四半期報告書-第13期第3四半期(平成30年9月1日-平成30年11月30日)
財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)業績の状況
当社グループが注力する、国内パブリッククラウド(注1)市場に関して、IT専門調査会社 IDC Japan 株式会社が発表した、国内パブリッククラウドサービス市場予測によると、2018年の国内パブリッククラウドサービス市場規模は、前年比27.4%増の6,663億円となる見込みです。また、2017年~2022年の年間平均成長率(CAGR:Compound Annual Growth Rate)は22.9%で推移し、2022年の市場規模は2017年比2.8倍の1兆4,655億円になるとIDCは予測しています。
国内IT市場では、「クラウドファースト」から「パブリッククラウドファースト」へと、パブリッククラウドサービスを重要視する企業が増加しております。この背景には、パブリッククラウドサービスの「セキュリティ」に対する漠然とした懸念が解消されると共に、運用サービスを付加したマネージドパブリッククラウドサービスを提供するベンダーが増加したことを挙げることができます。
現在の国内パブリッククラウドサービス市場は、従来型ITからクラウドへの移行が堅調に進んでおり、高い成長を遂げています。また、今後も同傾向は継続し、国内パブリッククラウドサービス市場の成長を支える重要な要因となっております。
また、国内IT市場において、デジタルトランスフォーメーション(DX:Digital Transformation)が高い注目を集めていることは言うまでもありません。DXアプリケーションは、その開発に業務担当者の関与が必須であると共に、優れた拡張性/柔軟性/連携性と短いサイクルでのリリースが重要となっております。そのため、「DevOps」や「Low Code/No Code(高度なプログラミング/コーディングなどを行なわずに、アプリケーション開発を行なうこと)」に対する注目も高まっています。さらには、IoT(Internet of Things)やAI(Artificial Intelligence:人工知能)といった新しい技術を活用したソリューションの開発が進んでおります。これらの技術やソリューションは、「クラウドネイティブアーキテクチャ」を核として発展しており、今後の国内パブリッククラウドサービス市場の成長を促進する大きな要因になるとみております。(出典:IDC Japan 株式会社「国内パブリッククラウドサービス市場予測」)
クラウドサービスの中でも、当社グループが主力分野としている米国Salesforce.com社(注2)は、2018年11月27日、2019会計年度第3四半期決算(10月31日締め)を発表。顧客を中心に据えたデジタル変革プロジェクトの恩恵が続き、堅調な内容となったことで、第3四半期決算は売上高が前年同期比26%増の33億9,000万ドルとなりました。(出典:ZDNet.com)
また、IaaS(注3)分野最大手の、米国Amazon社は、米国時間2018年7月26日、第2四半期決算(6月30日締め)を発表。Amazon Web Services(AWS)(注4)の純売上高は、前年同期比で49%増の61億ドルとなり、Amazonが2015年にAWS部門単独の業績を公表するようになってから、継続して急速な成長を続けております。
このようにクラウド市場が急速に拡大する環境の下、当社グループにおいてはクラウドのリーディングカンパニーとして、国内屈指のSalesforce認定技術者を育成、業種・業態・企業規模を問わずクラウド導入のコンサルティングから、カスタマイズ、インテグレーションまで、多数のクラウド導入実績を積み重ねて参りました。その結果、多くの企業様より信頼をいただき、Salesforce等クラウドサービスの導入実績は、累計で3,500件を突破いたしました。
当連結会計年度もソリューション事業においてクラウドシステム構築案件の獲得が好調に推移したほか、自社製品の導入社数の増加や、保守運用子会社を通じた多角的なクラウドサービスを展開したことにより着実に顧客基盤を拡大いたしました。しかしながら、事業の拡大に対応するために5月の本社増床移転、7月の名古屋支店の増床移転を行ったことで、一過性の費用を計上するとともに賃料が増加しております。
これらの結果、当第3四半期連結累計期間の業績は、売上高4,681,579千円(前年同期比31.9%増)、営業利益7,383千円(前年同期比96.7%減)、経常利益61,509千円(前年同期比75.6%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益63,129千円(前年同期比52.3%減)となりました。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
① ソリューション事業
当第3四半期連結累計期間におけるソリューション事業の売上高は、大型案件の受注及び受託開発・保守案件の件数の増加等を主因として3,824,422千円(前年同期比30.8%増)となり、セグメント利益(営業利益)は498,022千円(前年同期比11.7%増)となりました。
② 製品事業
当第3四半期連結累計期間における製品事業の売上高は、堅調な契約社数、契約金額の伸長を主因として857,156千円(前年同期比36.9%増)となりましたが、セグメント利益(営業利益)は、当社製品「mitoco(ミトコ)」の追加機能開発による費用増で、38,333千円(前年同期比67.6%減)となりました。
当第3四半期連結累計期間の当社グループの主な取り組みは、以下のとおりです。
2018年3月
・西日本地区事業拡大のため、西日本支社を開設いたしました。
・東洋ビジネスエンジニアリング株式会社(本社:東京都千代田区、取締役社長:大澤 正典)へ2018年3月14日付で出資し、協業することといたしました。
・株式会社セールスフォース・ドットコムが発表したパートナーによるIoTシステム構築の支援プログラム「Salesforce IoTアクセラレータ―プログラム」に参画いたしました。
・株式会社リザーブリンク(本社:東京都港区、代表取締役:山本 浩史)が提供するクラウド型予約管理システム「ChoiceRESERVE(チョイスリザーブ)」をSalesforceに連携し、Webでの予約情報をSalesforce上の顧客情報に紐づけることで、シームレスな営業活動を実現する新サービス「ChoiceRESERVE 予約連携」を提供開始いたしました。
・Salesforce Service CloudとLINEカスタマーコネクトを連携する「オムニチャネル LINK for LINE カスタマーコネクト」を、提供開始いたしました。
2018年4月
・ウイングアーク1st株式会社の製品やソリューションを効果的に提案・活用し、価値あるシステム構築の実現を行った企業を表彰する「WingArc Partner Award 2018」において、ウイングアーク1st株式会社のクラウドサービス事業でもっとも多くの実績を上げたことを評価いただき、「Cloud Partner of the year」を受賞いたしました。
・IT基盤のAWSへ移行を進める企業に対して、AWS認定資格保有者による現状ヒアリングに基づき、企業ごとに最適なAWS利用方法を策定してガイドライン化するサービス「ぴたっとコンサル for AWS」の提供を開始いたしました。
・神奈川トヨタ自動車株式会社(本社:神奈川県横浜市、代表取締役社長:市川 英治)の新小田原店で実装した「おもてなし支援システム」と「購買意思決定支援システム」の情報連携に関わる構築を開発いたしました。
2018年5月
・新規事務所(株式会社テラスカイ:本社、株式会社BeeX:本社、株式会社キットアライブ:東京事業所)での業務を開始いたしました。
・2018年4月に販売開始した「オムニチャネル LINK for LINE カスタマーコネクト」が、LINE Pay株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:高 永受)のモバイル決済サービスである「LINEPay」のカスタマーサービスシステムとして採用されました。
・株式会社富士通ゼネラル(本社:神奈川県川崎市、代表取締役社長:斎藤 悦郎)が、企業力強化を目的とするシステム刷新のかなめとして、メインフレームの基幹業務データとSalesforce上の受発注システムとの連携に「DataSpider Cloud」を採用しました。
・株式会社セゾン情報システムズの「HULFT Partners kickoff Meeting 2018」でアワードを受賞しました
・株式会社りそな銀行(代表取締役社長:東 和浩)が、テラスカイが開発したコミュニケーション・プラットフォーム「mitoco(ミトコ)」を導入しました。2018年5月より、2,000IDで本格運用を開始し、将来的にグループ会社を含めた展開を予定しております。
・クラウド型コンタクトセンターソリューション「Amazon Connect」のPOC(注5)サービス「ぴたっとコネクトfor AWS」のサービスを開始いたしました。
・資本業務提携先であるエコモット株式会社(本社:北海道札幌市、代表取締役社長:入澤 拓也)の東京証券取引所マザーズへの上場が承認されました。
2018年6月
・ジュピターテレコムのお客さまサポート「かざすヘルプ」に画像認識AI「Einstein Vision」を実装いたしました。
・Lightning Experienceユーザー待望のノンコーディングでSalesforceの画面開発を実現するクラウドサービス「SkyVisualEditor」を、V9.0へバージョンアップし機能を追加いたしました。
2018年7月
・西日本支社 名古屋支店は、業務拡大のため移転しました。
・新潟県上越市高田の町家を改装したオフィスで、「はじめの一歩!夏休みプログラミング教室」を実施いたしました。
・当社の持分法適用会社である株式会社サーバーワークスが、エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社及び株式会社エヌ・ティ・ティ・データと資本業務提携に関する契約を締結し、二社を引受先とする第三者割当を行いました。
2018年8月
・東京証券取引所本則市場への変更申請を行うことについて決議し、当該申請を行いました。
・当社の資本業務提携先である株式会社Phone Appliの当社保有株式をエヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社に譲渡いたしました。
・子会社の株式会社BeeXが、株式会社エヌ・ティ・ティ・データとSAP基盤技術やシステム移行を中心としたクラウド事業分野において資本業務提携をいたしました。
2018年9月
・2018年9月1日、100%子会社であるクラウディアジャパン株式会社を合併いたしました。
・株式会社HDE(本社:東京都渋谷区 代表取締役社長:小椋 一宏)が、「DataSpider Cloud」を採用し、営業支援と顧客情報管理に利用する「Salesforce」にデータ連携基盤であるDataSpider Cloudを組み合わせ、データを活用した営業業務改革を実現しました。
2018年10月
・RPAソフトウェアを提供するUiPath株式会社(本社:東京都千代田区 代表取締役CEO:長谷川 康一)が認定する、開発リソースパートナープログラムに参画しました。
・有限責任監査法人トーマツが発表したテクノロジー・メディア・テレコミュニケーション業界の収益(売上高)に基づく成長率のランキング、「デロイト トウシュ トーマツ リミテッド 2018年 日本テクノロジー Fast 50」において、過去3決算期の収益(売上高)に基づく成長率96.19%を記録し、50位中40位を受賞いたしました。なお、Fast 50の受賞は5年連続となります。
2018年11月
・株式会社東京証券取引所の承認を受け、2018年11月27日をもちまして、当社株式の上場市場は東京証券取引所マザーズ市場から同取引所市場第一部へ市場変更されました。
・Salesforceのビジネスアプリケーション・マーケットプレイスである Salesforce AppExchange上で企業が自社アプリケーション・サービスを提供するために必要な計画書作成からテクニカルサポート、開発、保守までを包括的に支援するコンサルティングサービスの提供を開始しました。
・コミュニケーション・プラットフォーム「mitoco(ミトコ)」にAI chatbotによるアシスタント機能「mitoco アシスタント」を搭載し、2019年春にサービス提供開始予定である旨発表しました。
・ソニーネットワークコミュニケーションズ株式会社が運営するインターネット接続サービスSo-netにて、「オムニチャネル LINK for LINE」を採用し、2018年9月より運用を開始したことを発表しました。
・株式会社メンバーズ(本社:東京都中央区 代表取締役社長:剣持 忠)と、マーケティング分野における協業を開始しました。
※用語解説
(注1)クラウド
クラウド・コンピューティングの略で、ネットワークをベースとしたコンピュータ資源の利用形態。企業はハードウェアやソフトウェアの資産を自前で持たず、インターネット上に存在するものを必要に応じて利用する。
(注2)Salesforce.com社
米国サンフランシスコを本社とするCRM(顧客関係管理)ソフトウェアで世界最大企業。クラウドベースのSalesforce製品は、日本郵政グループやトヨタ自動車などの国内大手の企業のみならず、中堅・中小企業まであらゆる業種・規模のSFA(営業支援)、CRM(顧客管理)、カスタマーサポートに利用されている。
(注3)IaaS
「Infrastructure as a Service」の略語。情報システムの稼動に必要な仮想サーバをはじめとした機材やネットワークなどのインフラを、インターネット上のサービスとして提供する形態。
(注4)AWS
「Amazon Web Services」の略語。米国Amazon社が企業を対象にウェブサービスという形態でITインフラストラクチャのサービス(IaaS)を提供する。クラウドの拡張性ある低コストのインフラストラクチャプラットフォームであり、世界190ヵ国の数十万に及ぶビジネスを駆動している。
(注5)POC
概念実証のこと。プロジェクト開始前に、コンセプトの実効性検証を行うもの
(2)財政状態の分析
(流動資産)
当第3四半期連結会計期間末における流動資産は、前連結会計年度末より940,191千円増加し、3,261,159千円となりました。これは主に、現金及び預金の増加747,041千円があったことによるものであります。
(固定資産)
当第3四半期連結会計期間末における固定資産は、前連結会計年度末より427,960千円増加し、1,922,986千円となりました。これは主に、新規事務所開設に伴う有形固定資産の増加302,420千円、投資有価証券の増加256,955千円及び旧事務所敷金の精算による差入保証金の減少125,689千円によるものであります。
(繰延資産)
当第3四半期連結会計期間末における繰延資産は、前連結会計年度末より531千円減少し、1,086千円となりました。これは主に、償却に伴う減少によるものであります。
(流動負債)
当第3四半期連結会計期間末における流動負債は、前連結会計年度末より76,112千円増加し、1,249,662千円となりました。これは主に、1年内返済予定の長期借入金の増加15,592千円、その他流動負債の増加106,210千円及び未払法人税等の減少59,897千円によるものであります。
(固定負債)
当第3四半期連結会計期間末における固定負債は、前連結会計年度末より78,526千円増加し、1,060,738千円となりました。これは主に、その他固定負債の増加187,209千円及び長期借入金の返済による減少108,683千円によるものであります。
(純資産)
当第3四半期連結会計期間末における純資産は、前連結会計年度末より1,212,981千円増加し、2,874,831千円となりました。これは主に、資本金及び資本剰余金の増加1,063,397千円及び利益剰余金の増加63,129千円、非支配株主持分の増加53,927千円によるものであります。
(3)経営方針・経営戦略等
平成30年8月14日開催の取締役会において下記経営理念を策定しております。
「先進のテクノロジーと最適な選択で成功を共有する」
・私たちは一歩先ゆく確かな技術で、最も信頼されるパートナーを目指します
・確かな技術力のある社員が、常に先進のテクノロジーとその価値を追求し、お客様にとっての最適を探求します
・先進技術の追求による期待を超えるチャレンジと、お客様にとってのベストを誠実に探究することによる信頼の両輪で、お客様を成功に導き、その成功をステークホルダーと享受します
(4)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループの事業上及び財務上の対処すべき課題について新たに発生した重要な課題及び重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
該当事項はありません。
(6)従業員数
該当事項はありません。
(1)業績の状況
当社グループが注力する、国内パブリッククラウド(注1)市場に関して、IT専門調査会社 IDC Japan 株式会社が発表した、国内パブリッククラウドサービス市場予測によると、2018年の国内パブリッククラウドサービス市場規模は、前年比27.4%増の6,663億円となる見込みです。また、2017年~2022年の年間平均成長率(CAGR:Compound Annual Growth Rate)は22.9%で推移し、2022年の市場規模は2017年比2.8倍の1兆4,655億円になるとIDCは予測しています。
国内IT市場では、「クラウドファースト」から「パブリッククラウドファースト」へと、パブリッククラウドサービスを重要視する企業が増加しております。この背景には、パブリッククラウドサービスの「セキュリティ」に対する漠然とした懸念が解消されると共に、運用サービスを付加したマネージドパブリッククラウドサービスを提供するベンダーが増加したことを挙げることができます。
現在の国内パブリッククラウドサービス市場は、従来型ITからクラウドへの移行が堅調に進んでおり、高い成長を遂げています。また、今後も同傾向は継続し、国内パブリッククラウドサービス市場の成長を支える重要な要因となっております。
また、国内IT市場において、デジタルトランスフォーメーション(DX:Digital Transformation)が高い注目を集めていることは言うまでもありません。DXアプリケーションは、その開発に業務担当者の関与が必須であると共に、優れた拡張性/柔軟性/連携性と短いサイクルでのリリースが重要となっております。そのため、「DevOps」や「Low Code/No Code(高度なプログラミング/コーディングなどを行なわずに、アプリケーション開発を行なうこと)」に対する注目も高まっています。さらには、IoT(Internet of Things)やAI(Artificial Intelligence:人工知能)といった新しい技術を活用したソリューションの開発が進んでおります。これらの技術やソリューションは、「クラウドネイティブアーキテクチャ」を核として発展しており、今後の国内パブリッククラウドサービス市場の成長を促進する大きな要因になるとみております。(出典:IDC Japan 株式会社「国内パブリッククラウドサービス市場予測」)
クラウドサービスの中でも、当社グループが主力分野としている米国Salesforce.com社(注2)は、2018年11月27日、2019会計年度第3四半期決算(10月31日締め)を発表。顧客を中心に据えたデジタル変革プロジェクトの恩恵が続き、堅調な内容となったことで、第3四半期決算は売上高が前年同期比26%増の33億9,000万ドルとなりました。(出典:ZDNet.com)
また、IaaS(注3)分野最大手の、米国Amazon社は、米国時間2018年7月26日、第2四半期決算(6月30日締め)を発表。Amazon Web Services(AWS)(注4)の純売上高は、前年同期比で49%増の61億ドルとなり、Amazonが2015年にAWS部門単独の業績を公表するようになってから、継続して急速な成長を続けております。
このようにクラウド市場が急速に拡大する環境の下、当社グループにおいてはクラウドのリーディングカンパニーとして、国内屈指のSalesforce認定技術者を育成、業種・業態・企業規模を問わずクラウド導入のコンサルティングから、カスタマイズ、インテグレーションまで、多数のクラウド導入実績を積み重ねて参りました。その結果、多くの企業様より信頼をいただき、Salesforce等クラウドサービスの導入実績は、累計で3,500件を突破いたしました。
当連結会計年度もソリューション事業においてクラウドシステム構築案件の獲得が好調に推移したほか、自社製品の導入社数の増加や、保守運用子会社を通じた多角的なクラウドサービスを展開したことにより着実に顧客基盤を拡大いたしました。しかしながら、事業の拡大に対応するために5月の本社増床移転、7月の名古屋支店の増床移転を行ったことで、一過性の費用を計上するとともに賃料が増加しております。
これらの結果、当第3四半期連結累計期間の業績は、売上高4,681,579千円(前年同期比31.9%増)、営業利益7,383千円(前年同期比96.7%減)、経常利益61,509千円(前年同期比75.6%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益63,129千円(前年同期比52.3%減)となりました。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
① ソリューション事業
当第3四半期連結累計期間におけるソリューション事業の売上高は、大型案件の受注及び受託開発・保守案件の件数の増加等を主因として3,824,422千円(前年同期比30.8%増)となり、セグメント利益(営業利益)は498,022千円(前年同期比11.7%増)となりました。
② 製品事業
当第3四半期連結累計期間における製品事業の売上高は、堅調な契約社数、契約金額の伸長を主因として857,156千円(前年同期比36.9%増)となりましたが、セグメント利益(営業利益)は、当社製品「mitoco(ミトコ)」の追加機能開発による費用増で、38,333千円(前年同期比67.6%減)となりました。
当第3四半期連結累計期間の当社グループの主な取り組みは、以下のとおりです。
2018年3月
・西日本地区事業拡大のため、西日本支社を開設いたしました。
・東洋ビジネスエンジニアリング株式会社(本社:東京都千代田区、取締役社長:大澤 正典)へ2018年3月14日付で出資し、協業することといたしました。
・株式会社セールスフォース・ドットコムが発表したパートナーによるIoTシステム構築の支援プログラム「Salesforce IoTアクセラレータ―プログラム」に参画いたしました。
・株式会社リザーブリンク(本社:東京都港区、代表取締役:山本 浩史)が提供するクラウド型予約管理システム「ChoiceRESERVE(チョイスリザーブ)」をSalesforceに連携し、Webでの予約情報をSalesforce上の顧客情報に紐づけることで、シームレスな営業活動を実現する新サービス「ChoiceRESERVE 予約連携」を提供開始いたしました。
・Salesforce Service CloudとLINEカスタマーコネクトを連携する「オムニチャネル LINK for LINE カスタマーコネクト」を、提供開始いたしました。
2018年4月
・ウイングアーク1st株式会社の製品やソリューションを効果的に提案・活用し、価値あるシステム構築の実現を行った企業を表彰する「WingArc Partner Award 2018」において、ウイングアーク1st株式会社のクラウドサービス事業でもっとも多くの実績を上げたことを評価いただき、「Cloud Partner of the year」を受賞いたしました。
・IT基盤のAWSへ移行を進める企業に対して、AWS認定資格保有者による現状ヒアリングに基づき、企業ごとに最適なAWS利用方法を策定してガイドライン化するサービス「ぴたっとコンサル for AWS」の提供を開始いたしました。
・神奈川トヨタ自動車株式会社(本社:神奈川県横浜市、代表取締役社長:市川 英治)の新小田原店で実装した「おもてなし支援システム」と「購買意思決定支援システム」の情報連携に関わる構築を開発いたしました。
2018年5月
・新規事務所(株式会社テラスカイ:本社、株式会社BeeX:本社、株式会社キットアライブ:東京事業所)での業務を開始いたしました。
・2018年4月に販売開始した「オムニチャネル LINK for LINE カスタマーコネクト」が、LINE Pay株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:高 永受)のモバイル決済サービスである「LINEPay」のカスタマーサービスシステムとして採用されました。
・株式会社富士通ゼネラル(本社:神奈川県川崎市、代表取締役社長:斎藤 悦郎)が、企業力強化を目的とするシステム刷新のかなめとして、メインフレームの基幹業務データとSalesforce上の受発注システムとの連携に「DataSpider Cloud」を採用しました。
・株式会社セゾン情報システムズの「HULFT Partners kickoff Meeting 2018」でアワードを受賞しました
・株式会社りそな銀行(代表取締役社長:東 和浩)が、テラスカイが開発したコミュニケーション・プラットフォーム「mitoco(ミトコ)」を導入しました。2018年5月より、2,000IDで本格運用を開始し、将来的にグループ会社を含めた展開を予定しております。
・クラウド型コンタクトセンターソリューション「Amazon Connect」のPOC(注5)サービス「ぴたっとコネクトfor AWS」のサービスを開始いたしました。
・資本業務提携先であるエコモット株式会社(本社:北海道札幌市、代表取締役社長:入澤 拓也)の東京証券取引所マザーズへの上場が承認されました。
2018年6月
・ジュピターテレコムのお客さまサポート「かざすヘルプ」に画像認識AI「Einstein Vision」を実装いたしました。
・Lightning Experienceユーザー待望のノンコーディングでSalesforceの画面開発を実現するクラウドサービス「SkyVisualEditor」を、V9.0へバージョンアップし機能を追加いたしました。
2018年7月
・西日本支社 名古屋支店は、業務拡大のため移転しました。
・新潟県上越市高田の町家を改装したオフィスで、「はじめの一歩!夏休みプログラミング教室」を実施いたしました。
・当社の持分法適用会社である株式会社サーバーワークスが、エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社及び株式会社エヌ・ティ・ティ・データと資本業務提携に関する契約を締結し、二社を引受先とする第三者割当を行いました。
2018年8月
・東京証券取引所本則市場への変更申請を行うことについて決議し、当該申請を行いました。
・当社の資本業務提携先である株式会社Phone Appliの当社保有株式をエヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社に譲渡いたしました。
・子会社の株式会社BeeXが、株式会社エヌ・ティ・ティ・データとSAP基盤技術やシステム移行を中心としたクラウド事業分野において資本業務提携をいたしました。
2018年9月
・2018年9月1日、100%子会社であるクラウディアジャパン株式会社を合併いたしました。
・株式会社HDE(本社:東京都渋谷区 代表取締役社長:小椋 一宏)が、「DataSpider Cloud」を採用し、営業支援と顧客情報管理に利用する「Salesforce」にデータ連携基盤であるDataSpider Cloudを組み合わせ、データを活用した営業業務改革を実現しました。
2018年10月
・RPAソフトウェアを提供するUiPath株式会社(本社:東京都千代田区 代表取締役CEO:長谷川 康一)が認定する、開発リソースパートナープログラムに参画しました。
・有限責任監査法人トーマツが発表したテクノロジー・メディア・テレコミュニケーション業界の収益(売上高)に基づく成長率のランキング、「デロイト トウシュ トーマツ リミテッド 2018年 日本テクノロジー Fast 50」において、過去3決算期の収益(売上高)に基づく成長率96.19%を記録し、50位中40位を受賞いたしました。なお、Fast 50の受賞は5年連続となります。
2018年11月
・株式会社東京証券取引所の承認を受け、2018年11月27日をもちまして、当社株式の上場市場は東京証券取引所マザーズ市場から同取引所市場第一部へ市場変更されました。
・Salesforceのビジネスアプリケーション・マーケットプレイスである Salesforce AppExchange上で企業が自社アプリケーション・サービスを提供するために必要な計画書作成からテクニカルサポート、開発、保守までを包括的に支援するコンサルティングサービスの提供を開始しました。
・コミュニケーション・プラットフォーム「mitoco(ミトコ)」にAI chatbotによるアシスタント機能「mitoco アシスタント」を搭載し、2019年春にサービス提供開始予定である旨発表しました。
・ソニーネットワークコミュニケーションズ株式会社が運営するインターネット接続サービスSo-netにて、「オムニチャネル LINK for LINE」を採用し、2018年9月より運用を開始したことを発表しました。
・株式会社メンバーズ(本社:東京都中央区 代表取締役社長:剣持 忠)と、マーケティング分野における協業を開始しました。
※用語解説
(注1)クラウド
クラウド・コンピューティングの略で、ネットワークをベースとしたコンピュータ資源の利用形態。企業はハードウェアやソフトウェアの資産を自前で持たず、インターネット上に存在するものを必要に応じて利用する。
(注2)Salesforce.com社
米国サンフランシスコを本社とするCRM(顧客関係管理)ソフトウェアで世界最大企業。クラウドベースのSalesforce製品は、日本郵政グループやトヨタ自動車などの国内大手の企業のみならず、中堅・中小企業まであらゆる業種・規模のSFA(営業支援)、CRM(顧客管理)、カスタマーサポートに利用されている。
(注3)IaaS
「Infrastructure as a Service」の略語。情報システムの稼動に必要な仮想サーバをはじめとした機材やネットワークなどのインフラを、インターネット上のサービスとして提供する形態。
(注4)AWS
「Amazon Web Services」の略語。米国Amazon社が企業を対象にウェブサービスという形態でITインフラストラクチャのサービス(IaaS)を提供する。クラウドの拡張性ある低コストのインフラストラクチャプラットフォームであり、世界190ヵ国の数十万に及ぶビジネスを駆動している。
(注5)POC
概念実証のこと。プロジェクト開始前に、コンセプトの実効性検証を行うもの
(2)財政状態の分析
(流動資産)
当第3四半期連結会計期間末における流動資産は、前連結会計年度末より940,191千円増加し、3,261,159千円となりました。これは主に、現金及び預金の増加747,041千円があったことによるものであります。
(固定資産)
当第3四半期連結会計期間末における固定資産は、前連結会計年度末より427,960千円増加し、1,922,986千円となりました。これは主に、新規事務所開設に伴う有形固定資産の増加302,420千円、投資有価証券の増加256,955千円及び旧事務所敷金の精算による差入保証金の減少125,689千円によるものであります。
(繰延資産)
当第3四半期連結会計期間末における繰延資産は、前連結会計年度末より531千円減少し、1,086千円となりました。これは主に、償却に伴う減少によるものであります。
(流動負債)
当第3四半期連結会計期間末における流動負債は、前連結会計年度末より76,112千円増加し、1,249,662千円となりました。これは主に、1年内返済予定の長期借入金の増加15,592千円、その他流動負債の増加106,210千円及び未払法人税等の減少59,897千円によるものであります。
(固定負債)
当第3四半期連結会計期間末における固定負債は、前連結会計年度末より78,526千円増加し、1,060,738千円となりました。これは主に、その他固定負債の増加187,209千円及び長期借入金の返済による減少108,683千円によるものであります。
(純資産)
当第3四半期連結会計期間末における純資産は、前連結会計年度末より1,212,981千円増加し、2,874,831千円となりました。これは主に、資本金及び資本剰余金の増加1,063,397千円及び利益剰余金の増加63,129千円、非支配株主持分の増加53,927千円によるものであります。
(3)経営方針・経営戦略等
平成30年8月14日開催の取締役会において下記経営理念を策定しております。
「先進のテクノロジーと最適な選択で成功を共有する」
・私たちは一歩先ゆく確かな技術で、最も信頼されるパートナーを目指します
・確かな技術力のある社員が、常に先進のテクノロジーとその価値を追求し、お客様にとっての最適を探求します
・先進技術の追求による期待を超えるチャレンジと、お客様にとってのベストを誠実に探究することによる信頼の両輪で、お客様を成功に導き、その成功をステークホルダーと享受します
(4)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループの事業上及び財務上の対処すべき課題について新たに発生した重要な課題及び重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
該当事項はありません。
(6)従業員数
該当事項はありません。