有価証券届出書(新規公開時)

【提出】
2018/08/08 15:00
【資料】
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【項目】
91項目

業績等の概要

(1)業績
第31期事業年度(自 平成28年10月1日 至 平成29年9月30日)
当事業年度におけるわが国経済は、世界経済をめぐる不確実性を背景とした景気の下振れリスクを有しながらも、企業収益の改善、設備投資の持ち直しや個人消費の増加がみられるなど、緩やかな回復基調で推移いたしました。
不動産業界におきましては、旺盛な不動産投資需要を背景に不動産売買が活発に行われたことや、オフィスの空室率の低下や外国人観光客の増加によるホテル・商業施設への需要増加などから、三大都市圏の商業地における地価上昇が特に顕著となっております。住宅地についても、分譲マンションをはじめとする住宅需要に加え、相続対策としての不動産投資需要、日本銀行により導入されたマイナス金利付き量的・質的金融緩和の影響、不動産業界に対する金融機関の緩和的な貸出態度の継続等により、不動産市場への資金流入が継続し、当社の主要業務である不動産賃貸市場においては、賃貸不動産価格の高止まりが認められ、新規賃貸不動産の投資利回りは低位で推移しております。
このような状況のもと、当社は保有賃貸不動産の入居率の維持向上によるストック収益を確保するとともに、償還期が近接した証券化商品の償還への対応として対象物件の売却を行いました。新規仕入れ物件については市況を踏まえた選別的な検討にとどめ、当事業年度においては仕入れを行いませんでした。また、金融環境等を踏まえ、資金調達構造の見直しを進め、金融機関借入条件の改訂、過年度調達資金の返済、過年度証券化商品の償還と金融環境を踏まえた分配率による新規証券化商品の発行等による営業外費用の低減を図りました。左記資金調達構造見直しに伴う手数料を一括計上したことに伴い、当事業年度の営業外費用として、支払手数料93百万円を計上しております。
<不動産賃貸サービス>当事業年度における不動産賃貸サービス業務においては、利回り及び不動産市況リスクの状況を踏まえて、新規賃貸物件の取得については慎重対応を基本とし、保有物件の入居率の維持向上に注力することにより、安定収益の確保につとめました。
サブリース物件、受託物件についても、前事業年度の売却物件に係わる新規のサブリース物件の安定的な稼動につとめるとともに、既存物件の入居率の維持向上につとめました。
この結果、不動産賃貸サービスの売上高として933百万円(前事業年度比167.0%)を計上いたしました。
<不動産証券化サービス>当事業年度における不動産証券化サービスにおいては、東京都新宿区住吉町に保有するマリオン新宿河田物件を原資産とする証券化商品マリオンボンド20号について、市況を踏まえた物件売却による期限前償還を実施したほか、東京都葛飾区東新小岩5丁目に保有するマリオンウインズ新小岩物件を原資産とする証券化商品マリオンボンド18号及び19号が、当事業年度末において満期を迎えました。新規物件の組成については、市況を踏まえ、選別的な対応を基本とし、新規物件の仕入れによる組成はこれを実施せず、当社保有物件を活用し、東京都新宿区富久町に保有するコンパルティア新宿物件を原資産とするサラリーマンボンド3号の新規組成にとどめました。
この結果、不動産証券化サービスの売上高として521百万円(前事業年度比96.1%)を計上いたしました。
⦅不動産売買>当事業年度における不動産売買においては、物件売却について、東京都新宿区住吉町に保有するマリオン新宿河田証券化対象物件の売却による収益の実現を図りました。一方、新規物件については、市況を踏まえた選別的な検討にとどめた結果、新規の賃貸物件、証券化対象物件の取得は実施しておりません。
この結果、不動産売買の売上高として1,051百万円(前事業年度比89.0%)を計上いたしました。
以上の結果、当事業年度の当社の業績は、売上高は2,511百万円(前事業年度比4.6%増加)、営業利益は763百万円(同14.5%増加)、経常利益は275百万円(同8.2%減少)、当期純利益は152百万円(前事業年度は当期純損失18百万円)となりました。
当社事業は、不動産賃貸関連サービスの単一セグメントであるため、セグメント別の記載は行っておりません。
第32期第3四半期累計期間(自 平成29年10月1日 至 平成30年6月30日)
当第3四半期累計期間におけるわが国経済は、政府の経済政策や日銀の金融緩和政策の継続に伴い、企業業績の向上や雇用・所得環境の改善が継続し、景気は緩やかな回復基調で推移いたしました。一方、米国新政権の政策変更やそれに伴う世界経済への影響、世界的な地政学的リスクの高まりにより、景気の先行きは依然として不透明な状況が続いております。
不動産業界、特に当社が業務展開を行う居住者向け市場におきましては、分譲マンションをはじめとする住宅需要、相続対策としての不動産投資需要は引き続き堅調に推移し、日本銀行により導入されたマイナス金利付き量的・質的金融緩和や不動産業界に対する金融機関の緩和的な貸出態度が継続していること等により不動産市場への資金流入が継続し、当社の主要業務である不動産賃貸市場においては、新規賃貸不動産の投資利回りは引き続き低位で推移しております。
このような状況のもと、当社は保有賃貸不動産の入居率の維持向上努力の継続によるストック収益の確保を図るとともに、償還期が近接した証券化商品の償還への対応として対象物件の売却を行いました。新規仕入れ物件については引き続き市況を踏まえた選別的な検討にとどめ、リスクの制御につとめました。
<不動産賃貸サービス>当第3四半期累計期間における不動産賃貸サービス業務においては、利回り及び不動産市況リスクの状況を踏まえて、新規賃貸物件の取得については慎重対応を基本とし、保有物件の入居率の維持向上に注力することにより、安定収益の確保につとめました。
サブリース物件、受託物件についても、新規のサブリース物件の安定的な稼動と既存物件の入居率の維持向上につとめました。
この結果、不動産賃貸サービスの売上高は、761百万円を計上いたしました。
<不動産証券化サービス>当第3四半期累計期間における不動産証券化サービスにおいては、東京都港区南青山に保有するマリオン南青山物件を原資産とする証券化商品マリオンボンド23号及び24号について、市況を踏まえた物件売却による期限前償還を実施しました。
この結果、不動産証券化サービスの売上高は347百万円を計上いたしました。
⦅不動産売買>当第3四半期累計期間における不動産売買においては、物件売却について、東京都港区南青山に保有するマリオン南青山物件の売却による収益を実現いたしました。新規物件については、市況を踏まえた選別的な検討にとどめた結果、新規の賃貸物件、証券化対象物件の取得は、小口の物件を除き実施しておりません。
この結果、不動産売買の売上高は1,254百万円を計上いたしました。
以上の結果、当第3四半期累計期間の当社の業績は、売上高は2,365百万円、営業利益は697百万円、経常利益は419百万円、四半期純利益は295百万円となりました。
当社事業は、不動産賃貸関連サービスの単一セグメントであるため、セグメント別の記載は行っておりません。
(2)キャッシュ・フロー
第31期事業年度(自 平成28年10月1日 至 平成29年9月30日)
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、税引前当期純利益246百万円を計上したこと、株式の発行による収入を408百万円計上したこと等により、前事業年度末に比べ353百万円増加し、当事業年度末には620百万円となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は1,233百万円(前事業年度は962百万円の獲得)となりました。収入の主な内訳は、税引前当期純利益246百万円、減価償却費259百万円、たな卸資産の減少額634百万円、匿名組合損益分配額269百万円であり、支出の主な内訳は匿名組合損益の分配額(支払額)257百万円であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果支出した資金は48百万円(前事業年度は1,537百万円の支出)となりました。収入の主な内訳は、長期貸付金の回収による収入20百万円であり、支出の主な内訳は、有形固定資産の取得による支出29百万円、無形固定資産の取得による支出19百万円であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果支出した資金は831百万円(前事業年度は571百万円の獲得)となりました。収入の主な内訳は、長期借入れによる収入4,866百万円、株式の発行による収入408百万円であり、支出の主な内訳は、短期借入金の返済による支出1,086百万円、長期借入金の返済による支出4,977百万円、匿名組合預り金の償還による支出479百万円であります。