation」、インターネット回線「USEN光」等を取りそろえ、更にオフィス向けサービスとして職場環境を改善するオフィスBGM「Sound Design for OFFICE」やメンタルヘルスケア対策支援のASPサービス「こころの保健室」等、音楽放送サービスと併せてこれらの商材の利用促進に注力してまいりました。
この結果、音楽配信事業における売上高は10,464百万円、営業利益は2,352百万円となりました。
<業務用システム事業>業務用システム事業は、ホテル・病院・ゴルフ場等の業務管理システム及び自動精算機の開発・製造・販売を行っております。
当該事業の市場環境は、金融緩和による資金需給の改善等に伴い設備投資需要は増加傾向にあります。
ホテル市場においては、平成32年東京オリンピックに向け今後更に増加が見込まれる訪日外国人への対応や人手不足を補完するためのITソリューション導入ニーズの高まりを受けて、引き続きホテル管理システム、自動精算機等の導入ニーズが高いことから、新商品の市場投入や提案型営業の強化により顧客ニーズを捕捉し、市場浸透率の向上とシェアの拡大に向けて継続的に取り組んでまいりました。
平成27年7月にハウステンボスにオープンした「変なホテル」に引き続き、平成29年3月に新たに開業した「変なホテル舞浜 東京ベイ」でも自動精算機をご導入いただきました。更に、新製品である電子宿泊台帳「Sign Up」のソリューション群も併せてご導入いただいております。
導入後の保守メンテナンスや、顧客ニーズにマッチしたきめ細かいカスタマイゼーションに注力し、効率的で安定したサービスの提供を図ることで顧客との信頼関係を強化し、事業基盤の一層の強化・安定化に努めてまいりました。
また、新規製品やカスタマイズ製品の品質強化を図るため、開発・製造プロセスやフィールドサービスの改善活動に継続的に取り組んでおります。
新たな市場の獲得に向けては、省スペース化を実現したクリニック・調剤薬局向けの自動精算機の開発、ホテル・病院向けの次世代型ソーシャルロボット「unibo」の市場投入準備等を行ってまいりました。
この結果、業務用システム事業における売上高は4,377百万円、営業利益は516百万円となりました。
ICT事業は、「USEN GATE 02」のブランドでネットワーク関連サービス事業やクラウドサービス事業を行っております。
当該事業は、当社の顧客基盤の一つであるオフィスに特化し、顧客ニーズにマッチした業務環境改善を提案するとともに、オフィスのICT環境構築をワンストップで提供可能な体制作りに取り組んでおります。
多くの顧客に接し、様々なご要望にお応えするためにサービスラインナップの強化を推し進め、現在160以上のサービスを取りそろえるマルチサービスベンダーとして成長。顧客ニーズに応えるサービスラインナップの拡充に絶えず取り組んでおります。
ネットワーク関連サービス事業においては、アルテリア・ネットワークス株式会社の法人向けインターネット接続サービスの販売でNo.1の実績を誇り、また株式会社インターネットイニシアティブのSMBマーケット向けNo.1パートナーとしても活動しております。
平成28年9月から販売を開始した新型ネットワークサービスである「ビジネスVPN(Omnibus)」の販売実績を高く評価いただき、平成29年3月にはIIJ Omnibus サービスアワードを受賞しました。
クラウド事業においては、Google Inc.のプレミアパートナーの認定を受け、「G Suite」(旧Google APPS for Work)の販売に注力する他、サイボウズ株式会社からもプラチナパートナーの認定を受け各種SaaSサービスの販売に注力しております。
更に、平成29年4月に開催されたサイボウズ・アワード2017では当社の販売実績を評価いただきセールス賞を受賞、3年連続でアワードを受賞しております。
各取引先様からは、当社の販売実績はさることながら、最高レベルの提案・サポート力やきめ細かい対応による顧客からの信頼についても高い評価をいただいております。
この結果、ICT事業における売上高は2,958百万円、営業利益は220百万円となりました。
<その他事業>その他事業として、業務店顧客の集客を支援する集客支援事業、エネルギー事業、音楽著作権の管理・開発事業や新規商材・サービスの開発・立ち上げを行っております。
集客支援事業では、飲食店向け集客支援サービス「ヒトサラ」を展開しております。
「ヒトサラ」は、料理人(ヒト)と料理(サラ)にフォーカスしたグルメレストラン情報サイトで、平成28年12月には、1万人を超える料理人情報をもとにヒトサラ編集部が厳選した「ベストシェフ&レストラン2016」、月替わりでテーマを変えてお届けするワンランク上のグルメ特集「ヒトサラSpecial」など、他の情報サイトと差別化したサービスを展開しております。
更に、美容サロンで働くスタイリストにフォーカスをあて、理想のスタイリストに出会えるWEBマガジン「bangs」からフリーマガジンが誕生。「Hair×Beauty×Culture」をテーマに、豊富な情報量とクオリティにこだわった紙面構成で美容情報や音楽、映画等のカルチャーニュースをお届けしてきました。
また、エネルギー事業は、業務店の店舗や建物並びに商業施設向けサービスラインナップの一環として取り組んでおり、高圧小口を中心に電力販売等を進めてまいりました。
この結果、その他事業における売上高は2,276百万円、営業損失は317百万円となりました。
② 財政状態の分析
(資産)
当第2四半期連結会計期間末の総資産は、前連結会計年度末に比べ96,417百万円増加し、114,215百万円となりました。
流動資産は、現金及び預金が10,778百万円、受取手形及び売掛金が5,783百万円及びたな卸資産が3,067百万円増加したこと等により、前連結会計年度末に比べて23,348百万円増加し、36,269百万円となりました。
固定資産は、有形固定資産が18,926百万円、のれんが39,754百万円増加したこと等により、前連結会計年度末に比べて73,068百万円増加し、77,946百万円となりました。
(負債)
流動負債は、支払手形及び買掛金が6,327百万円及び1年内返済予定の長期借入金が4,983百万円増加したこと等により、前連結会計年度末に比べて23,515百万円増加し34,732百万円となりました。
固定負債は、長期借入金が62,130百万円増加したこと等により、前連結会計年度末に比べて65,455百万円増加し、68,219百万円となりました。
(純資産)
純資産は、親会社株主に帰属する四半期純損失の計上に伴い利益剰余金が1,780百万円減少したものの、非支配株主持分が9,216百万円増加したこと等により、前連結会計年度末に比べて7,446百万円増加し、11,263百万円となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結会計期間末における「現金及び現金同等物」(以下「資金」という。)は前連結会計年度末に比べて10,778百万円増加し、当第2四半期連結会計期間末の資金残高は12,756百万円となりました。
当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況と主な内容は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による資金の増加は2,964百万円(前年同期は756百万円の減少)となりました。これは主に、未払金の増加額1,536百万円及び前受金の増加額1,474百万円等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による資金の減少は43,960百万円(前年同期は3,759百万円の減少)となりました。これは主に、連結範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出41,164百万円及び有形固定資産の取得による支出1,100百万円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金の増加は51,774百万円(前年同期は2,918百万円の増加)となりました。これは主に、長期借入れによる収入67,600百万円及び長期借入金の返済による支出16,289百万円等によるものであります。
(3)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(4)研究開発活動
該当事項はありません。
(5)従業員数
当第2四半期連結累計期間において、株式会社USEN及び同社の連結子会社3社を連結範囲に含めたことにより、当社グループの従業員数は3,416名増加しました。セグメント別としましては、音楽配信事業で2,059名、業務用システム事業で618名、ICT事業で181名、その他事業で293名、全社(共通)で265名、それぞれ増加しております。この結果、当第2四半期連結会計期間末の当社グループの従業員数は3,863名となりました。
なお、従業員数は就業人員数であり、全社(共通)は特定の事業セグメントに区分できない管理部門であります。
(6)生産、受注及び販売の実績
当第2四半期連結累計期間において、株式会社USEN及び同社の連結子会社3社を連結範囲に含めたことにより、生産、受注及び販売の実績が増加いたしました。
本件に関する詳細につきましては「(1)業績の状況」に記載のとおりであります。
(7)主要な設備
株式会社USEN及び同社の連結子会社3社を連結範囲に含めたことに伴い、主要な設備について、以下の設備が増加しております。
社名事業所名
(所在地)
セグメントの名称設備の内容帳簿価格(百万円)従業
員数
(名)
建物及び構築物機械及び装置工具、器具及び備品土地
(面積㎡)
リース
資産
その他合計
㈱USEN本社
(東京都港区)
他149事業所
音楽配信
事業
事業所
放送設備等
10,1622382,4262,554
(1,350)
94-15,4752,059
(177)
ICT事業器具及び
備品等
0-4-
(-)
--4181
(2)
その他事業賃貸用資産等193-24271
(14,718)
--488282
(6)
全社(共通)社宅・
保養所等
399-1634
(28,816)
94-1,035265
(288)
合計10,7542382,4553,460
(44,886)
94-17,0032,787
(517)
㈱アルメックス本社
(東京都港区)
業務用
システム事業
-3780109502
(1,124)
536761,720618
(5)
㈱ユーズミュージック本社
(東京都渋谷区)
その他事業-4-4-
(-)
1-911
(3)

(注)1.従業員欄の(外書)は臨時従業員の年間平均雇用人員であります。
2.帳簿価額には、建設勘定の金額を含んでおりません。
3.現在休止中の主要な設備はありません。