有価証券報告書-第17期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)

【提出】
2020/06/26 9:52
【資料】
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【項目】
144項目
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。また、過年度の決算訂正を行っており、遡及処理後の数値で比較分析を行っております。
(1) 経営成績等の状況の概要
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境が改善傾向にあったものの、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、企業活動や個人消費の自粛が広がるとともに、株式市場の大幅下落等、厳しい環境となりました。
当社を取り巻く賃貸不動産業界におきましては、少子高齢化、晩婚化の進行とともに単身世帯が引き続き増加傾向にあり、入居者層の変質にあわせた賃貸住宅の供給並びに入居需要は底堅く推移しており、また、2020年4月に施行された改正民法による連帯保証人の保証限度額設定の義務化等により、家賃債務保証に対する需要は好調に推移しました。なお、当連結会計年度においては、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う申込数の減少が一部にみられました。また、過年度の有価証券報告書等の訂正に伴う金融庁による課徴金納付命令により特別損失44,780千円を計上し、役員退職慰労金受給権の放棄により特別利益21,833千円を計上しました。
このような環境の下、当社グループは、与信審査の強化を図り、貸倒リスクが高い案件の契約を抑制するなど、将来的な貸倒コストや訴訟関連費用を抑制するため債権良質化に努めてまいりました。経費面では業務効率化等により経費削減等を進めてまいりました。
これらの結果、当連結会計年度の売上高は6,744,792千円(前連結会計年度比10.9%増)、営業利益は155,568千円(前連結会計年度は営業損失101,625千円)、経常利益は105,970千円(前連結会計年度は経常損失146,364千円)、親会社株主に帰属する当期純利益は24,197千円(前連結会計年度は親会社株主に帰属する当期純損失149,938千円)となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。なお、当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しており、以下の前年同期比較については、前年同期の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較しております。
(保証関連事業)
家賃債務保証事業においては、市場シェアの拡大を目的とした既存店舗による売上拡大及び事業者向けプラン「J-AKINAI」の拡販を図るとともに、2019年11月より個人信用情報を審査に用いた新商品「Sシリーズ」の販売拡大により、審査精度、審査スピード、承認率の向上を図りました。また、前期第4四半期より与信審査の強化を図り、貸倒リスクが高い案件の契約を抑制するなど、将来的な貸倒コストや訴訟関連費用を抑制するため債権良質化に努めてまいりました。経費面では、訴訟関連費用等が増加する一方、引き続き業務効率化等により経費削減を行いました。これらの結果、売上高の前年同期比11.8%増に対し、販売費及び一般管理費は同6.1%増となりました。
当連結会計年度の家賃債務保証事業の実績は、当社の保証を取り扱う不動産会社との協定件数は17千件(前年同期比9.6%増)、年間申込件数は180千件(前年同期比1.7%増)、前受保証料を含む保証料受取額は事業者向けプラン増加に伴う単価の上昇及び既存契約からの継続保証料の増加により5,762,718千円(前年同期比9.5%増)となりました。
業績面においては、売上高は6,649,294千円(前年同期比11.8%増)、営業利益は157,579千円(前年同期は営業損失95,536千円)となりました。
(不動産関連事業)
不動産仲介事業は、営業拠点を福岡に一本化し、利益率の向上に努めてまいりましたが、新型コロナウイルス感染症対策としての入国規制措置等の影響により、海外顧客の契約件数が減少いたしました。
これらの結果、当連結会計年度の不動産関連事業の売上高は104,393千円(前年同期比28.5%減)、営業損失は2,232千円(前年同期は営業損失6,088千円)となりました。
当連結会計年度末の総資産につきましては、前連結会計年度末比1,066,892千円増加し7,833,193千円となりました。これは主に、代位弁済立替金の増加925,215千円によるものであります。
負債につきましては、前連結会計年度末比1,042,299千円増加し7,182,801千円となりました。これは主に、増加する代位弁済立替金に充てるための短期借入金の増加650,000千円によるものであります。
純資産につきましては、前連結会計年度末比24,592千円増加し650,392千円となりました。これは主に、利益剰余金の増加24,197千円によるものであります。
これらにより、自己資本比率は前期末比0.9ポイント減少し8.3%となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末比82,222千円増加し、979,058千円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による支出は、195,005千円(前連結会計年度は763,982千円の支出)となりました。主な要因は、代位弁済立替金の増加929,872千円、貸倒引当金の増加561,531千円、前受金の増加246,628千円、法人税等の支払額231,354千円等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による支出は、261,754千円(前連結会計年度は209,739千円の支出)となりました。主な要因は、基幹システムのソフトウェア等の無形固定資産の取得による支出189,580千円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による収入は、538,987千円(前連結会計年度は1,073,842千円の収入)となりました。主な要因は、短期借入金の増加650,000千円等によるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
該当事項はありません。
b. 受注実績
該当事項はありません。
c. 販売実績
「2 事業等のリスク」におけるセグメントの業績において示しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている企業会計の基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成にあたり、資産・負債の残高及び収益・費用の金額に影響を与える会計上の見積りは、過去の実績や現在の状況ならびに入手可能な情報に応じて、合理的と考えられる見積り及び判断を行っておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表の作成にあたって採用している重要な会計方針は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
a. 保証料売上
当社グループは、保証料売上については、「信用補完相当分」を保証契約締結時に、「家賃債務保証相当分」を過去の平均保証期間により均等按分し、収益計上しております。ただし、保証期間の定めのある保証料については、当該期間に基づき収益計上しております。
その見積りの前提とした条件や仮定について変更が生じた場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において認識する保証料売上の金額に重要な影響を与える可能性があります。
b. 貸倒引当金
当社グループは、債権の貸倒れによる損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を勘案し、回収不能見込額を計上しております。なお、債権の分類については、債務者毎の延滞期間に基づいて、一般債権、貸倒懸念債権等特定の債権に分類しております。
その見積りの前提とした条件や仮定について変更が生じた場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において認識する貸倒引当金の金額に重要な影響を与える可能性があります。
c. 繰延税金資産
当社グループは、繰延税金資産の回収可能性について、将来の税金負担額を軽減する効果を有するかどうかで判断しております。当該判断は、収益力に基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性、タックス・プランニングに基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性及び将来加算一時差異の十分性のいずれかを満たしているかどうかにより判断しております。
その見積りの前提とした条件や仮定について変更が生じた場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において認識する繰延税金資産及び法人税等調整額の金額に重要な影響を与える可能性があります。
d. 固定資産の減損
当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。
その見積りの前提とした条件や仮定について、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において追加の減損損失(特別損失)が発生する可能性があります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループは、中期経営計画の中で具体的な経営指標等の目標値を定めております。2023年3月期には売上高8,600百万円、営業利益率8%、一人当たり売上高25百万円を数値目標として設定しております。
売上高については、当連結会計年度は前期比662百万円増加し6,744百万円となりました。2021年3月期は新型コロナウイルス感染症拡大の影響を考慮し、前期比555百万円増加の7,300百万円となる見込みであり、2022年3月期以降は正常な環境に戻り、首都圏や大都市圏の売上拡大が見込まれることから、中期経営計画の数値を達成する見込みです。当連結会計年度の営業利益率は2.3%、一人当たり売上高は20百万円となり、2021年3月期は営業利益率2.7%、一人当たり売上高21百万円となる見込みであり、業務効率化や集約化の取り組みが進展し、各種経費や人員増加の抑制、社員一人ひとりが利益を意識した店舗運営を図ることで中期経営計画の数値を達成する見込みです。増減率については、「(1)経営成績等の状況の概要」に記載のとおりです。
③ 経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループは、「2 事業等のリスク」に記載のとおり、賃貸不動産市況の変化、競合他社との競争の激化、法的規制の変化、システム障害、人材の確保及び育成等、様々なリスク要因が経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。
そのため、当社グループは法令遵守の浸透、市場ニーズへの対応、新サービスの開発、システム基盤の増強、優秀な人材の確保と育成等により、経営成績に重要な影響を与えるリスクへの対応を図ってまいります。
④ 経営者の問題認識と今後の方針について
賃貸不動産市場における外部環境としては、人口減少、都市部への人口集中等が中長期的に継続していくものと見込んでおります。新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、不透明な見通しとなっておりますが、2021年3月期においては、第1四半期は新規契約が前年同期比約15%減、第2四半期から徐々に回復する想定であります。2020年4月の申込件数は対前年同月比約10%減、5月は転勤や転居の再開などにより前年同月と同水準まで回復しており、代位弁済や債権回収においては、目に見えた代位弁済立替金の増加や回収率の悪化は見受けられていないものの、2021年3月期は相応のストレスシナリオの計画となっております。また、2020年5月には新型コロナウイルス感染症の影響長期化による事業環境の変化に備え、安定的かつ機動的な資金調達手段を確保するため、当座貸契約を20億円追加し、合計で85億円のコミットメントライン契約及び当座貸越契約を締結しております。緊急事態宣言下においても一定数の入居需要がみられ、従来行われていた来店・対面による賃貸物件の案内や契約締結は、オンライン化への移行が進んでいることから、電子申込の推進等、事業環境に即したサービス展開を図ってまいります。
主要事業である家賃債務保証事業においては、価格競争を中心とした競合他社との競争激化も見られておりますが、全国網の整備の推進による商圏の拡大、「生活サポートの総合商社」を目指した新サービスの開発、きめ細やかな営業対応による不動産事業者との取引深耕によって売上高を拡大してまいります。。
また、従来、首都圏及び大都市部におけるシェア拡大、当社認知度向上等を目的に相応のリスクを許容し売上拡大してまいりました。現状としては、市場での当社認知度が高まり一定の目標は達成したものの、一方で代位弁済の増加や債権管理に係るコストの上昇がみられたため、シェア拡大よりも債権の良質化を重要視する方針としております。与信機能の強化や審査基準の見直し、不動産会社別の採算管理を徹底し、保証ポートフォリオの良質化、中長期債権の削減、債権管理の強化に努めてまいります。
また、引き続き業務の効率化、集約化をすすめること等により利益率の向上に努めてまいります。

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