有価証券報告書-第10期(平成30年1月1日-平成30年12月31日)

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2019/03/29 11:27
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経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は以下のとおりであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における我が国経済は、企業収益や雇用・所得環境の改善が見られるなど、緩やかな回復基調が続いています。海外においては米国において良好な雇用情勢を背景に景気拡大が続いている一方、米国の政策運営の不確実性や、東アジアの地政学上のリスクの高まりにより、先行きは不透明な状況にあります。
当社グループの主要事業領域の一つであるインターネット広告市場は、2018年には1兆7,589億円(前年比116.5%:株式会社電通発表)と前年に引き続き伸長しており、中でも主力サービスである運用型広告市場は1兆1,518億円(前年比122.5%:株式会社電通発表)と大きく伸長しております。
このような環境のもと、当社グループは、デジタルマーケティング事業においては、市場成長を着実に捉え、主力サービスである運用型広告を中心に引き続き拡販を進めて参りました。ライフテクノロジー事業においては、デジタルマーケティング事業と並ぶ収益の柱に育てるべく、既存及び新規タイトルへのプロモーション施策に注力しました。また、前第3四半期連結会計期間より、新たにソリューション事業を開始し、各種ゲーム、ツール系アプリ開発、その他各種WEBシステム開発等を行って参りました。
この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a.財政状態
当連結会計年度末における財政状態は、資産2,702,188千円(前連結会計年度末比533,332千円の増加)、負債1,590,968千円(前連結会計年度末比205,431千円の増加)、純資産1,111,220千円(前連結会計年度末比327,900千円の増加)となりました。
b.経営成績
当連結会計年度の経営成績は、売上高7,255,145千円(前期比23.0%増)、営業利益474,113千円(前期比30.0%増)、経常利益455,530千円(前期比25.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益326,654千円(前期比35.4%増)となりました。
セグメントの経営成績を示すと、次のとおりであります。
① デジタルマーケティング事業
当連結会計年度においては、インターネット広告市場が堅調に伸長する環境のもと、主力サービスである運用型広告を中心に、既存取引先からの受注額の増額や新規取引先の獲得が順調に推移し、取扱高が拡大しております。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は6,219,222千円(前期比13.3%増)、セグメント利益(営業利益)は、828,331千円(前期比13.8%増)となりました。
② ライフテクノロジー事業
当連結会計年度においては、「チャットで話せる占いアプリ-ウラーラ」、恋愛相談に特化したチャットアプリである「コイウラ」に続き、メンタルヘルス分野における相談に特化した「メンタルケアーズ」のサービスを開始し、引き続き新規ユーザー獲得のためのプロモーション施策を講じるとともに、収益拡大に向けた取組みを推進いたしました。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は389,146千円(前期比29.6%増)となりました。また、当連結会計年度におけるセグメント利益(営業利益)は、21,431千円(前期比217.2%増)となりました。
③ ソリューション事業
前第3四半期連結会計期間より新たに開始した当事業においては、事業開始以来4件のM&Aを実施し、開発体制の拡充を進めてまいりました。IT利活用の多様化・高度化に伴い拡大するIT需要を取り込み、各種Webシステム開発、スマホアプリ開発、クラウドインテグレーション等の案件受注が順調に拡大しております。また、事業運営の効率化、受注案件への対応力強化等を図るため、当社子会社である株式会社あゆたが当社孫会社である株式会社エス・エス・アヴェニューとの間で吸収分割による事業統合を行うとともに、社名を株式会社Sharing Innovationsに変更しております。
以上の結果、当連結会計年度における売上高は676,430千円(前期比448.9%増)、セグメント利益(営業利益)は166,469千円(前期比374.9%増)となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の期末残高は、534,024千円(前期比168,999千円増)となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は631,840千円(前年同期比486,459千円増)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益449,481千円、預け金の減少302,986千円があった一方で、売上債権の増加135,830千円、法人税等の支払206,701千円等があったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は510,840千円(前年同期比179,002千円増)となりました。これは主に連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出302,401千円、投資有価証券の取得による支出164,103千円、事業譲受による支出27,000千円等があったことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果獲得した資金は47,999千円(前年同期比37,455千円減)となりました。これは主に、短期借入金の純増80,000千円があった一方で、長期借入金の返済による支出33,248千円等があったことによるものです。
生産、受注及び販売の実績
(1)生産実績
当社グループで行う事業は、提供するサービスの性格上、生産実績の記載に馴染まないため、記載を省略しております。
(2)受注実績
当社グループで行う事業は、提供するサービスの性格上、生産実績の記載に馴染まないため、記載を省略してお
ります。
(3)販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称販売高(千円)前年同期比(%)
デジタルマーケティング事業6,216,64313.3
ライフテクノロジー事業389,14629.6
ソリューション事業649,355492.0
合計7,255,14523.0

(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
相手先前連結会計年度当連結会計年度
販売高(千円)割合(%)販売高(千円)割合(%)
株式会社ADKデジタル・コミュニケーションズ818,03913.9901,64712.4

3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
(1)重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。連結財務諸表の作成にあたり、資産及び負債又は損益の状況に影響を与える会計上の見積りは、過去の実績等の財務諸表作成時に入手可能な情報に基づき合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
(2)当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績等
①財政状態
(資産)
当連結会計年度末における資産は、2,702,188千円(前連結会計年度末比533,332千円の増加)となりました。
流動資産は、現金及び預金が534,024千円(前連結会計年度末比168,999千円の増加)、受取手形及び売掛金が1,023,687千円(前連結会計年度末比194,927千円の増加)、預け金が159,868千円(前連結会計年度末比302,986千円の減少)となったこと等により、1,944,443千円(前連結会計年度末比155,261千円の増加)となりました。
固定資産は、有形固定資産が25,423千円(前連結会計年度末比4,550千円の減少)、無形固定資産が346,494千円(前連結会計年度末比184,158千円の増加)、投資その他の資産が385,827千円(前連結会計年度末比198,462千円の増加)となったことにより、757,745千円(前連結会計年度末比378,071千円の増加)となりました。
(負債)
当連結会計年度末における負債は、1,590,968千円(前連結会計年度末比205,431千円の増加)となりました。
流動負債は、買掛金が871,147千円(前連結会計年度末比33,272千円の増加)、短期借入金が230,000千円(前連結会計年度末比80,000千円の増加)、1年内返済予定の長期借入金が7,149千円(前連結会計年度末比26,099千円の減少)となったこと等により、1,589,468千円(前連結会計年度末比212,580千円の増加)となりました。
固定負債は長期借入金の計上により、1,500千円(前連結会計年度末比7,149千円の減少)となりました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は、資本金が184,707千円(前連結会計年度末比1,462千円の増加)、資本剰余金が111,961千円(前連結会計年度末比1,461千円の増加)、利益剰余金が814,604千円(前連結会計年度末比326,654千円の増加)となったこと等により、1,111,220千円(前連結会計年度末比327,900千円の増加)となりました。
②経営成績
(売上高)
売上高の詳細については、第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 経営成績等の状況の概要 (1)財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
(売上総利益)
当連結会計年度における売上原価は、5,768,132千円(前年同期比20.7%増)となりました。主な要因は、デジタルマーケティング事業における売上高の増加に伴う媒体費をはじめとする外注費の増加によるものであります。
以上の結果、売上総利益は1,487,013千円(前年同期比33.2%増)となりました。
(営業利益)
当連結会計年度における販売費及び一般管理費は、主に人件費の増加により1,012,899千円(前年同期比34.7%増)となりました。
以上の結果、営業利益は474,113千円(前年同期比30.0%増)となりました。
(経常利益)
当連結会計年度における営業外収益は1,158千円となりました。主に物品売却益787千円によるものであります。また、営業外費用は、19,741千円となりました。主に支払手数料18,496千円によるものであります。
以上の結果、経常利益は455,530千円(前年同期比25.5%増)となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度における特別利益は、補助金収入及び固定資産売却益の計上により1,186千円となりました。また、特別損失は、減損損失の計上により7,235千円となりました。
法人税等を122,828千円、非支配株主に帰属する当期純損失を0千円を計上した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は326,654千円(前年同期比35.4%増)となりました。
③キャッシュ・フローの分析
キャッシュ・フローの分析については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 経営成績等の状況の概要 (2)キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
b.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社の経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
当社グループの主力事業であるデジタルマーケティング事業においては、順調に拡大を続けるインターネット広告市場の成長率を超える速さで成長させていくとともに、ライフテクノロジー事業やソリューション事業を始めとした、新たなインターネットの潮流を捉えた成長分野へも積極的に挑戦し、企業価値の継続的な向上を目指しております。
当社グループが、将来にわたる持続的な企業価値創造を実現していくためには、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (5)事業上及び財務上の対処すべき課題」に記載の課題に対処していく必要があると認識しております。経営者は常に事業環境の変化に応じて経営資源を最適に配分し、様々な課題に適時適切に対処出来るような組織体制を構築して参ります。
c.資本の財源及び資金の流動性
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、媒体運営会社からの広告枠の仕入れのほか、人件費、外注費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、経常的な設備の更新のための増設、改修等を目的とした投資に加え、投資事業における他企業への出資や当社グループ価値向上のためのM&Aなどの成長投資を積極的に行う予定でおります。
当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としており、運転資金は自己資金及び金融機関からの借入を基本としております。
なお、当連結会計年度末における借入金等の有利子負債の残高は238,649千円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は534,024千円となっております。
d.経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、中長期的な事業拡大と収益率向上による企業価値の向上と株主価値の向上を目指しており、重要な経営指標を売上高、営業利益及び営業利益率としております。
当連結会計年度における経営指標は、売上高7,255,145千円(前期比23.0%増)、営業利益474,113千円(前期比30.0%増)、営業利益率6.5%(前期比0.4ポイント増)であり、引き続き当該指標の向上に邁進していく所存でございます。
e.セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度のセグメントごとの財政状態及び経営成績の状況につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 経営成績等の状況の概要 (1)財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。