有価証券報告書-第19期(平成30年8月1日-令和1年7月31日)

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2019/10/30 15:37
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(1)経営成績等の状況の概要
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という)の状況の概要、及び経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況及び分析
当事業年度における我が国経済は、内閣府の2019年8月の月例経済報告によると、景気について、「輸出を中心に弱さも見られるが、緩やかに回復している。」とされております。先行きについては、「当面、弱さが残るものの、雇用・所得環境の改善が続くなかで、各種政策の効果もあって、緩やかな回復が続くことが期待される。ただし、通商問題を巡る緊張の増大が世界経済に与える影響に注意するとともに、中国経済の先行き、海外経済の動向と政策に関する不確実性、金融資本市場の変動の影響に留意する必要がある。」とされております。
当社がUGCサービス事業(注1)を展開するインターネット関連業界におきましては、『消費動向調査』(内閣府経済社会総合研究所)によりますと、2019年のスマートフォン世帯普及率は78.4%(前年比3.2%増)と普及が進んでおり、今後もスマートフォン市場は緩やかに拡大していくものと予測されます。また、2018年7月度に総務省情報通信政策研究所が公表した『平成29年情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書』によりますと、「全世代では、テレビの視聴時間がもっとも長く、平日159.4分、休日214.0分だが減少傾向にある。一方、テレビに続くインターネットは、平日100.4分、休日123.0分だが増加傾向にある。40代のインターネット利用者の行為者率、つまり使っている人の割合は、平日、休日ともに初めてテレビのリアルタイム視聴を上回った」とされており、インターネットの存在がテレビと肩を並べつつあり、今後もインターネットを取り巻くマーケットサイズは拡大していくものと予測しております。
このような事業環境のもと、当社におきましては、自社で開発したユーザー参加型サービス群を「コンテンツプラットフォームサービス」と位置付け、その運営を通して培われた技術力やユーザーコミュニティを活かし、法人顧客向けに「コンテンツマーケティングサービス」、「テクノロジーソリューションサービス」をサービス領域として提供しております。
コンテンツプラットフォームサービスにおいては、「はてなブログ」、「人力検索はてな」等に対するGoogleなど検索エンジン経由の来訪者が伸び悩んだものの、主力サービスとなっている「はてなブログ」の登録ユーザー数や、月間ユニークブラウザ数(注2)が順調に推移し、「はてなブログ」の有料プラン「はてなブログPro」等の課金売上についても好調に推移しました。
その結果、コンテンツプラットフォームサービスの売上高は、581,326千円(前年比1.2%増)となりました。
コンテンツマーケティングサービスにおいては、BtoB向けストック型を中心に事業展開いたしました。当社が提供する「はてなブログMedia」サービスにおいて、使いやすい操作画面、高いシステム安定性、検索エンジンから評価されやすいサイト構造を実現するため、機能強化に努めてまいりました。Googleが業界各社と協力して開発を進める「モバイル環境でWebコンテンツの表示を高速化するプロジェクト」であるAMP(Accelerated Mobile Pages)に国産CMS(注3)としてはいち早く対応し、大手企業、ベンチャー企業を問わず、幅広い企業層に対してサービス提供実績を積み上げてまいりました。また、前事業年度より、提供サービスプランに「レギュラー」「ライト」の2プラン制を導入する等、販売機会の更なる獲得に努めた結果、新規導入のオウンドメディアの媒体メディア数が増加しました。また、媒体メディアに掲載されるネイティブ広告、バナー広告等の広告売上についても、「はてなブログMedia」の運用媒体数の増加に伴い、堅調に推移いたしました。
その結果、コンテンツマーケティングサービスの売上高は852,105千円(前年比16.2%増)となりました。
テクノロジーソリューションサービスにおいては、主に受託サービスとサーバー監視サービス「Mackerel(マカレル)」から構成されております。受託サービスについては、Webマンガサービスに特化した当社開発のマンガビューワ(GigaViewer)が、ビューワ機能提供開始以降、「少年ジャンプ+」「となりのヤングジャンプ」(サービス提供者:株式会社集英社)、「マガジンポケット」「コミックDAYS」(サービス提供者:株式会社講談社)、「くらげバンチ」(サービス提供者:株式会社新潮社)、「ヒーローズ」(サービス提供者:株式会社ヒーローズ)、「コミックボーダー」(サービス提供者:株式会社リイド社)、「コミックガルド」(サービス提供者:株式会社オーバーラップ)の合計8サービスに採用されました。ユーザー向けの各種機能に加え、サービス提供者のサービス運用コストの削減に貢献する管理機能の継続的な機能開発や、マンガビューワに掲載する広告の販売と運用に注力しました。また、任天堂株式会社のNintendo Switchソフト「大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL」(注4)の一部機能の開発、「大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL」に連動したゲーム専用のスマートフォンサービス「スマプラス」(注5)等、受託開発案件の納品及び検収が複数完了し、収益認識にいたりました。保守運用サービスでは、納品済受託開発案件の積上による運用数の増加により、前年比34.6%増の売上成長となりました。「Mackerel(マカレル)」については、AWS(アマゾンウェブサービス)のパートナー制度「AWS パートナーコンピテンシープログラム」において、「AWS DevOps コンピテンシー」認定を、当社が国内企業で初めて取得しております。世界190か国以上、数百万のアカウントを持つクラウドサービスであるAWSの顧客企業に対し、「Mackerel(マカレル)」の拡販を目指してまいりました。また、クラスメソッド株式会社との間で、販売店契約を締結いたしました。AWS最上位コンサルティングパートナーである同社とのパートナーシップにより、「Mackerel(マカレル)」の販売を強化するとともに、「クラスメソッドメンバーズ」の監視オプションに「Mackerel(マカレル)」が採用され、同社の顧客企業の開発・運用プロセスの効率化に貢献してまいりました。さらに、新機能として、2019年2月に「Mackerelコンテナエージェント」をβリリースし、同年7月に正式リリースしました。本機能は、仮想化技術のひとつであり、ニーズが高まる「コンテナ」の監視に対応したものです。また、2019年3月に「ロール内異常検知」をβリリースし、同年8月に有料オプションとして正式リリースいたしました。「ロール内異常検知」は、機械学習を活用した新機能であり、当該機能により、複雑だった監視ルールの設定とメンテナンスを要さずに、簡単な監視項目の設定のみでサーバーの異常検知が可能となりました。
その結果、テクノロジーソリューションサービスの売上高は、1,087,021千円(前年比38.4%増)となりました。
また、企業価値の向上への取り組みに対し、次の営業費用を重点的に資本投下いたしました。まず、コンテンツプラットフォームサービスにおいて、前事業年度に引き続き、ITインフラの刷新プロジェクトを展開いたしました。インフラ移行に合せて、レガシーサービス「はてなダイアリー」を後継サービス「はてなブログ」へ統合が完了し、今後の開発効率向上に向けての体制強化に繋がりました。その結果、データセンター利用料が増加し、前年比6.7%増となりました。次に、中長期的な事業成長に備えるため、当社サービスの中核を担う人財の採用を、前事業年度に引き続き推進いたしました。その結果、給料及び手当が増加し、前年比17.1%増となりました。
以上の結果、当事業年度の売上高は2,520,452千円(前年比20.5%増)、営業利益は452,442千円(同41.5%増)、経常利益は449,507千円(同34.1%増)、当期純利益は327,630千円(同39.6%増)となりました。いずれの利益額も2001年の創業来、最高額となりました。
なお、当社はUGCサービス事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載はしておりません。
(注)1.User Generated Contentの略。インターネット上で利用者自身がテキストや画像、映像などのコンテンツを発信することができる場を提供するサービス。
2.ある一定期間内にWEBサイトにアクセスした、重複のないブラウザ数。1人のユーザーが何度でも同じWEBサイトを訪れても1人と数えられる。「訪問数」ではなく、「訪問者数」を表し、WEBサイトの人気や興味の度合いを判断する指標。
3.Contents Management Systemの略。HTMLやCSSのようなWEBサイトの制作に必要な専門知識を必要とせず、テキストや画像等の情報を入力するだけで、サイト構築を自動的に行うことができるシステム。
4.人気対戦型アクションゲームシリーズの最新タイトル。2018年12月7日に発売され、販売数500万本を歴代ゲームソフトで最速となる1週間で突破した、大人も子供も楽しむことのできるゲームソフト。
5.ゲーム内の機能を使ってユーザーが制作・投稿した「動画」「静止画」「ステージ」等が日々更新され、ゲームをより楽しくするコンテンツを閲覧することができるサービス。
(2)キャッシュ・フローの状況
当事業年度末の現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は前事業年度に比べ、371,926千円増加し、1,259,367千円となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの増減要因は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、獲得した資金は496,952千円(前年は176,134千円の収入)となりました。
これは主に、増加要因として、税引前当期純利益449,907千円の計上があったこと、減少要因として、法人税等の支払額83,422千円があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、使用した資金は148,468千円(前年は258,092千円の支出)となりました。
これは主に、無形固定資産の取得による支出97,252千円、投資有価証券の取得による支出89,498千円があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、獲得した資金は21,812千円(前年は6,855千円の収入)となりました。
これは主に、新株予約権の行使による株式の発行による収入22,059千円があったことによるものであります。
(3)生産、受注及び販売の実績
(a)生産実績
当社は生産を行っておりませんので、該当事項はありません。
(b)受注実績
当事業年度の受注実績をサービスごとに示すと、次のとおりであります。
サービスの名称当事業年度
(自 2018年8月1日
至 2019年7月31日)
受注高
(千円)
前年同期比
(%)
受注残高
(千円)
前年同期比
(%)
テクノロジーソリューションサービス278,75092.6200,50089.0
合計278,75092.6200,50089.0

(注)1. 上記の金額には消費税等は含まれておりません。
2. 金額は、販売価格によっております。
3. コンテンツプラットフォームサービス、コンテンツマーケティングサービスは受注によらないため、記載はしておりません。
4.当社は単一セグメントであるため、サービスごとに記載しております。
(4)販売実績
当事業年度の販売実績をサービスごとに示すと、次のとおりであります。
サービスの名称当事業年度
(自 2018年8月1日
至 2019年7月31日)
販売高(千円)前年同期比(%)
コンテンツマーケティングサービス852,105116.2
コンテンツプラットフォームサービス581,326101.2
テクノロジーソリューションサービス1,087,021138.4
合計2,520,452120.5

(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.当社は単一セグメントであるため、サービスごとに記載しております。
3.最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先前事業年度
(自 2017年8月1日
至 2018年7月31日)
当事業年度
(自 2018年8月1日
至 2019年7月31日)
金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)
任天堂株式会社84,2594.0215,8508.6
株式会社エフレジ153,3327.3262,70510.4

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
(1)重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたって、決算日における資産・負債の報告数値及び報告期間における収益・費用の報告数値に影響を与える見積り及び仮定設定を行わねばなりません。経営者は、債権、たな卸資産、投資、繰延税金資産等に関する見積り及び判断について、継続して評価を行っており、過去の実績や状況に応じて合理的と思われる様々な要因に基づき、見積り及び判断を行っております。また、その結果は資産・負債の簿価及び収益・費用の報告数字についての判断の基礎となります。実際の結果は、見積り特有の不確実性のため、これらの見積りと異なる場合があります。
(2)当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等につきましては、当社が重視している経営指標は、売上高、営業利益及び経常利益であります。
主要3サービスのシナジー効果を最大限に活用しつつ、売上高、営業利益及び経常利益を継続的に成長させることにより、企業価値の向上、株主価値の向上を目指してまいりました。当社は、経営方針に則った業績目標について、2018年9月13日に業績予想値を公表し、2019年5月31日に業績予想値を修正いたしました。当社が定める経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況については次のとおりです。
なお、経営成績の分析につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要」に記載のとおりであります。
(単位:千円)
区分売上高営業利益経常利益当期純利益
業績予想値(A)2,524,761441,725443,529302,983
実績(B)2,520,452452,442449,507327,630
増減(B-A)△4,30910,7175,97824,646
増減率(%)△0.22.41.38.1

当社の資本の財源及び資金の流動性については次のとおりであります。当社における事業活動のための資金の財源として、主に手元の資金と営業活動によるキャッシュ・フローによっております。資金の手元流動性については現金及び預金1,281,095千円と月平均売上高に対し6.1ヶ月分であり、当社における資金の流動性は十分確保されていると考えております。なお、当事業年度末時点において、有利子負債残高はありません。
運転資金需要のうち主なものは、人件費やデータセンター利用料等の営業費用、法人税等の税金費用であります。また、投資を目的とした資金需要の主なものは、ITインフラ設備や事務所設備等の設備投資であります。
当社は、事業運営上、必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。そのため、より一層の事業拡大を継続することに備え、金融機関からの借入により調達することを目的として、取引銀行5行との間で、総額1,000,000千円の当座貸越契約を締結しております。借入に関しては、経常的な運転資金需要の場合には、短期借入を基本方針とし、多額の設備投資需要の場合には、長期借入を基本方針としております。また、金利コストの最小化を図れるような調達方法を検討し、対応してまいります。
また、当社は、フリーキャッシュ・フローを営業活動より獲得されたキャッシュ・フローと投資活動により支出されたキャッシュ・フローの合計と定義しております。当社の経営者は、この指標を戦略的投資または負債返済に充当可能な資金の純額、あるいは資金調達にあたって外部借入への依存度合いを測る目的から、投資家に有用な指標であると考えており、以下の表のとおり、フリーキャッシュ・フローを算出しています。
(単位:千円)
区分前事業年度
(自 2017年8月1日
至 2018年7月31日)
当事業年度
(自 2018年8月1日
至 2019年7月31日)
増減
営業活動によるキャッシュ・フロー176,134496,952320,818
投資活動によるキャッシュ・フロー△258,092△148,468109,624
フリーキャッシュ・フロー△81,958348,484430,442

なお、経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
(3) 財政状態の分析
(資産)
流動資産は1,715,063千円となり、前事業年度末に比べ、468,196千円増加いたしました。
これは主に、増加要因として現金及び預金が393,654千円増加したことによるものであります。
固定資産は595,183千円となり、前事業年度末に比べ、16,351千円増加いたしました。
これは主に、増加要因としてソフトウエアが47,634千円増加したことによるものであります。
(負債)
流動負債は399,119千円となり、前事業年度末に比べ、135,991千円増加いたしました。
これは主に、増加要因として未払法人税等が36,596千円増加したことによるものであります。
固定負債は29,857千円となり、前事業年度末と比べ、188千円増加いたしました。
これは、増加要因として資産除去債務が188千円増加したことによるものであります。
(純資産)
純資産は1,881,269千円となり、前事業年度末に比べ、347,633千円増加いたしました。
これは主に、増加要因として資本金及び資本準備金がそれぞれ11,029千円増加したこと、当期純利益を327,630千円計上したことによるものであります。
(4) 経営成績等の状況に関する分析
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
(売上高)
当事業年度の売上高は2,520,452千円となり、前事業年度に比べ、428,042千円増加いたしました。これは主に、コンテンツプラットフォームサービスにおける課金売上や、コンテンツマーケティングサービスにおける「はてなブログMedia」サービス売上、テクノロジーソリューションサービスにおける受託開発売上や保守運用売上、「Mackerel(マカレル)」サービス売上が堅調に推移したことによります。
(売上原価、売上総利益)
当事業年度の売上原価は231,726千円となり、前事業年度に比べ、58,653千円増加いたしました。これは主に、テクノロジーソリューションサービスに関する製造原価の増加やソフトウエアの減価償却費によるものであります。
この結果、当事業年度の売上総利益は2,288,725千円となり、前事業年度に比べ369,388千円増加いたしました。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
当事業年度の販売費及び一般管理費は1,836,282千円となり、前事業年度に比べ、236,597千円増加いたしました。これは主に、給料及び手当98,728千円の増加、法定福利費19,707千円の増加、データセンター利用料26,903千円の増加によるものであります。
この結果、当事業年度の営業利益は452,442千円となり、前事業年度に比べ、132,790千円増加いたしました。
(営業外損益、経常利益)
当事業年度の営業外収益は1,864千円となり、前事業年度に比べ、15,146千円減少いたしました。これは主に、前事業年度に、為替差益5,869千円の計上、保険解約返戻金9,135千円の計上があったことによるものであります。
当事業年度の営業外費用は4,798千円となり、前事業年度に比べ、3,229千円増加いたしました。これは主に、当事業年度に、為替差損3,915千円の計上があったことによるものであります。
この結果、当事業年度の経常利益は449,507千円となり、前事業年度に比べ、114,415千円増加いたしました。
(特別損益、当期純利益)
当事業年度の特別利益は590千円となり、前事業年度に比べ、10,931千円減少いたしました。これは主に、前事業年度に、事業譲渡益10,956千円の計上があったことによるものであります。
当事業年度の特別損失は191千円となり、前事業年度に比べ、12,010千円減少いたしました。これは主に、前事業年度に、従業員の退職一時金5,837千円の計上、関係会社整理損4,050千円の計上があったことによるものであります。
この結果、当事業年度の当期純利益は327,630千円となり、前事業年度に比べ、92,923千円増加いたしました。
(5) キャッシュ・フローの状況の分析
当事業年度末の現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は前事業年度に比べ、371,926千円増加し、1,259,367千円となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの増減要因は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、獲得した資金は496,952千円(前年は176,134千円の収入)となりました。
これは主に、増加要因として、税引前当期純利益449,907千円の計上があったこと、減少要因として、法人税等の支払額83,422千円があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、使用した資金は148,468千円(前年は258,092千円の支出)となりました。
これは主に、無形固定資産の取得による支出97,252千円、投資有価証券の取得による支出89,498千円があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、獲得した資金は21,812千円(前年は6,855千円の収入)となりました。
これは主に、新株予約権の行使による株式の発行による収入22,059千円があったことによるものであります。
(参考)キャッシュ・フロー関連指標の推移
2018年7月期2019年7月期
自己資本比率(%)84.081.4
時価ベースの自己資本比率(%)263.4489.6
キャッシュ・フロー対有利子負債比率(%)--
インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)-3,349.7

自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
(注)1.株式時価総額は、自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。
2.キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しております。
3.有利子負債がないため、キャッシュ・フロー対有利子負債比率は記載しておりません。
(6) 経営成績に重要な影響を与える要因について
当社の財政状態及び経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
(7) 戦略の現状と見通し
当社は『「知る」「つながる」「表現する」で新しい体験を提供し、人の生活を豊かにする』をミッションに掲げ、「技術で支えられているサービスを提供する会社」として技術を磨き、インターネット領域において様々なサービス提供を行っております。
当社は今後も拡大されることが予想されるIT市場において、競争優位性を確保するために、顧客企業に対して高付加価値を提供するサービスの創造に鋭意努めてまいります。また、より強固なポジションを獲得するために、開発体制及び営業体制の強化を重要な戦略と認識し、事業の拡大に取り組んでまいります。
(8) 経営者の問題意識と今後の方針について
当社が今後業容を拡大し、より高品質なサービスを継続提供していくためには、経営者は「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載の様々な課題に対処していく必要があると認識しております。それらの課題に対応するため、経営者は常に市場におけるニーズや事業環境の変化に関する情報の入手及び分析を行い、現在及び将来における事業環境を認識したうえで、当社の経営資源を最適に配分し、最適な解決策を実施していく方針であります。