有価証券届出書(新規公開時)

【提出】
2015/01/06 15:01
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【項目】
89項目

業績等の概要


(1) 当期の経営成績
第22期事業年度(自 平成25年7月1日 至 平成26年6月30日)
当事業年度におけるわが国の経済は、政府による各種経済政策により、円安や株価上昇を背景として企業業況も改善し、緩やかな回復基調で推移しました。
カーアフターマーケットを取り巻く環境においては、国内の新車販売台数が一つのメルクマールとなります。一昨年9月のエコカー補助金終了後は前年を下回る状況が続いておりましたが、自動車メーカーの新型車発表による需要喚起や消費税増税前の駆け込み需要による追い風等もあり、国内自動車登録台数は前年を上回る結果となりました。
このような状況の中、「自動車を長くキレイに乗りたい」というニーズが、社会全体のECO志向の中で着々と育っています。かつては車を頻繁に買い換え、新車に乗っていることがステータスでしたが、今では、たとえ年数が経った車でも、それを大切にキレイに乗り続けていることが一つのライフスタイルの表現になってきています。そんな車文化の変化の中で、かつてカーコーティングとは「新車を買った時に施工するもの」という性格が強かったのですが、今では、ある程度の年月を乗ってからカーコーティングを施工して「キレイに長く乗る」ニーズが高まっております。
当社は全国へのテレビCMや日本最高峰のレースへのスポンサード等の宣伝活動が、KeePerのブランディングに寄与し、キーパー製品等関連事業における技術一級資格者在籍の 「キーパープロショップ」及び当社の直営店であるキーパーLABOの知名度アップに繋がるとともに、施工技術力の向上に努めた結果、業績も堅調に推移しました。
この結果、当事業年度の売上高は、52億29百万円(前事業年度比17.8%増加)、営業利益は4億50百万円(前事業年度比36.5%増加)、経常利益は4億51百万円(前事業年度比48.0%増加)、当期純利益は2億62百万円(前事業年度比49.0%増加)となりました。
報告セグメントごとの業績は次のとおりであります。
① キーパー製品等関連事業
カーアフターマーケットの中心であり一般消費者の来店頻度が最も高い店舗であるガソリンスタンドでは、キーパーコーティングの技術を習得し、店頭でのカーコーティングの販売に力を入れており、カーコーティングの市場を自らの店舗で実現しようとしています。同業界においては、地球温暖化対策=低燃費車の普及等でガソリンなどの燃料油販売量が漸減しつつあり、販売口銭も競争の激化によって低下しつつあります。また、自動車の機械としての高度化、カーディーラーの新車販売時のメンテナンスパッケージ販売等で、車検・オイル交換などでの油外収益も圧迫され、苦しい経営を迫られているガソリンスタンドも多くあります。
そのような厳しい業界環境の中で「自動車を美しくする事業」は、電気自動車時代が到来しても自動車がある限り存在し続ける事業であろうと考えられ、来店頻度の高いガソリンスタンドがその需要を引き受けるもっとも有力かつ便利なチャンネルと考えられます。当社は石油元売り大手企業及びその関連会社等に「キーパープロショップ」として正式に採用いただいております。また、複数のカーメーカーが既販車へのコーティングとして当社ケミカル製品を純正品として採用いただいております。
また同時に当社は「キーパープロショップ」認定及びケミカル製品等の開発・製造、販売に留まらず、キーパーコーティング施工店向けにコーティング知識及び施工技術の習得のためのサポート事業に注力をしております。年間3万人以上の研修生を迎えている通常の技術研修に加え、平成26年度から開催されている「上達会」は、当社トレーニングセンターでの研修を受けた後に、ある程度の経験を積んでいただいた上で、当社インストラクターが施工店に出向いて行う実践的かつ効果的な研修として高い評価をいただいております。
平成19年に1号店がスタートしたコーティング技術一級資格者在籍の技術認定店「キーパープロショップ」は、平成26年6月期末には3,952店舗にまで増加しました。それぞれの店舗においての技術レベルの向上と共に商品品質が向上してリピートのお客様が増加しております。
この結果、売上高35億58百万円(前事業年度比16.9%増加)、セグメント利益は3億77百万円(前事業年度比22.0%増加)となりました。
② キーパーLABO運営事業
キーパーLABO運営事業は、新店を、西日本事業本部管轄で平成25年11月に「宝塚店」、平成26年4月に「半田店」を出店し、当事業年度末には東日本事業本部管轄で直営14店舗、FC4店舗となり、西日本事業本部管轄においては直営17店舗、FC6店舗になって、全体で直営31店舗、FC店10店舗の41店舗体制となりました。
また、直営店における人員体制を3年ほど前から、商品品質の向上と維持を目的に社員を中心とした人員強化を図ってきており、加えて現場生え抜きの技術力が高く、強い指導力を持った管理者を東西両事業本部に配置し、店舗すべてのスタッフの技術力向上に力を入れました。
商品力では、5年以上続いているクリスタルキーパーのリピート増加によって、クリスタルキーパーの施工台数が前事業年度比で24.1%増加しました。
また、キーパーのブランドが高品質で認知されてきたことなどで新車への施工が増加傾向にあり、より高価で新車への施工率が比較的高いダイヤモンドキーパーの施工台数が前事業年度比で49.3%増加し、専門店舗としての付加価値が向上しております。
この結果、売上高は16億70百万円(前事業年度比19.9%増加)、セグメント利益は2億17百万円(前事業年度比96.2%増加)となりました。
第23期第1四半期累計期間(自 平成26年7月1日 至 平成26年9月30日)
○業績の状況
当第1四半期累計期間におけるわが国の経済は、前年度から引き続き政府・日銀による各種の経済・金融政策に支えられ、企業収益の改善等、緩やかな景気回復基調が続きました。
しかしながら、消費税の引き上げの影響から個人消費の落ち込みによる景気の減速懸念も完全には払拭されず、景気の先行きに対する見方は慎重なものとなっております。
当社ではこのような環境の中、全国のキーパープロショップを対象とした「キーパー選手権」を実施し、キーパープロショップにおける施工技術のレベル向上と維持について、積極的な取り組みを行いました。また、キーパーLABO 32店目の新店「キーパーLABO東郷店」をオープンいたしました。
一方で7月から8月にかけては、前年に比べて降雨日が圧倒的に多く、特に8月は記録的な豪雨に見舞われました。一般的に「洗車」は雨が降ると来客数が減り、業績も落ちるのが通例であります。しかし、洗車に付随している商品と思われがちな当社の主力商品である「カーコーティング」は、雨の日でも予約を事前に取っていれば施工できる商品であり、予約件数の落ち込みがなく安定した施工実績を維持できました。
以上の結果、当第1四半期累計期間における売上高は13億83百万円、営業利益は1億99百万円、経常利益は1億97百万円、四半期純利益は1億25百万円となりました。
報告セグメントごとの業績は次のとおりであります。
①キーパー製品等関連事業
当事業におきましては、全国のキーパープロショップを対象とした「キーパー選手権」を実施し、キーパープロショップにおける施工技術のレベル向上と維持について、積極的な取り組みを行いました。キーパー選手権は年々レベルが上がり、今回の選手権では全国的に悪天候が続く中であっても、過去の実績を上回る店舗が複数出るなど大変盛り上がった選手権になりました。
これらの結果、売上高は9億36百万円、セグメント利益は1億75百万円となりました。
②キーパーLABO運営事業
当事業におきましては、キーパーLABO 32店目の新店「キーパーLABO東郷店」をオープンいたしました。
天候不順が続いた中でも、クリスタルキーパーやダイヤモンドキーパーなどのカーコーティングについては、予約件数の落ち込みもなく安定した施工実績を維持できました。
これらの結果、売上高は4億47百万円、セグメント利益は54百万円となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
第22期事業年度(自 平成25年7月1日 至 平成26年6月30日)
当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は前事業年度末に比べ13百万円増加し4億17百万円(前事業年度末比3.3%増加)となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は2億5百万円(前事業年度比1億53百万円の減少)となりました。収入の主な内訳は税引前当期純利益4億50百万円、減価償却費1億42百万円であり、支出の主な内訳は、たな卸資産の増加1億14百万円、法人税等の支払額2億8百万円、売上債権の増加65百万円であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は94百万円(前事業年度比1億90百万円の減少)となりました。収入の主な内訳は、有形固定資産売却による収入43百万円であり、支出の主な内訳は、有形固定資産の取得による支出1億46百万円であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は1億7百万円(前事業年度比93百万円の増加)となりました。収入の主な内訳は、株式の発行による収入43百万円、短期借入れによる収入60百万円、長期借入れによる収入1億50百万円であり、支出の主な内訳は、長期借入金の返済による支出3億42百万円であります。