有価証券報告書-第6期(平成31年3月1日-令和2年2月29日)
対処すべき課題
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営方針及び経営環境
当社グループはこれからの成長を見据えて、50周年を契機に2018年度から“心にもっとくつろぎを”プロジェクトを開始いたしました。これは、「くつろぐ、いちばんいいところ」を持続させるため、「KOMEDA COMES TRUE.」を合言葉にしたコメダ式サステナビリティ活動です。さらに、経営方針を店舗運営にとって一番大切なQSCのそれぞれの概念を進化させ、Q:もっといいもの、S:もっといいこと、C:もっといいところ、と定め経済価値の向上と社会課題の解決に貢献すべく企業活動を行っております。
(2) 対処すべき課題
当社グループを取り巻く外食産業は、個人消費が依然として低迷していることに加え、昨年の消費税増税以降、消費マインドが冷え込んでおります。さらに、新型コロナウイルス感染症拡大の収束時期が見通せないことなど不確定要素が多く、より一層厳しい経営環境が続くと予測されます。
このような経営環境の中、当社グループは経営方針QSC(Q:もっといいもの、S:もっといいこと、C:もっといいところ)のもと、主力のコメダ珈琲店における既存店収益力の強化と継続的な新規出店による成長を図るとともに、新業態の開発を進めてまいります。また、外部環境の変化に柔軟に対応し、お客様の店舗体験価値を高めるとともに、事業領域を拡大していくことで競争力を強化してまいります。
なお、具体的な施策は以下のとおりであります。
① 新型コロナウイルスによる感染症対策について
新型コロナウイルスによる感染症対策については、本部従業員は原則としてテレワークによる勤務を行っており、テレワークが行えず出社が必要な場合には、時差出勤にてラッシュの時間帯を避けるようにしております。また、5人以上が一堂に会する会議・打ち合わせの開催を禁止し、電話会議やインターネットを用いた会議を行っております。店内対策については、定期的に換気しアルコール製剤による店内清掃を頻繁に行っております。店舗スタッフは、検温・体調チェックシートの記入や手洗い・うがいの徹底を軸に店舗衛生対策を行い、原則マスク着用で感染防止に努めるとともに、お客様には“3密”防止に対するご協力をお願いしております。
お客様へのサービスについては、テイクアウト商品の店頭販売及びパンを含む物販の強化を開始したほか、Uber Eatsや出前館のテイクアウトデリバリーサービスの取り扱い店舗数の拡大、自前による出前サービスへの挑戦、ドライブスルーサービスへの取り組みを検討し、お客様の様々なご利用形態に対応してまいります。
② コーヒー・パンを含む食材の安定供給
当社グループの強みは、自社でコーヒー及びパンの製造設備を保有し、各店舗に毎日提供するサプライチェーンにあります。店舗が全国に拡大している中、安定供給が可能な体制を構築するため、2015年に千葉県に建設したパン工場に引き続き、コーヒー工場についても同エリアに新設し、2018年8月より稼働しております。また、沖縄県に石窯パン工房ADEMOKを出店し、県内のコメダ珈琲店へのパンの供給を開始いたしました。
さらに、自社製造品についてはコーヒーとパンに加え、使用量の多いあんこの製造を開始し、さらなる品質向上と安定供給、並びにブランドを活用した消費者の皆様への販売を実現してまいります。その他の商材については、本部一括購買の強化による仕入価格の最適化に取り組んでまいります。出店エリアの拡大については、物流体制の最適化による安定的で効率的な商品供給を実現してまいります。
③ 食の安心・安全に向けた取り組み
外食産業においては、食の安心・安全に関する社会的要求が非常に高くなっております。
当社グループにおいては、品質管理規程に基づき、食品衛生法、JAS規格、その他の関連法規及び条例を遵守することに加えて、定期的に仕入商品の製造工場への衛生検査を実施することで、安全で衛生的な環境で製造された商品であることを確認しております。また、衛生マニュアルを当社グループの全事業所及びFC加盟店に配布し、各人の意識向上に努めております。さらに、スーパーバイザーの店舗巡回による衛生チェックや指導、外部専門機関による抜き打ちの店舗衛生調査を実施し、店舗HACCPに準拠する衛生管理の運用を開始しております。
④ 既存店収益力の強化
当社グループにとって、既存店の収益力強化は極めて重要な課題と考えております。お客様の店舗体験価値のさらなる向上のためQSC(信頼の品質、スピーディで心地よいサービス、清潔で快適な環境)強化に取り組んでいくととともに、“心にもっとくつろぎを”感じていただくために、以下の施策に取り組んでまいります。
・看板商品や定番商品の改良、新商品の開発・販促、季節限定商品の販売
・お客様の来店増加につながる効果的な販促活動の実施
・接客サービスの向上、Uber Eats取り扱い店舗の拡大やデジタル化対応によるお客様の利便性の向上
・スーパーバイザーによる衛生検査の強化並びに外部専門機関による抜き打ちの店舗衛生調査の強化
⑤ フランチャイズ本部機能の充実
店舗数の拡大並びに業容の拡大に応じ、スーパーバイザーの採用・育成の強化、リスク管理、コンプライアンス遵守の体制、内部統制システムなど本部機能強化に努めてまいります。人的資源を強化するため、社内人材の育成並びに即戦力となる人材の採用に取り組んでまいります。また、特定技能外国人の受け入れ整備を推進し、深刻化する人手不足への対応に取り組んでまいります。さらに、コメダ珈琲店・おかげ庵の店舗と本部の業務の効率化につなげるため、基幹システムの刷新を進めてまいります。
⑥ ブランドロイヤルティの向上
当社グループは、地域のお客様に「くつろぐ、いちばんいいところ」を提供するために、50年以上にわたり喫茶店チェーンを運営してまいりました。今後も地元の皆様に愛され、地域社会の活性化のお役に立てるように店舗運営を磨いてまいります。また、コメダファンのお客様による座談会や試食会を行うコメダ部の活動を通じて、お客様の声をサービスや商品開発に活かしてまいります。さらに、2020年3月にオープンした公式コミュニティサイト「さんかく屋根の下」を利用して、お客様同士が自発的に活動し、ファンコミュニティが広がるような試みも推進することで、お客様の来店動機を高め、常連化を促進してまいります。
⑦ 新規出店の継続と出店エリアの拡大
当社グループでは、継続的な成長を遂げるためには、効果的な新規出店が重要であると考えております。FC加盟店の店舗展開を軸に、出店余地のある東日本エリア、西日本エリアへの出店を引き続き強化し、優良物件の確保に注力いたします。また、FC加盟店経営者の発掘・確保のため、独立支援制度並びに建築支援制度を用意し、入店型の個人経営者の出店を支援してまいります。海外展開については、当連結会計年度に台湾で初めてのFC加盟店を出店いたしました。今後は既に出店している上海、台湾以外にも、ミャンマーやタイに出店を計画しております。出店形態としては、各国の環境を勘案し、現地有力パートナーとのJVによる展開、FC展開または直営店での展開を戦略的に選択してまいります。
⑧ 新業態・新ビジネスの開発
新業態の展開においては、石窯パン工房ADEMOKを沖縄県に出店しました。また、東京都内に初めてとなるおかげ庵をコメダ珈琲店併設型店舗として駒沢公園の前に出店し、地域のランドマークとなっております。
他業態とのコラボレーションとして、大和証券株式会社様とは「くつろぐ、いちばんいいところでお金の未来を考える」をテーマにしたお店を7月に吉祥寺(東京都武蔵野市)にオープンする予定です。世界的に植物性由来(プラントベース)の食が広がり始めていることから、喫茶店では世界初となる動物性由来の食材を一切使用しない(全てプラントベースの)メニューを提供する新業態の“KOMEDA is □”を東銀座(東京都中央区)にオープンする予定です。
さらに、当社グループの強みを補強するノウハウや資産を有している企業またはシナジーが期待できる企業に対するM&A機会を検討してまいります。
⑨ コーポレート・サステナビリティ活動への取り組み
当社グループでは、「くつろぐ、いちばんいいところ」を持続させるため、「KOMEDA COMES TRUE.」を合言葉にしたコメダ式サステナビリティ活動に取り組んでおります。
サステナビリティ活動を推進していくにあたり、外部の有識者との協働でマテリアリティ13項目の特定を完了いたしました。その13項目を、社員やFC加盟店で働く方々になじみのあるQSCに分類し、日常の活動に浸透させることによって、経済価値の向上のみならず、社会課題の解決を果たしてまいります。
(1) 経営方針及び経営環境
当社グループはこれからの成長を見据えて、50周年を契機に2018年度から“心にもっとくつろぎを”プロジェクトを開始いたしました。これは、「くつろぐ、いちばんいいところ」を持続させるため、「KOMEDA COMES TRUE.」を合言葉にしたコメダ式サステナビリティ活動です。さらに、経営方針を店舗運営にとって一番大切なQSCのそれぞれの概念を進化させ、Q:もっといいもの、S:もっといいこと、C:もっといいところ、と定め経済価値の向上と社会課題の解決に貢献すべく企業活動を行っております。
(2) 対処すべき課題
当社グループを取り巻く外食産業は、個人消費が依然として低迷していることに加え、昨年の消費税増税以降、消費マインドが冷え込んでおります。さらに、新型コロナウイルス感染症拡大の収束時期が見通せないことなど不確定要素が多く、より一層厳しい経営環境が続くと予測されます。
このような経営環境の中、当社グループは経営方針QSC(Q:もっといいもの、S:もっといいこと、C:もっといいところ)のもと、主力のコメダ珈琲店における既存店収益力の強化と継続的な新規出店による成長を図るとともに、新業態の開発を進めてまいります。また、外部環境の変化に柔軟に対応し、お客様の店舗体験価値を高めるとともに、事業領域を拡大していくことで競争力を強化してまいります。
なお、具体的な施策は以下のとおりであります。
① 新型コロナウイルスによる感染症対策について
新型コロナウイルスによる感染症対策については、本部従業員は原則としてテレワークによる勤務を行っており、テレワークが行えず出社が必要な場合には、時差出勤にてラッシュの時間帯を避けるようにしております。また、5人以上が一堂に会する会議・打ち合わせの開催を禁止し、電話会議やインターネットを用いた会議を行っております。店内対策については、定期的に換気しアルコール製剤による店内清掃を頻繁に行っております。店舗スタッフは、検温・体調チェックシートの記入や手洗い・うがいの徹底を軸に店舗衛生対策を行い、原則マスク着用で感染防止に努めるとともに、お客様には“3密”防止に対するご協力をお願いしております。
お客様へのサービスについては、テイクアウト商品の店頭販売及びパンを含む物販の強化を開始したほか、Uber Eatsや出前館のテイクアウトデリバリーサービスの取り扱い店舗数の拡大、自前による出前サービスへの挑戦、ドライブスルーサービスへの取り組みを検討し、お客様の様々なご利用形態に対応してまいります。
② コーヒー・パンを含む食材の安定供給
当社グループの強みは、自社でコーヒー及びパンの製造設備を保有し、各店舗に毎日提供するサプライチェーンにあります。店舗が全国に拡大している中、安定供給が可能な体制を構築するため、2015年に千葉県に建設したパン工場に引き続き、コーヒー工場についても同エリアに新設し、2018年8月より稼働しております。また、沖縄県に石窯パン工房ADEMOKを出店し、県内のコメダ珈琲店へのパンの供給を開始いたしました。
さらに、自社製造品についてはコーヒーとパンに加え、使用量の多いあんこの製造を開始し、さらなる品質向上と安定供給、並びにブランドを活用した消費者の皆様への販売を実現してまいります。その他の商材については、本部一括購買の強化による仕入価格の最適化に取り組んでまいります。出店エリアの拡大については、物流体制の最適化による安定的で効率的な商品供給を実現してまいります。
③ 食の安心・安全に向けた取り組み
外食産業においては、食の安心・安全に関する社会的要求が非常に高くなっております。
当社グループにおいては、品質管理規程に基づき、食品衛生法、JAS規格、その他の関連法規及び条例を遵守することに加えて、定期的に仕入商品の製造工場への衛生検査を実施することで、安全で衛生的な環境で製造された商品であることを確認しております。また、衛生マニュアルを当社グループの全事業所及びFC加盟店に配布し、各人の意識向上に努めております。さらに、スーパーバイザーの店舗巡回による衛生チェックや指導、外部専門機関による抜き打ちの店舗衛生調査を実施し、店舗HACCPに準拠する衛生管理の運用を開始しております。
④ 既存店収益力の強化
当社グループにとって、既存店の収益力強化は極めて重要な課題と考えております。お客様の店舗体験価値のさらなる向上のためQSC(信頼の品質、スピーディで心地よいサービス、清潔で快適な環境)強化に取り組んでいくととともに、“心にもっとくつろぎを”感じていただくために、以下の施策に取り組んでまいります。
・看板商品や定番商品の改良、新商品の開発・販促、季節限定商品の販売
・お客様の来店増加につながる効果的な販促活動の実施
・接客サービスの向上、Uber Eats取り扱い店舗の拡大やデジタル化対応によるお客様の利便性の向上
・スーパーバイザーによる衛生検査の強化並びに外部専門機関による抜き打ちの店舗衛生調査の強化
⑤ フランチャイズ本部機能の充実
店舗数の拡大並びに業容の拡大に応じ、スーパーバイザーの採用・育成の強化、リスク管理、コンプライアンス遵守の体制、内部統制システムなど本部機能強化に努めてまいります。人的資源を強化するため、社内人材の育成並びに即戦力となる人材の採用に取り組んでまいります。また、特定技能外国人の受け入れ整備を推進し、深刻化する人手不足への対応に取り組んでまいります。さらに、コメダ珈琲店・おかげ庵の店舗と本部の業務の効率化につなげるため、基幹システムの刷新を進めてまいります。
⑥ ブランドロイヤルティの向上
当社グループは、地域のお客様に「くつろぐ、いちばんいいところ」を提供するために、50年以上にわたり喫茶店チェーンを運営してまいりました。今後も地元の皆様に愛され、地域社会の活性化のお役に立てるように店舗運営を磨いてまいります。また、コメダファンのお客様による座談会や試食会を行うコメダ部の活動を通じて、お客様の声をサービスや商品開発に活かしてまいります。さらに、2020年3月にオープンした公式コミュニティサイト「さんかく屋根の下」を利用して、お客様同士が自発的に活動し、ファンコミュニティが広がるような試みも推進することで、お客様の来店動機を高め、常連化を促進してまいります。
⑦ 新規出店の継続と出店エリアの拡大
当社グループでは、継続的な成長を遂げるためには、効果的な新規出店が重要であると考えております。FC加盟店の店舗展開を軸に、出店余地のある東日本エリア、西日本エリアへの出店を引き続き強化し、優良物件の確保に注力いたします。また、FC加盟店経営者の発掘・確保のため、独立支援制度並びに建築支援制度を用意し、入店型の個人経営者の出店を支援してまいります。海外展開については、当連結会計年度に台湾で初めてのFC加盟店を出店いたしました。今後は既に出店している上海、台湾以外にも、ミャンマーやタイに出店を計画しております。出店形態としては、各国の環境を勘案し、現地有力パートナーとのJVによる展開、FC展開または直営店での展開を戦略的に選択してまいります。
⑧ 新業態・新ビジネスの開発
新業態の展開においては、石窯パン工房ADEMOKを沖縄県に出店しました。また、東京都内に初めてとなるおかげ庵をコメダ珈琲店併設型店舗として駒沢公園の前に出店し、地域のランドマークとなっております。
他業態とのコラボレーションとして、大和証券株式会社様とは「くつろぐ、いちばんいいところでお金の未来を考える」をテーマにしたお店を7月に吉祥寺(東京都武蔵野市)にオープンする予定です。世界的に植物性由来(プラントベース)の食が広がり始めていることから、喫茶店では世界初となる動物性由来の食材を一切使用しない(全てプラントベースの)メニューを提供する新業態の“KOMEDA is □”を東銀座(東京都中央区)にオープンする予定です。
さらに、当社グループの強みを補強するノウハウや資産を有している企業またはシナジーが期待できる企業に対するM&A機会を検討してまいります。
⑨ コーポレート・サステナビリティ活動への取り組み
当社グループでは、「くつろぐ、いちばんいいところ」を持続させるため、「KOMEDA COMES TRUE.」を合言葉にしたコメダ式サステナビリティ活動に取り組んでおります。
サステナビリティ活動を推進していくにあたり、外部の有識者との協働でマテリアリティ13項目の特定を完了いたしました。その13項目を、社員やFC加盟店で働く方々になじみのあるQSCに分類し、日常の活動に浸透させることによって、経済価値の向上のみならず、社会課題の解決を果たしてまいります。