有価証券届出書(新規公開時)

【提出】
2019/02/15 15:01
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【項目】
111項目
(1) 業績等の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態の状況
第11期連結会計年度(自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日)
(資産)
当連結会計年度末の流動資産の残高は前連結会計年度末と比較して786,911千円増加し、2,490,199千円となりました。この主な増加要因は、現金及び預金が467,494千円増加、売掛金が169,053千円増加したことによるものであります。
固定資産の残高は前連結会計年度末と比較して32,408千円減少し、336,249千円となりました。この主な増加要因は、敷金保証金が41,862千円増加したことによるものであり、減少要因は、有形固定資産が11,131千円減少、繰延税金資産が62,251千円減少したことによるものであります。
この結果、資産合計は2,826,449千円となり、前連結会計年度末に比べ754,502千円増加しました。
(負債)
当連結会計年度末の流動負債の残高は前連結会計年度末と比較して631,881千円増加し、1,531,975千円となりました。この主な増加要因は、買掛金が40,413千円増加、1年内償還予定の転換社債型新株予約権付社債が199,500千円増加、未払消費税等が68,957千円増加、前受金が52,717千円増加、前受収益が215,511千円増加したことによるものであります。
当連結会計年度末の固定負債の残高は前連結会計年度末と比較して206,090千円減少し、250,333千円となりました。この主な減少要因は、長期借入金が13,376千円減少、転換社債型新株予約権付社債が199,500千円減少したことによるものであります。
この結果、負債合計は1,782,309千円となり、前連結会計年度末に比べ425,790千円増加しました。
(純資産)
当連結会計年度末の純資産の残高は前連結会計年度末と比較して328,712千円増加し、1,044,139千円となりました。この主な増加要因は、資本金が25,000千円増加、資本剰余金が25,000千円増加、利益剰余金が277,809千円増加したことによるものであります。
この結果、自己資本比率は36.9%(前年同期は34.5%)となりました。
第12期第3四半期連結累計期間(自 平成30年4月1日 至 平成30年12月31日)
(資産)
当第3四半期連結累計期間の流動資産の残高は前連結会計年度末と比較して141,041千円増加し、2,631,240千円となりました。この主な増加要因は、現金及び預金が84,787千円、受取手形及び売掛金が94,563千円、前払費用が40,641千円増加したことによるものであり、減少要因は、繰延税金資産が70,926千円減少したことによるものであります。
当第3四半期連結累計期間の固定資産の残高は前連結会計年度末と比較して14,585千円増加し、350,835千円となりました。この主な増加要因は、有形固定資産が29,591千円増加したことによるものであります。
この結果、資産合計は2,982,075千円となり、前連結会計年度末に比べ155,626千円増加しました。
(負債)
当第3四半期連結累計期間の流動負債の残高は前連結会計年度末と比較して409,203千円減少し、1,122,772千円となりました。この主な減少要因は、1年内償還予定の転換社債型新株予約権付社債が199,500千円、未払消費税等が70,843千円、前受収益が240,875千円減少したことによるものであり、増加要因は、前受金が47,854千円増加したことによるものであります。
当第3四半期連結累計期間の固定負債の残高は前連結会計年度末と比較して762千円増加し、251,096千円となりました。この主な増加要因は、資産除去債務が12,765千円増加したことによるものであり、減少要因は、長期借入金が9,223千円減少したことによるものであります。
この結果、負債合計は1,373,868千円となり、前連結会計年度末に比べ408,440千円減少しました。
(純資産)
当第3四半期連結累計期間の純資産の残高は前連結会計年度末と比較して564,067千円増加し、1,608,207千円となりました。この主な増加要因は、資本金が99,750千円、資本剰余金が99,750千円、利益剰余金が396,410千円増加したことによるものであります。
この結果、自己資本比率は53.9%(前連結会計年度末は36.9%)となりました。
② 経営成績の状況
第11期連結会計年度(自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日)
当社グループはグランドビジョンに「21世紀で最も感動を与えた会社になる」を掲げ、世界に通じる総合インターネットカンパニーを目指し、引き続き成長性の高いIT・インターネット市場に経営資源を集中しております。
当連結会計年度における日本経済は、政府及び日銀の各種政策を背景に、個人消費や設備投資を中心とした内需が景気の牽引役となり、実質GDP成長率がプラス基調で推移するなど、雇用情勢も良好に推移し景気は緩やかに持ち直してまいりました。一方、中国政府の抑制策により減速傾向が見られることや北朝鮮情勢に不透明感があるものの、米国経済は依然堅調に推移していることが下支えとなり、日本の株式市場においても好感材料となっております。このような経済環境の中、当社グループが事業展開を行っているIT人材領域におきましては、労働需給が改善されており、有効求人倍率は着実に上昇し、失業率は緩やかな低下傾向を示しております。また、IT・インターネット業界は、新規ウェブサービス、人工知能やIoTに関する様々なサービスが生まれており、ITエンジニアの需要は増加傾向にあります。
当社グループのIT人材事業においても、顧客企業のITエンジニア不足は経営課題となっており、ITフリーランスの需要はより一層の高まりを見せております。また、スマートフォンゲームのユーザー獲得競争が加速し、機能やデザイン性が高度化し、ゲームタイトル毎の収益性の格差が拡大傾向にある中で、新たに3タイトルの納品が完了し、配信することができました。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は2,581,971千円(前連結会計年度比688,997千円増、同36.4%増)、営業利益は379,854千円(前連結会計年度比374,385千円増、同6,844.8%増)、経常利益は379,270千円(前連結会計年度比378,508千円増、49,633.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は277,809千円(前連結会計年度は21,555千円の損失)となりました。
セグメント別の業績は次の通りであります。
当事業は、ITフリーランスの技術スキル・経験・志向性等をベースに、サービスやプロダクト等のシステム開発にニーズのある企業と最適なマッチングを実現しております。ITフリーランス不足を課題としている顧客企業から当社グループがプロジェクト単位で開発案件の委託を受け、当社グループからITフリーランスへ発注しております。インターネット関連におけるシステム開発案件数の増加と積極的な広告展開により、ITフリーランスの登録数を増やしたことや大阪・福岡エリアへの営業活動により、マッチング機会を最大化させ、成約件数が増加したことで増収増益となりました。
この結果、当事業の売上高は、921,007千円(前連結会計年度比147,221千円増、同19.0%増)、セグメント利益は499,725千円(前連結会計年度比61,189千円増、同14.0%増)となりました。
当事業は、フィリピンセブ州において、合宿型でプログラミングと英語を学ぶことができる「エンジニア留学」が大きな特徴であります。また、エンジニア留学のスクール運営ノウハウと蓄積された豊富なカリキュラムを活用し、受託型スクールも展開したことで、「エンジニア留学」の生徒数増加や受託型スクール案件の増加により増収増益となりました。
この結果、当事業の売上高は161,648千円(前連結会計年度比44,486千円増、38.0%増)、セグメント利益は34,871千円(前連結会計年度比30,664千円増、728.7%増)となりました。
<ゲーム事業>当事業は、大手ゲーム会社と協業して開発及び運営を行うディベロッパー専業であります。株式会社バンダイナムコオンラインから受託開発した「アイドリッシュセブン」はリリースから2年が経過しております。また、株式会社バンダイナムコエンターテインメントと共同開発した「ツキノパラダイス。(ツキパラ。)」を平成29年4月に配信し、株式会社gumiと国内パブリッシング契約を締結した「カクテル王子(カクテルプリンス)」も平成29年7月に配信を開始しました。更に、グリー株式会社から受託開発した「ライブラリークロスインフィニット」を平成30年1月に配信を開始致しました。3本の新規タイトルがリリースされ、受託する運営タイトルが増加したことにより増収黒字化しました。
この結果、当事業の売上高は、1,266,860千円(前連結会計年度比508,997千円増、同67.2%増)、セグメント利益は170,593千円(前連結会計年度は149,573千円の損失)となりました。
<動画事業>当事業におきましては、主にパチンコ・パチスロなどの遊技機系のプロモーション動画制作や、新たなプロダクトとしてVR(仮想現実)等の新技術を活用した案件の獲得が進みました。
この結果、当事業の売上高は98,093千円(前連結会計年度比553千円増、0.6%増)、セグメント利益は16,216千円(前連結会計年度比3,382千円減、17.3%減)となりました。
<インターネット事業>当事業におきましては、主にゴルファー向けの情報サイト「Gridge」を展開しております。また、平成29年12月よりゴルファー向けの情報サイト「Gridge」内にてゴルフアパレルや小物を中心としたECサービスを開始しております。「Gridge」は利用ユーザー獲得に向けての積極的な先行投資を実施しております。
この結果、当事業の売上高は15,458千円(前連結会計年度比1,609千円増、11.6%増)、セグメント損失は86,662千円(前連結会計年度は54,707千円の損失)となりました。
<グローバルリクルーティング事業>当事業は、グローバル化を進める企業も引き続き増加しており、優秀なグローバル人材を採用する動きが加速している反面、当社と競合する企業の増加や企業・学生の就職活動開始のタイミングの早期化など事業面での懸念がある中で、従来のサービスに加えて新卒紹介等の新規サービスの提供など、グローバル人材の採用に積極的な企業とのマッチングを進めましたが、大型就職フェアの一部企業誘致に苦戦しました。また、ウェブサービスの充実とシステム機能の強化を目的にグローバルリーダーナビの全面リニューアルの投資を実施しシステムの一括償却の計上が発生しました。
この結果、当事業の売上高は118,902千円(前連結会計年度比13,871千円減、同10.4%減)、セグメント損失は5,846千円(前連結会計年度は55,402千円の利益)となりました。
なお、平成30年4月6日付で当事業を行う連結子会社である株式会社ベイングローバルの全株式を譲渡いたしました。これに伴い、第12期第1四半期連結会計期間より「グローバルリクルーティング事業」セグメントを廃止しております。
第12期第3四半期連結累計期間(自 平成30年4月1日 至 平成30年12月31日)
当第3四半期連結累計期間における日本経済は、企業収益や雇用及び所得環境の改善を背景に、緩やかな景気回復基調が見られましたが、海外経済においては、米国の保護貿易政策や金融資本市場の変動等を主因とする不透明感が続いております。
当社グループを取り巻く業界においては、ITや情報通信関連の有効求人倍率が高水準で推移する中で、各種ウェブサービス、ゲーム、フィンテック、人工知能、IoT分野において、ITフリーランスの需要はより一層の高まりを見せております。また、スマートフォンゲーム分野は機能やデザイン性の高度化とともに、ユーザー獲得競争が加速し、ゲームタイトル毎の収益格差が拡大傾向にあります。
このような状況の中、当第3四半期連結累計期間の売上高は2,361,890千円、営業利益は478,845千円、経常利益は472,983千円、親会社株主に帰属する四半期純利益は396,410千円となりました。
セグメント別の業績は次の通りであります。
なお、第1四半期連結会計期間において、連結子会社である株式会社ベイングローバルの全株式を、平成30年4月6日付で株式会社ベイングローバルホールディングスを引受先として譲渡いたしました。これに伴い、第1四半期連結会計期間より「グローバルリクルーティング事業」セグメントを廃止しております。
IT人材事業におきましては、引き続き企業のインターネット関連における各種ウェブサービス、ゲーム、フィンテック、人工知能、IoT分野において、ITフリーランスの需要が高くマッチング依頼が増加し、継続契約数の増加に繋がりました。
この結果、当第3四半期連結累計期間における当該事業分野の売上高は803,084千円、セグメント利益は408,759千円となりました。
IT人材育成事業におきましては、合宿型でプログラミングと英語を学ぶことができる「エンジニア留学」が大きな特徴となっており、エンジニア留学が好調に推移しました。また、他企業からの学校受託運営売上も売上高増加へ寄与しました。
この結果、当第3四半期連結累計期間における当該事業分野の売上高は180,242千円、セグメント利益は58,921千円となりました。
<ゲーム事業>ゲーム事業におきましては、株式会社バンダイナムコオンラインから受託開発した「アイドリッシュセブン」及び株式会社バンダイナムコエンターテインメントと共同開発した「ツキノパラダイス。(ツキパラ。)」を運営しております。また、「アイドリッシュセブン」の初の海外版となる繁体字版を平成30年6月に配信を開始いたしました。株式会社スクウェア・エニックスから受託開発した「ワールドエンドヒーローズ」については平成30年11月に配信開始しております。一方で、株式会社gumiと国内パブリッシング契約を締結した「カクテル王子(カクテルプリンス)」については、平成30年7月に配信を停止しております。
この結果、当第3四半期連結累計期間における当該事業分野の売上高は1,238,475千円、セグメント利益は283,347千円となりました。
<動画事業>動画事業におきましては、遊技機向けのプロモーション動画制作や新たなプロダクトとして、VR(バーチャルリアリティ)やMR(ミックスドリアリティ)等の新技術を活用した案件獲得に注力しております。特に遊技機向けのプロモーション動画制作の売上が好調に推移しました。
この結果、当第3四半期連結累計期間における当該事業分野の売上高は105,596千円、セグメント利益は30,728千円となりました。
<インターネット事業>インターネット事業におきましては、新規事業としてゴルフ業界向けのインターネットサービスを積極的に進めており、主にゴルファー向けの情報サイト「Gridge」の運営を主軸とし、利用ユーザーの獲得に向けて積極的な先行投資を実施しています。顧客企業であるメーカー各社に向けては、商品記事制作や動画・リアルイベント等を連動させた販売促進・PR活動の支援を行っています。
この結果、当第3四半期連結累計期間における当該事業分野の売上高は34,490千円、セグメント損失は62,606千円となりました。
③ キャッシュ・フローの状況
第11期連結会計年度(自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日)
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度に比べ、467,534千円増加し、当連結会計年度には1,244,697千円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とその要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により獲得した資金は457,454千円となりました。この主な増加要因は、前受収益の増加222,137千円、未払消費税等の増加68,957千円等によるものであり、減少要因は、売上債権の増加169,862千円、棚卸資産の増加60,841千円等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により使用した資金は31,118千円となりました。この主な増加要因は、事業譲渡による収入30,000千円等であり、減少要因は、有形固定資産の取得による支出14,561千円、敷金保証金の支払による支出46,123千円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により獲得した資金は42,768千円となりました。この主な増加要因は、株式の発行による収入50,000千円、長期借入金の借入による収入43,000千円等によるものであり、減少要因は、長期借入金の返済による支出50,232千円等によるものであります。
④ 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの資金需要は、売上原価であるITフリーランスの集客費や受託開発にかかる外注費、販売費及び一般管理費である人件費であります。これらの資金需要に対しては、短期の運転資金につきましては、自己資金により充当することとし、長期の運転資金や設備投資につきましては、金融機関からの長期借入金、新株発行による調達資金により充当することとしております。
なお、当社のキャッシュ・フローにつきましては、「(1) 業績等の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。現時点において重要な資本的支出の予定はございません。
⑤ 生産、受注及び販売の実績
当連結会計年度における生産、受注及び販売の実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
a.生産実績
生産に該当する事項が無いため、生産実績に関する記載はしておりません。
b.受注実績
セグメントの名称受注高(千円)前年同期比(%)受注残高(千円)前年同期比(%)
ゲーム事業538,387167.0263,722401.4
インターネット事業900
合計539,287263,722

(注) 1.セグメント間取引については相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.IT人材事業、IT人材育成事業、グローバルリクルーティング事業は提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。また、動画事業は概ね受注から役務提供の開始までの期間が短いため、当該記載を省略しております。
4.グローバルリクルーティング事業は、連結子会社である株式会社ベイングローバルで行っておりますが、平成30年4月に当社が保有する同社の全株式を売却しております。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称販売高(千円)前年同期比(%)
IT人材事業921,00719.0
IT人材育成事業161,64838.0
ゲーム事業1,266,86067.2
動画事業98,0930.6
インターネット事業15,45811.6
グローバルリクルーティング事業(注)4118,902△10.4
合計2,581,97136.4

(注) 1.上記の金額には、消費税が含まれておりません。
2.セグメント間取引については相殺消去しております。
3.グローバルリクルーティング事業は、連結子会社である株式会社ベイングローバルで行っておりますが、平成30年4月に当社が保有する同社の全株式を売却しております。
4.最近2連結会計年度及び第12期第3四半期連結累計期間の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。なお、Apple Inc.及びGoogle Inc.に対する販売実績は、当社が同社等を介して行う課金サービスのユーザーに対する利用料の総額であります
相手先第10期連結会計年度
(自 平成28年4月1日
至 平成29年3月31日)
第11期連結会計年度
(自 平成29年4月1日
至 平成30年3月31日)
第12期第3四半期累計期間
(自 平成30年4月1日
至 平成30年12月31日)
金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)
株式会社バンダイナムコオンライン148,8917.9310,91712.0237,79110.1
グリー株式会社121,5746.4260,84010.1103,5004.4
Apple Inc.212,18211.285,0663.3--
Google Inc.214,99411.482,2593.2--
株式会社スクウェア・エニックス28,2621.526,9251.0365,56515.5