有価証券報告書-第24期(2023/08/01-2024/07/31)
(1)経営成績等の状況の概要
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という)の状況の概要、及び経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
また、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
① 我が国経済と当社を取り巻く事業環境の概況
当事業年度における我が国経済は、内閣府の2024年7月の月例経済報告によると、「景気は、このところ足踏みもみられるが、緩やかに回復している」とされております。先行きについては、「雇用・所得環境が改善する下で、各種政策の効果もあって、緩やかな回復が続くことが期待される。ただし、欧米における高い金利水準の継続や中国における不動産市場の停滞の継続に伴う影響など、海外景気の下振れが我が国の景気を下押しするリスクとなっている。また、物価上昇、中東地域をめぐる情勢、金融資本市場の変動等の影響に十分注意する必要がある」とされております。
UGCサービス事業(注1)を展開するインターネット関連業界におきましては、『消費動向調査(令和6(2024)年3月実施分)』(内閣府経済社会総合研究所)によりますと、スマートフォン世帯普及率は93.8%(前年比1.2ポイント増)と普及が進んでおり、スマートフォン市場は微増していくものと予測されます。また、2024年6月に総務省情報通信政策研究所が公表した『令和5年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書』によりますと、休日のインターネット利用の平均利用時間はテレビ視聴の平均利用時間を全年代で超過しており、「休日のインターネット利用の平均利用時間が、初めて200分を超過」、「スマートフォンの利用率は全年代で97.5%と高い水準にあり、ほぼ100%となっている」とされており、インターネットの情報通信メディアとしての存在がテレビと肩を並べ、今後もスマートフォンなどの機器の保有・利用により、インターネットを取り巻くマーケットサイズは拡大していくものと予測しております。更に、『2023年 日本の広告費』((株)電通)によりますと、「2023年の日本の総広告費は、通年で前年比103.0%の7兆3,167億円で、新型コロナウイルス感染症の5類感染症移行に伴うリアルイベントの開催数増加や国内外の観光・旅行の活性化等も相まって、1947年に推定を開始して以降、過去最高を更新した。インターネット広告費(インターネット広告媒体費、物販系ECプラットフォーム広告費、インターネット広告制作費の合算)は、進展する社会のデジタル化を背景に堅調に伸長し、総広告費に占める構成比は45.5%に達した」とされております。インターネット広告媒体費は2024年も堅調に推移し、全体で前年比108.4%の2兆9,124億円まで増加すると予測されております。
このような事業環境のもと、当社におきましては、自社で開発したユーザー参加型サービス群を「コンテンツプラットフォームサービス」と位置づけ、その運営を通して培われた技術力やユーザーコミュニティを活かし、法人顧客向けに「コンテンツマーケティングサービス」、「テクノロジーソリューションサービス」をサービス領域として提供しております。市場環境の変化や、それに伴う経済的予測等を鑑み、人的資本や知的財産、資金等の経営資源を各サービスへ効率的に配分することで、経営の機動力の向上を図ってまいります。
② 業績の概況
(ⅰ)サービス別の販売動向
<コンテンツプラットフォームサービス>コンテンツプラットフォームサービスでは、ユーザーがコンテンツを発信、拡散するUGCサービスとして、「はてなブログ」「はてなブックマーク」などのサービスを展開しております。主力サービスとなっている「はてなブログ」の登録ユーザー数は順調に増加しました。一方、「はてなブログ」の個人向け有料プラン「はてなブログPro」などについては、各種SNSの普及による競争激化も相まって、「はてなブログPro」の契約件数が減少したことなどの影響で、課金売上は低調に推移しました。今後は、CtoC課金サービスの強化を目的として、ブログ記事の有料販売に対応するなど、ユーザーの収益獲得を支援するとともに、ブログのサービス向上につながる取組みとして、2023年12月に公開した「AIタイトルアシスト」に続けて、AIを活用した新機能をリリースすることで、景気動向やトレンドに左右されやすい広告収入をカバーしつつ、売上成長を図ってまいります。
コンテンツプラットフォームサービス上に掲載するアドネットワーク広告については、広告枠を提供したい数多くの広告媒体の運営事業者との間で、広告を出稿したい数多くの広告主を集めた広告配信ネットワーク(アドネットワーク(注2))が形成されるなど、関係者は増加傾向にあり、各事業者の関与の仕方は、複雑なものとなっております。このような事業環境の中で、広告単価の下落などを要因として、売上は伸び悩みました。
以上の結果、コンテンツプラットフォームサービスの売上高は、363,954千円(前年同期比13.6%減)となりました。
<コンテンツマーケティングサービス>コンテンツマーケティングサービスでは、BtoB向けストック型ビジネスとして、CMS(注3)である「はてなブログMedia」を活用したオウンドメディア(企業が顧客などに向けて伝えたい情報を発信するための自社メディア)の構築・運用支援サービスや、「はてなブログ」などのUGCサービスを活用したネイティブ広告、バナー広告、タイアップ広告などを展開しております。
デジタルマーケティングを目的としたオウンドメディアの開設が活発化している昨今の市場環境において、フルサービスを提供する「レギュラープラン」はもとより、廉価版としての位置づけである「ライトプラン」、自社で求める人材の獲得や、働き方改革に関する情報発信や社員インタビューなど、採用マーケティングの一環として素早く安価にオウンドメディアを立ち上げられる「採用オウンドメディアプラン」を新たな軸としてサービス訴求してまいりました。また、販売戦略として、ニーズが旺盛な人材採用関連市場への販売チャネルを強化すべく、人材関連企業による代理販売を通じて新たな顧客にアプローチして新規導入のメディア数の増加を図りました。一方で、一部の個別案件において、広告・マーケティング予算が縮減されたことによる広告出稿の手控えにより、継続的な受注に至らなかったことなどから、厳しい販売環境となりました。その結果、「はてなブログMedia」の運用数合計は142件(前期末比変動なし)となりました。今後は、2024年7月にサービス開始した、生成AIを活用して制作する記事のアイデアや構成案を提案する「AIコンテンツアシスト」機能を更に改善するなど、「はてなブログMedia」の改良を進めて導入件数増を図り、また従来よりも直接的に顧客の事業に貢献できるメディア運用メニューのサービスを拡充していくなどの効果的なアップセル施策によってメディア当たり売上単価の向上を図ることで、売上成長を目指してまいります。
以上の結果、コンテンツマーケティングサービスの売上高は、636,093千円(前年同期比8.8%減)となりました。
<テクノロジーソリューションサービス>テクノロジーソリューションサービスでは、受託サービスとして顧客独自のネットワークサービスに関する企画・開発・運用の受託と、ビッグデータサービスとしてBtoB向けストック型ビジネスであるサーバー監視サービス「Mackerel(マカレル)」を展開しております。
今後の成長の柱と位置づけるアプリマンガサービスに向けたマンガビューワ「GigaViewer for Apps」について、2024年3月28日に「少年ジャンプ+」(サービス提供者:(株)集英社)に搭載を開始しました。「少年ジャンプ+」iOS版/Android版は、ダウンロード数が2,700万を超える巨大なサービスであり、本事業年度の第4四半期途中から本格的に業績貢献が始まり、この効果は2025年7月期以降についても引き続き継続すると見込んでおります。Webマンガサービスに向けたマンガビューワ「GigaViewer for Web」については、「コミックアース・スター」(サービス提供者:(株)アース・スターエンターテイメント)・「コミックバンチkai」(サービス提供者:(株)新潮社)・「OURFEEL」(サービス提供者:(株)シュークリーム)の3サービスに搭載されました。「GigaViewer」はアプリ版・Web版合計16社、搭載累計25サービスと増加し、売上は堅調に推移いたしました。出版業界の調査研究機関である公益社団法人全国出版協会・出版科学研究所の発表によると、出版市場における2023年の電子コミック市場は前年比7.8%増の4,830億円と規模が拡大しております 。このような市場環境において 、「GigaViewer for Web」・「GigaViewerfor Apps」の利便性や広告運用を含めたソリューションは、顧客から評価されており、既にデファクトスタンダードを獲得したWeb版の導入メディアに対して、アプリ版の導入を推進してまいります。一般にアプリ版はWeb版よりもコンテンツの閲覧数や販売額が大きいことから、開発・運用料のみならず、レベニューシェア(広告・課金収益など)の収益の大幅な拡大に資するものと捉え、注力してまいります。
受託サービスについては、契約における取引開始日から完全に履行義務を充足すると見込まれる時点までの期間がごく短い場合の受託開発案件については、完全に履行義務を充足した一時点で収益を認識しました。ごく短い場合を除いた受託開発案件については 、履行義務の充足につれて一定期間にわたり収益 を認識しました。任天堂(株)のNintendo SwitchTMソフト『スプラトゥーン3』のプライベートマッチ機能を利用した大会支援サービス「タイカイサポート」や(株)集英社の「少年ジャンプ+」のアプリサービス開発など、複数の受託開発案件で成果物の納品及び検収が完了しました。保守運用サービスについては、運用案件数の積上げにより、売上成長に繋がりました。
「Mackerel(マカレル)」については、AWS(アマゾンウェブサービス)のパートナー制度「AWS パートナーコン
ピテンシープログラム」において、「AWS DevOps コンピテンシー」認定を、当社が国内企業で初めて取得しております。さらに、「AWS Partner Network(APN)Award2019」において、「Mackerel(マカレル)」を通じたAWSへのビジネス貢献が評価され、「APN Technology Partner of the Year 2019 - Japan」を受賞いたしました。更に、2024年2月には、顧客のワークロードのAWSへの移行を加速させる戦略及び実行に貢献するとAWSが判断したサービスをパートナーとして認定する「AWS ISVワークロード移行プログラム」パートナー認定を日本企業で初めて取得いたしました。これにより、AWSの中で、サーバー監視サービスとしての認知度が向上し、更なる導入実績の積上げを図ることができました。同じく2月には、情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)の認証を取得し、情報セキュリティ管理の実践において国際的に認められた基準に適合していることを示すにいたりました。今後は、AWSなどの大手クラウドプラットフォーマーのサービスを活用している顧客が、「Mackerel(マカレル)」を簡単に利用、運用しやすくなる「インテグレーション機能」をさらに充実させることで、利用開始の心理的ハードルの引き下げに注力していくとともに、販路拡大のためのパートナー拡充にも継続的に取り組んでまいります。2022年11月においては、AWSのパートナー制度「AWS Graviton Ready」においても同様に、当社が国内企業で初めて認定を取得するなど、大型顧客の獲得やパートナーセールスを主軸とした販売戦略、「次世代Mackerel(マカレル)アーキテクチャー(注4)」の開発により、更なる売上成長を図ってまいります。
以上の結果、テクノロジーソリューションサービスの売上高は、2,309,374千円(前年同期比13.7%増)となりました。
(ⅱ)利益の概況
当事業年度を将来の成長基盤の更なる強化に向けた『先行投資期間』と位置づけ、費用投下いたしました。
営業費用(売上原価と販売費及び一般管理費の合計)については3,241,253千円(前年同期は2,976,888千円)となりました。営業費用は増加しておりますが、概ね期初計画の範囲内であります。
主な増減要因としては、広告宣伝手法の見直しに伴う広告宣伝費の減少や、フレキシブルワークスタイル制度の恒 久化に伴う諸管理費用の減少があった一方、テクノロジーソリューションサービスにおける広告運用売上の増加に伴 って発生する広告運用原価や、主要3サービスの拡張と新たなサービスの創出のため、人材投資を積極的に行った結 果、給与手当等の労務費が増加しました。人的資本への経営資源の配分は、当社が将来にわたり、競争優位性を確保 するために、収益基盤の確立に向けた重要投資として位置づけております。また、外貨建決済が必要なデータセンタ ー利用料について、サービスの伸長に伴う外貨建の利用料そのものの伸長要因と、2024年6月まで為替相場について 円安傾向が続いていたことから、外貨建の利用料を円換算した場合の円ベースでの押上要因が相まって、費用増加と なりました。為替相場は、為替介入の実施や、日本銀行が2024年7月の金融政策決定会合において政策金利の引き上 げを発表したことを受け、ますます不確定要素が強くなっております。これら外的要因に備え、外貨建予定取引につ いては、一定のタイミングでの為替予約や通貨オプションなどのデリバティブ取引を活用し、急激な為替変動に対す るヘッジ行為を適切に行ってまいります。
営業外損益や特別損益については、受取利息及び配当金4,473千円の計上、為替差益19,569千円の計上、当座貸越 契約の実行に伴う支払利息791千円の計上、譲渡制限付株式報酬の付与対象者の退職に伴い、譲渡制限付株式割当契 約に基づき割り当てた当社普通株式の全てを、当社が無償取得したことによる株式報酬費用消滅損1,799千円などが ありました。
以上の結果、当事業年度の売上高は3,309,422千円(前年同期比5.1%増)、営業利益は68,169千円(同60.7% 減)、経常利益は91,222千円(同49.9%減)、当期純利益は62,372千円(同37.4%減)となりました。
なお、当社はUGCサービス事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載はしておりません。
(注)1.User Generated Contentの略。インターネット上で利用者自身がテキストや画像、映像などのコンテンツ を発信することができる場を提供するサービス。
2.アドネットワークとは、多数の広告媒体のWebサイトを束ねた広告配信ネットワークを形成し、それらの WEBサイト上で一括して広告を配信する手法であり、メディア運営者は、サイトページ上に広告枠のみをア ドネットワーク事業者に提供し、掲載される広告が、システムにより自動配信される仕組み。
3.Content Management Systemの略。HTMLやCSSのようなWEBサイトの制作に必要な専門知識を必要とせず、テ キストや画像などの情報を入力するだけで、サイト構築を自動的に行うことができるシステム。
4.サーバーのソフトウェアの状況等を監視するためのオープンソースによる標準化規格「OpenTelemetry(注 5)」に対応するためのプロジェクト。従来は独自規格であったため、容易に導入できなかった企業に対 しても「OpenTelemetry」に対応することで導入が進みやすくなるといった効果が期待される。
5.ソフトウェアのテレメトリーデータ(トレース、メトリック、ログ)を収集し、監視と分析のために遠隔 地に送信するためのツールの標準化規格で、2021年にVer1.0が公開された。
(ⅲ)当社を取り巻く経営環境や想定されるリスクなど
『2023年 日本の広告費』(㈱電通)によりますと、インターネット広告費について、「前年に続く社会のデジタ ル化を背景に、前年比107.8%で過去最高を更新した。総広告費におけるインターネット広告費(インターネット広 告媒体費、物販系ECプラットフォーム広告費、インターネット広告制作費の合算)は3兆3,330億円で、構成比は 45.5%となり、前年度から更に2.0%増加した。」とされております。インストリーム広告を中心とした動画広告需要 は、前年に続き高まっており、デジタルプロモーションの拡大も市場の成長に寄与しております。
一方で、原材料価格の高騰、物流・供給の規制及び遅延等、今後の事業環境、雇用情勢などの先行きに対する不透 明感から、広告出稿の取止めや予算縮小が当社の業績に与える可能性は、依然としてあります。当社を含め、広告媒 体社の業績は、景気によって広告支出を増減させる広告主の動向により、景気変動の影響を受けやすい傾向にありま す。これに伴い、広告支出額の比較的大きい産業部門の事業環境の変化が、今後の当社の業績に意図に反する影響を 及ぼす可能性があります。
また、当社が保有するサービス開発力を、「はてなブログ」や「はてなブックマーク」などにおける機能開発や機 能改善へ投下することにより、訪問者数の拡大を狙い、その結果として、有料オプション「はてなブログPro」の課 金収入の伸長の実現や、ユーザー企業独自のネットサービスに関する企画、開発、運用を受託するサービス領域など で効果的に展開し、新たな収益機会の獲得を見込んでおります。そのために、売上の立ち上がりを見通しつつ、新た な収益基盤の確立に向けた戦略的投資を継続してまいります。
経済的不透明感や危機感が継続することが予想される経営環境の中で、当社の資金の財源及び流動性については次のとおりであります。また、事業継続に対して万全の備えをする方針であります。
当社における事業活動のための資金の財源として、主に手元の資金と営業活動により獲得したキャッシュ・フロー でありますが、資金の手元流動性については、現金及び預金1,504,887千円と月平均売上高に対し5.5ヶ月分であり、 現下、当社における資金流動性は十分確保されていると考えております。
また、当社は事業運営上、必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本的な財務方針としており、金融機関からの借入により調達することを目的として、取引銀行5行との間で、総額1,700,000千円の当座貸越契約を締結しております。バックアップラインを確保し、資金の手元流動性の補完が実現しております。今後は、運転資金や設備投資の需要動向や、それに伴うキャッシュ・ポジションを精査しつつ、適切なタイミングで資金調達を実行してまいります。
なお、当座貸越契約の未実行残高は、1,700,000千円となっております。
(2)キャッシュ・フローの状況
当事業年度末の現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は前事業年度に比べ、53,293千円増加し、
1,443,903千円となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの増減要因は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、獲得した資金は147,015千円(前年は2,584千円の収入)となりました。
これは主に、増加要因として、税引前当期純利益92,513千円の計上があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、使用した資金は106,157千円(前年は158,280千円の支出)となりました。
これは主に、減少要因として、定期預金の預入による支出59,496千円があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、獲得した資金は1,548千円(前年は97,141千円の支出)となりました。
これは、増加要因として、新株予約権の行使による株式の発行による収入1,548千円があったことによるもの であります。
(3)生産、受注及び販売の実績
(a)生産実績
当社は生産を行っておりませんので、該当事項はありません。
(b)受注実績
当事業年度の受注実績をサービスごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1. 金額は、販売価格によっております。
2. コンテンツプラットフォームサービス、コンテンツマーケティングサービスは受注によらないため、記載はしておりません。
3.当社は単一セグメントであるため、サービスごとに記載しております。
(4)販売実績
当事業年度の販売実績をサービスごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.当社は単一セグメントであるため、サービスごとに記載しております。
2.最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
(1)重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたって、決算日における資産・負債の報告数値及び報告期間における収益・費用の報告数値に影響を与える見積り及び仮定設定を行わねばなりません。経営者は、債権、棚卸資産、投資、繰延税金資産等に関する見積り及び判断について、継続して評価を行っており、過去の実績や状況に応じて合理的と思われる様々な要因に基づき、見積り及び判断を行っております。また、その結果は資産・負債の簿価及び収益・費用の報告数字についての判断の基礎となります。実際の結果は、見積り特有の不確実性のため、これらの見積りと異なる場合があります。 財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものについては、
「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであり
ます。
(2)当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等につきましては、当社が重視している経営指標は、売上高、営業利益及び経常利益であります。
主要3サービスのシナジー効果を最大限に活用しつつ、売上高、営業利益及び経常利益を継続的に成長させることにより、企業価値の向上、株主価値の向上を目指してまいりました。当社は、経営方針に則った業績目標について、2023年9月13日に業績予想値を公表いたしました。当社が定める経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況については次のとおりです。
なお、経営成績の分析につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要」に記載のとおりであります。
(単位:百万円)
当社の資本の財源及び資金の流動性については次のとおりであります。当社における事業活動のための資金の財源として、主に手元の資金と営業活動によるキャッシュ・フローによっております。資金の手元流動性については現金及び預金1,504,887千円と月平均売上高に対し5.5ヶ月分であり、当社における資金の流動性は十分確保されていると考えております。なお、当事業年度末時点において、有利子負債残高はありません。
運転資金需要のうち主なものは、人件費やデータセンター利用料等の営業費用、法人税等の税金費用であります。また、投資を目的とした資金需要の主なものは、ITインフラ設備や事務所設備等の設備投資であります。
当社は、事業運営上、必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。そのため、より一層の事業拡大を継続することに備え、金融機関からの借入により調達することを目的として、取引銀行5行との間で、総額1,700,000千円の当座貸越契約を締結しております。借入に関しては、経常的な運転資金需要の場合には、短期借入を基本方針とし、多額の設備投資需要の場合には、長期借入を基本方針としております。また、金利コストの最小化を図れるような調達方法を検討し、対応してまいります。
また、当社は、フリーキャッシュ・フローを営業活動により獲得されたキャッシュ・フローと投資活動により支出されたキャッシュ・フローの合計と定義しております。当社の経営者は、この指標を戦略的投資または負債返済に充当可能な資金の純額、あるいは資金調達にあたって外部借入への依存度合いを測る目的から、投資家に有用な指標であると考えており、以下の表のとおり、フリーキャッシュ・フローを算出しています。
(単位:千円)
なお、経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

(3) 財政状態の分析
(資産)
流動資産は2,278,977千円となり、前事業年度末に比べ、4,099千円減少いたしました。
これは主に、減少要因として、契約資産が60,283千円減少したことによるものであります。
固定資産は630,201千円となり、前事業年度末に比べ、32,088千円増加いたしました。
これは主に、増加要因として、ソフトウェアが105,837千円増加したことによるものであります。
(負債)
流動負債は310,228千円となり、前事業年度末に比べ、43,034千円減少いたしました。
これは主に、減少要因として、未払費用が31,769千円減少したことによるものであります。
固定負債は39,475千円となり、前事業年度末と比べ、149千円増加いたしました。
これは、増加要因として、資産除去債務が149千円増加したことによるものであります。
(純資産)
純資産は2,559,474千円となり、前事業年度末に比べ、70,873千円増加いたしました。
これは主に、増加要因として、当期純利益を62,372千円計上したことによるものであります。
(4) 経営成績等の状況に関する分析
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
(売上高)
当事業年度の売上高は、3,309,422千円(前年同期は3,150,290千円)となりました。
これは主に、テクノロジーソリューションサービスにおける受託開発売上や保守運用売上が堅調に推移したことによります。
(売上原価、売上総利益)
当事業年度の売上原価は、596,258千円(前年同期は536,031千円)となりました。
これは主に、テクノロジーソリューションサービスが堅調に推移したことに伴い受託開発に係る労務費が増加したこと、広告レベニューシェアに伴う収益配分原価が増加したことによるものであります。
この結果、当事業年度の売上総利益は、2,713,163千円(前年同期は2,614,258千円)となりました。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
当事業年度の販売費及び一般管理費は、2,644,994千円(前年同期は2,440,856千円)となりました。
これは主に、社員数の増加に伴う給料及び手当、及び各サービスの伸長に伴うデータセンター利用料の増加によるものであります。
この結果、当事業年度の営業利益は、68,169千円(前年同期は173,402千円)となりました。
(営業外損益、経常利益)
当事業年度の営業外収益は、25,646千円(前年同期は12,669千円)となりました。
これは主に、為替差益19,569千円の計上があったことによるものであります。
当事業年度の営業外費用は、2,592千円(前年同期は4,028千円)となりました。
これは主に、支払利息791千円の計上があったことによるものであります。
この結果、当事業年度の経常利益は、91,222千円(前年同期は182,042千円)となりました。
(特別損益、当期純利益)
当事業年度の特別利益は、1,290千円(前年同期は564千円)となりました。
これは、投資有価証券売却益1,001千円の計上があったことによるものであります。
当事業年度の特別損失は、0千円(前年同期は16,371千円)となりました。
この結果、当事業年度の当期純利益は、62,372千円(前年同期は99,638千円)となりました。
(投下資本利益率、株主資本利益率)
税引後営業利益(NOPAT:営業利益×(1-実効税率))は、47,295千円となり、投下資本(自己資本+有利子負債:期中平均)2,496,641千円に対する利益率(ROIC)は、1.8%となりました。また、株主資本利益率(ROE)は、2.5%となりました。株主資本コストと負債コストの加重平均(WACC)は、3.7%と認識しており、ROE、ROICの維持・向上によって株主資本に対する利益率(ROE)の維持・向上に努めてまいります。


(5) キャッシュ・フローの状況の分析
当事業年度末の現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は前事業年度に比べ、53,293千円増加し、
1,443,903千円となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの増減要因は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、獲得した資金は147,015千円(前年は2,584千円の収入)となりました。
これは主に、増加要因として、税引前当期純利益92,513千円の計上があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、使用した資金は106,157千円(前年は158,280千円の支出)となりました。
これは主に、減少要因として、定期預金の預入による支出59,496千円があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、獲得した資金は1,548千円(前年は97,141千円の支出)となりました。
これは主に、増加要因として、新株予約権の行使による株式の発行による収入1,548千円があったことによるものであります。
(参考)キャッシュ・フロー関連指標の推移
自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
(注)1.株式時価総額は、自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。
2.キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しております。
3.有利子負債がないため、キャッシュ・フロー対有利子負債比率は記載しておりません。
(企業価値・キャッシュ創出力)
キャッシュ創出力を示す減価償却前の営業利益(EBITDA:償却前営業利益=営業利益+減価償却費)は、182,667千円となっております。今後も、運転資金の確保のための有利子負債の水準を一定程度に維持しつつ、人材投資やインフラ投資を行う方針を継続するとともに、主要3サービスにおける収益の柱を成長させることで、キャッシュ創出力を高め、企業価値を向上させてまいります。
2024年7月末の企業価値(EV:時価総額+ネット有利子負債)は、2,272,059千円、企業価値とキャッシュ創出力の倍率を示すEV/EBITDA倍率は、12.4倍となっております。
(6) 経営成績に重要な影響を与える要因について
当社の財政状態及び経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
(7) 戦略の現状と見通し
当社は『「知る」「つながる」「表現する」で新しい体験を提供し、人の生活を豊かにする』をミッションに掲げ、「技術で支えられているサービスを提供する会社」として技術を磨き、インターネット領域において様々なサービス提供を行っております。
当社は今後も拡大されることが予想されるIT市場において、競争優位性を確保するために、顧客企業に対して高付加価値を提供するサービスの創造に鋭意努めてまいります。また、より強固なポジションを獲得するために、開発体制及び営業体制の強化を重要な戦略と認識し、事業の拡大に取り組んでまいります。
(8) 経営者の問題意識と今後の方針について
当社が今後業容を拡大し、より高品質なサービスを継続提供していくためには、経営者は「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載の様々な課題に対処していく必要があると認識しております。それらの課題に対応するため、経営者は常に市場におけるニーズや事業環境の変化に関する情報の入手及び分析を行い、現在及び将来における事業環境を認識したうえで、当社の経営資源を最適に配分し、最適な解決策を実施していく方針であります。
(9) その他会社の現況に関する重要な事項
当社は、企業の社会性を認識し、社会貢献活動を重要な責務として捉え、以下のCSR活動を実施しております。
「預金を通じて、困っている人や団体を支援する」という活動のもと、SDGsに貢献できる預金として「応援定期預金」を作成することで、定期預金の預入残高に一定割合を乗じた金額を、取引先金融機関が、応援先(こどもの医療支援、こどもの自立支援、障がい者スポーツ支援、環境保護の4つのテーマから選定)に寄付しております。寄付を通じて、重い病気や障がい等で長期入院するこどもたちを支援するなど、「支え合う気持ち」を繋いでまいります。
発行額の0.15%を、新型コロナウイルス感染症による影響を受けたこどもたちへの支援を行う団体への緊急支援及び経済的に困難な状況下のこどもたちを支える団体の基盤づくり(組織のデジタライゼーションや事業のオンライン化を含む)への寄付にそれぞれ充当する新発債券の購入により、間接的に中長期的な支援をしました。
脱炭素社会の実現のため、取引金融機関が販売するESG志向の投資信託を購入し、信託報酬の一部を植樹プロジェクトに間接的に寄付することで、苗木を植えることができました。苗木は森林組合により保育管理され、いずれ大きな森へと成長すると思われ、サステナブルな社会の実現を支援してまいります。
(注)CSRとは、Corporate Social Responsibilityの略。持続可能な社会形成を目的として、企業が経済活動に加えて、社会や環境などの要素に向けても責任ある活動をすべきであるという概念。
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という)の状況の概要、及び経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
また、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
① 我が国経済と当社を取り巻く事業環境の概況
当事業年度における我が国経済は、内閣府の2024年7月の月例経済報告によると、「景気は、このところ足踏みもみられるが、緩やかに回復している」とされております。先行きについては、「雇用・所得環境が改善する下で、各種政策の効果もあって、緩やかな回復が続くことが期待される。ただし、欧米における高い金利水準の継続や中国における不動産市場の停滞の継続に伴う影響など、海外景気の下振れが我が国の景気を下押しするリスクとなっている。また、物価上昇、中東地域をめぐる情勢、金融資本市場の変動等の影響に十分注意する必要がある」とされております。
UGCサービス事業(注1)を展開するインターネット関連業界におきましては、『消費動向調査(令和6(2024)年3月実施分)』(内閣府経済社会総合研究所)によりますと、スマートフォン世帯普及率は93.8%(前年比1.2ポイント増)と普及が進んでおり、スマートフォン市場は微増していくものと予測されます。また、2024年6月に総務省情報通信政策研究所が公表した『令和5年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書』によりますと、休日のインターネット利用の平均利用時間はテレビ視聴の平均利用時間を全年代で超過しており、「休日のインターネット利用の平均利用時間が、初めて200分を超過」、「スマートフォンの利用率は全年代で97.5%と高い水準にあり、ほぼ100%となっている」とされており、インターネットの情報通信メディアとしての存在がテレビと肩を並べ、今後もスマートフォンなどの機器の保有・利用により、インターネットを取り巻くマーケットサイズは拡大していくものと予測しております。更に、『2023年 日本の広告費』((株)電通)によりますと、「2023年の日本の総広告費は、通年で前年比103.0%の7兆3,167億円で、新型コロナウイルス感染症の5類感染症移行に伴うリアルイベントの開催数増加や国内外の観光・旅行の活性化等も相まって、1947年に推定を開始して以降、過去最高を更新した。インターネット広告費(インターネット広告媒体費、物販系ECプラットフォーム広告費、インターネット広告制作費の合算)は、進展する社会のデジタル化を背景に堅調に伸長し、総広告費に占める構成比は45.5%に達した」とされております。インターネット広告媒体費は2024年も堅調に推移し、全体で前年比108.4%の2兆9,124億円まで増加すると予測されております。
このような事業環境のもと、当社におきましては、自社で開発したユーザー参加型サービス群を「コンテンツプラットフォームサービス」と位置づけ、その運営を通して培われた技術力やユーザーコミュニティを活かし、法人顧客向けに「コンテンツマーケティングサービス」、「テクノロジーソリューションサービス」をサービス領域として提供しております。市場環境の変化や、それに伴う経済的予測等を鑑み、人的資本や知的財産、資金等の経営資源を各サービスへ効率的に配分することで、経営の機動力の向上を図ってまいります。
② 業績の概況
(ⅰ)サービス別の販売動向
<コンテンツプラットフォームサービス>コンテンツプラットフォームサービスでは、ユーザーがコンテンツを発信、拡散するUGCサービスとして、「はてなブログ」「はてなブックマーク」などのサービスを展開しております。主力サービスとなっている「はてなブログ」の登録ユーザー数は順調に増加しました。一方、「はてなブログ」の個人向け有料プラン「はてなブログPro」などについては、各種SNSの普及による競争激化も相まって、「はてなブログPro」の契約件数が減少したことなどの影響で、課金売上は低調に推移しました。今後は、CtoC課金サービスの強化を目的として、ブログ記事の有料販売に対応するなど、ユーザーの収益獲得を支援するとともに、ブログのサービス向上につながる取組みとして、2023年12月に公開した「AIタイトルアシスト」に続けて、AIを活用した新機能をリリースすることで、景気動向やトレンドに左右されやすい広告収入をカバーしつつ、売上成長を図ってまいります。
コンテンツプラットフォームサービス上に掲載するアドネットワーク広告については、広告枠を提供したい数多くの広告媒体の運営事業者との間で、広告を出稿したい数多くの広告主を集めた広告配信ネットワーク(アドネットワーク(注2))が形成されるなど、関係者は増加傾向にあり、各事業者の関与の仕方は、複雑なものとなっております。このような事業環境の中で、広告単価の下落などを要因として、売上は伸び悩みました。
以上の結果、コンテンツプラットフォームサービスの売上高は、363,954千円(前年同期比13.6%減)となりました。
<コンテンツマーケティングサービス>コンテンツマーケティングサービスでは、BtoB向けストック型ビジネスとして、CMS(注3)である「はてなブログMedia」を活用したオウンドメディア(企業が顧客などに向けて伝えたい情報を発信するための自社メディア)の構築・運用支援サービスや、「はてなブログ」などのUGCサービスを活用したネイティブ広告、バナー広告、タイアップ広告などを展開しております。
デジタルマーケティングを目的としたオウンドメディアの開設が活発化している昨今の市場環境において、フルサービスを提供する「レギュラープラン」はもとより、廉価版としての位置づけである「ライトプラン」、自社で求める人材の獲得や、働き方改革に関する情報発信や社員インタビューなど、採用マーケティングの一環として素早く安価にオウンドメディアを立ち上げられる「採用オウンドメディアプラン」を新たな軸としてサービス訴求してまいりました。また、販売戦略として、ニーズが旺盛な人材採用関連市場への販売チャネルを強化すべく、人材関連企業による代理販売を通じて新たな顧客にアプローチして新規導入のメディア数の増加を図りました。一方で、一部の個別案件において、広告・マーケティング予算が縮減されたことによる広告出稿の手控えにより、継続的な受注に至らなかったことなどから、厳しい販売環境となりました。その結果、「はてなブログMedia」の運用数合計は142件(前期末比変動なし)となりました。今後は、2024年7月にサービス開始した、生成AIを活用して制作する記事のアイデアや構成案を提案する「AIコンテンツアシスト」機能を更に改善するなど、「はてなブログMedia」の改良を進めて導入件数増を図り、また従来よりも直接的に顧客の事業に貢献できるメディア運用メニューのサービスを拡充していくなどの効果的なアップセル施策によってメディア当たり売上単価の向上を図ることで、売上成長を目指してまいります。
以上の結果、コンテンツマーケティングサービスの売上高は、636,093千円(前年同期比8.8%減)となりました。
<テクノロジーソリューションサービス>テクノロジーソリューションサービスでは、受託サービスとして顧客独自のネットワークサービスに関する企画・開発・運用の受託と、ビッグデータサービスとしてBtoB向けストック型ビジネスであるサーバー監視サービス「Mackerel(マカレル)」を展開しております。
今後の成長の柱と位置づけるアプリマンガサービスに向けたマンガビューワ「GigaViewer for Apps」について、2024年3月28日に「少年ジャンプ+」(サービス提供者:(株)集英社)に搭載を開始しました。「少年ジャンプ+」iOS版/Android版は、ダウンロード数が2,700万を超える巨大なサービスであり、本事業年度の第4四半期途中から本格的に業績貢献が始まり、この効果は2025年7月期以降についても引き続き継続すると見込んでおります。Webマンガサービスに向けたマンガビューワ「GigaViewer for Web」については、「コミックアース・スター」(サービス提供者:(株)アース・スターエンターテイメント)・「コミックバンチkai」(サービス提供者:(株)新潮社)・「OURFEEL」(サービス提供者:(株)シュークリーム)の3サービスに搭載されました。「GigaViewer」はアプリ版・Web版合計16社、搭載累計25サービスと増加し、売上は堅調に推移いたしました。出版業界の調査研究機関である公益社団法人全国出版協会・出版科学研究所の発表によると、出版市場における2023年の電子コミック市場は前年比7.8%増の4,830億円と規模が拡大しております 。このような市場環境において 、「GigaViewer for Web」・「GigaViewerfor Apps」の利便性や広告運用を含めたソリューションは、顧客から評価されており、既にデファクトスタンダードを獲得したWeb版の導入メディアに対して、アプリ版の導入を推進してまいります。一般にアプリ版はWeb版よりもコンテンツの閲覧数や販売額が大きいことから、開発・運用料のみならず、レベニューシェア(広告・課金収益など)の収益の大幅な拡大に資するものと捉え、注力してまいります。
受託サービスについては、契約における取引開始日から完全に履行義務を充足すると見込まれる時点までの期間がごく短い場合の受託開発案件については、完全に履行義務を充足した一時点で収益を認識しました。ごく短い場合を除いた受託開発案件については 、履行義務の充足につれて一定期間にわたり収益 を認識しました。任天堂(株)のNintendo SwitchTMソフト『スプラトゥーン3』のプライベートマッチ機能を利用した大会支援サービス「タイカイサポート」や(株)集英社の「少年ジャンプ+」のアプリサービス開発など、複数の受託開発案件で成果物の納品及び検収が完了しました。保守運用サービスについては、運用案件数の積上げにより、売上成長に繋がりました。
「Mackerel(マカレル)」については、AWS(アマゾンウェブサービス)のパートナー制度「AWS パートナーコン
ピテンシープログラム」において、「AWS DevOps コンピテンシー」認定を、当社が国内企業で初めて取得しております。さらに、「AWS Partner Network(APN)Award2019」において、「Mackerel(マカレル)」を通じたAWSへのビジネス貢献が評価され、「APN Technology Partner of the Year 2019 - Japan」を受賞いたしました。更に、2024年2月には、顧客のワークロードのAWSへの移行を加速させる戦略及び実行に貢献するとAWSが判断したサービスをパートナーとして認定する「AWS ISVワークロード移行プログラム」パートナー認定を日本企業で初めて取得いたしました。これにより、AWSの中で、サーバー監視サービスとしての認知度が向上し、更なる導入実績の積上げを図ることができました。同じく2月には、情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)の認証を取得し、情報セキュリティ管理の実践において国際的に認められた基準に適合していることを示すにいたりました。今後は、AWSなどの大手クラウドプラットフォーマーのサービスを活用している顧客が、「Mackerel(マカレル)」を簡単に利用、運用しやすくなる「インテグレーション機能」をさらに充実させることで、利用開始の心理的ハードルの引き下げに注力していくとともに、販路拡大のためのパートナー拡充にも継続的に取り組んでまいります。2022年11月においては、AWSのパートナー制度「AWS Graviton Ready」においても同様に、当社が国内企業で初めて認定を取得するなど、大型顧客の獲得やパートナーセールスを主軸とした販売戦略、「次世代Mackerel(マカレル)アーキテクチャー(注4)」の開発により、更なる売上成長を図ってまいります。
以上の結果、テクノロジーソリューションサービスの売上高は、2,309,374千円(前年同期比13.7%増)となりました。
(ⅱ)利益の概況
当事業年度を将来の成長基盤の更なる強化に向けた『先行投資期間』と位置づけ、費用投下いたしました。
営業費用(売上原価と販売費及び一般管理費の合計)については3,241,253千円(前年同期は2,976,888千円)となりました。営業費用は増加しておりますが、概ね期初計画の範囲内であります。
主な増減要因としては、広告宣伝手法の見直しに伴う広告宣伝費の減少や、フレキシブルワークスタイル制度の恒 久化に伴う諸管理費用の減少があった一方、テクノロジーソリューションサービスにおける広告運用売上の増加に伴 って発生する広告運用原価や、主要3サービスの拡張と新たなサービスの創出のため、人材投資を積極的に行った結 果、給与手当等の労務費が増加しました。人的資本への経営資源の配分は、当社が将来にわたり、競争優位性を確保 するために、収益基盤の確立に向けた重要投資として位置づけております。また、外貨建決済が必要なデータセンタ ー利用料について、サービスの伸長に伴う外貨建の利用料そのものの伸長要因と、2024年6月まで為替相場について 円安傾向が続いていたことから、外貨建の利用料を円換算した場合の円ベースでの押上要因が相まって、費用増加と なりました。為替相場は、為替介入の実施や、日本銀行が2024年7月の金融政策決定会合において政策金利の引き上 げを発表したことを受け、ますます不確定要素が強くなっております。これら外的要因に備え、外貨建予定取引につ いては、一定のタイミングでの為替予約や通貨オプションなどのデリバティブ取引を活用し、急激な為替変動に対す るヘッジ行為を適切に行ってまいります。
営業外損益や特別損益については、受取利息及び配当金4,473千円の計上、為替差益19,569千円の計上、当座貸越 契約の実行に伴う支払利息791千円の計上、譲渡制限付株式報酬の付与対象者の退職に伴い、譲渡制限付株式割当契 約に基づき割り当てた当社普通株式の全てを、当社が無償取得したことによる株式報酬費用消滅損1,799千円などが ありました。
以上の結果、当事業年度の売上高は3,309,422千円(前年同期比5.1%増)、営業利益は68,169千円(同60.7% 減)、経常利益は91,222千円(同49.9%減)、当期純利益は62,372千円(同37.4%減)となりました。
なお、当社はUGCサービス事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載はしておりません。
(注)1.User Generated Contentの略。インターネット上で利用者自身がテキストや画像、映像などのコンテンツ を発信することができる場を提供するサービス。
2.アドネットワークとは、多数の広告媒体のWebサイトを束ねた広告配信ネットワークを形成し、それらの WEBサイト上で一括して広告を配信する手法であり、メディア運営者は、サイトページ上に広告枠のみをア ドネットワーク事業者に提供し、掲載される広告が、システムにより自動配信される仕組み。
3.Content Management Systemの略。HTMLやCSSのようなWEBサイトの制作に必要な専門知識を必要とせず、テ キストや画像などの情報を入力するだけで、サイト構築を自動的に行うことができるシステム。
4.サーバーのソフトウェアの状況等を監視するためのオープンソースによる標準化規格「OpenTelemetry(注 5)」に対応するためのプロジェクト。従来は独自規格であったため、容易に導入できなかった企業に対 しても「OpenTelemetry」に対応することで導入が進みやすくなるといった効果が期待される。
5.ソフトウェアのテレメトリーデータ(トレース、メトリック、ログ)を収集し、監視と分析のために遠隔 地に送信するためのツールの標準化規格で、2021年にVer1.0が公開された。
(ⅲ)当社を取り巻く経営環境や想定されるリスクなど
『2023年 日本の広告費』(㈱電通)によりますと、インターネット広告費について、「前年に続く社会のデジタ ル化を背景に、前年比107.8%で過去最高を更新した。総広告費におけるインターネット広告費(インターネット広 告媒体費、物販系ECプラットフォーム広告費、インターネット広告制作費の合算)は3兆3,330億円で、構成比は 45.5%となり、前年度から更に2.0%増加した。」とされております。インストリーム広告を中心とした動画広告需要 は、前年に続き高まっており、デジタルプロモーションの拡大も市場の成長に寄与しております。
一方で、原材料価格の高騰、物流・供給の規制及び遅延等、今後の事業環境、雇用情勢などの先行きに対する不透 明感から、広告出稿の取止めや予算縮小が当社の業績に与える可能性は、依然としてあります。当社を含め、広告媒 体社の業績は、景気によって広告支出を増減させる広告主の動向により、景気変動の影響を受けやすい傾向にありま す。これに伴い、広告支出額の比較的大きい産業部門の事業環境の変化が、今後の当社の業績に意図に反する影響を 及ぼす可能性があります。
また、当社が保有するサービス開発力を、「はてなブログ」や「はてなブックマーク」などにおける機能開発や機 能改善へ投下することにより、訪問者数の拡大を狙い、その結果として、有料オプション「はてなブログPro」の課 金収入の伸長の実現や、ユーザー企業独自のネットサービスに関する企画、開発、運用を受託するサービス領域など で効果的に展開し、新たな収益機会の獲得を見込んでおります。そのために、売上の立ち上がりを見通しつつ、新た な収益基盤の確立に向けた戦略的投資を継続してまいります。
経済的不透明感や危機感が継続することが予想される経営環境の中で、当社の資金の財源及び流動性については次のとおりであります。また、事業継続に対して万全の備えをする方針であります。
当社における事業活動のための資金の財源として、主に手元の資金と営業活動により獲得したキャッシュ・フロー でありますが、資金の手元流動性については、現金及び預金1,504,887千円と月平均売上高に対し5.5ヶ月分であり、 現下、当社における資金流動性は十分確保されていると考えております。
また、当社は事業運営上、必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本的な財務方針としており、金融機関からの借入により調達することを目的として、取引銀行5行との間で、総額1,700,000千円の当座貸越契約を締結しております。バックアップラインを確保し、資金の手元流動性の補完が実現しております。今後は、運転資金や設備投資の需要動向や、それに伴うキャッシュ・ポジションを精査しつつ、適切なタイミングで資金調達を実行してまいります。
なお、当座貸越契約の未実行残高は、1,700,000千円となっております。
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(2)キャッシュ・フローの状況
当事業年度末の現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は前事業年度に比べ、53,293千円増加し、
1,443,903千円となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの増減要因は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、獲得した資金は147,015千円(前年は2,584千円の収入)となりました。
これは主に、増加要因として、税引前当期純利益92,513千円の計上があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、使用した資金は106,157千円(前年は158,280千円の支出)となりました。
これは主に、減少要因として、定期預金の預入による支出59,496千円があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、獲得した資金は1,548千円(前年は97,141千円の支出)となりました。
これは、増加要因として、新株予約権の行使による株式の発行による収入1,548千円があったことによるもの であります。
(3)生産、受注及び販売の実績
(a)生産実績
当社は生産を行っておりませんので、該当事項はありません。
(b)受注実績
当事業年度の受注実績をサービスごとに示すと、次のとおりであります。
| サービスの名称 | 当事業年度 (自 2023年8月1日 至 2024年7月31日) | |||
| 受注高 (千円) | 前年同期比 (%) | 受注残高 (千円) | 前年同期比 (%) | |
| テクノロジーソリューションサービス | 701,975 | 106.4 | 393,875 | 112.6 |
| 合計 | 701,975 | 106.4 | 393,875 | 112.6 |
(注)1. 金額は、販売価格によっております。
2. コンテンツプラットフォームサービス、コンテンツマーケティングサービスは受注によらないため、記載はしておりません。
3.当社は単一セグメントであるため、サービスごとに記載しております。
(4)販売実績
当事業年度の販売実績をサービスごとに示すと、次のとおりであります。
| サービスの名称 | 前事業年度 (自 2022年8月1日 至 2023年7月31日) | 当事業年度 (自 2023年8月1日 至 2024年7月31日) |
| 販売高(千円) | ||
| コンテンツプラットフォームサービス | 421,103 | 363,954 |
| コンテンツマーケティングサービス | 697,716 | 636,093 |
| テクノロジーソリューションサービス | 2,031,470 | 2,309,374 |
| 合計 | 3,150,290 | 3,309,422 |
(注)1.当社は単一セグメントであるため、サービスごとに記載しております。
2.最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
| 相手先 | 前事業年度 (自 2022年8月1日 至 2023年7月31日) | 当事業年度 (自 2023年8月1日 至 2024年7月31日) | ||
| 金額(千円) | 割合(%) | 金額(千円) | 割合(%) | |
| 株式会社集英社 | 297,819 | 9.5 | 426,722 | 12.9 |
| 株式会社KADOKAWA | 251,910 | 8.0 | 347,510 | 10.5 |
| ストライプジャパン株式会社 | 295,630 | 9.4 | 276,521 | 8.4 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
(1)重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたって、決算日における資産・負債の報告数値及び報告期間における収益・費用の報告数値に影響を与える見積り及び仮定設定を行わねばなりません。経営者は、債権、棚卸資産、投資、繰延税金資産等に関する見積り及び判断について、継続して評価を行っており、過去の実績や状況に応じて合理的と思われる様々な要因に基づき、見積り及び判断を行っております。また、その結果は資産・負債の簿価及び収益・費用の報告数字についての判断の基礎となります。実際の結果は、見積り特有の不確実性のため、これらの見積りと異なる場合があります。 財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものについては、
「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであり
ます。
(2)当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等につきましては、当社が重視している経営指標は、売上高、営業利益及び経常利益であります。
主要3サービスのシナジー効果を最大限に活用しつつ、売上高、営業利益及び経常利益を継続的に成長させることにより、企業価値の向上、株主価値の向上を目指してまいりました。当社は、経営方針に則った業績目標について、2023年9月13日に業績予想値を公表いたしました。当社が定める経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況については次のとおりです。
なお、経営成績の分析につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要」に記載のとおりであります。
(単位:百万円)
| 区分 | 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 当期純利益 |
| 業績予想値(A) | 3,452 | 48 | 48 | 33 |
| 実績(B) | 3,309 | 68 | 91 | 62 |
| 増減(B-A) | △142 | 20 | 43 | 29 |
| 増減率(%) | △4.1 | 41.9 | 89.9 | 88.2 |
当社の資本の財源及び資金の流動性については次のとおりであります。当社における事業活動のための資金の財源として、主に手元の資金と営業活動によるキャッシュ・フローによっております。資金の手元流動性については現金及び預金1,504,887千円と月平均売上高に対し5.5ヶ月分であり、当社における資金の流動性は十分確保されていると考えております。なお、当事業年度末時点において、有利子負債残高はありません。
運転資金需要のうち主なものは、人件費やデータセンター利用料等の営業費用、法人税等の税金費用であります。また、投資を目的とした資金需要の主なものは、ITインフラ設備や事務所設備等の設備投資であります。
当社は、事業運営上、必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。そのため、より一層の事業拡大を継続することに備え、金融機関からの借入により調達することを目的として、取引銀行5行との間で、総額1,700,000千円の当座貸越契約を締結しております。借入に関しては、経常的な運転資金需要の場合には、短期借入を基本方針とし、多額の設備投資需要の場合には、長期借入を基本方針としております。また、金利コストの最小化を図れるような調達方法を検討し、対応してまいります。
また、当社は、フリーキャッシュ・フローを営業活動により獲得されたキャッシュ・フローと投資活動により支出されたキャッシュ・フローの合計と定義しております。当社の経営者は、この指標を戦略的投資または負債返済に充当可能な資金の純額、あるいは資金調達にあたって外部借入への依存度合いを測る目的から、投資家に有用な指標であると考えており、以下の表のとおり、フリーキャッシュ・フローを算出しています。
(単位:千円)
| 区分 | 前事業年度 (自 2022年8月1日 至 2023年7月31日) | 当事業年度 (自 2023年8月1日 至 2024年7月31日) | 増減 |
| 営業活動によるキャッシュ・フロー | 2,584 | 147,015 | 144,431 |
| 投資活動によるキャッシュ・フロー | △158,280 | △106,157 | 52,123 |
| フリーキャッシュ・フロー | △155,695 | 40,858 | 196,553 |
なお、経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

(3) 財政状態の分析
(資産)
流動資産は2,278,977千円となり、前事業年度末に比べ、4,099千円減少いたしました。
これは主に、減少要因として、契約資産が60,283千円減少したことによるものであります。
固定資産は630,201千円となり、前事業年度末に比べ、32,088千円増加いたしました。
これは主に、増加要因として、ソフトウェアが105,837千円増加したことによるものであります。
(負債)
流動負債は310,228千円となり、前事業年度末に比べ、43,034千円減少いたしました。
これは主に、減少要因として、未払費用が31,769千円減少したことによるものであります。
固定負債は39,475千円となり、前事業年度末と比べ、149千円増加いたしました。
これは、増加要因として、資産除去債務が149千円増加したことによるものであります。
(純資産)
純資産は2,559,474千円となり、前事業年度末に比べ、70,873千円増加いたしました。
これは主に、増加要因として、当期純利益を62,372千円計上したことによるものであります。
(4) 経営成績等の状況に関する分析
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
(売上高)
当事業年度の売上高は、3,309,422千円(前年同期は3,150,290千円)となりました。
これは主に、テクノロジーソリューションサービスにおける受託開発売上や保守運用売上が堅調に推移したことによります。
(売上原価、売上総利益)
当事業年度の売上原価は、596,258千円(前年同期は536,031千円)となりました。
これは主に、テクノロジーソリューションサービスが堅調に推移したことに伴い受託開発に係る労務費が増加したこと、広告レベニューシェアに伴う収益配分原価が増加したことによるものであります。
この結果、当事業年度の売上総利益は、2,713,163千円(前年同期は2,614,258千円)となりました。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
当事業年度の販売費及び一般管理費は、2,644,994千円(前年同期は2,440,856千円)となりました。
これは主に、社員数の増加に伴う給料及び手当、及び各サービスの伸長に伴うデータセンター利用料の増加によるものであります。
この結果、当事業年度の営業利益は、68,169千円(前年同期は173,402千円)となりました。
(営業外損益、経常利益)
当事業年度の営業外収益は、25,646千円(前年同期は12,669千円)となりました。
これは主に、為替差益19,569千円の計上があったことによるものであります。
当事業年度の営業外費用は、2,592千円(前年同期は4,028千円)となりました。
これは主に、支払利息791千円の計上があったことによるものであります。
この結果、当事業年度の経常利益は、91,222千円(前年同期は182,042千円)となりました。
(特別損益、当期純利益)
当事業年度の特別利益は、1,290千円(前年同期は564千円)となりました。
これは、投資有価証券売却益1,001千円の計上があったことによるものであります。
当事業年度の特別損失は、0千円(前年同期は16,371千円)となりました。
この結果、当事業年度の当期純利益は、62,372千円(前年同期は99,638千円)となりました。
(投下資本利益率、株主資本利益率)
税引後営業利益(NOPAT:営業利益×(1-実効税率))は、47,295千円となり、投下資本(自己資本+有利子負債:期中平均)2,496,641千円に対する利益率(ROIC)は、1.8%となりました。また、株主資本利益率(ROE)は、2.5%となりました。株主資本コストと負債コストの加重平均(WACC)は、3.7%と認識しており、ROE、ROICの維持・向上によって株主資本に対する利益率(ROE)の維持・向上に努めてまいります。
| 2023年7月期 | 2024年7月期 | |
| 税引後営業利益(NOPAT)(千円) | 120,306 | 47,295 |
| 投下資本利益率(ROIC)(%) | 4.8 | 1.8 |
| 加重平均資本コスト(WACC)(%) | 4.0 | 3.7 |


(5) キャッシュ・フローの状況の分析
当事業年度末の現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は前事業年度に比べ、53,293千円増加し、
1,443,903千円となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの増減要因は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、獲得した資金は147,015千円(前年は2,584千円の収入)となりました。
これは主に、増加要因として、税引前当期純利益92,513千円の計上があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、使用した資金は106,157千円(前年は158,280千円の支出)となりました。
これは主に、減少要因として、定期預金の預入による支出59,496千円があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、獲得した資金は1,548千円(前年は97,141千円の支出)となりました。
これは主に、増加要因として、新株予約権の行使による株式の発行による収入1,548千円があったことによるものであります。
(参考)キャッシュ・フロー関連指標の推移
| 2023年7月期 | 2024年7月期 | |
| 自己資本比率(%) | 86.4 | 88.0 |
| 時価ベースの自己資本比率(%) | 91.7 | 78.1 |
| キャッシュ・フロー対有利子負債比率(%) | - | - |
| インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍) | 4.3 | 185.6 |
自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
(注)1.株式時価総額は、自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。
2.キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しております。
3.有利子負債がないため、キャッシュ・フロー対有利子負債比率は記載しておりません。
(企業価値・キャッシュ創出力)
キャッシュ創出力を示す減価償却前の営業利益(EBITDA:償却前営業利益=営業利益+減価償却費)は、182,667千円となっております。今後も、運転資金の確保のための有利子負債の水準を一定程度に維持しつつ、人材投資やインフラ投資を行う方針を継続するとともに、主要3サービスにおける収益の柱を成長させることで、キャッシュ創出力を高め、企業価値を向上させてまいります。
2024年7月末の企業価値(EV:時価総額+ネット有利子負債)は、2,272,059千円、企業価値とキャッシュ創出力の倍率を示すEV/EBITDA倍率は、12.4倍となっております。
(6) 経営成績に重要な影響を与える要因について
当社の財政状態及び経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
(7) 戦略の現状と見通し
当社は『「知る」「つながる」「表現する」で新しい体験を提供し、人の生活を豊かにする』をミッションに掲げ、「技術で支えられているサービスを提供する会社」として技術を磨き、インターネット領域において様々なサービス提供を行っております。
当社は今後も拡大されることが予想されるIT市場において、競争優位性を確保するために、顧客企業に対して高付加価値を提供するサービスの創造に鋭意努めてまいります。また、より強固なポジションを獲得するために、開発体制及び営業体制の強化を重要な戦略と認識し、事業の拡大に取り組んでまいります。
(8) 経営者の問題意識と今後の方針について
当社が今後業容を拡大し、より高品質なサービスを継続提供していくためには、経営者は「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載の様々な課題に対処していく必要があると認識しております。それらの課題に対応するため、経営者は常に市場におけるニーズや事業環境の変化に関する情報の入手及び分析を行い、現在及び将来における事業環境を認識したうえで、当社の経営資源を最適に配分し、最適な解決策を実施していく方針であります。
(9) その他会社の現況に関する重要な事項
当社は、企業の社会性を認識し、社会貢献活動を重要な責務として捉え、以下のCSR活動を実施しております。
「預金を通じて、困っている人や団体を支援する」という活動のもと、SDGsに貢献できる預金として「応援定期預金」を作成することで、定期預金の預入残高に一定割合を乗じた金額を、取引先金融機関が、応援先(こどもの医療支援、こどもの自立支援、障がい者スポーツ支援、環境保護の4つのテーマから選定)に寄付しております。寄付を通じて、重い病気や障がい等で長期入院するこどもたちを支援するなど、「支え合う気持ち」を繋いでまいります。
発行額の0.15%を、新型コロナウイルス感染症による影響を受けたこどもたちへの支援を行う団体への緊急支援及び経済的に困難な状況下のこどもたちを支える団体の基盤づくり(組織のデジタライゼーションや事業のオンライン化を含む)への寄付にそれぞれ充当する新発債券の購入により、間接的に中長期的な支援をしました。
脱炭素社会の実現のため、取引金融機関が販売するESG志向の投資信託を購入し、信託報酬の一部を植樹プロジェクトに間接的に寄付することで、苗木を植えることができました。苗木は森林組合により保育管理され、いずれ大きな森へと成長すると思われ、サステナブルな社会の実現を支援してまいります。
(注)CSRとは、Corporate Social Responsibilityの略。持続可能な社会形成を目的として、企業が経済活動に加えて、社会や環境などの要素に向けても責任ある活動をすべきであるという概念。





