有価証券報告書-第35期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における我が国経済は、企業収益や雇用情勢の改善が続くなかで、景気は緩やかに回復いたしました。一方、通商問題の動向が世界経済に与える影響や、中国経済の先行き、海外経済の動向と政策に関する不確実性、金融資本市場の変動の影響により、先行きは不透明な状況で推移しております。
当社グループが属する警備業界におきましては、凶悪犯罪や自然災害、国際化が進む社会を背景とした防犯・防災意識の高まりや、東京五輪・パラリンピックの警備においても大きな期待が寄せられるなど、警備業に対する社会的な需要は増加傾向にあります。その一方で、警備業における人手不足は深刻であり、採用難や雇用維持に伴う人件費の上昇等、依然として厳しい経営環境下に置かれております。
このような経営環境の中、当社グループは、引き続き施設警備の受注拡大に取り組んだほか、安全対策や防犯意識の高まりから需要が増加傾向にある鉄道関連案件の拡大に注力いたしました。また、ラグビーW杯や東京五輪・パラリンピックに向けた警備実績の積み上げとして、ラグビー国際試合の会場警備等に取り組みました。一方で、不採算案件の見直し等による収益改善にも取り組みました。
人手不足に対する施策としては、2018年9月に首都圏に社員寮を設置、警備員採用の専任担当者を設置するなどし、警備員の採用強化に全力で取り組み、従業員数は1,658(うち、平均臨時雇用人員数1,235)名となりました。また、「教育のレベルは、会社のレベル。」というスローガンを掲げており、警備員教育にも注力しております。
これらの結果、当連結会計年度における当社グループの業績は、売上高は5,682,303千円と、前年同期と比べ334,913千円(6.3%)の増収、営業利益は403,649千円と、前年同期と比べ98,319千円(32.2%)の増益、経常利益は426,867千円と、前年同期と比べ37,884千円(9.7%)の増益、親会社株主に帰属する当期純利益は277,010千円と前年同期と比べ16,972千円(6.5%)の増益となり、増収増益となりました。
(売上高)
当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度より334,913千円(6.3%)増加し、5,682,303千円となりました。これは主として、ストック型ビジネスである施設警備の新規開始による安定収益の積み上げ、また鉄道関連案件の拡大に注力した結果、施設・巡回警備分野が好調に推移したことによるものであります。
(売上原価、売上総利益)
当連結会計年度の売上原価は、前連結会計年度より79,976千円(1.9%)増加し、4,218,879千円となり、増加率は売上高増加率と比較すると小幅となりました。これは主として、2018年6月の新幹線内での事件や2018年6月~7月の西日本豪雨の影響によって発生した緊急かつ臨時の高利益率の案件を受注したこと、既存契約先の料金改定や不採算案件の見直しによる収益改善、また労働時間管理の徹底による残業コストの低下などによるものであります。
この結果、当連結会計年度の売上総利益は、前連結会計年度に比べて254,936千円(21.1%)増加し、1,463,423千円となりました。
(販売費及び一般管理費、営業損益)
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べて156,617千円(17.3%)増加し、1,059,774千円となりました。これは主として、採用強化のため設置した社員寮の地代家賃、当社の社会的認知度向上のためのTVCM放映費用、また新規上場における増資に伴う外形標準課税の適用によるものであります。
これらの増加率は、売上高増加率と比較すると増加いたしましたが、売上総利益が増加したことにより、当連結会計年度の営業利益は、前連結会計年度に比べて98,319千円(32.2%)増加し、403,649千円となりました。
(経常損益)
当連結会計年度の営業外収益は、前連結会計年度に比べて23,198千円(22.1%)減少し、82,000千円となりました。これは主に助成金収入の減少及び持分法による投資利益の減少によるものであります。
当連結会計年度の営業外費用は、前連結会計年度に比べて37,236千円(172.8%)増加し、58,781千円となりました。これは主に上場関連費用の発生及び持分法による投資損失の計上によるものであります。
この結果、当連結会計年度の経常利益は、前連結会計年度に比べて37,884千円(9.7%)増加し、426,867千円となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度の法人税等合計は146,292千円となりました。
この結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べて16,972千円(6.5%)増加し、277,010千円となりました。
なお、当社グループは警備事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しておりますが、分野別の業績は以下の通りであります。
分野別の状況について
施設・巡回警備分野
大手企業オフィスビルやロジスティクスセンター等における施設警備の新規開始に取り組みました。これらはストック型ビジネスとして、安定した収益として業績に寄与しております。
鉄道関連案件では、2018年6月に発生した新幹線内での事件を受けて、主に関西方面において新幹線列車内の警戒警備を実施いたしました。また、2018年6月~7月の西日本豪雨で公共交通機関が寸断された影響により、広島県と岡山県内において鉄道施設内外の案内および安全確保の警備を実施いたしました。これらの警備は、社会的意義が大きく、また緊急性が高く高利益率案件であったため、特に注力いたしました。さらに、首都圏では列車内の警戒警備や鉄道施設内のパトロールを行う「鉄道警備隊」を組織して展開するなど、鉄道関連案件の拡大に注力いたしました。
その結果、当連結会計年度における当警備分野の売上高は、前連結会計年度比7.5%増収の3,852,102千円となりました。
雑踏・交通誘導警備分野
公共工事に伴う交通誘導警備の新規開始等に取り組みました。イベント関連案件では、マラソン大会や駅伝大会、ゴルフメジャー大会の会場および周辺の誘導警備などに取り組みました。一方で、前述の新幹線列車内での警戒警備など、社会的意義が大きく緊急性が高い施設・巡回警備分野の案件に最優先で対応した結果、当連結会計年度における当警備分野の売上高は、前連結会計年度比0.2%減収の1,558,233千円となりました。
その他
マンション代行管理では、新規取引開始やアクティブシニアの積極採用に注力いたしました。その結果、当連結会計年度における当警備分野の売上高は、前連結会計年度比33.6%増収の271,967千円となりました。なお、当社の強みであるボディーガードは、今後も注力してまいります。
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産は、前連結会計年度末に比べて1,362,506千円(74.0%)増加し、3,203,500千円となりました。これは主として、現金及び預金が1,353,731千円増加したことによるものであります。
(固定資産)
当連結会計年度末における固定資産は、前連結会計年度末に比べて66,980千円(5.5%)減少し、1,155,884千円となりました。これは主として、保険積立金が46,195千円及びのれんが23,784千円減少したことによるものであります。
(流動負債)
当連結会計年度末における流動負債は、前連結会計年度末に比べて125,246千円(19.8%)増加し、756,695千円となりました。これは主として、人件費や広告宣伝費に関する未払金が63,602千円及び未払法人税等が73,836千円増加したことによるものであります。
(固定負債)
当連結会計年度末における固定負債は、前連結会計年度末に比べて6,597千円(13.8%)減少し、41,181千円となりました。これは主として、リース債務が4,017千円減少によるものであります。
(純資産)
当連結会計年度における純資産は、前連結会計年度末に比べて1,176,876千円(49.4%)増加し、3,561,507千円となりました。これは主として、新株発行による資本金及び資本剰余金が448,707千円増加したこと及び親会社株主に帰属する当期純利益を277,010千円計上したことによるものであります。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末に比べ1,352,198千円増加し、1,976,747千円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況及び増減の要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において営業活動から得られた資金は、前連結会計年度に比べ236,227千円増加し、389,587千円(前連結会計年度は、153,359千円の収入)となりました。これは主として、法人税等の支払109,693千円があるものの、税金等調整前当期純利益423,302千円の計上及び人件費や広告宣伝費などに関する未払金の増加62,457千円があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において投資活動から得られた資金は、69,339千円(前連結会計年度は、24,359千円の支出)となりました。これは主として、保険積立金の積立による支出33,209千円があるものの、保険積立金の解約による収入104,370千円があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において財務活動から得られた資金は、893,272千円(前連結会計年度は、19,962千円の支出)となりました。これは主として、新規上場に伴う株式の発行による収入897,414千円によるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当社グループは、生産活動を行っていないため、該当事項はありません。
b. 販売実績
当連結会計年度における販売実績は、次のとおりであります。なお、当社グループは警備事業の単一セグメントであります。
| 警備分野の名称 | 第35期連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) | 前年同期比 (%) | |
| 施設・巡回警備分野 | (千円) | 3,852,102 | 107.5 |
| 雑踏・交通誘導警備分野 | (千円) | 1,558,233 | 99.8 |
| その他 | (千円) | 271,967 | 133.6 |
| 合計 | (千円) | 5,682,303 | 106.3 |
(注) 1.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合
| 相手先 | 第34期連結会計年度 | 第35期連結会計年度 | ||
| 販売高 (千円) | 割合 (%) | 販売高 (千円) | 割合 (%) | |
| ㈱サン総合メンテナンス | 727,175 | 13.6 | 661,717 | 11.6 |
| ㈱アサヒファシリティズ | 645,678 | 12.1 | 593,895 | 10.5 |
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、経営者により、一定の会計基準の範囲内で見積りが行われている部分があり、資産・負債や収益・費用の数値に反映されております。これらの見積りについては、継続して評価し、必要に応じて見直しを行っておりますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果は、これらと異なることがあります。当社グループの連結財務諸表を作成するにあたって採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりであります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a. 当社グループの経営成績について
当社グループの当連結会計年度の経営成績等は、売上高が5,682,303千円、経常利益が426,867千円、親会社株主に帰属する当期純利益が277,010千円となり、成長が続いております。この主な要因として、採用強化のため設置した社員寮の地代家賃の発生などがあったものの、ストック型ビジネスである施設警備の新規開始による安定収益の積み上げ、緊急かつ臨時の高利益率案件であった鉄道関連案件を受注したことなどによるものと分析しております。
b. 当社グループの資本の財源及び資金の流動性について
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社は、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としており、人件費を主とする営業費用(売上原価、販売費及び一般管理費)に用いる運転資金は自己資金を基本としております。なお、当連結会計年度末における金融機関からの借入金はありません。