有価証券報告書-第12期(2023/04/01-2024/03/31)

【提出】
2024/06/25 15:12
【資料】
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【項目】
160項目
②戦略(リスクと機会)
2050年の長期的な時間軸において、気候変動に伴うリスクと機会を特定するため、2つのシナリオ(1.5-2℃シナリオと4℃シナリオ)を考慮したシナリオ分析を実施しています。
A.シナリオ分析の対象製品
財務やCO2排出量に大きく影響する当社の主要製品を優先してシナリオ分析を実施しています。2022年度は、「反射防止フィルム」「異方性導電膜(ACF)」「光学弾性樹脂(SVR)」「表面実装型ヒューズ」に加え、子会社のDexerials Precision Components株式会社(注)が製造する「無機光学デバイス(無機波長板、無機偏光板、無機拡散板)」を追加して、シナリオ分析を行いました。
(注)Dexerials Precision Components株式会社および株式会社京都セミコンダクターは、2024年4月1日付で統合し、商号をデクセリアルズフォトニクスソリューションズ株式会社に変更しております。
0102010_003.png※2023年度実績は2024年11月発行予定の『デクセリアルズ統合レポート2024』にて開示予定
B.シナリオの設定
リスク、機会の項目に関する客観的な将来情報から当社グループへの影響を考察し、当社グループを取り巻く将来のシナリオを検討しました。
設定
シナリオ
1.5-2℃シナリオ4℃シナリオ
概要・脱炭素への取り組みが進展した結果、産業革命前の水準からの平均気温上昇が今世紀末までに2℃未満に抑えられている脱炭素社会、循環型社会の実現に向けた動きが加速する。・脱炭素への取り組みが進展せず、産業革命前の水準からの平均気温上昇が今世紀末までに2℃を超える。
参照
シナリオ
・IEA World Energy Outlook Sustainable Development Scenario
・IEA World Energy Outlook Net Zero Emissions by 2050
・IPCC AR6 WG1 SSP1-1.9
・IPCC AR6 WG1 SSP1-2.6 など
・IEA World Energy Outlook Stated Policies Scenario
・IPCC AR6 WG1 SSP5-8.5 など

C.気候関連のリスク・機会と主な取り組み
シナリオ分析の対象製品に対して、気候関連のリスクと機会を特定し、事業に大きな影響を与える可能性のある重要なリスクと機会を抽出し、それらに対する取り組みについて検討を進めています。
社会環境の変化事業への影響リスク機会主な取り組み
低炭素経済への移行
(1.5-2℃)
炭素価格の上昇・炭素税の導入に伴う製造
および輸送コストの増加
・再生可能エネルギーの利用や低炭素燃料への転換
・省エネの推進
・製造歩留まりの改善
温室効果ガス
排出削減に
関する規制強化
・省エネ、再生可能エネルギーへの対応コストの増加
・環境負荷を低減する製品や
サービスの需要の増大
・環境負荷の少ない製品の開発と普及促進
・政策動向の情報収集
脱炭素社会、
循環型社会関連技術の進展
・低炭素/脱炭素技術や
資源循環への対応の
遅れによる機会損失が発生
・リデュース、リユース、リサイクルの検討
・低炭素/脱炭素関連技術の情報収集
バイオ、
リサイクル
原材料への
シフト
・化石由来原材料の調達が
困難、またはコストが増加
・バイオ、リサイクル原材料の
実用化に伴い、バイオ、リサイクル原材料を
利用しやすくなる
・バイオ、リサイクル原材料の導入検討
・バイオ、リサイクル関連市場と技術の情報収集
省エネ、
省資源化の促進
・省エネ、省資源対応製品の
需要の増大
・省エネ、省資源化に対するソリューションの提供
スマート社会の実現・ディスプレイ、
XRコンテンツ、センサー、通信機器、バッテリー用途の
デバイスの需要の増大
・ディスプレイ、
XRコンテンツ、センサー、通信機器、バッテリー等のデバイス向け製品の
開発促進および市場拡大
次世代
モビリティの
普及および
市場拡大
・車載用のディスプレイ、
センサー、通信機器、バッテリー用デバイスの
需要の増大
物理的変化
(4℃)
気象災害の
甚大化
・修復コストの増加
・サプライチェーンの
寸断による操業停止の増加
・事業継続計画(BCP)の強化
・原材料、製品の在庫管理の検討
平均気温の上昇・気温上昇への対応コストの
増加
・空調コスト低減の検討
・省エネの推進
気温上昇、災害の増加、感染症の拡大等に伴い、ライフスタイルが変化・リモートワーク、在宅ワーク、ステイホームの広がりによるディスプレイ関連の需要の増大・製品ラインナップの拡充

D.事業インパクト評価
1.5-2℃シナリオでは、温室効果ガス排出量の規制強化により、カーボンプライシング、エネルギー、原材料などのコストが増加しますが、スマート社会への移行によるデジタル化や、自動車のEV化による自動車内装のデジタル化の進展、AR/VRやメタバース市場の成長によりディスプレイの需要が高まることで、「反射防止フィルム」「異方性導電膜(ACF)」「光学弾性樹脂(SVR)」「無機光学デバイス」の売上機会が拡大します。また、家電製品や電動工具などに使用される二次電池の市場の拡大によりリチウムイオンバッテリーの需要増加が見込まれるため、二次保護用の「表面実装型ヒューズ」の売上機会も拡大し、持続的な成長が想定されます。一方、4℃シナリオでは化石燃料への依存が続き、化石燃料の需要増加に伴うエネルギーや原材料のコストの増加やスマート社会への移行の進みが遅くなることにより売上機会の喪失につながり、成長の鈍化が想定されます。今後もシナリオ分析の対象製品を拡大し、財務インパクトの評価を進めていきます。
[2030年度の予想財務インパクトのイメージ]
1.5-2℃シナリオ
0102010_004.jpg4℃シナリオ
0102010_005.jpg※2025年3月期より、当社グループの連結財務諸表について、国際財務報告基準(IFRS)を任意適用します。
当社グループでは、事業利益を本業から創出される利益と位置づけ、日本基準の営業利益に相当する利益として設定しています。

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