有価証券届出書(新規公開時)

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2018/08/23 15:00
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89項目

業績等の概要

(1)業績
第69期事業年度(自 平成28年10月1日 至 平成29年9月30日)
当事業年度の我が国経済は、当社業績に影響の大きい住宅着工が底堅い動きとなったほか、インバウンド需要に対応したホテル等の改修工事が好調に推移しました。また、景気回復に人口減少が加わり省力化投資が進むなど、企業、家計ともに緩やかな回復基調が続きました。
そうした中、当社では、主力事業であるプロフェッショナルセグメントで、インテリア事業部門の新製品や畳事業部門の他社機ユーザーへの販促が好調に推移しました。コンシューマセグメントでは、ソーラー・エネルギー事業部門は売上が減少しましたが、コンシューマ事業部門は新商品の開発やBtoCルートの定着につとめました。インダストリーセグメントは、産業機器部門では企業の設備投資に、食品機器事業部門では飲食業界の省力化投資に、それぞれ積極的に対応してまいりました。
その結果当事業年度の業績は、売上高は8,891百万円(前年同期比2.3%増)となりました。損益面では売上総利益率の拡大等により、営業利益431百万円(前年同期比31.6%増)、経常利益389百万円(前年同期比38.9%増)となり、当期純利益は244百万円(前年同期比40.1%増)となりました。
セグメント別の業績は以下のとおりであります。
①プロフェッショナルセグメント
プロフェッショナルセグメントは、インテリア内装施工機器・工具を主力商材とするインテリア事業部門と、畳製造装置を主力商材とする畳事業部門等で構成しております。当事業年度の売上は6,628百万円(前年同期比5.2%増)、営業利益は233百万円(前年同期比18.8%増)となりました。各部門の主な内訳は以下のとおりです。
イ.インテリア事業部門
主力の自動壁紙糊付機発売45周年モデルが好評であったことに加え、各地で前期を上回った展示会が多かったこと等から、工具・副資材の売上が好調に推移しました。また、建機リース業界や、ホームセンター等の新規ルートの開拓を進めたこと等により、売上高は5,587百万円(前年同期比3.9%増)となりました。
ロ.畳事業部門
全国各地での展示会・セミナー等の開催を主とした販売促進施策を継続するとともに、他社機ユーザーに対する販売戦略「構造改革提案」(生産と経営の超近代化提案(家業から企業へ、職人から経営者への変革))により新規取引が増加したこと、ものづくり・商業・サービス経営力向上支援補助金(中小企業庁)の申請支援等により、売上高は1,023百万円(前年同期比12.8%増)となりました。
ハ.その他
上記2事業部門の他にインテリア事業部門と畳事業部門の取引先に対して、コンピュータシステム及び関連資材の販売をしており、その売上高は16百万円(前年同期比4.9%増)となりました。
②コンシューマセグメント
コンシューマセグメントは、特殊機能畳等インテリア商品及び畳替え仲介のエンドユーザー向け商品販売とサービス事業を主力とするコンシューマ事業部門と、産業用、一般住宅用等のソーラー発電システムの販売施工を主力とするソーラー・エネルギー事業部門で構成しております。当事業年度の売上高は1,138百万円(前年同期比11.8%減)、営業利益は74百万円(前年同期比24.6%減)となりました。
イ.コンシューマ事業部門
楽天市場「ニュー畳ライフ」での個人向け畳商品の販売が定着してきたこと、ネットビジネスの畳替えの受付窓口となるJAの新規開拓が進んだこと等により、売上高は581百万円(前年同期比3.3%増)となりました。
ロ.ソーラー・エネルギー事業部門
電力買取価格引き下げが続く厳しい環境で大型ソーラー発電システム案件の受注が難しくなり、当事業年度は50キロワットの小規模産業用ソーラー案件を主体に受注活動を推進した他、本社ショールームを活用した展示会の開催等により家庭用ソーラー案件の推進にも注力しましたが、売上高は504百万円(前年同期比25.6%減)となりました。
兵庫県佐用郡佐用町の自社所有地にメガソーラー発電所「三日月サンシャインパーク」を設置しておりま
す。
その他小規模設備を含め、発電設備は順調に稼働し、売電金額は52百万円(前年同期比3.7%増)となりまし
た。
③インダストリーセグメント
インダストリーセグメントは、畳製造装置やインテリア内装施工機器の開発製造で培った当社のコア技術(「裁断」「検尺」「塗布」「縫製」「剥離」「折畳」「測定」)を活用した産業用機器を主力商品とし、産業機器事業部門と食品機器事業部門で構成しております。当事業年度の売上高は1,124百万円(前年同期比2.7%増)、営業利益は123百万円(前年同期比282.1%増)となりました。
イ.産業機器事業部門
大企業の設備投資需要は堅調で、大手エンジニアリング会社からの引き合いが活発であったことや、大型機器の直接受注等により、売上高は829百万円(前年同期比33.9%増)となりました。
ロ.食品機器事業部門
前事業年度売上の約80%を占めた大手牛丼チェーンへの売上が減少しましたが、他の飲食店チェーンから人手不足に対応する省力化投資の受注が増加しました。しかしながら大手牛丼チェーン向けの売上減少をカバーできるまでには至らず売上高は295百万円(前年同期比38.0%減)となりました。
第70期第3四半期累計期間(自 平成29年10月1日 至 平成30年6月30日)
当第3四半期累計期間におけるわが国経済は、企業の設備投資が増加基調にあるほか、個人消費も緩やかに回復し、景気は回復基調でありましたが、当社の業績に影響が大きい新設住宅着工戸数は昨年7月から本年3月まで9ヶ月連続前年同期比で減少を続け、その後の4月及び5月は前年同月比増加となったものの、本格的な回復基調といえる状況にはありません。このような経済状況のもとで、当社は新製品の開発や原価低減努力による売上総利益率の改善や、業務の効率化を進めてまいりました。
この結果、当第3四半期累計期間の業績は、売上高6,553百万円、営業利益296百万円、経常利益271百万円、四半期純利益171百万円となりました。
セグメント別の業績は以下のとおりであります。
①プロフェッショナルセグメント
インテリア事業部門は新設住宅着工戸数が本年3月まで前年同期比で9ヶ月連続の減少を続けた影響で、工具や施工用テープ等の消耗品の売上がやや低調に推移したほか、糊付機の買い換え需要も発売45周年モデルが好調であった昨年ほどは盛り上がらず、やや低調に推移しました。畳事業部門は、畳製造機器の買い換えを検討する多くの畳店がものづくり・商業・サービス経営力向上支援補助金(中小企業庁)を申請し、補助金採択の発表まで売上が停滞する要因となりました。6月末に発表された採択結果では、当社の予想を上回る件数の畳店の申請が採択され、今後売上が伸びることが期待できますが、当四半期の売上は低調に推移しました。その結果、セグメント売上高は4,739百万円、営業利益は55百万円となりました。
②コンシューマセグメント
コンシューマ事業部門はオーダーカーテンの売上が順調に増加しましたが、柔道畳等の大型案件の受注が低調でした。ソーラー・エネルギー事業部門は、電力買取価格低下の影響で産業用案件が減少いたしました。メガソーラー発電事業は順調に稼働いたしましたが、セグメント売上高は687百万円、営業利益は17百万円となりました。
③インダストリーセグメント
産業機器事業部門は、大企業の設備投資需要が堅調で好調な受注が続きました。また、食品機器事業部門は大手飲食チェーン等の省力化ニーズを捉えた多機能ディスペンサーの売上が引き続き好調に推移しており、セグメント売上高は1,127百万円、営業利益は223百万円となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
第69期事業年度(自 平成28年10月1日 至 平成29年9月30日)
当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末と比較し103百万円減少し、979百万円となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度の営業活動の結果、資金は431百万円増加(前事業年度は556百万円の増加)いたしました。これは主に税引前当期純利益389百万円、減価償却費146百万円及びたな卸資産の減少76百万円などの資金増加要因が、売上債権の増加134百万円、仕入債務の減少92百万円等の資金減少要因を上回ったためであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度の投資活動の結果、資金は112百万円減少(前事業年度は207百万円の減少)いたしました。これは主に、有形固定資産の取得による支出170百万円、無形固定資産の取得による支出11百万円などの資金減少要因が担保預金の払戻による収入100百万円の資金増加要因を上回ったためであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度の財務活動の結果、資金は422百万円減少(前事業年度は449百万円の減少)いたしました。これは主に、短期借入金の返済による支出200百万円、長期借入金の返済による支出155百万円及びリース債務の返済による支出25百万円等によるものであります。