有価証券届出書(新規公開時)

【提出】
2019/01/31 15:00
【資料】
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【項目】
58項目

業績等の概要

(1)業績
第2期連結会計年度(自 2017年3月1日 至 2018年2月28日)
当連結会計年度におけるわが国の経済は、海外経済の緩やかな成長に伴う輸出や生産の拡大が続くとともに、国内では雇用や設備投資が持ち直すなど、景気の拡大が続いておりますが、割高感のある米国株価の調整や緩和的な金融政策の急激な変更、東アジアにおける地政学リスク等、先行きの不透明感が増しております。また、少子高齢化に伴う労働市場の変化やIoT/AIが主導する劇的なデジタルトランスフォーメーションの進展により、社会の在り方は大きく変化しており、様々な課題が顕在化している一方で、大きな事業機会も生まれつつあります。
このような事業環境のもと、当社グループでは、ビッグデータに対応したデータベースエンジンとデザイン及びユーザビリティを一新したユーザーインターフェースを備えた「Dr.Sum5.0」を2017年10月にリリースいたしました。これによりデータ量や集計速度の制限により、従来アプローチが難しかった大手企業の開拓を進めていきます。なお、2017年5月にオーストラリアを拠点とし各国の統計局向けサービスを提供しているSPACE-TIME RESEARCH PTY. LTD.(現WINGARC AUSTRALIA PTY LTD)、2017年11月にリテール向けマーケティングソリューションに強みを持つ株式会社リテールマーケティングメソドロジー(現株式会社リテールマーケティングワン)、2018年1月に独自技術を用いたクラウドプラットフォームの運営を行っている株式会社Everforthの株式をそれぞれ取得し、連結子会社としました。各社は今後、各戦略領域において、事業の拡大を担う役割を想定しております。
ソリューション別業績は以下のとおりであります。
(ソフトウェア基盤ソリューション)
ソフトウェア基盤ソリューションの売上収益は10,169百万円となりました。これは主に主力である「SVF」が順調に推移したことに加え、当期に株式会社日立製作所より取得した「EUR」の取り込みにより、収益基盤を拡大させたことによります。また、クラウドサービスである「SVF Cloud」についても、未だ売上規模は小さいものの順調に顧客を獲得しております。
(データエンパワーメントソリューション)
データエンパワーメントソリューションの売上収益は5,396百万円となりました。これは主に、「Dr.Sum」「MotionBoard」に係る通常案件の積み上げに加え、大型案件を獲得したことにより、大きく売上を伸長させたことによります。また、SPACE-TIME RESEARCH PTY. LTD.(現WINGARC AUSTRALIA PTY LTD)、株式会社Everforthを当期に連結子会社化したことも、売上収益の増加に貢献しております。
以上の結果、当期の業績は、売上収益15,566百万円、営業利益4,223百万円、税引前利益4,046百万円、親会社の所有者に帰属する当期利益2,924百万円となりました。
なお、前連結会計年度における実質的な事業活動期間は2016年4月14日から2017年2月28日までの10ヶ月と17日間となっております。このため、前年同期比については記載しておりません。
第3期第3四半期連結累計期間(自 2018年3月1日 至 2018年11月30日)
当社グループは、「Empower Data, Innovate the Business, Shape the Future.情報に価値を、企業に変革を、社会に未来を。」というビジョンを掲げており、社会に存在する様々なデータを活用することで、多くの企業にイノベーションをもたらし、その結果として、より良い社会を実現することを目指しております。
当社グループは、「データエンパワーメント事業」を単一の報告セグメントとしておりますが、提供しているソフトウェア及びサービスの性質により、企業の基幹業務を支える「ソフトウェア基盤ソリューション」と、様々なデータを活用し、今までにない新たな価値を生み出す「データエンパワーメントソリューション」の2つに売上収益を区分しており、「データエンパワーメントソリューション」を戦略の中核に位置付けております。
当第3四半期連結累計期間における売上収益は13,158百万円(前年同期比10.5%増)、営業利益は4,154百万円(同2.6%増)、税引前四半期利益は4,029百万円(同2.6%増)、親会社の所有者に帰属する四半期利益は、前年同期に比べ税金費用が増加したため2,808百万円(同1.4%減)となりました。前年同期比で売上収益は10.5%増加している一方、営業利益は2.6%の増加と横ばいとなっておりますが、「データエンパワーメントソリューション」におきまして、人員獲得及び新サービスの開発に積極的な投資を行っていることによるものです。
ソリューション別の売上収益につきましては、ソフトウェア基盤ソリューションは8,273百万円(前年同期比5.8%増)、データエンパワーメントソリューションは4,884百万円(前年同期比19.4%増)となりました。
ソリューション別業績は以下のとおりであります。
(ソフトウェア基盤ソリューション)
当ソリューションは、企業の基幹業務に必須である請求書や納品書等の帳票類を設計・運用を行うソフトウェア及びサービスである「SVF」「SVF Cloud」が主な構成要素となっております。「SVF」は、大企業・官公庁を中心に安定的に受注を得ており、前年と同程度の売上収益となった一方、「SVF」のクラウドサービスである「SVF Cloud」につきましては、規模はまだ小さいものの契約企業数が前年同月と比較し大幅に増加し、売上収益も大きく成長しました。
この結果、当ソリューションの売上収益は8,273百万円(前年同期比5.8%増)となりました。
(データエンパワーメントソリューション)
当ソリューションは、企業が保有するデータを統合・処理・分析・可視化する事により、業務の効率化や生産性の向上を実現するソフトウェア及びサービスである「Dr.Sum」「MotionBoard」が主な構成要素となっております。「Dr.Sum」は、小売業、サービス業での受注が大きく増加したものの、前年の超大型案件の影響により、売上収益は前年と同程度となりました。「MotionBoard」は、生産現場でのIoT需要を背景に製造業での受注を大きく伸ばしており、働き方改革関連では営業の効率化ソリューションの大規模導入が進みつつあり、売上収益は前年から大きく成長しました。
この結果、当ソリューションの売上収益は4,884百万円(前年同期比19.4%増)となりました。
(2)キャッシュ・フロー
第2期連結会計年度(自 2017年3月1日 至 2018年2月28日)
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末から1,838百万円減少し、4,722百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
なお、前連結会計年度における実質的な事業活動期間は2016年4月14日から2017年2月28日までの10ヶ月と17日間となっております。このため、前年同期比については記載しておりません。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は、4,908百万円となりました。
これは主に、継続事業に係る税引前利益4,046百万円、減価償却費及び償却費1,209百万円、営業債務及びその他の債務の増加額306百万円を計上した一方、法人所得税の支払額689百万円、利息の支払額147百万円があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、2,359百万円となりました。
これは主に、無形資産(ソフトウェア資産「EUR」という。)の取得による支出880百万円、SPACE-TIME RESEARCH PTY. LTD.(現WINGARC AUSTRALIA PTY LTD)、株式会社リテールマーケティングワン、株式会社Everforthの子会社化に伴う連結範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出679百万円、本社移転等に伴う有形固定資産の取得による支出508百万円を計上したことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、4,385百万円となりました。
これは、配当金の支払額2,870百万円、長期借入金の返済による支出1,515百万円を計上したことによるものであります。
第3期第3四半期連結累計期間(自 2018年3月1日 至 2018年11月30日)
当第3四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、2,869百万円(前期末比1,852百万円減)となりました。
当第3四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況と要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は、1,947百万円(前年同期比1,394百万円減)となりました。これは主に、税引前四半期利益4,029百万円、減価償却費及び償却費912百万円があったものの、営業債権及びその他の債権の増加額568百万円、法人所得税の支払額2,178百万円があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により使用した資金は、1,592百万円(前年同期比242百万円増)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出785百万円、東洋ビジネスエンジニアリング株式会社の株式取得に伴う投資の取得による支出803百万円を計上したことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、2,203百万円(前年同期比1,419百万円減)となりました。これは主に、配当金の支払額1,403百万円、借入金の返済による支出796百万円を計上したことによるものであります。
(3)IFRSにより作成した連結財務諸表における主要な項目と日本基準により作成した場合の連結財務諸表におけるこれらに相当する項目との差異に関する事項
前連結会計年度(自 2016年3月7日 至 2017年2月28日)
「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 36.初度適用」に記載のとおりであります。
当連結会計年度(自 2017年3月1日 至 2018年2月28日)
(商標権に対する調整)
日本基準においては、商標権は、商標登録の有効期間にわたって償却を行いますが、IFRSでは耐用年数の確定できない商標権について、償却を行っておりません。この結果、IFRSでは日本基準に比べて、「減価償却費及び償却費」が611百万円減少しております。
(のれんに対する調整)
日本基準においては一定期間にわたりのれんの償却を行いますが、IFRSでは規則的な償却を行わず、毎期減損テストを実施することが要求されます。この影響により、IFRSでは日本基準に比べて、「減価償却費及び償却費」が1,767百万円減少しております。